FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/19/15:12:45

日経平均株価:アジア株の軟調な値動きを嫌気した売り

米国株安を嫌気して、寄り付きから3桁の下落となった。米国株市場でフィラデルフィア半導体指数が3日続落したことを嫌気し、半導体関連株が軟化したほか、先駆した海運株も利益確定売りに押された。また、中国などアジア株の軟化が嫌気されたほか、NYダウ先物が方向感なく推移していることが意識された。一方で、相場を取り巻く環境の不透明感から、医薬品や食料品などディフェンシブ銘柄が活況となった。14時半すぎに『トヨタ自動車が9月の世界生産を計画比で4割減らす』と伝わると、日経平均は下げ幅を300円超に広げた。結局、前営業日比304円安の2万7281円となった。1月6日以来約7か月半ぶりの安値となった。8月第2週の海外投資家は1576億円の買い越しとなり、2週連続となった。

 

東京外国為替市場:米FRBの早期テーパリング着手への観測からドル買い

ドル/円は、米FRBが早期にテーパリングに着手するとの観測からドル買い・円売りが進み110.20円近辺まで上昇した。原油先物の下落を嫌気した資源国通貨安・ドル高が波及した面もあった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、欧米金融政策スタンスの違いを意識したユーロ売り・ドル買い基調が続き、1.1666ドル付近まで下落し、昨年11月以来の安値を付ける場面もあった。

 

インフレ高進なら株式と債券双方のリターンに打撃:SWF

ノルウェーが誇る世界最大の政府系ファンド(SWF)運営機関トップは、インフレが高進すれば株式と債券双方のリターンが打撃を受けると警告し、潜在的なインフレの衝撃をかわす余地は限られているとの認識を示した。タンゲンCEOは18日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、『われわれは極めて長期の投資家だ。また、規模があまりに大きいため、身軽に動くことがやや困難だ』と発言した。『カウンターパーティー(取引相手)にとってもある意味、大き過ぎる』と話した。NBIMが運営するSWFの規模は1兆4000億ドル(約154兆円)に上る。『現在は債券利回りが極端に低く、株式相場が極めて高い状況だ。従ってインフレ動向に大きな変化があった場合は、ポートフォリオの両方の部分が打撃を受ける』と発言した。『過去には、その片方が起きていれば、もう片方はなかった。しかし今回は、両方が同じ方向に動き得る』と語った。

 

金ETF(GLD)から資金流出続く:年初来で86億ドル超の流出

18日の米国市場で金を投資対象とするSPDRゴールド・シェアーズ(GLD)から資金が流出した。QUICK Fact Set Workstationによれば、1億1718万ドルの流出となり、過去1週で4億ドル超の流出となった。この日のGLDは前日比0.07%高の167.10ドルで小反発して終えたが、戻したところでは売りが出やすかった。GLDは米国でインフレ懸念が取り沙汰されている割に今年のフローは流出傾向にあり、年初来で86億ドル超の流出となっている。

 

トルコに流れ込むアフガニスタン難民が今後の問題に

アフガニスタンを占領したイスラム原理主義勢力・タリバンが穏健的な声明を発表したため、エルドアン大統領は協力する姿勢を示した。今後は、トルコがタリバンと欧米との仲介役になり得るかが注目される。ただし、いくらタリバンが柔和な態度を示してもアフガニスタンから逃れたい人々は途絶えない。イラン経由でトルコを目指すアフガニスタン人も多く、毎日500人から1000人がイラン経由で入国しているとトルコメディアは報じている。既に約370万人のシリア難民を抱えるトルコとしてはこれ以上の難民を許容できるのか問題になってくる。

 

南アランドは利上げが難しいことから重しに

昨日発表された7月の消費者物価指数(CPI)は、市場予想通りの4.6%となった。南ア準備銀行(SARB)の目標とする3.0-6.0%の中心値をやや上回ったが、この3カ月の中では低い結果となっている。クガニャゴSARB総裁は、この結果について『インフレは大きなリスクではない』と述べている。先月のデモなどによる国内情勢不安もあることで、SARBの利上げは現時点では考えにくいことで、他の新興国の金利と比較すると低金利なことがランドの重しとなる。

 

米7月FOMC議事要旨:今後のコロナ感染や経済の進展次第の状況

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で、経済が一段と進展し、緩和縮小を巡り、ほとんどの参加者が年内の実施が適切と主張したことが明らかになった。ただ、他のメンバーは、来年初旬が適切だと主張し見解が分かれた。見通しにも、かなりの不透明感があると指摘されている。特に、新型コロナウイルスのデルタ変異株が不透明性に繋がり、見通しの下方リスクになる可能性も警告されている。緩和縮小の条件とされている経済の『著しい一段の進展』も、まだ達成できていないとしており、タイミングはまだ不透明のままである。デルタ株流行が予想より悪化した場合、見通し修正もあり得るとしており、今のところ、年内の緩和縮小を適切と考えている委員も、今後の展開次第では、見通しを修正する可能性は十分にある。緩和を続けていることにより、金融安定リスク上昇を指摘するメンバーもいれば、一方で、物価の下方圧力の再発リスクを指摘するメンバーもおり、緩和縮小の軌道にあるものの、方針はあまり固まっていない模様である。緩和縮小のタイミングはデルタ株の行方や8月雇用統計、政府の失業者緊急支援措置が失効したあとの労働市場の状況などの行方次第となる可能性がある。

 

GSの米成長予想を下方修正:デルタ変異株の影響

米銀ゴールドマン・サックス・グループ(GS)のエコノミストは、2021年の米経済成長予想を引き下げた。新型コロナウイルスのデルタ変異株による影響は予想以上で、サプライチェーンのさらなる混乱とインフレ率上昇の前兆とみている。ゴールドマンは今年の米国内総生産(GDP)成長率を6%と予想した。従来の予想は6.4%だった。ゴールドマンは、22年については4.5%と、従来の4.4%からわずかに引き上げた。
デービッド・メリクル氏らエコノミストは18日の顧客向けリポートで、『成長とインフレへのデルタ変異株の影響は予想していたよりやや大きいことが判明しつつある』と指摘。『デルタ変異株などの混乱で、供給がひっ迫している耐久財の価格は年内さらに上昇する公算が大きい』との見方を示した。

 

欧米市場イベント

○15:30   4-6月期スイス鉱工業生産指数
○17:00   6月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:30   7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.7%)
○21:30   8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:23.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:36.3万件/280.0万人)
○23:00  7月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.8%)
○インド(イスラム教新年)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/18/15:11:46

日経平均株価:自立反発狙いの買い優勢

このところ軟調だった反動で自立反発狙いの買いが優勢となったほか、上海総合指数や香港ハンセン指数などのアジア株の底堅い動きも支援した。ただ、市場では引き続き国内での新型コロナウイルス新規感染者数の増加を警戒する声が聞かれるほか、政局の不安定化を懸念する声も少なくなかった。結局、前営業日比161円高の2万7585円で終了した。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から109円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.50円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りはなかった。午後のドル/円は、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、109.68円付近までじり高となった。ただ、19日早朝に公表される米FOMC議事要旨を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。短期筋による利食い売りも見られ、小幅に値を下げて109.65円前後での動きとなった。ユーロ/ドルは1.1715ドル前後で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英賃金上昇率が過去最大:かつてないほどの人手不足

英国の賃金が過去最大の伸びを記録、先月の新たな求人件数は初めて100万件を超えた。新型コロナウイルス対策に伴うロックダウン(都市封鎖)規制が緩和され、かつてないほどの人手不足に陥っている。政府統計局(ONS)の17日発表によれば、6月まで3カ月間の平均賃金は前年同期比8.8%増と、過去最大の上昇率となった。今回の統計内容にはコロナ禍の影響である程度のゆがみがあるものの、足元の賃金上昇圧力はペースが加速している。賃金上昇や求人増加は、英国が過去300年で最も深刻な景気低迷から急速に回復していることを裏付けるが、イングランド銀行(英中央銀行)は労働市場の逼迫は一時的だとみる。

 

イランがウラン濃縮を加速:西側諸国の協議に影を落とす可能性も

国際原子力機関(IAEA)の報告書から、イランがウラン濃縮度を兵器扱いに近い水準に引き上げていたことが分かった。イランは4月に中部ナタンズ核関連核施設で発生した電気系統の問題を受け操業に影響が出たことを受け、ウラン濃縮度を20%から60%に引き上げた。兵器級のウラン濃縮度は90%である。核合意再建に向けたイランと西側諸国の協議に影を落とす可能性がある。

 

トルコは地域和平に向けた役割を果たすことができるか

国際社会が注目しているアフガニスタン情勢に関し欧州連合(EU)は、ほぼ全土を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンを承認するかどうかは別にして、まずは話し合わなければならないという方針を示し始めた。両者が協議する上で今後、タリバンのリーダーに『同盟国』と名指しされたトルコが仲介役となる可能性もある。 トルコが地域和平に向けての役割を果たすことができれば、同国の国際的な信用度はかなり増すことになる。ただ気をつけなければならないのは、イスラム原理主義に絡んだ何らかの怒りをトルコが買ってしまうことである。2015年から17年のように同国がテロの標的となってしまうようだと、再びリラが下値を模索することになる可能性もある。

 

南アの7月インフレ指標が公表:暴動後は利上げ論は後退

本日は注目度が高い南アの消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。市場は前年比で+4.6%と予測し、3カ月連続で南ア準備銀行(SARB)の目標レンジ3-6%の中心値を上回ると予想している。本来ならばインフレ高止まりにより利上げ予想も出てくるが、先月の南アの暴動以来利上げ論が大幅に後退している。余程大きく市場予想との乖離がない限りは、市場の反応は限られる。また小売売上高も発表されるが、暴動前の6月の数値のため市場が反応するのは難しい。

・7月南アフリカCPI(予想:前月比1.1%/前年比4.6%)
・6月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比9.6%)

 

米国ではデルタ変異株流行が消費に悪影響

商務省が発表した7月小売売上高は前月比-1.1%になった。6月+0.7%から伸びは再びマイナスに落ち込んだ。そして、市場予想も下回った。ガソリンスタンドや外食の売り上げが伸びた一方、自動車・自動車部品、衣料品やスポーツ用品の売り上げが減少した。変動の激しい自動車を除いた7月小売売上高も前月比-0.4%と、6月+1.6%から予想外のマイナスに落ち込んだ。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材・給油を除いたコントロールグループと呼ばれる7月小売売上高は前月比-1.0%になった。伸びは6月+1.4%からマイナスに落ち込み、下落率は予想のほぼ4倍になった。7-9月GDPの成長が抑制される可能性を示唆した。政府支援により押し上げられた需要が一段落したほかパウエルFRB議長も警戒していた新型コロナウイルスのデルタ変異株流行で、消費者マインドが再び悪化した。

 

バイデン米大統領の支持率は就任以来最低

16日に実施したロイター/イプソスの週間世論調査によると、バイデン米大統領の支持率は前週から7ポイント下がって46%となり、就任以来最低を記録した。米国が支援してきたアフガニスタンの民主政権崩壊と、イスラム主義組織タリバンによる政権掌握が影響したとみられる。16日に行った別の調査では、今年に入ってからバイデン氏が遂行したアフガンの外交・軍事政策について肯定的な評価は5割に届かず、過去の3人の大統領が進めてきたアフガン政策に対する評価を下回った。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○15:00      CPIコア指数(予想:前年比2.2%)
○15:00   7月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比3.6%)
○17:00   7月南アフリカCPI(予想:前月比1.1%/前年比4.6%)
○18:00   6月ユーロ圏建設支出
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○18:00   7月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.7%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   6月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比9.6%)
○21:30   7月カナダCPI(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
○21:30   7月米住宅着工件数(予想:160.0万件、前月比▲2.6%)
         建設許可件数(予想:161.0万件、前月比1.0%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○19日01:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○19日02:00   米財務省、20年債入札
○19日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月27日-28日分)

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/17/15:10:52

日経平均株価:戻り上値の重さを嫌気して4日続落

前日のNYダウ最高値更新を好感したほか、自立反発を狙った買いが優勢となった。ただ、新型コロナウイルスの変異種『デルタ』の感染拡大が依然として警戒されており、積極的な上値追いの原動力にはならなかった。市場では緊急事態宣言の延期・対象地区拡大により、経済正常化の遅れを懸念する声も聞かれた。後場には下げに転じて安値引けとなった。結局、前営業日比98円安の2万7424円と4日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い強く上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが入り109.20円付近まで下落した。アフガニスタン情勢が緊迫化していることもリスク回避の円買いを誘った。ただ、前日比の海外市場でつけた109.12円が下値目処として意識されると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、109.30円付近へ値を切り返した。午後は、手掛かり材料難から109.30円前後で方向感の乏しい展開が続いた。ユーロ/ドルは、1.1770ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国は雇用支援に向け財政・金融政策強化へ

中国国務院(内閣に相当)は、『クロスシクリカル』な調整を一段と進め、経済運営を妥当なレンジに維持し、効果的な投資の促進に向け地方債を活用する方針を表明した。このほか、主要コモディティー(商品)の価格上昇への対応策を改善し、銀行の預金準備率引き下げで得られた資金を中小企業支援に利用する方針なども示した。中国国家統計局が発表した7月の鉱工業生産と小売売上高はともに前年同月比の伸び率が6月から鈍化し、市場予想も下回った。輸出の減速に加え、新型コロナウイルスの国内感染拡大や洪水で景気の下振れ圧力が強まる兆候が見られている。

 

アフガニスタン情勢でトルコのプレゼンスが高まるか注目

国際社会が警戒感を高めているアフガニスタン情勢では、トルコの役割が重要となってきている。国外への脱出を望む人たちで混乱に陥ったカブール空港では、米国防省がトルコ軍などと制御に努めていることを表明した。また、エルドアン・トルコ大統領は先週、(イスラム原理主義勢力)タリバンと話し合う用意があると述べ、アフガニスタンのほぼ全域を掌握したタリバンのリーダーは『トルコは同盟国である』との見解を示したとも報じられている。地域和平に向けてトルコのプレゼンスが高まれば、今後の欧米との関係改善にも繋がる可能性もある。

 

南ア準備銀行総裁のインタビューが話題

市場を動意づけてはいないが、週末に行われたクガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁のインタビューが話題になっている。総裁は『SARBは物価の安定と最大の雇用を追求するという二重の使命を持っていると思っている人たちがいるが、持続可能な雇用を生み出すのは低金利やより多くのお金を印刷することではないことを認識する必要がある』と述べている。これは雇用についてSARBに責任がないということではなく、構造改革などの根本的な改革がない状況で、SARBの金融政策だけでは雇用を増やすことはできないという意味である。来週に南アの4-6月期失業率が発表されることで、雇用悪化が金融政策に影響を与えるものではないと事前にくぎを刺したとも言える。

 

コロナ感染の再増加などで米FRBの金融緩和見直し姿勢に注目

米国市場では、本日パウエルFRB議長の講演と質疑応答が予定されている。また、18日にはFRBが7月27-28日に開催したFOMCの議事録が公表される予定となっている。
米国では変異種(デルタ株など)を含めたコロナ感染の再増加などで、景気の減速が懸念され始めた。その中でFRBから金融緩和見直しへの慎重姿勢が示されると、為替相場ではドル安の材料となりやすい。

 

米国市場では7月小売売上高が公表:予想は前月比∸0.2%

6月実績では、主要13分野のうち9分野で売上高が増加したが、自動車・同部品ディーラーの売上高は減少した。7月については、衣料品、電気製品の売上高は前月並みとなる可能性があるが、自動車円同部品ディーラー、オンラインの売上高は減少する可能性があることから、全体の売上高は減少する可能性がある。

 

米国市場では7月鉱工業生産が公表:予想は前月比+0.5%

原材料の供給不足や出荷遅延、熟練労働者の不足などで生産が抑制されており、製造業の生産水準はさえない状態が続いている。この状況は7月も大きく変わらないと予想されており、やや小幅な伸びにとどまる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00   4-6月英失業率(ILO方式、予想:4.8%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比2.0%/前年比13.7%)
○21:00   菅首相、新型コロナウイルス対応について記者会見
○21:15   7月カナダ住宅着工件数(予想:27.50万件)
○21:30   6月対カナダ証券投資
○21:30   7月米小売売上高(予想:前月比▲0.2%/自動車を除く前月比0.1%)
○22:15   7月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
         設備稼働率(予想:75.7%)
○23:00   6月米企業在庫(予想:前月比0.8%)
○23:00   8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:80)
○18日02:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、討議に参加
○18日04:45   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/16/15:12:04

日経平均株価:懸念材料が重なったほかアジア株の下げも嫌気

寄り付前に内閣府が発表した2021年4-6月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比0.3%増、年率換算で1.3%のプラス成長となるなど好材料があった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大、アフガン情勢による地政学リスクの浮上、円高に対する警戒感、大雨の景気への影響など懸念材料が重なり、全体的に売りが優勢になった。また、台湾や本校などアジア株の下げもあって、幅広い銘柄に売りが出た。結局、前営業日比453円安の2万7523円と3日続落となり、7月30日以来約半月ぶりの安値となった。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いが優勢

ドル/円は、日経平均株価の大幅安や米長期金利低下を背景にドル売り・円買いが進み、一時109.33円付近まで下落した。中国国家統計局が発表した7月の鉱工業生産と小売売上高が、共に予想を大きく下回ったこともリスク回避の円買いを誘った。しかし、今晩の欧米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きが見られ、109.40円近辺まで戻した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価を睨みながら、109.40円台でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1790ドルを挟んで方向感を欠く展開になった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

前週のFX概況:ドル買い比率は逆張りで上昇

QUICKが16日に算出した13日時点の店頭のFX6社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドル買い比率は前の週末から6.0ポイント上昇の64.3%だった。米FRBの緩和的な金融政策が長引くとの見方から円相場が強含んだ場面で、円売り・ドル買いに持ち高を傾ける個人投資家が多かった。前週の円相場は米雇用情勢の改善を受けて一時1ドル=110円台後半まで売られたが、13日発表の8月の米消費者態度指数の大幅な低下でFRBが量的金融緩和の縮小を急がないとの観測が盛り返した。円は109円台半ばまで上昇している。市場では『ドルを安く買いたいと考えていた個人投資家による円売り・ドル買いが週末に一気に出た』との声もあった。

 

中国7月経済指標は軒並み予想下回る:8月は一段の悪化も

中国国家統計局が16日発表した7月の主よな経済統計は、軒並み市場予想を下回る低調な結果となった。河南省での洪水や7月下旬以降の新型コロナウイルスの感染再拡大が経済活動の重荷となった。インド型(デルタ型)の変異ウイルスの感染は8月に入ってからも広がり続けており、市場は先行きへの警戒感を強めた。世界的な半導体不足や商品価格の高騰を背景に、自動車や鉄鋼業は前年比でマイナスに転じた。中国経済をけん引してきた輸出にも陰りが見られる。ワクチン接種のふきで防疫関連品の輸出が減ったほか、物流網の乱れなども影響した。

 

トルコ中銀の政策会合の通過とフィッチの格付けは変更なし

トルコ中銀は12日、予想通り5会合連続となる『政策金利を19%で据え置き』を決定した。中銀は声明で『インフレレポートの予測に沿った大幅な物価低下が達成されるまで、現在の引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する』とタカ派スタンスを再表明した。一部では、利下げを望むエルドアン大統領の意向を汲んだ内容となるのではないかという警戒感もあった。フィッチは先週末、トルコ格付け『BB-』の維持を確認し、見通しを『安定的』で維持した。トルコの金融政策の信頼性の低さ、高いインフレ率、国内情勢の不確実性、地政学リスクなどが同国格付けの低さを反映しているとフィッチは述べた。ただし、21年の成長予測は前回6.3%から7.9%に上方修正した。

 

南アでは7月暴動以来早期利上げ観測は後退

財政再建に積極的に取り組み、海外からの評価が高かったムボウェニ南ア前財務相が、内閣改造で退任。ゴドンワナ新財務相への評価が不透明ななかで、ランド/円は上値が限られそうである。経済指標では、18日の7月消費者物価指数(CPI)と小売売上高が発表予定。CPIは上昇傾向にあるが、7月の暴動以来、南アの早期利上げ観測が後退している。今回の結果に対する動意は薄そうである。なお、南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)は8月は行われず、次回は9月23日の予定になっている。

 

メキシコ中銀は次回会合では利上げ効果を見極めるとの思惑も

先週、メキシコ中銀は市場の予想通り0.25%の利上げを発表し、声明では金利の見通しとして、メキシコ中銀目標の3%前後に収束する時期を後ずれさせるなど内容としてはタカ派的とも見えた。ただ、利上げが全会一致ではなく3対2で拮抗していたことが今後の利上げ期待をやや後退させている。声明文の後半に表現されている今後の金融政策の運営については、従来の『インフレが持続的に3%目標に収束するよう、今後の情報に基づいて必要な措置を講じる』から『次回会合のために、インフレや予測軌道、期待などに影響する要因を改めて評価する』に変更したことで、次回会合ではいったん政策金利の引き上げを見送って、利上げの効果を見極めるのではとの思惑も浮上している。

 

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数は予想外の大幅低下

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は70.2と、7月81.2から予想外に大幅低下した。11年12月以降ほぼ10年ぶり低水準に落ち込んだ。昨年のパンデミック発生時よりも低い水準となった。現在景況感は77.9と、7月84.5から予想以上に低下し昨年パンデミックにより経済が封鎖した昨年4月来で最低となった。消費者先行景況感は65.2と、7月84.5から低下し、2013年10月以降8年ぶりで最低となった。新型コロナ・デルタ株流行やインフレへの警戒感で消費者信頼感が悪化した可能性がある。また、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待指数として注目している同指数の1年期待インフレ率速報値は4.6%と、7月4.7%から低下した。一方で、5-10年期待インフレ率速報値は3.0%と、7月2.8%から上昇し、5月来で最高となった。

 

米利上げなし想定のポジション急増:テールリスクに備えるポジション

世界的な景気回復を巡る楽観を背景に米国債利回りは上昇しているが、ユーロ/ドルオプション市場では米FRBが全く利上げをしないと見込むポジションが積み上がってきた。トレーダーらは、2025年3月の3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が0.5%未満と見込むユーロドル・コールオプションを買い急いでいる。事実上の米ゼロ金利がそれまで維持された場合に利益が出るポジションになっている。米利上げが全くない極端なシナリオが実現するテールリスクに備えるヘッジ目的のこのポジションは、過去1週間に積み上がった。

 

欧米市場のイベント

○15:30   7月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比11.30%)
○21:30   6月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲2.0%)
○21:30   6月カナダ製造業出荷(予想:前月比2.5%)
○21:30   8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:29.0)
○17日05:00   6月対米証券投資動向

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/13/15:12:25

日経平均株価:見送りムード強く小幅続落

前日の米国株式市場が上昇したことを受けて買い優勢で始まったものの、週末となって全体的に見送りムードが強まり一進一退になった。前日に通期業績見通しの上方修正をは票したリクルートホールディングスが大幅上昇し、時価総額で10兆円を超えるなど、好決算銘柄を物色する動きは続いた。また、企業決算が好調で売りポジションも取りにくく、一時的に日経平均がマイナスに転落しても、総じて底堅い展開となった。結局、前営業日比37円安の2万7977円と小幅続落して終了した。8月第1週の海外投資家は710億円の買い越しとなり、3週間ぶりの買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:市場参加者少なく110.40円前後でこう着

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、110.46円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた高値110.54円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、米長期金利低下を眺めたドル売りに110.30円台へ押し戻された。午後は、お盆休み中で市場参加者が通常より少なく、110.40円前後でこう着相場となった。110.50円には本日NYカットで期限を迎えるまとまったオプションが観測されているため、これも値動きを抑制させた。ユーロ/ドルは、1.174ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀は政策金利を据え置きと引き締めスタンスの維持

トルコ中銀の金融政策決定会合では、予想通り5会合連続となる政策金利19%で据え置きが決定された。中銀声明では『インフレレポートの予測に沿った大幅な物価低下が達成されるまで、現在の引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する』、『強力なディスインフレ効果を維持するため、政策金利は引き続きインフレ率を上回る水準に設定される』などと述べられた。 一部では、エルドアン大統領の利下げ要求を配慮して金融政策委員会がハト派に傾くのではないかとの思惑もあったが、インフレ抑制に向けた方針維持は好感された。イスタンブール株式市場の主要指数も2%超高と堅調なまま引けた。

 

南アでは電力不足の中で発電所が爆発:ランドにとってネガティブ材料

メドゥピ発電所の4号機での爆発が起こったことについて、国営電力会社エスコムのデルイターCEOは修復には2年かかると述べている。電力不足は南ア国内の大きな問題の一つであり、現在は市場のメイントピックではないものの、中長期的にみるとランドにとってもネガティブ材料となる。

 

パウエル米FRB議長再任に暗雲:再任には民主左派が難色

ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任の是非を巡り、民主党内で不協和音が生じている。ジョー・バイデン大統領の経済チームはおおむね再任を支持しているが、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)ら党内の有力左派議員が難色を示しており、議長交代につながる可能性がある。内情に詳しい関係筋が明らかにした。パウエル氏は、失業率改善を一段と重視する方向へとFRBを導いたとして、一部の民主党議員から高い評価を受けている。こうした動きはFRBが昨年、新型コロナウイルス禍に対して強力な対応策を講じたことと重なる。
だが、左派からは不満の声が漏れる。パウエル氏が2008年の金融危機後に導入された金融規制の緩和に傾いたためで、与党・民主党の政治路線により整合する人物を議長にすべきだとの立場である。

 

米7月PPIは2020年来で最大の伸び

米労働省が発表した7月生産者物価指数(PPI)は前月比+1.0%と、伸びが6月から鈍化予想に反し同水準を維持した。前年比では+7.8%と、6月から減速予想に反し、伸びが拡大し、統計方法が修正された2010年来で最大を記録。変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+1.0%と、6月から伸びの減速予想に反し、同水準となった。前年比では+6.2%と、6月から予想外に伸びが拡大し、2010年来で最大となった。

 

7月雇用統計結果を受けFRB高官の早期テーパリングの意見増加

強い7月雇用統計を受けて、FRB高官の早期の債券購入縮小を支持する意見が増えている。超タカ派で知られるカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は『異例なFRBの金融緩和を巻き戻す時がきた』としたほか、ダラス連銀のカプラン総裁は、もし、経済が予想通りに展開したら9月FOMCでテーパー計画を発表し、10月にテーパー開始をすべきだと主張している。一方、パウエル議長やクラリダ副議長は、政策の変更には実際の経済の進展を確認していく必要があると、見通しに基づいて、行動しない方針を度々確認している。今月末のジャクソンホールでのFRB年次会合でのパウエル議長の演説に注目が集まる。

 

米国市場では8月ミシガン大学消費者信頼感指数:予想:81.1

7月確報値は81.2で6月実績を下回ったが、速報値から上方修正された。8月については、ウイルス変異株の感染拡大が警戒されていることや、インフレ懸念は消えていないことから、7月実績と同水準か、わずかに下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独卸売物価指数(WPI)
○15:30   7月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.3%)
○15:45   7月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.2%)
○16:00   6月トルコ経常収支(予想:11.0億ドルの赤字)
○16:30   7月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
       コア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○17:30   4-6月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲1.0%/前年同期比7.5%)
○18:00   6月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済108億ユーロの黒字)
○21:30   7月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:81.2)
○14日01:00   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比9.8%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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