FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/08/18/07:51:01

米国株式市場はまちまち:景気敏感株と金融株売りで上値の重い展開

NYダウは86.11ドル安の27844.91ドル、ナスダックは110.43ポイント高の11129.73ポイントで取引を終了した。中国人民銀行が市場に資金を供給したため上昇で寄り付いたが、ニューヨーク地区連銀製造業景気指数が予想を下回ったほか、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞するなか、米中対立への懸念から景気敏感株に売りが出た。『著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米バークシャー・ハザウェイが米銀行株への投資を減らしている』と伝わったことで、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株にも売りが出た。VIX指数は22.05から21.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞する中、8月米NY連銀製造業景気指数が3.7と予想の15.0を大幅に下回ったことで米景気の先行きへの懸念が再燃しドル売りが先行した。米商務省が中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表したことを受け、米中対立を巡る警戒感が改めて意識されたこともドルの重石となった。米10年債利回りが0.66%台まで低下すると、ドル/円も一時105.91円と11日以来の安値を付けた。ただ、NY午後に入ると106.00円を挟んだ狭いレンジでの小動きに終始した。なお、米財務省はこの日開催された先進7カ国(G7)財務相テレビ会議で、『各国経済は持ち直しているとの認識が示された』と明らかにした。また、低所得国が直面する債務問題を巡って懸念が深まっているとの見解を示した。

 

ユーロ/ドルは、米景気の先行き不透明感や米中対立への警戒感が根強い中、ユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1881ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.77まで低下した。ただ、市場では『7月下旬や8月上旬の上昇局面で押し戻された1.1900ドルがレジスタンスとして意識されている』との指摘があり、同水準に接近した場面では売りが出やすくNY中盤以降は伸び悩んだ。 

 

NY原油先物市場は反発:協調減産の順守率の高い水準を好感

NY原油先物市場は41.80ドル-42.97ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進み、ドル建ての原油に割安感が生じ、原油先物は買いが優勢となった。また、石油輸出機構(OPEC)加盟・非加盟国の協調減産の順守率が高い水準であると伝わったことも、支援材料となった。ロンドン市場で41.80ドルまで下げたが、ニューヨーク市場では、ユーロ高・米ドル安の相場展開を意識して42.97ドルまで上昇した。

 

NY金先物市場は大幅反発:米景気の先行き懸念や米中対立激化で買い優勢

NY金先物市場は1939.10-2000.80ドルのレンジ相場となった。8月米NY連銀製造業景気指数が予想より大幅低下したことや、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことも手がかりに、金に買いが入った。また、米中対立を巡る警戒感が改めて意識されたことも買い材料となった。史上最高値を更新した後、先週は調整の売りが優勢となったが、米金融緩和策の長期化観測が強く、金の先高観は根強い。主要通貨に対するドル安も支援材料となった。

 

米国債券市場は続伸:米金融緩和の長期化観測から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.69%で終了した。8月米NY連銀製造業景気指数が予想を下回ったことで買いが先行した。米金融緩和策の長期化観測を背景に買いは入りやすい面もあった。 

 

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2020/08/17/03:01:50

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策協議継続を好感した買い

NYダウは34.30ドル高の27931.02ドル、ナスダックは23.20ポイント安の11019.30ポイントで取引を終了した。欧州株相場の下落や予想を下回る7月米小売売上高を受けて売りが先行し、一時130ドル超下げた。ただ、トランプ米大統領が『国民や州、地方政府に資金を供給する用意がある』と述べたほか、米政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策協議について『交渉は打ち切らない』との見解を示すと買い戻しが優勢となり、一時80ドル超上げた。VIX指数は22.13から22.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が下げ止まるとドルも持ち直す

ドル/円は、欧州各地で新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が広がるなか、欧州株相場が下落した。投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から円買い・ドル売りが先行した。7月米小売売上高が前月比1.2%増と予想の1.9%増を下回ったことが分かると、『新型コロナ再拡大と財政支援の縮小懸念で米個人消費の勢いが鈍りつつある』との見方が広がり、米長期金利の低下とともにドル売りが加速した。前日の安値106.57円を下抜けて一時106.44円まで値を下げた。『米中は15日に予定されていた貿易合意に関する協議を延期した』との一部報道もドルの重石となった。ただ、トランプ米大統領が会見で『全世帯への現金給付をムニューシン財務長官に指示した』『州や地方政府に資金を供給する用意がある』と述べたほか、米政権と民主党指導部による追加経済対策協議について『交渉は打ち切らない』との見解を示すと、ドル/円にも買い戻しが入り、106.63円付近まで下げ渋った。
 米国と中国は第1段階の貿易合意発効から6カ月の節目に際し、履行状況を点検するための協議を15日に予定していたが、複数のメディアが『ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官と劉鶴中国副首相のビデオ会議は無期限に延期された』と伝えた。なお、この協議については米中両政府ともに公式日程として発表したことはない。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では一時1.1782ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場では底堅く推移した。米小売売上高が予想を下回ったことや米10年債利回りの低下、米中貿易合意の6カ月検証延期が伝わり一時1.1850ドルまでユーロ高・ドル安が進んだ。ただ、NYダウが持ち直し、米長期金利が低下幅を縮めるとやや伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は続落:利食い売りで上値が重くなる

NY原油先物市場は41.62ドル-42.57ドルのレンジ相場となった。15日に予定されていた米中の通商合意履行状況の6カ月検証に関する会合延期を嫌気して、中国などエネルギー消費国の需要後退を懸念するムードを強めた。NY原油先物は一時41.62ドルまで下振れた。ただ、検証を前に中国が米国の原油買い付けを増加する動きも確認されているもようで、懸念を和らげ原油相場は下落幅を縮小して週の取引を終えた。アジア市場で42.57ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで上値は重くなった。ニューヨーク市場で一時41.62ドルまで下落したが、ドル高は一服しており、通常取引終了後の時間外取引で42.25ドルまで戻す場面があった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比4基減少の172基となった。

 

NY金先物市場は反落:急落の反動の戻りが一巡

NY金先物市場は1939.10-1970ドルのレンジ相場となった。11日に2000ドルの節目を割り込んで急速に調整を進めたことに対する反動の戻りが一巡した。ロシアのプーチン大統領が、米・英・仏・中・独・イランとオンラインでの首脳会談開催を提案した。対イランの武器禁輸措置延長を巡り、国連での対立激化を回避するのが狙い。地政学リスクの後退要因とされ、安全資産である金を買い戻す動きを抑制した。アジア市場で1970.00ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。1960ドル以上で戻り売りの興味が残されており、金先物の反発を抑えた。ニューヨーク市場で一時1939.10ドルまで下落した。米長期金利が伸び悩んでいることから、時間外取引で1955.40ドルまで戻したが、上値は重い状態が継続した。

 

米国債券市場は反発:米国株が底堅くなり引けにかけて伸び悩み

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.71%で終了した。欧州各地で新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が広がるなか、欧州株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。7月米小売売上高が予想を下回ったことも債券買いを促した。ただ、安く始まった米国株が底堅く推移したため、引けにかけて伸び悩んだ。 

 

 

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2020/08/14/07:51:17

米国株式市場はまちまち:高値圏推移での利益確定売り優勢

NYダウは80.12ドル安の27896.72ドル、ナスダックは30.26ポイント高の11042.50ポイントで取引を終了した。新規失業保険申請件数が予想以上に減少し3月中旬以降初めて100万件を下回ったものの、追加財政策への不透明感がくすぶりまちまちで寄り付いた。ただ、前日に2月21日以来約半年ぶりの高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。新型コロナウイルスの追加経済対策を巡る米政権と議会の協議が難航していることも相場の重石となり、一時180ドル超下げた。シスコシステムズやゴールドマン・サックスが軟調に推移した一方、アップルが上場来高値を更新した。VIX指数は22.28から22.13へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い戻しの展開

ドル/円は、アジア時間に一時106.57円と日通し安値を付けたあとはじり高の展開となった。前週分の米新規失業保険申請件数が96.3万件と予想の112.0万件より強い数字となり、3月下旬以来初めて100万件を割り込んだことが分かると、米労働市場の緩やかな回復が示されたとして、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行した。低調な米30年債入札やアップルの大型起債を受けて米長期金利が上昇幅を拡大するとドル買いが活発化し、一時107.05円と7月23日以来の高値を付けた。ただ、107円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。なお、トランプ米大統領はFOXニュースとのインタビューで『私のおかげでドルが強くなり、2期目にはさらにドルが強くなる』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、英国の欧州連合(EU)離脱後の貿易交渉を巡り、マーチン・アイルランド首相が『ジョンソン英首相との次回会談で着地点に到達できると思う』と述べ、楽観的な見通しを示すとユーロやポンドに買いが先行し、一時1.1864ドルと日通し高値を付けた。ただ、米30年債入札が『不調だった』と受け止められたほか、アップルの大型起債が伝わると米10年債利回りが一時0.7257%前後と6月以来の高水準を更新した。米金利上昇に伴うドル買い戻しが入り、ユーロ/ドルは一時1.1794ドル付近まで下押しした。ポンドドルも一時1.3124ドルまで上昇したあと、NY午後には1.3045ドル付近まで押し戻されている。 

 

NY原油先物市場は反落:需要予測が引き下げられ売り優勢

NY原油先物市場は42.09ドル-42.84ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)月報で、今年の世界石油需要予測が日量9190万バレルと、前月から14万バレル引き下げられた。4カ月ぶりの見通し引き下げを受け、NY原油先物は一時42.09ドルまで下落した。ロンドン市場の序盤で42.84ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。ただ、ユーロは底堅さを維持したことから、通常取引終了後の時間外取引でも42ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は続伸:急落調整による買い継続

NY金先物市場は1923.00-1974.80ドルのレンジ相場となった。11日に2,000ドルの節目を割り込んで急速に調整を進めたことに対する反動の戻りが継続した。NYダウや原油相場の反落など市場がリスク回避的な動きを見せていることも、安全資産とされる金の買いを促した。アジア市場ではおおむね1950ドルを下回る水準での取引が続いた。ただ、換金目的の売りは一巡しており、金先物はじり高となり、ニューヨーク市場で1974.80ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は下落:債券売り材料多く6月以来の高水準

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.72%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことで売りが先行。低調な米30年債入札や『アップルが起債を実施』との報道を受けて債券売りが加速した。利回りは一時0.7257%前後と6月以来の高水準を付けた。 

 

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2020/08/13/07:44:05

米国株式市場は反発:経済活動の再開にともなう回復期待で買い優勢

NYダウ289.93ドル高の27976.84ドル、ナスダックは229.42ポイント高の11012.24ポイントで取引を終了した。最近の好調な経済指標や四半期決算を受けて、経済活動の再開にともなう回復期待が広がったほか、追加財政策を巡る議会折衝も時間の問題との楽観的な見方から上昇して寄り付いた。 また、トランプ米大統領が前日の会見で『バイオ製薬モデルナと1億本の新型コロナウイルスワクチン購入の契約を交わした』と発表したことで、ワクチンが普及すれば経済の正常化を後押しするとの見方が広がり買いが膨らんだ。足もとで売りが目立っていた主力ハイテク株が買い戻されたことも指数の押し上げ要因となった。VIX指数は24.03から22.28へ低下した。

 

NY外国為替市場:107円台の上値の重さを確認

ドル/円は、予想を上回る7月米CPIを受けて米長期金利の上昇とともに買いが先行すると一時107.01円と7月23日以来の高値を付けたものの、107円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。ムニューシン米財務長官の発言を受けてドル売りが強まると一時106.69円付近まで下押しした。ただ、株高を背景にユーロ/円などクロス円が上昇するとドル円にも買いが入り106.98円付近まで持ち直した。もっとも、米10年債入札後に米長期金利が上昇幅を縮めると再び上値を切り下げるなど、大きな方向感が見られなかった。なお、ペロシ米下院議長(米民主党)は『米追加経済対策巡る協議について我々はまだほど遠い場所にいる』などと発言した。米政権と与野党の協議が難航しているとの見方が強まった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州株相場の上昇や金先物相場の持ち直しなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行した。7月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが入り伸び悩んだものの、ムニューシン米財務長官が『キャピタルゲイン減税のためには法律の制定が必要』との見解を示すと、米減税政策への期待感が後退し再びドル売り優勢となった。欧米株価の上昇に伴うリスク選好のドル売りも見られ、前日の高値1.1807ドルを上抜けると一時1.1816ドルまで上値を伸ばした。ただ、NY午後に入ると徐々に値動きが鈍った。新規材料難から様子見ムードが強まり、1.17ドル台後半で小動きとなった。なお、市場では『ドルショートが積み上がる中、一部ヘッジファンドはドルショートを解消し利益確定に動いている』との声が聞かれた。『ドルショートが極めて高水準になりつつあり、短期的なドルの反発リスクが高まっている』という。 

 

NY原油先物市場は大幅反発:強弱まちまちの中42.90ドルまで上昇

NY原油先物市場は41.53ドル-42.90ドルのレンジ相場となった。昨日、民間の米週間原油在庫統計で取り崩しとなったことから、本日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計(2020/8/7時点)でも在庫取り崩しが見込まれ、買いが先行した。実際に在庫の取り崩し継続が確認された一方、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫が積み増しを維持するなど強弱まちまちとなり、いったん伸び悩んだ。しかし、次第に買い地合いを強め、一時42.90ドルまで上振れた。アジアの序盤で41.53ドルまで下げたが、需給悪化に対する警戒感は高まっていないことから、まもなく反転した。ユーロ安・ドル高は一服したことや原油在庫の減少を意識して、ニューヨーク市場で一時42.90ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は反発:大幅下落後の調整的な買い戻し

NY金先物市場は1874.20-1961.00ドルのレンジ相場となった。昨日は2000ドルの節目を下抜けて調整の売りが大きく進んだが、歴史的な水準への上昇に対するやや大きめな調整の範囲となった。追加的な売り要因は乏しく、本日は下げ渋った。アジア市場で1874.20ドルまで売られたが、ロンドン市場の朝方にかけて1950ドル台まで戻した。ただ、その後は上げ渋り、1961.00ドルまで買われた後に1919.70ドルまで反落した。換金目的の売りは一巡したが、米長期金利の上昇を意識して金先物の上値は重くなった。

 

米国債券市場は続落:物価指標の予想を上回る上昇で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年債国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.67%で終了した。7月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで売りが先行した。米国株相場の上昇も安全資産とされる米国債の売りを誘った。米10年債入札後に買いが入る場面もあったが、買いの勢いは長続きしなかった。

 

 

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2020/08/12/07:58:30

米国株式市場は下落:利益確定売りで失速

NYダウは104.53ドル安の27686.91ドル、ナスダックは185.53ポイント安の10782.82ポイントで取引を終了した。米国の追加経済対策への期待や『ロシア政府がコロナワクチンを承認した』との報道を好感して買いが先行すると、一時360ドル超上げた。ただ、アップルなど主力ハイテク株を中心に利益確定売りが強まるとNY午後に失速した。前日まで7日続伸し約5カ月半ぶりの高値を付けていただけに利益確定目的の売りが出た。『米追加景気対策を巡る米政権と与野党の協議が行き詰まっている』と伝わったことも市場心理を冷やした。VIX指数は22.13から24.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:予想を上回る物価指数受け米長期金利上昇でドル買い

ドル/円は、ユーロ/ドルが上昇した影響で円買い・ドル売りが先行し一時105.93円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値105.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが入った。米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)が前月比で0.6%上昇と予想の0.3%を上回り、2018年10月以来約1年半ぶりの高い伸びとなったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化した。米追加経済対策への期待や『ロシア政府が新型コロナウイルスのワクチンを承認した』との報道を好感して、NYダウが360ドル超上昇したことも円売り・ドル買いを促し、一時106.68円と7月24日以来の高値を付けた。ただ、『米追加景気対策を巡る米政権と与野党の協議が行き詰まっている』と伝わり、NYダウが160ドル超下落するとドル/円も上値が重くなり、106.43円付近まで下押しする場面があった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では8月独ZEW景況感指数が予想を大幅に上回ったことを受けて、一時1.1807ドルまで上昇する場面もあったが、NY市場では予想を上回る米インフレ指標や米金利上昇を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.1728ドル付近まで弱含んだ。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値1.1722ドルを下抜けることは出来なかった。 

 

NY原油先物市場は反落:米国株安とドル高を嫌気され売り優勢

NY原油先物市場は41.48ドル-42.94ドルのレンジ相場となった。財政出動など支援策を受けた景気回復を期待した米国株高に一巡感が生じ始めた。景況改善にともなうエネルギー需要を見込んだ原油上昇も、リスク選好の流れ一服とともに落ち着いた。
 主要産油国の協調減産による供給抑制を支援に42.94ドルと、5日以来の43ドル回復をうかがう場面もあったが、その後は一時41.52ドル前後まで失速した。ニューヨーク市場の序盤にかけて株高期待で42.94ドルまで買われたが、米国株式の反落、米長期金利の上昇、ドル高を嫌って利食い売りが活発となった。

 

NY金先物市場は大幅反落:換金目的の売りで下げ加速

NY金先物市場は1911.30-2040.50ドルのレンジ相場となった。米財政出動やウイルスワクチンの早期開発への期待が米株高・金利上昇といったリスク選好につなり、安全資産とされる金は下落した。金利上昇は金利を生まない金の圧迫材料になった。また、ドル相場が対ユーロで持ち直し底堅かったことも、ドル建て金価格の換算値を押し下げた。アジア市場で2040.50ドルまで買われたが、まもなく反落。ロンドン市場の朝方に節目の2000ドルを下回った後は換金目的の売りが観測されており、下げが加速。ニューヨーク市場で1946.00ドルまで下げた後に1959.50ドルまで戻したが、米長期金利の上昇やドル高を意識して通常取引終了後の時間外取引で一段安となり、1911.30ドルまで売られた。

 

米国債券市場は3日続落:経済正常化への期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)0.64%で終了した。『ロシア政府がコロナワクチンを承認した』との報道を受けて、経済正常化につながるとの期待から安全資産とされる米国債に売りが出た。今週予定されている国債入札による需給悪化への警戒感も相場の重石となり、利回りは一時0.6598%前後と7月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。 


 

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