FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/02/22/03:01:24

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇が市場心理を冷やす

NYダウは0.98ドル高の31494.32ドル、ナスダックは9.11ポイント高の13874.46ポイントで取引を終了した。イエレン財務長官がバイデン政権が提唱する経済対策の必要性を改めて訴えたため、追加経済対策が早期に成立し景気回復を後押しするとの期待から、寄り付き後上昇した。また、これまで2回の接種が必要とされていたファイザーなどが開発したワクチンについて、1回でも効果があるとの研究結果を受け、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で一時150ドル超上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ただ、米長期金利の大幅上昇が市場心理を冷やし、相場の上値を抑えた。米金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、指数はマイナスに転じる場面があった。VIX指数は22.49から22.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇によるドル買いがやや優勢

ドル/円は、欧州・オセアニア通貨に対してドル安が進んだ流れに沿って、一時105.24円と日通し安値を付けたものの、16日の安値105.18円がサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが一時1.3601%前後と昨年2月26日以来約1年ぶりの高水準を付けたことも意識されて、105.67円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値105.74円を上抜けることは出来なかった。NY終盤には105.50円に位置する200日移動平均線に上値を抑えられて、じり安の展開となった。なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、半期に一度議会に提出する金融政策報告で『FRBは米経済が完全な回復を遂げるまで、金融政策による強力な支援を継続する』と表明した。金融政策報告は来週予定されているパウエルFRB議長の議会証言に先立ちウェブサイトに掲載された。 

 

ユーロ/ドルは、対ポンド主導でドル安が進んだ流れに沿って、一時1.2145ドルと日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うドル買いが入り、一時1.2108ドル付近まで下押しした。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅高。対ドルでは一時56332ドル前後、対円では595万円程度まで買われ、史上最高値を更新した。時価総額は1兆ドルを突破した。機関投資家や企業によるビットコイン投資や関連事業への参入が相次いでおり、先高観が強まっているようだ。市場では『アナリストらの警戒にもかかわらず、急伸を続けている』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は続落:石油関連施設の普及で供給不安解消の売り

NY原油先物市場は58.60ドル-60.32ドルのレンジ相場となった。米テキサス州の大寒波により生産停止に追い込まれていた石油関連施設の電力や水道などが復旧し始めたことで、供給不安が解消されるとの観測で原油先物価格は続落した。なお、日本時間2時過ぎには石油グリッドが正常化したとも報じられている。また昨日バイデン米大統領が『イラン核合意への復帰についてイランと対話する方針』と伝わったことも、中東リスクの後退で上値を抑えた。

 

NY金先物市場は小幅高:上値の重い展開が継続

NY金先物市場は1759.00-1790.90ドルのレンジ相場となった。金先物価格は為替市場でドル安が進んだことで割安感から上昇していたが、徐々に米金利高でドルが買い戻されたこともあり、上げ幅を削り小幅に続伸して引けた。前日に続いて安全逃避のドル買いが観測されており、金先物は一時1759.00ドルまで下落する場面があった。押し目買いが観測されたが、代替資産である金の需要は回復していない 。

 

米国債券市場は続落:経済正常化でインフレや雇用回復期待から売り

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.33%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及で、インフレや雇用回復が進むとの見方が強まり債券売りにつながった。10年債利回りは一時1.3601%前後と昨年2月26日以来約1年ぶりの高水準を付けた。市場では『今年後半には米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の修正を探るとの思惑が浮上している』との指摘があった。 

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2021/02/19/07:45:13

米国株式市場は下落:米長期金利の先行観測から割高株が売られる展開

NYダウは119.68ドル安の31493.34ドル、ナスダックは100.14ポイント安の13865.36ポイントで終了した。週次新規失業保険申請者数が予想を上回り、労働市場の回復の鈍さが嫌気され、寄り付き後、下落した。また、米長期金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、一時320ドル超下げた。2020年11月-21年1月期決算で最終赤字に転落し、今期業績見通しも振るわなかった小売り最大手のウォルマートが6%超の大幅安となったことも指数の押し下げ要因となった。ただ、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で、引けにかけては下げ幅を縮めている。VIX指数は21.50から22.49へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ワクチン接種の進捗相場の様相

ドル/円は、対ポンド中心にドル売りが進んだ流れに沿って一時105.60円と日通し安値を付けたものの、米10年債利回りが1.31%台まで上昇するとドル/円にも買い戻しが入り下げ渋り、105.88円付近まで持ち直した。もっとも、米10年債利回りが1.27%台まで上昇幅を縮めるとドル円の上値も重くなった。市場では『米金利の動きにドル円が一番敏感になっている』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、対ポンド主導でドル安が進んだ流れに沿って、一時1.2095ドルと日通し高値を付けた。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロ買い・ドル売りを誘った。なお、この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や1月米住宅着工件数は予想より弱い内容となった一方、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ポンド/ドルは、NY序盤に一時1.3986ドルと2018年4月以来約2年10カ月ぶりの高値を付けた。英国では新型コロナウイルスのワクチン接種が相対的に早く進んでおり、経済正常化への期待からポンドが買われた。その後の下押しも1.3927ドル付近にとどまり、引けにかけては1.3980ドル付近まで再び強含んだ。人口6千万人強の英国では1回目のワクチン接種を終えた人は約1590万人で、人口比でみるとワクチン接種は主要国の中で最も進んでいる。ワクチン対策本部のトップは『8月か9月までには国内の全ての成人が2度のワクチン接種を終えることが可能』との見解を示している。 

 

NY原油先物市場は反落:連騰後の利食い売り優勢

NY原油先物市場は59.81ドル-62.29ドルのレンジ相場となった。連日激しく動いている原油先物市場だが、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が大幅な減少となったことで、一時原油先物は強含む場面もあった。しかし、3日連続で上げ幅を広げていたこともあり利食い売りも入り、次第に上値が重くなり4日ぶりに反落して引けた。もっとも、米テキサス州ではいまだに電力が行き届かない地域も多いことで、供給不足を懸念する声は強い。米国における原油生産の減少を受けてアジア市場で62.29ドルまで買われたが、欧米株安を嫌ってニューヨーク市場で60ドルを下回った。

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安進行で小幅に買い戻し

NY金先物市場は1766.60-1788.80ドルのレンジ相場となった。金先物価格は一時1766ドル台まで弱含む場面もあったが、ポンドをはじめドル売りが進んだこともあり、ドルで取引される金先物価格は割安感から5営業日ぶりに小幅反発して引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1788.80ドルまで戻したが、安全逃避のドル買いが観測されており、1766.60ドルまで反落した。その後、1779.30ドルまで戻したが、代替資産である金の需要は伸び悩んでおり、1780ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:追加経済貸借やワクチン普及への期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.29%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から債券売りが先行したものの、米国株の下落を受けて次第に買い戻しが入った。 

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2021/02/18/07:57:48

米国株式市場はまちまち:下落後FOMC議事要旨の内容受け買い戻し

NYダウは90.27ドル高の31613.02ドル、ナスダックは82.00ポイント安の13965.50ポイントで取引を終了した。1月の生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に上回ったためインフレ懸念が再燃し寄り付き後、下落した。また、欧州株の下落につれた売りが出たほか、相場の過熱感を警戒する売りが先行し一時180ドル超下げたものの、売り一巡後は徐々に下値が堅くなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月26日-27日分)で『米景気回復はFRBの目標にはほど遠いとの認識で一致』と明らかになったほか、市場が警戒する物価上昇について『一時的で長続きしない』との認識が示されると買いが優勢になった。VIX指数は21.46から21.50へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利動向に振れる展開

ドル/円は、1月米小売売上高と1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことをきっかけに円売り・ドル買いが先行し、一時106.20円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値106.22円の上抜けに失敗すると一転下落した。指標発表直後に一時1.3294%前後まで上昇した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、一時105.78円と日通し安値を更新した。NY序盤、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避的な円買いを誘った。ただ、5日の高値105.77円や200日移動平均線が位置する105.51円がサポートとして意識されると下げ渋る展開になり、一時は180ドル超下落したNYダウが上昇に転じ、過去最高値を更新したことも相場の下支え要因になった。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロポンドが下落した影響を受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。ドラギ伊新首相の『イタリアは2022年末までにパンデミック前のレベルを取り戻すことはないだろう』との発言も相場の重石になった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったこともドル買いを促し、一時1.2023ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.2047ドル付近にとどまった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは上値を追う展開。対ドルでは一時52631ドル前後、対円では556万円程度まで買われ、いずれも史上最高値を更新した。市場では『電気自動車テスラや米マイクロストラテジーなど米主要企業による保有や関連事業への参入が相次ぎ、先高観が高まっている』との指摘があった。

 

NY原油先物市場は続伸:寒波による供給懸念継続の買い優勢

NY原油先物市場は59.56ドル-61.31ドルのレンジ相場となった。米国テキサス州を中心とする大寒波で、複数の精油施設が閉鎖されていることによる原油供給懸念が先物価格を押し上げ、昨年1月以来となる水準まで続伸した。なおテキサス州だけでは約270万世帯が停電し、さらに規模が拡大すると報じられている。ニューヨーク市場の序盤に59.56ドルまで下げたが、原油供給不足を警戒して、通常取引終了後の時間外取引で61.31ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は続落:世界経済回復期待とドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1767.90-1794.20ドルのレンジ相場となった。ユーロをはじめ欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだことで、ドルで取引される金先物市場は割高感もあり4日続落した。米小売売上高が好結果になるなど、世界経済への回復期待などもあり避難通貨としての金先物から資金が流出し、一時昨年6月以来の水準まで弱含んだ。アジア市場で1794.20まで戻したが、まもなく反落。ニューヨーク市場の中盤にかけて1767.90ドルまで下げ幅は拡大した。 

 

米国債券市場は4営業日ぶりに反発:米国株の下落で一転買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.27%で終了した。1月米小売売上高や1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行したものの、米国株相場の下落を理由に一転買い戻しが優勢となった。市場では『相場下落が続いたあとだけに押し目買いが入った』との声も聞かれた。なお、20年債入札が『低調だった』と受け止められると債券売りが強まる場面もあった。

 

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2021/02/17/07:54:41

米国株式市場はまちまち:米長期金利上昇で上値抑制

NYダウは64.35ドル高の31522.75ドル、ナスダックは47.97ポイント安の14047.50ポイントで取引を終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から買いが入った。米長期金利の上昇を受けて、利ざや拡大の見方からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。原油先物価格の上昇を背景に、シェブロンなどエネルギー株も上げた。ただ、長期金利の上昇が警戒され高値付近からは利益確定の売りに上値は抑制された。ナスダック指数は終日軟調に推移した。VIX指数は19.97から21.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、一時105.18円と日通し安値を付けたものの、米長期金利の上昇を手掛かりにドル買い戻しが強まると持ち直した。米追加経済対策や新型コロナウイルスワクチン普及への期待から、米10年債利回りが一時1.3141%前後と昨年2月27日以来約1年ぶりの高水準を更新した。連休明けのNY勢が本格参入したあとはドル買いがさらに加速し、5日の高値105.77円を上抜けて一時106.07円と昨年10月8日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が12.1と予想の6.0を上回ったこともドル買いを誘ったほか、市場では『200日移動平均線が位置する105.51円を明確に上抜けたことでテクニカル的な買いが入りやすい』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の2月独ZEW景況感指数や10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値が予想を上回ったことを受けて、一時1.2169ドルと日通し高値を付けたものの、1.2170-80ドルに観測されている売りオーダーに上値を抑えられると失速した。NY勢本格参入後は米10年債利回りが約1年ぶりの高水準を付けたことで、全般ドル買いが活発化し、一時1.2095ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.2124ドル付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は続伸:一連の悪天候で供給不安からの買い継続

NY原油先物市場は59.33ドル-60.33ドルのレンジ相場となった。米国テキサス州を中心とする悪天候(大寒波や暴風)が原因で、複数の石油関連施設が閉鎖されている。この一連の悪天候による原油の供給不安で原油先物価格は続伸し、昨年1月以来となる60ドル台で引けた。なお、一部通信社によると、『米国の原油生産は暴風雪で日量200万バレル程度減少する』との報道も流れた。アジア市場で60.33ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて59.33ドルまで下落したが、原油需要増大の思惑は残されており、通常取引終了後の時間外取引で60.27ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1788.10-1827.00ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが昨年2月以来となる1.29%台まで上昇したことや、米金利高によるドル買いで、安全資産とされる金先物は続落した。バイデン米政権による1.9兆ドルの追加経済対策の早期成立や、ワクチン普及による経済活動正常化への期待が根強く、避難通貨としての金離れが顕著になってきている。ニューヨーク市場の序盤にかけて金先物は1800ドルの節目を下回る展開となった。米長期金利の上昇が続いていることから、一時1788.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引で1800.20ドルまで戻す場面があったが、上値の重さは消えていない。

 

米国債券市場は3日続落:景気回復の加速を意識した売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)1.31%で終了した。10年債利回りは一時1.3141%前後と昨年2月27日以来約1年ぶりの高水準を付けた。新型コロナウイルスワクチン普及や米追加経済対策による景気回復の加速が意識されて、市場ではインフレ警戒が強まった。 

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2021/02/16/07:31:29

米国市場はプレジデンツデーで休場

株式、NY原油先物、NY金先物、米国債券市場は休場

NY外国為替市場:世界的な株高でリスク選好の円売り

ドル/円は、米追加経済対策や新型コロナウイルスワクチン普及への期待から日経平均株価が約30年半ぶりに終値で3万円台を付けるなど、世界的に株高が進行した。投資家のリスク選好機運が市場全体に広がり、円売り・ドル買いが優勢となった。欧州時間に一時105.41円と8日以来の高値を付けた。ただ、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。米国市場がプレジデンツデーで休場となり取引材料に乏しい中、ほぼこう着状態で推移した。カナダもファミリーデーで休場だった。NY時間の安値は105.27円、高値は105.40円で値幅は13銭程度と小さかった。 

 

ユーロ/ドルは、ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁がイタリアの新首相に就任し、同国の政局混乱が収束するとの見方からユーロ買いが進行した。欧州序盤に一時1.2145ドルまで買われた影響が残った。もっとも、そのあとは米国市場が休場で市場参加者が激減したため、商いは低調となった。 

 

カナダドルは、WTI原油先物価格が昨年1月以来の高値となる1バレル=60ドル台後半まで大幅上昇したことを受けて、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。対米ドルでは一時1.2631カナダドルまで上昇したほか、対円では83.40円と約1年ぶりの高値を付けた。同じく産油国通貨とされるノルウェークローネは対ドルでは8.3742クローネ、対ユーロでは10.1611クローネ、対円では12.58円まで値を上げた。なお、米南部テキサス州では猛烈な寒波が襲来し、同国最大の鉱区のシェールオイル供給が減少。原油価格の上昇につながった。同州では暖房需要の急増で計画停電を余儀なくされている。 

 

今週は足元の経済状況を示す材料が発表

 今週の市場では、米国で主要月次指標の発表が続く。また、欧州では企業の景況感指数の発表もあり、足元の経済状況を示す材料が相次いで発表される。米国では、昨年末に実現した追加景気対策による個人向け給付金効果もあり、1月の小売売上高は4ヶ月ぶりに前月水準を上回ることが期待されている。ユーロ圏のPMIは、域内での感染者が減少傾向を辿り始めていることもあり、企業景況感の改善が期待される。感染の鈍化や景気対策を背景に、強めの経済指標の発表が続けば、市場の楽観的な見方を後押しすることになる。一方で、ワクチン接種率の上昇も相まった経済正常化への期待の高まりにより、大きすぎる景気対策はインフレ懸念を高める。昨年は、4月から5月にかけて物価が下落したが、今年はその『ウラ』が出る形で、前年対比で見た物価上昇率は嵩上げされる。原油をはじめ、各種商品市況も上昇基調を強めており、インフレに対する市場の注目は、年央にかけて一層高まる。これによって金利の上昇が早まれば、株式市場にも影響を及ぼす。あらためて、中央銀行の考え方にも注目が集まる。

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