FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/09/01/07:43:29

米国株式市場はまちまち:米中対立懸念や利益確定売りに押される展開

NYダウは223.82ドル安の28430.05ドル、ナスダックは79.82ポイント高の11775.46ポイントで取引を終了した。TikTokの米国事業売却に中国政府の許可が必要となるよう規則が変更されたとの報道を受けて、米中対立懸念が強まり寄り付きから下落した。また、月内最終売買日ということもあり、利益確定の売りが優勢だった。市場では『足もとで上昇していた景気敏感株を中心に利益確定目的の売りが出た』との指摘があり、一時290ドル超下落した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反落した。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が長期にわたる低金利維持を示唆する新指針を再確認したほか、株式分割したアップルなどハイテク株の上昇に支えられ、引けにかけては下げ幅を縮小した。VIX指数は22.96から26.41へ上昇した。

 

NY外国為替市場:月末のロンドンフィキシングに絡んだ展開

ドル/円は、『菅義偉官房長官が自民党総裁選に出馬の意向』との報道を受けて、安倍政権の政策が継続されるとの期待が高まり円売り・ドル買いが進んだ東京市場の流れを引き継いだ。自民党総裁に関しては、海外市場でも『麻生派が菅官房長官の支持を決め、河野太郎防衛相は出馬を見送る意向』『石破茂元幹事長は総裁選に立候補する方針を固めた』などと伝わった。NY市場に入ると、ユーロ/円やポンド/円などクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが出て、一時106.10円と日通し高値を付けた。ただ、対ユーロなどでドル安が進んだ影響を受けたため上値は限られた。月末を迎えたロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時105.78円前後まで下押しした。なお、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長はオンラインイベントで『状況が著しく変化した場合、イールドカーブ・コントロール(YCC)は再評価されるだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)は選択肢として残しておくべきだ』と述べ、YCC導入の可能性に含みを残した。

 

ユーロ/ドルは、ユーロ高・ドル安が進んだ欧州市場の流れを引き継いでNY市場でもユーロ買い・ドル売りが先行した。月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが出ると一時1.1966ドルと18日に付けた約2年3カ月ぶりの高値に面合わせした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時91.99と2018年5月以来約2年4カ月ぶりの低水準を付けた。ただ、ロンドン・フィキシング通過後は利食い売りなどが出て1.1926ドル付近まで小緩んだ。 

 

NY原油先物市場は続落:米国株安や需給ひっ迫の懸念後退で売り優勢

NY原油先物市場は42.56ドル-43.57ドルのレンジ相場となった。8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を若干下回ったが、景況の強弱を判断する節目50を上回っていることでNY午前までは原油先物は堅調に推移した。しかしNYダウやS&P500が弱含んでいることなどを嫌気し、クローズに近付くと上げ幅を吐き出し小幅ながら続落して引けた。ウイルス感染の拡大を受けて需給ひっ迫の懸念は和らいでいることから、42.56ドルまで下げたが、時間外取引で押し目買いも観測されており、下げ幅は縮小している。

 

NY金先物市場は小幅高:ユーロ高を意識した買いも上値重い

NY金先物市場は1962.30-1985.80ドルのレンジ相場となった。月末ということもあり不安定な値動きとなった。先週末28日の金先物価格が大幅反発したことで、利食いも入りマイナス圏で取引される場面もあった。しかしながら、ドルが対ユーロ、対ポンド、対豪ドルなどで年初来安値をつけたことでドル安が金価格を支え、小幅ながら続伸して8月の取引が終了した。なお8月は半年ぶりに月間ではマイナスとなった。アジア市場で1985.80ドルまで買われたが、アジア市場の終盤にかけて1962.30ドルまで反落。ニューヨーク市場ではユーロ高を意識して1982.70ドルまで戻したが、利益確定を狙った売りも観測されており、上げ渋った。

 

米国債券市場は続伸:月末ポジション調整の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.70%で終了した。市場では『月末特有のデュレーション(保有債券の平均残存期間)長期化目的の買いが入った』との指摘があった。

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2020/08/31/03:01:56

米国株式市場は上昇:米FRBのゼロ金利政策の長期化観測から買い優勢

NYダウは161.60ドル高の28653.87、ナスダックは70.30ポイント高の11695.63ポイントで取引を終了した。7月個人消費支出や8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を上回り見通しが改善し寄り付きから上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策が長期化し、米株式市場に資金流入が続くとの期待が高まった。また、携帯端末のアップル(AAPL)や電気自動車のテスラ(TSLA)の株式分割を31日に控え、引けにかけては一段高となった。ナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。 VIX指数は24.47から22.96へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で総じてドル売り優勢

ドル/円は、安倍晋三首相の辞意表明を受けて、東京・欧州市場で円高が進んだ流れを引き継いだ。NY市場では、米連邦準備理事会(FRB)による低金利政策の長期化が確実視されるなか、米長期金利の低下とともにドルを売る動きも活発化し、一時105.17円と19日以来の安値を付けた。ただ、同日安値105.10円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開になった。7月米個人消費支出(PCE)が前月比1.9%増と予想の1.5%増を上回ったほか、個人所得が前月比0.4%増と予想の0.2%減に反して増加したことが相場の下支え要因となり、105.74円付近まで下げ幅を縮める場面があった。NY午後に入ると、米金利低下が一服したこともあって、105円台半ばで値動きが鈍った。
 なお、市場では「大胆な金融緩和を柱とする経済政策『アベノミクス』の路線が首相辞任をきっかけに変わる可能性があるのか、警戒感を強めている投資家もいる」との声が聞かれたほか、米格付け会社ムーディーズは『安倍首相の辞任はアベノミクス目標達成の不確実性につながる』と指摘した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1920ドルまで買われた影響が残ったものの、NY市場では1.1900ドルを挟んだもみ合いに終始した。米金融緩和策の長期化観測を背景にユーロ買い・ドル売りが入った半面、ユーロ豪ドルやユーロポンドなど一部ユーロクロスの下落につれた売りが出たため相場は方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は小幅続落:ハリケーンによる供給減懸念が後退

NY原油先物市場は42.69ドル-43.42ドルのレンジ相場となった。朝方に43ドル台で買いが先行するも直ぐに失速し、42ドル台へ弱含んだ。ハリケーン『ローラ』による原油生産拠点への被害は限定的との見方が広がり、供給減に対する懸念の後退が上値の重さに繋がった。アジア市場で43.12ドルまで買われた後は上げ渋り。ニューヨーク市場ではユーロ高を意識して43.42ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが増えたことで43ドルを再び下回った。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比3基減少の180基となった。

 

NY金先物市場は反発:総じてドル安となったことで買い優勢

NY金先物市場は1928.20-1983.00ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)による低金利政策の長期化が確実視されるなか、為替相場ではドル安が進行し、ドル建ての金先物は買い優勢となった。米7月個人所得と同月消費支出が予想を上回ると売り戻される場面もあったが、その下落幅は限られた。安倍首相の辞意表明を受けてアジア市場で1950ドル台に反発した。その後はユーロ高を意識した買いが入ったことで1983.00ドルまで一段高となった。通常取引終了後は米国株高を受けて、やや上げ渋ったものの、時間外取引でも1970ドル台で推移し、底堅い動きを保った。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整目的の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.72%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、市場では『月末特有の買いが入った』との声が聞かれた。 

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2020/08/28/07:48:13

米国株式市場はまちまち:米FRBによる新指針を好感した買い優勢

NYダウは160.35ドル高の28492.27ドル、ナスダックは39.72ポイント安の11625.34ポイントで終了した。米連邦準備理事会(FRB)はこの日、インフレが一時的に2%を超えることを容認する新たな金融政策の方針を決めたと発表した。米金融緩和策が長期化し、米株式市場に資金流入が続くとの期待が高まった。金融や資本財など景気敏感株が買われ、NYダウは一時300ドル超上げた。また、トランプ政権がアボットが開発したウイルス検査キットを1.5億個購入すると発表し、ウイルス検査の拡大期待が強まり、引けにかけて再び上昇幅を拡大する展開となった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。VIX指数は23.27から24.47へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い戻しの展開

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議で講演し、『インフレ率の低下は極めて深刻なリスクだ』と主張した。『平均物価目標を導入する。物価上昇が目標である2%を穏やかに上回ることも認める』と述べた。また、FRBは臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、インフレ率が一時的に2%を超えることを容認する新たな金融政策の方針を決めた。米国のゼロ金利政策が長期化するとの観測が強まると、米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、一時105.61円と日通し安値を更新した。ただ、一時は0.6477%前後まで低下した米10年債利回りが0.7538%前後まで急速に上昇すると一転ドルを買い戻す動きが優勢になり、一時106.70円と14日以来の高値を付けた。なお、『米債券市場では平均物価目標の導入について織り込み済みだった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、FRBが2%を上回るインフレを許容する新たな政策方針を決定したことを受けてドル売りが先行し一時1.1901ドルまで急伸した。しかし、米長期金利が上昇に転じると一転ドルを買い戻す動きが優勢となり1.1763ドルの本日安値まで下落した。NY午後に入るとユーロ円の上昇につれたユーロ買い・ドル売りが入り1.18ドル台前半まで下げ渋るなど、やや方向感に欠ける動きとなった。 

 

NY原油先物市場は下落:ユーロ安を意識した売りが優勢

NY原油先物市場は42.36ドル-43.50ドルのレンジ相場となった。米南部に上陸したハリケーン『ローラ』の影響を見極めたいとし、ポジション調整の売りが強まり、一時42ドル前半まで下落した。一部通信社がその後、メキシコ湾沿岸の原油生産拠点のうち84%が閉鎖された状況を伝えると、供給減への懸念が再び持ち上がり、原油先物は43ドル台まで反発した。なお『ローラ』は勢力を徐々に弱め、現地時間の午後にはハリケーンから熱帯暴風雨(Tropical Storm、日本の通常台風に相当)となった。アジア市場で43.50ドルまで買われた後は弱含み。ニューヨーク市場ではユーロ安を意識して日中安値の42.36ドルまで下落した。ただ、原油需要増大の思惑が浮上したことから、時間外取引で43.11ドルまで反発 した。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1914.70-1987.00ドルのレンジ相場となった。ジャクソンホール会議のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による講演やFRB声明を受け、米金融緩和の長期化観測が強まり、金先物は1987ドルまで買いが先行した。ただし米金利の低下幅は限られて上昇に転じると、為替のドル高と共に金先物は急速に値を下げた。一時は1915ドルを割り込む場面もあった。その後は1930ドル台まで持ち直し、ポジション調整中心の動きとなった。ニューヨーク市場の序盤に1987.00ドルまで買われたが、ドル安は一服し、米長期金利は上昇したことから、換金目的の売りが優勢となった。

 

米国債券市場は続落:米景気回復期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.75%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が完全雇用達成と物価を健全な水準に戻すための新戦略を発表すると、ゼロ金利が長期化し米景気回復を後押しするとの見方から安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時0.7538%前後と6月17日以来約2カ月半ぶりの高水準を付けた。 

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2020/08/27/07:46:56

米国株式市場は上昇:堅調な米国株のなかVIX指数は上昇

NYダウは83.48ドル高の28331.92ドル、ナスダックは198.59ポイント高の11665.06ポイントで取引を終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を明日に控えて様子見気分が強まる中、利益確定の売りでダウは下落して寄り付いた。しかし、全米で新型コロナウイルス感染件数が安定していることやワクチン開発でさらに前進した報道が好感され上昇に転じた。また、アナリストが目標株価を引き上げたアップルなど主力ハイテク株が買われると指数は上げに転じた。S&P500指数とナスダック総合指数は共に過去最高値を更新した。VIX指数は22.03から23.27へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB議長の講演控え思惑的なドル売りが優勢

ドル/円は、7月米耐久財受注額が予想を大幅に上回ったことが分かると一時106.46円付近まで買い戻されたが、アジア時間に付けた日通し高値106.56円を前に失速した。インフレに対して最もタカ派として知られるジョージ米カンザスシティ連銀総裁が明日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を前に『インフレ率が2%の目標を多少上回ったとしても反対しない』と述べ、『我々はコミュニケーションの観点から、目標達成に向けて成果を上げるのに役立つ種類の話をするだろう』とコメントすると、思惑的なドル売りを誘った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では金融政策の新しい指針について言及する可能性があり、市場では『ハト派な内容への期待からドルが売られた』との声が聞かれた。106.00円にかけて観測されていた買いオーダーをこなし、一時105.92円と日通し安値を付けた。堅調な米5年債入札を受けて米長期金利が上昇幅を縮めたことも相場の重石となった。

 

ユーロ/ドルは、良好な米経済指標をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.1772ドルと日通し安値を付けたものの、21日の安値1.1754ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。明日のパウエルFRB議長の講演でのハト派な内容を期待したドル売りも出て一時1.1839ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。もっとも、ユーロクロスが軟調に推移した影響でユーロドルの伸びは鈍かった。

 

NY原油先物市場は反発:大型ハリケーン迫り買い優勢

NY原油先物市場は43.00ドル-43.78ドルのレンジ相場となった。米南部に迫るハリケーン『ローラ』は勢力を5段階中2番目に強い『カテゴリー4』まで拡大した。メキシコ湾岸沿いの石油関連施設の閉鎖による供給減が懸念され、原油先物は本日も買いが先行した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計で原油が5週連続の取り崩しとなったことも後押しに、約5カ月半ぶりの高値となる43.78ドルまで上昇した。もっともその後は、高値警戒感やハリケーンの被害が甚大だった場合による需要減も意識され、上げ幅を縮小して終えた。 

 

NY金先物市場は反発:米中関係悪化を警戒した買い優勢

NY金先物市場は1908.40-1962.50ドルのレンジ相場となった。7月米耐久財受注額(前月比)が市場予想を上回り、経済正常化への流れが確認されたことを受けて、安全資産の金は1910ドル割れまで売りが先行した。しかしながらその後は、トランプ米政権が南シナ海の軍事拠点化に関わった中国企業や個人に対し制裁を発表すると、米中間の緊張の高まりが警戒されて金には買い戻しが入った。為替相場でドルが軟調に転じたこともドル建ての金先物の支えとなった。NY金先物は通常取引終了後の時間外取引で1962.40ドルまで続伸した。

 

米国債券市場は続落:好調な7月米耐久財受注額を受け売り先行

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.69%で終了した。市場予想を大幅に上回る7月米耐久財受注額や米国株相場の上昇を受けて債券売りが先行したものの、明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に売りの勢いは徐々に後退した。米5年債入札が『堅調』と受け止められたことも相場の下支え要因となった。 

 

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2020/08/26/07:41:07

米国株式市場はまちまち:ダウ構成銘柄変更売りで指数押し下げ

NYダウは60.02ドル安の28248.44ドル、ナスダックは86.75ポイント高の11466.47ポイントで取引を終了した。7月新築住宅販売件数や8月リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回る結果となった一方で、8月消費者信頼感指数が予想外に6年ぶりの低水準に悪化したことを懸念し寄り付き後に下落した。また、前日に上場来高値を付けたアップルが利益確定売りに押されたほか、ダウ構成銘柄から除外されるエクソンモービルやファイザーなどが売られ指数を押し下げた。NYダウは一時210ドル超下落する場面があった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、同86.75ポイント高の11466.47と史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。VIX指数は22.37から22.03へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、米通商代表部(USTR)は24日、米中貿易協議『第1段階合意』の履行状況を検証するため、両国閣僚が電話協議を行ったと発表した。中国による米国産品購入拡大を確認し、さらなる進展を目指す方向で一致したと説明した。米大統領選前に一段の関係悪化が回避されたことで、投資家のリスク選好姿勢が広がり円売り・ドル買いが優勢になった。『安倍首相は28日に記者会見を開く予定』との一部報道が伝わると、一時106.25円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。米10年債利回りが一時0.7145%前後まで上昇幅を拡大したことを受けて円売り・ドル買いが進み、106.57円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると伸び悩む展開になった。米10年債利回りが0.67%台まで上昇幅を縮めたことが相場の重しとなったほか、106円台半ばから107.00円にかけては断続的に売りオーダーが観測されておりドルの上値を抑えた。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば米長期金利の動きに左右される方向感に乏しい展開だった。市場では『オンライン形式で開かれる米ジャクソンホール経済シンポジウムを週後半に控えて、様子見ムードが強まっている』との声が聞かれた。NY時間の安値は1.1804ドル、高値は1.1843ドルで値幅は0.0039ドル程度だった。 

 

NY原油先物市場は続伸:ハリケーンよる被害の懸念から買い優勢

NY原油先物市場は42.31ドル-43.57ドルのレンジ相場となった。メキシコ湾を北上しているハリケーン『ローラ』は、26日夜にも米南部テキサス・ルイジアナ州の沿岸部から上陸する見込みとなった。湾岸沿いに集中する石油関連の施設は閉鎖を強いられ、また今後の被害も懸念されている。供給減への思惑から買いが先行した原油先物は、一時43.57ドルまで上昇し、その後も底堅く推移した。アジア市場から底堅い動きが続いており、ニューヨーク市場での序盤に43.57ドルまで買われた。米国株式の伸び悩みを意識して42.77ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で43.40ドル台まで戻した。

 

NY金先物市場は続落:米中貿易協議の進展期待を背景に売り優勢

NY金先物市場は1919.10-1944.10ドルのレンジ相場となった。米中が『第1段階の貿易合意』を巡り閣僚級の協議を行い、双方が進展を確認したとの報道を受けてリスク選好の地合いが強まった。安全資産とされる金は売りが先行し、一時1920ドルを割り込んだ。為替相場でドルがユーロに対して弱含む場面はあったものの、金先物の戻しは限られ、中心限月の終値としては約1カ月ぶりの安値で引けた。アジア市場で1944.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場で米長期金利の上昇を意識して1919.10ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引で一時1935.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を意識して、1935ドル近辺で上げ渋る状態が続いた。

 

米国債券市場は続落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.68%で終了した。新型コロナウイルスの治療法やワクチン開発進展への期待感、米中貿易協議の進展期待などを背景に、安全資産とされる米国債に売りが出た。 

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