FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/12/15:12:13

日経平均株価:高値警戒感から利益確定売りで上値の重い展開

日経平均は5日続伸で寄り付いた後は、前日まで4日続伸したことあり高値警戒感の強まりを受けた利益確定売りが広がり、上げ幅を縮小した。市場では、『米国、欧州での株高を背景に、日本株も上昇した。国内では依然としてデルタ株や医療体制ひっ迫への警戒感があるが、日本株の場合はグローバル比較での出遅れ感が意識され、買われる展開となっている。」との声が聞かれた。結局、前営業日比55円安の2万8015円と5営業日ぶりに下落して終了した。信用評価損益率は6日申し込み時点でマイナス11.01%と、前週のマイナス10.03%からマイナス幅が0.98ポイント悪化した。悪化は3週連続となった。

 

東京外国為替市場:全般110.40円付近でもみ合い相場

ドル/円は、前日に発表された7月米消費者物価指数(CPI)コア指数が予想を下回ったことで、持ち高調整などのドル売り・円買いが先行し、110.32円付近まで下落した。しかし、10日につけた110.29円が下値の目処として意識されると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、110.40円付近へ切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら110.40円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台半ばで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国信用サイクルの転換が先行き減速を示唆

中国人民銀行11日発表の中国21年7月末時点の現預金総額(M2)の増加率は前年同月比+8.3%と事前予想(+8.7%)と6月末8.6%いずれも下回った。融資増加ピッチが前月(2兆1200億元)から鈍化し、銀行融資に企業の債券発行等を加えた7月『社会融資規模』は1兆600億元と増加したが、伸びは前月3兆6700億元から縮小、中国信用サイクルの転換が中国経済先行き減速を示唆している。

 

欧州市場ではユーロ圏6月鉱工業生産が公表:予想:前月比+0.4%

5月実績は前月比∸1.0%だった。食品や衣類など非耐久消費財の生産が減少したことが要因となった。6月については、5月に減少した反動が予想されるが、それでも増加に留まる見込みとなっている。

 

トルコの地域におけるプレゼンスが高まる

エルドアン大統領のインタビューでは、アフガニスタン情勢やイランやイラクからの不法移民について、またソーシャルメディアに対する監視体制などが述べられた。さらに、アフガニスタン和平のために、同国で勢力を拡大する反政府武装勢力タリバンのリーダーと話し合う用意があると述べた。米軍が今月末までにアフガニスタン撤収を進めるなか、北大西洋条約機構(NATO)同盟国であるトルコの地域におけるプレゼンスが高まっている。

 

南アランドは米金利や株式市場の動向次第の値動き

先週末こそは南アフリカ発のニュース(内閣改造で財務相が辞任)でランドは売られたが、先月の大規模な暴動以後を振り返ると、同国ニュースや経済指標で相場が動意づいたのは極僅かである。本日も南アからは主だった経済指標や政治的なイベントも予定されておらず、米金利や株式市場の動向を見極めながらの値動きになる。

 

米7月CPIの伸び鈍化でインフレに一服感

労働省が発表した7月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.5%となった。伸びは6月+0.9%から鈍化し、2月来で最小となった。前年比では+5.4%だった。伸びは縮小予想に反し6月と同水準を維持した。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ動向を判断する上で重要視している食品やエネルギーを除いたCPIコア指数は前月比+0.3%と、伸びは6月+0.9%から予想以上に鈍化し、3月来で最小となった。前年比では+4.3%と、予想通り、6月+4.5%から伸びが鈍化した。インフレが鎮静化し始めたとの見方に米国債相場は堅調となり、10年債利回りは1.37%から1.34%まで低下した。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.8%)
○15:00   4-6月期英GDP速報値(予想:前期比4.8%/前年比22.1%)
○15:00   6月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比9.4%)
○15:00   6月英製造業生産高(予想:前月比0.4%)
○15:00   6月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:91.00億ポンドの赤字/4.00億ポンドの黒字)
○16:00   6月トルコ鉱工業生産(予想:前月比2.1%)
○18:00   6月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比10.4%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:19.00%で据え置き)
○21:00   6月インド鉱工業生産(予想:前年同月比13.5%)
○21:30   7月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比7.3%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比5.6%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:37.5万件/288.0万人)
○13日02:00   米財務省、30年債入札
○13日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.50%に引き上げ)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/11/15:12:51

日経平均株価:戻り売り圧力が警戒され高値もみ合い

前日の米国株式市場の上昇を受けて朝方から堅調地合いを維持し、引き続き好決算銘柄を中心に物色される展開となった。ただ、戻り売り圧力が警戒され、中ごろから高値圏でのもみ合いに終始した。午後になると材料が乏しくなり値動きは次第に小さくなった。結局、182円高の2万8070円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:110.70円が上値目処として意識される展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、110.69円付近まで値を上げた。日経平均株価の続伸でリスク選好が高まったことも、円売りを誘った。ただ、7月14日につけた高値110.70円が意識されると上げはは一服した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、110.65円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。今晩発表される7月米消費者物価指数(CPI)や米FRB当局者の講演を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1720ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の社債市場の急落が世界の債券ファンドにも波及

中国当局による締め付けの動きが国内の社債市場を大きく揺るがし、世界の市場に余波が広がっている。その媒介役となっているのが、中国の証券を近年積み増してきた欧米の資産運用大手だ。新興国を専門とする投資家はかねてからこうした衝撃にさらされてきた。だが中国の債券は今や、世界で広く保有されるようになっており、価格変動はパシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)やブラックロックといった途上国を専門としていない会社が運用する債券ファンドにも影響を与えている。中国社債の保有が多い世界の債券ファンドは、5日までの1カ月間の運用成績が、それぞれのベンチマークをアンダーパフォームした。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が調査会社モーニングスターのデータを分析した。背景には、中国当局による規制強化や政策シフトを嫌気して民間教育サービス、テクノロジー、不動産会社の株式・社債が売り込まれたことがある。

 

トルコではポジティブ材料が重なりリラを下支え

欧州序盤に発表された6月トルコ失業率が10.6%と前回13.2%から大幅に改善したこと、トルコ南西部で発生した山火事の被害が縮小していること、ドル/円が110円台で堅調に推移していることなどが支えとなった。トルコの電子取引プラットフォーム『トレンドヨル』が、ソフトバンクグループなどから計15億ドルの調達で合意との報道もリラ買いの材料となった。しかし、 昨日発表されたトルコ失業率は大幅に改善されたが、まだコロナ制限が完全に解除される前でもあり、求職人数が減ったということが要因の1つである。15歳から24歳の若年層失業率は22.7%と前回から0.2%悪化しており、トルコ労働市場は依然として楽観視はできない。

 

南アのズマ前大統領は刑務所から病院へ移行

ズマ前大統領の高等裁判所への出廷は、前大統領が刑務所から病院へ移されたことで延期になった。ただ、これにより懸念されていたデモや暴動が回避はされたとは言えず、逆に病気を理由にズマ支持者は前大統領の解放を訴えている。前大統領の弁護士は『ズマ氏は心的外傷を抱え、18カ月の措置入院が必要』と述べていた。どこの国の政治家も不利な状況に陥ると病院に入るのは変わらないようである。いずれにせよ、前大統領が残した負のレガシーが現政権にとって様々な面で負担になり続けそうである。

 

メキシコ中銀の金融政策決定会合待ちの様相

市場は12日に予定されているメキシコ中銀の金融政策決定会合を見極めたいとの見方がすでに広がっている可能性がある。現時点では0.25%の連続利上げがコンセンサスとなっているが、重要なのはさらなる利上げを声明文で示唆するかどうかである。そして、7月に入っても収まらないインフレ高に対してどう表現するのかに焦点が向けられており、それまでは様子見ムードが広がる可能性が高い。

 

米労働市場の過熱感:年内の緩和縮小開始も現実味を帯びる

7月雇用統計は6月に続き2カ月連続で100万人近くの雇用が増加、失業率も低下したほか、賃金も上昇、労働参加率も上昇するなど労働市場の強い回復を示す結果となった。続いて発表された6月JOLT求人件数も1007.3万件と、初めて1000万件の大台に乗った。5月分も920.9万件から948.3万件へ上方修正。過去6カ月間に330万件の求人が新たに加わった。一方、依然、1100万人近くの失業者は様々な緊急パンデミック失業者支援の支給を受けている。現状では、7月時点の総失業者数870.2万人に比べ求人件数は137.1万件上回るなど、企業の人手不足の状況を反映。 労働市場への自信を示すとして、特に注目される自発的な退職者数は23.9万人増の3.9万人。退職率(Quits rate)は2.7%と、5月2.5%、昨年1.9%から上昇した。解雇者は一段と減少し、過去最低水準近辺の130万人を維持するなど、労働市場の過熱感も強まりつつある。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官も、9月にも緩和縮小計画を発表し、年内の開始を推奨。市場は現状で2022年初旬の緩和縮小開始を予想しているが、8月の雇用が同様に強く、デルタ株の経済への影響も限定的になった場合は、年内の緩和縮小開始も現実味を帯びてくる。

 

米10年債利回りが1.43%を超えると利回り上昇加速の可能性

米国債がさらに売られれば(利回りは上昇)、住宅ローン関連のヘッジが活発化し、10年物利回りが1.43%を超えるとさらに加速する可能性がある。モルガン・スタンレーのストラテジストらはこのようにみている。ストラテジストの計算によれば、住宅ローンのサービサーは利回りが1.43%になると、0.93%に低下した場合に比べてポートフォリオのデュレーションが2倍に伸びるため、それに対応してヘッジのための米国債売却(コンベクシティヘッジ)が必要になる。これは、利回りがさらに1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇するごとに10年物米国債47億ドル(約5200億円)相当の売り圧力となることを意味する。

 

米国市場では7月消費者物価コア指数が公表:予想:前年比+4.3%

6月実績は前年比+4.5%だった。中古車、ホテル宿泊費、レンタカー、衣料品、航空運賃などの価格が主に上昇した。7月については、中古車、ホテル宿泊費、航空運賃などの価格は高止まりが予想されており、インフレ率は6月実績に近い水準になると予想される。

 

欧米市場のイベント

○15:00  7月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.9%/前年比3.8%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   6月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.2%)
○21:00   6月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比9.1%)
○21:30   7月米CPI(予想:前月比0.5%/前年比5.3%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.4%/前年比4.3%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○12日01:00   ジョージ米カンザスシティ連銀総裁、講演
○12日02:00   米財務省、10年債入札
○12日03:00   7月米月次財政収支(予想:3070億ドルの赤字)

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/10/15:12:31

日経平均株価:個人投資家の利益確定売りが重荷

週末に雇用統計を消化した後の米国株式市場が底堅く推移したことを受け、東京株式市場では好決算銘柄を中心に買いが先行した。その後は、機関投資家不在の『夏枯れ相場』で個人投資家の利益確定売りが重荷となり、急速に上げ幅を縮小しもみ合い相場となった。市場では、朝方の香港市場でのハンセン指数の急速な下げに伴い、日経平均株価も連れ安となったとの見方もあった。短期筋が日経平均先物に継続的に売りを出し、下落に転じる場面もあった。結局、前営業日比68円高の2万7888円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:材料難から110円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、110.40円付近まで値を上げた。しかし、今晩の米国株価動向を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後、日経平均株価が急速に上げ幅を縮小すると、持ち高調整などのドル売り・円買いに110.30円近辺へ押し戻された。午後は、手掛かり材料に乏しく、110.30円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。明日発表される7月米消費者物価指数(CPI)を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1740ドル近辺でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率が低下しユーロ買い比率は上昇

QUICKが算出した6日時点の店頭のFX6社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドル買い比率は前の週末から6.1ポイント低下の58.3%だった。前週の円相場は週末にかけて弱含む場面が目立った。個人投資家は相場の流れに逆らう『逆張り』の傾向が強く、円買い・ドル売りに持ち高を傾ける動きが活発だった。前週の円相場は週半ばにかけて1ドル=108円台後半まで上昇したものの、米雇用関連指標の改善を受けた米長期金ンりの上昇を背景に週末には110円台前半まで下落した。1週間を通じては円安・ドル高が進む結果となり、個人投資家による逆張りの円買い・ドル売りが増えた。他の通貨ペアでも円を買って、外貨を売る動きが目立った。円に対するオーストラリアドル買い比率は4.6ポイント低下の72.1%、ポンド買い比率は1.2ポイント低下の43.5%だった。一方、円に対するユーロ買い比率は2.8ポイント上昇の34.7%だった。

 

トルコ中銀・金融政策会合への警戒感がリラの重石

8月12日に開かれるトルコ中銀・金融政策決定会合への警戒感もリラの重しに繋がっているとの声も聞こえる。物価高騰にもかかわらず、エルドアン・トルコ大統領は『金利が下がればインフレも低下する』という自説を振りかざし、金融当局に対し利下げ圧力を強めている。今週の中銀会合に対する市場コンセンサスは『政策金利、19%で据え置き』ではあるが、トルコメディアによれば、一部からは『金融政策委員会(MPC)がハト派スタンスに傾くのではないか』との見方も出てきた。 7月トルコ消費者物価指数(CPI)が前年比18.95%と2019年4月以来の水準まで上昇するなか、もしトルコ中銀が引き締め姿勢を維持できないようであれば、『中銀の独立性』への信頼度はガタ落ちし、リラを手放す動きが進む可能性が高い。12日までは中銀会合に向けての思惑でリラは振らされることになる。

 

南アフリカではズマ前大統領が初めて出廷する予定

昨日は南アフリカが『女性の日』で祝日だったこともありランドの市場流動性が低いなか、軟調な貴金属市場などが嫌気された。なお、本日は、先月に法廷侮蔑罪で収監されたズマ前大統領が初めて出廷する予定である。出廷するクワズールナタール州のピーターマリッツバーグ高等裁判所には、多数のズマ支持者が集まる可能性が高いとされている。そのため南アの国家警察は、クワズールナタールを含め各地で前回のようなデモ(暴動)などに発展しないように警戒を強めている。今回のように警察がしっかりとした対策を準備しているときには、デモは拡大し難いと思われるが、現地の状況には注意を怠らないようにしておいたほうが良い。

 

メキシコの7月CPIに注目:予想:前年比5.8%、前年比コア4.8%

本日の最新7月消費者物価指数(CPI)が注目される。メキシコ中銀が目標とする3%±1%からはまだまだ高いインフレを保つ中、中銀の見通しでは4-6月のピークを過ぎて本日発表される7月CPIから低下傾向に入るとの予想を立てている。ただ、現時点で予想は前回の+5.88%からわずかに低下する程度になっている。これにより、インフレ高は一時的ではないと市場が判断した場合はさらなる追加利上げへの期待が高まりやすいと思われる。そして、12日にはメキシコ中銀の政策金利発表が控えている。市場予想は4.50%への連続利上げとなっており、声明で追加利上げについて言及があれば、ペソ買いが強まることになる。そういった意味でも、今週は週後半の金融政策決定会合を控えて期待感からペソは底堅く推移しそうである。

 

アトランタ連銀総裁は22年の利上げ開始を予想

アトランタ連銀のボスティック総裁は、もし、今後、1,2カ月間の雇用統計が7月分のような良好な結果がでれば著しい更なる進展目標が達成すると、緩和縮小を示唆した。もし、雇用が急増した場合、9月の緩和縮小決定を支持する可能性もあるとした。同総裁は、2022年の利上げ開始を予想していることも明らかにした。

 

米雇用は過熱感を示唆していとの見方も強まりつつある

米労働省が発表した米国の6月JOLT求人件数は1007.3万件となった。予想927.0万件を上回り、初めて1000万件の大台に乗った。5月分も920.9万件から948.3万件へ上方修正された。過去6カ月間に330万件の求人が新たに加わった。産業別ではプロフェッショナル、ビジネスサービスで22.7万件増、小売りで13.3万件増、宿泊、食品サービスで12.1万件増だった。 依然、1100万人近くの失業者は様々な緊急パンデミック失業者支援の支給を受けている。7月雇用統計の結果に一致する形で、労働市場のスラックも改善基調にある。雇用の過熱感を示唆しているとの見方も強まりつつある。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官も、9月にも緩和縮小計画を発表し、年内の開始を推奨している。8月の雇用が同様に強く、デルタ株の経済への影響も限定的になった場合は、年内の緩和縮小開始も現実味を帯びてくる。

 

米債務上限巡り議会は超党派で対応を:イエレン米財務長官

イエレン米財務長官は9日、連邦政府の債務上限が今月から復活したことを受け、議会が上限引き上げに向け超党派で対応するよう改めて訴えた。声明で、債務上限の引き上げは政府の歳出を増やすことが目的ではなく、『単純に財務省が以前に取り決めた支払いを可能にするもので、こうした義務が果たせない場合、米経済や全ての国民の生活に取り返しのつかない損害を及ぼすことになる』と警告した。2年間続いた債務上限の適用停止措置は7月末に失効し、現行の債務水準である28兆5000億ドルに上限が設定された。議会予算局(CBO)では上限復活に伴い10月にも資金が枯渇する恐れがあるとしている。財務省はすでに公務員の退職年金基金などへの拠出を停止するなどの措置を発表している。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月ノルウェーCPI(予想:前月比0.8%/前年比2.9%)
○16:00   6月トルコ失業率
○18:00   8月独ZEW景況感指数(予想:56.7)
○18:00   8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00   7月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.93%)
○21:30   4-6月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比3.5%)
○21:30   4-6月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.1%)
○23:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○11日02:00   米財務省、3年債入札

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/06/15:10:40

日経平均株価:終日上値の重い展開

朝方に安く始まった後、プラス圏に切り返したが上値は重く、前日終値を挟んだ動きとなった。米雇用統計の発表や国内の3連休を前にした週末で調整売りが出やすく、積極的にポジションをとる動きは限られた。また、新型コロナウイルスの感染状況の悪化は投資家心理の重荷となり、日経平均は下げる場面もあった。結局、前営業日比91円高の2万7820円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:本邦輸入勢からのドル買いで強含み

ドル/円は、日経平均株価の上昇を眺めたドル買い・円売りと三連休を控えて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが、仲値にかけて通常より多く持ち込まれたことで、109.88円付近まで上昇した。ただ、一転して日経平均株価が上げ幅を縮めたことから、これ以上上値を追う展開とはならなかった。仲値発表後は、日経平均株価やアジア主要株価を睨みながら109.80円台で小動きとなった。午後のドル/円は、週末要因と今晩発表される7月米雇用統計を控えて動意に乏しい展開となり、109.80円台を中心とする狭いレンジでの取引に終始した。ユーロ/ドルもドル/円と同様に7月米雇用統計待ちの姿勢から、1.1820ドル台で動意の薄い展開となった。

 

英中銀の早期の金融引き締め観測強まる

英中銀は金融政策決定会合で、政策金利を0.10%、債券購入プログラム規模を8950(国債8750/社債200)億ポンドに据え置くことを市場の予想通り決定した。ただ、債券購入プログラム規模の維持決定を巡り、7対1となり、ソーンダース委員が債券買い入れの減額を主張したため、若干タカ派に転じたとの見方が強まった。
英国経済は新型コロナウイルス変異株感染拡大で、経済活動再開が遅れた。しかし、ジョンソン政権のワクチンプログラムの推進が奏功し活動再開に拍車がかかっており、中銀も中期の経済見通しにおいて、より強い自信を表明した。需要が今年、来年に向けてさらに強まると見ている。金利ガイダンスも『中期的インフレを抑制させるためにいくらかの引き締めが必要である』に修正した。英中銀は現在2.5%近辺の消費者物価指数(CPI)が今年末ごろにインフレが4%まで上昇すると見ており、年末に向けて中銀がタカ派色を強めるとの見方が強まりつつある。2022年の第3四半期、第4四半期の利上げ予想が強いが、万が一、経済が予想以上に強まった場合、さらに前倒しで引き締めが行われることがリスクになり、ポンドの上昇につながりやすい。

 

南アの内閣改造の影響を見る展開

ムボウェニ南ア財務相は財政再建に対して厳しい態度で臨んでいたため、国外投資家からは一定の評価を得ていた。その反面で厳しい財政政策により、国内ではムボウェニ氏を敵視する勢力も多かったのも事実である。ラマポーザ南ア大統領は先月の暴動もあり、国民の怒りを鎮めるために財務相の辞任を受け入れたのかもしれない。新財務相にはアフリカ民族会議(ANC)の経済開発小委員会の委員長を長い間務めていたゴドンワナ氏が就任した。前財務相のように財政に対してどの程度厳格化できるかは未知数で、一部では昔ながらのANCの経済的思考が強いという見方も出ている。新財務相のスタンスを確かめる必要がある。

 

米労働市場の改善を示す結果

労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比-1.4万件の+38.5万件となった。予想の38.3万件を小幅上回ったものの2週連続の減少で40万件も下回った。前回分も40.0万件から39.9万件へ下方修正された。失業保険継続受給者数は293万人と、前回329.6万人から減少し、昨年パンデミックにより経済が封鎖された3月中旬以降初めて、300万人を下回った。労働市場の改善を示す結果を受けて米長期金利が上昇したことでドルが堅調に推移した。

 

パウエルFRB議長の後任候補:ブレイナード理事

民主党の急進左派から22年2月に任期を迎えるパウエルFRB議長の後任候補に金融規制論者のブレイナードFRB理事『昇格』説が浮上すると共に8月ジャクソンホール会合を契機としたパウエル議長『レイムダック』説がまことしやかに囁かれている。ジャクソンホール会合でパウエル再任説の雲行きが怪しくなれば、金融規制強化のブレイナード理事「議長昇格説」が米株「8月相場」を揺るがしかねない。

 

米国市場では7月雇用統計が公表

エコノミストの平均予想によると、失業率は6月の5.9%から5.7%に低下し、非農業部門雇用者数は87万人増と、5月の85万人増から伸びが拡大する見込み。労働市場の改善が示されると予想されている。一方で、先行指標の中で雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は前月比+33万人と、伸びは予想や6月分のほぼ半分にとどまったため、一部ではネガテイブサプライズに警戒感も強まり始めた。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比7.9%)
○15:45   6月仏貿易収支(予想:62.00億ユーロの赤字)
○15:45   6月仏経常収支
○21:30   7月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化17.75万人/失業率7.4%)
○21:30   7月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化87.0万人/失業率5.7%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.8%)
○23:00   7月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00   6月米卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○23:00   6月米卸売在庫(予想:前月比0.8%)
○7日01:00   7月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○7日04:00   6月米消費者信用残高(予想:230億ドル)

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/05/15:11:49

日経平均株価:好決算銘柄を中心に物色した買い優勢

日本株は寄り付きこそ日経平均株価はマイナスで始まったものの、好決算銘柄を中心に物色されて全般は切り返しに転じた。ただ、戻り売りが警戒されるなど上値は重く、保ち合い相場が続いた。また、NYダウ先物や上海株式市場の小高い推移が投資家心理の安心感につながった。結局、前営業日比144円高の2万7728円と3日ぶりに反発して終了した。7月第4週の海外投資家は579億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:新規手掛かり材料難から109円半ばでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価が堅調に推移していることがドル買い・円売りを誘い、109.61円付近まで小幅上昇した。さらに、本日は五・十日にあたり仲値前後にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、109.69円付近までじり高に推移した。その後も、緩やかなドル買い基調が続き、109.72円付近まで上値を伸ばした。午後は、新規手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.65円を中心とするもみ合い相場となり方向感を欠く展開となった。ユーロ/ドルは、1.1830ドル台で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

久しぶりにエルドアン・トルコ大統領が利下げ催促

先週水曜日にトルコ南西部で発生した山火事は、一部の地域では消火活動が追い付かず被害は拡大している。エーゲ海に面した火力発電所にも火の手は迫っており、周辺住民は避難を急いでいると報じられた。リゾート地での災害拡大は、回復が期待された観光業にとって大きなダメージとなり、リラの買い難さにも繋がる。ところで、昨日のNY終盤に、エルドアン・トルコ大統領が『金利が下がればインフレは緩やかになる』と発言したと伝わってきた。市場では『インフレ指標の上振れを受け、トルコ中銀がタカ派スタンスを強化するのではないか』との見方が出つつある中、久しぶりにエルドアン大統領がけん制してきた。大統領の金融政策への口出しは『中銀の独立性』を揺るがせることになり、当然ながらその国の通貨の重石になる。

 

南アでは内閣改造が話題:後任者次第では動意づく可能性も

南アの国内ニュース等での市場の反応は限られているが、南アでは内閣改造がもっぱらの話題になっている。現時点では新型コロナウイルス対策が失敗していることで保健相の交代や、暴動の責任追及もあり複数の閣僚交代の可能性があるのではと報じられている。もしムボウェニ南ア財務相が交代するようなことになった場合は、後任者次第ですがランド/円が動意づくこともあるかもしれないので、注意をしておきたいところである。

 

メキシコでは新規感染者数が増加

メキシコでは新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が1万8911人まで増加している(3日時点)。感染者の6割超がデルタ株ということもあり、さらに感染拡大が進む可能性もある。病床ひっ迫による医療崩壊が避けられていることから、メキシコ政府は行動制限などを行っていないが、今後の動向にも注目される。

 

6日に米7月雇用統計が公表:ネガティブサプライズに警戒

米国の労働省はワシントンで6日に最新7月雇用統計を発表する。先行指標の中で雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は前月比+33万人と、伸びは予想や6月分のほぼ半分にとどまった。パンデミックを受けて、雇用統計よりも労働市場の状況をより正確に反映しているとされる週次失業保険申請件数も再び40万件台に増えており、なかなか、失業者が減少しない。一方で、全米の製造業やサービス業動向を示す、ISM製造業・非製造業の雇用はそれぞれ、52.9、53.8と、6月に活動の拡大と縮小の境目である50を割り込んだのち、再び50台を回復していることはエコノミストの雇用改善予想を後押した。先行指標も強弱まちまちの結果で不透明感が広がる中、雇用統計のネガティブサプライズにも警戒される。

■市場予想:失業率:5.7%(6月5.9%)非農業部門雇用者数:前月比+87万人(+85万人)民間部門雇用者数:前月比+70.9万人(+66,2万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.9%(+0.3%、+3.6%)

 

FRB当局者での金融緩和縮小の見解は一致せず

米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は4日、米経済が新型コロナウイルス禍から驚異的なペースで回復していることを踏まえると、2023年に利上げが可能になる公算が大きいとの見方を示した。この日は、セントルイス地区連銀のブラード総裁とダラス地区連銀のカプラン総裁が、テーパリング(量的緩和の縮小)の早期着手を提唱。総合すると、FRBが予想より速いペースで景気支援を縮小させる公算があることが示された。クラリダ副議長はピーターソン国際経済研究所でのオンライン討論で『利上げに必要な条件は22年末までに満たされると確信している』と表明した。『23年に政策正常化を開始することは、こうした条件の下で、柔軟かつ新たな平均インフレ目標の枠組みと完全に一致する』と語った。FRBの政策を巡っては、ウォラー理事がこのほど、向こう2回分の雇用統計で自身の予想通りに雇用がそれぞれ80万─100万人増加すれば、FRBは10月までに量的緩和措の縮小に着手する可能性があると予想した。一方、ブレイナード理事は、緩和の縮小には国内労働市場の一段の改善が必要だと指摘した。パウエル議長は先週、利上げ検討には程遠いとの認識を示している。

 

米国市場では6月貿易収支が公表:予想:-714億ドルの赤字

5月実績は-712億ドルの赤字だった。米国経済の正常化に伴う輸入増加の影響で貿易赤字幅は拡大した。6月については輸出入額の増加が予想されているが、需要増加に備えて輸入額は5月実績を上回る可能性があるため、貿易赤字幅縮小の可能性は低いとみられる。

 

欧米イベント

○15:00   6月独製造業新規受注(予想:前月比1.9%/前年同月比22.9%)
○15:45   6月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.6%)
○17:30   7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:64.0)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○20:00   MPC議事要旨
○20:30   7月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   6月カナダ貿易収支(予想:6.8億カナダドルの赤字)
○21:30   6月米貿易収支(予想:741億ドルの赤字)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:38.4万件/326.0万人)
○23:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○6日01:00   7月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○6日05:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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