FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/03/16/07:38:34

米国株式市場は上昇:米景気回復が早まるとの見方の買い継続

NYダウは174.82ドル高の32953.46ドル、ナスダックは139.84ポイント高の13459.71ポイントで取引を終了した。3月NY連銀製造業景気指数が2018年以来の高水準に回復したため、寄り付き後上昇した。バイデン政権が増税を検討しているとの報道が警戒され一時下落に転じたものの、米追加経済対策の成立と新型コロナウイルスワクチン普及で、景気回復が早まるとの見方からこの日も買いが継続した。ただ、欧州諸国で英アストラゼネカ製のワクチン接種を中断する動きが相次ぐと、欧州の接種状況を巡る懸念が高まりマイナス圏に沈む場面があった。連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、長期金利が伸び悩んだためハイテク株も上昇した。VIX指数は20.69から20.03へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策会合を控え様子見ムード強い

ドル/円は、今週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がった。NY時間の安値は109.03円、高値は109.25円で値幅は22銭程度だった。なお、3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は17.4と予想の14.5を上回ったものの、相場の反応は限られた。 

 

ポンド/ドルは、ポンド/ドルは一時1.3853ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロ/ポンドは0.8600ポンドまでユーロ高・ポンド安が進んだ。ポンド/円も一時151.20円と本日安値を更新した。ドイツ、イタリア、フランスが英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの接種を一時停止すると発表したことがポンド売りを誘った。同社の新型コロナワクチン接種後に血栓症などの副作用の事例が報告されていることを受けて、欧州では複数の国が接種中止に踏み切っている。

 

ユーロ/ドルは、欧州が再び新型コロナの猛威に見舞われていることがユーロの重しとなり、一時1.1911ドルと日通し安値を付けた。欧州諸国で英アストラゼネカ製のワクチン接種を中断する動きが相次ぐと、欧州の接種状況を巡る懸念が高まり欧米株価が一時軟調に推移した。リスク回避のドル買いが入った。市場では『数カ月にわたり厳しいロックダウン(都市封鎖)を敷いてきたにもかかわらず、欧州では総じて感染が再拡大している』との指摘があった。もっとも、16-17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることから、大きな方向感は出なかった。 

 

NY原油先物市場は小幅安:ドル高を意識した売り優勢

NY原油先物市場は64.13ドル-66.40ドルのレンジ相場となった。中国の良好な経済指標の結果を受けて、エネルギー消費大国である中国の景気回復が順調に進んでいることが好感され、買いが先行したが、利食い売りに押された。また、為替市場でドルが対ユーロで買いが優勢となったことも、ドル建ての原油の上値を圧迫した。アジア市場の序盤で66.40ドルまで買われたが、その後はドル高を意識した利食い売りが強まり、反落した。ニューヨーク市場の中盤にかけて64.13ドルまで下げ幅は拡大した。ただ、欧米株高を意識した買いも入っており、一時65.54ドルまで戻した。

 

NY金先物市場は小幅高:インフレヘッジ目的の買い優勢

NY金先物市場は1719.20-1733.20ドルのレンジ相場となった。先週にバイデン米政権の追加経済対策案が成立し、先行きの物価上昇圧力への警戒感が高まっており、インフレヘッジ目的の買いが優勢となった。アジア市場で1719.20ドルまで買われたが、米長期金利の伸び悩みを意識した買いが入ったことで金先物は反転。ニューヨーク市場の序盤にかけて1733.20ドルまで買われた。ただ、その後は主要通貨に対するドル買いが優勢となっていることや、欧米株高を嫌気して上げ渋った。

 

米国債券市場は3営業日ぶりに反発:イベント控え持ち高調整の買い

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.60%で終了した。16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持ち高調整目的の買いが入った。

 

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2021/03/15/03:01:55

米国株式市場はまちまち:米経済の正常化が進むとの見方から買い優勢

NYダウは293.05ドル高の32778.64ドル、ナスダックは78.81ポイント安の13319.86ポイントで終了した。米追加経済対策が成立したことで、景気回復が勢いづくとの期待から幅広い銘柄に買いが入った。また、バイデン大統領は11日夜の演説で5月1日までにワクチン接種の対象を全成人に拡大すると発言したことで、新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、経済の正常化が進むとの見方も強まった。なお、米国でのワクチン接種は1億回を超えた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。景気の回復期待に米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株への売りが優勢だった。VIX指数は21.91から20.69へ低下した。

 

NY外国為替市場:NY市場ではポジション調整で109円を挟むもみ合い

ドル/円は、欧州市場では一時109.17円まで買われる場面もあったが、NY市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売買に終始したため、109.00円を挟んだもみ合いになった。注目されていた2月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%/前年同月比2.8%と概ね予想通りの結果となったほか、PPIコア指数も前月比0.2%/前年同月比2.6%とほぼ予想通りの結果となったため、相場への影響は限られた。 

 

欧州序盤に一時1.1910ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場では週末を控えた持ち高調整目的の買いが入り1.1960ドル付近まで値を戻した。ユーロ/ポンドの上昇につれたユーロ買い・ドル売りも入った。米10年債利回りが一時1.6405%前後と昨年2月以来約1年1カ月ぶりの高水準を付けたことへの反応は鈍かった。

 

カナダドルは堅調だった。対米ドルでは一時1.2462カナダドルと18年2月以来約3年1カ月ぶりの高値を付けたほか、対円では87.49円と18年10月以来約2年5カ月ぶりの高値を更新した。カナダ統計局が発表した2月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が25.92万人増と予想の7.50万人増を大幅に上回ったほか、失業率が8.2%と予想の9.2%より強い数字となったことを受けてカナダドル買いが広がった。

 

NY原油先物市場は反落:米長期金利の上昇を警戒した売り優勢

NY原油先物市場は65.41ドル-66.24ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)月報の弱い需要予測を受けて警戒感が浮上した。米追加経済支援策による景気回復を背景とした先高への期待はあるが、コロナ関連の行動規制による需要低迷が先行する恐れがくすぶっている。 アジア市場で65.41ドルまで下げた後、ロンドン市場で66.24ドルまで戻したが、ニューヨーク市場では米長期金利の上昇を警戒した売りが増えたことで66.19ドルから一時65.44ドルまで下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の309基になった。

 

NY金先物市場は弱含み:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1696.60-1726.10ドルのレンジ相場となった。米金利上昇により、金利を生まない資産である金は売られやすかった。米株の底堅さが、安全資産とされる金の購入意欲を後退させた面もあった。アジア市場で1726.10ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を警戒してロンドン市場で1696.60ドルまで下落した。ニューヨーク市場でも長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが観測されたが、押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引で1724.00ドルまで戻した。 

 

米国債券市場は続落:景気回復が早まるとの見方から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.62%で終了した。米追加経済対策の成立と新型コロナウイルスのワクチン普及で、景気回復が早まるとの見方から相対的に安全資産とされる米国債には売りが広がった。10年債利回りは一時1.6405%前後と昨年2月以来約1年1カ月ぶりの高水準を付けた。 

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2021/03/12/07:45:47

米国株式市場は上昇:景気回復が勢いづくとの期待から買い優勢

NYダウは188.57ドル高の32485.59ドル、ナスダックは329.84ポイント高の13398.67ポイントで終了した。週次の新規失業保険申請件数が減少したほか、1月JOLT求人件数も予想外に増加するなど良好な雇用関連指標を好感し寄り付き後、上昇した。米追加経済対策が成立したことで、景気回復が勢いづくとの期待から幅広い銘柄に買いが入った。長期金利動向の混乱も鎮静化したため、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄も買われた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反発し、同329.84ポイント高の13398.67で取引を終えた。電気自動車(EV)のテスラや半導体のエヌビディアの上昇が目立った。NYダウは連日史上最高値を更新し引けた。VIX指数は22.56から21.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売り優勢

ドル/円は、一時は1.47%台まで低下した米10年債利回りが1.54%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行した。前週分の米新規失業保険申請件数が71.2万件と予想の72.5万件より強い内容となったことも相場の支えとなり、一時108.71円付近まで値を上げた。ただ、NYダウが史上最高値を更新するなど、米国株が堅調に推移するとリスク選好のドル売りが優勢となり、一時108.30円とアジア時間に付けた日通し安値まで押し戻された。米30年債入札が『無難な結果』となり、米長期金利の上昇が一服したことも相場の重石となった。

 

ユーロ/ドルは、NY市場序盤は米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.1928ドル付近まで値を下げたものの、下押しは限定的だった。米長期金利が上昇幅を縮めたことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、一時1.1990ドルと日通し高値を更新した。米国株高に伴うリスク選好のドル売りも出た。コモディティ価格の上昇を背景に、資源国通貨に対してドル安が進んだ影響も受けた。なお、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を据え置くと発表した。声明で『パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入ペースを次の四半期で大きく加速する』と表明した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で『短期的な見通しは不透明』『早すぎるタイト化は望ましくない』と述べた一方、『リスクはより均衡した』『ECBはイールドカーブコントロールを行わず』『一時的なインフレ急騰は重視しない』などと語った。 

 

銅や原油など商品相場の上昇を背景に、資源国通貨は堅調に推移した。カナダドルは対米ドルで一時1.2521カナダドルと2月25日以来の高値を付けたほか、対円では86.61円と18年11月以来の高値を更新した。また、メキシコペソは対ドルで一時20.5843ペソと3日以来の高値まで上げたほか、対円では5.27円と2月16日以来の高値まで上昇した。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:欧米株高を意識した買い優勢

NY原油先物市場は64.54ドル-66.21ドルのレンジ相場となった。前日発表の中国2月社会融資総量が市場予想を上回り、潤滑な資金流動性を確認した。本日は、米追加経済対策が大統領署名にいきついた。米中のけん引による景気回復で、エネルギー需要が高まるとの期待から原油は買われた。アジア市場で64.54ドルまで下げたが、まもなく反転した。ロンドン市場では65ドルを挟んだ動きとなったが、ニューヨーク市場では米長期金利の安定や欧米株高を意識した買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で一時66.21ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は3日続伸:欧米株高が意識され伸び悩み

NY金先物市場は1716.80-1738.00ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが1.54%付近へ持ち直した局面では、前日比マイナスで推移した。しかし、米30年債の入札倍率が2月入札時より上昇し、債券への一定の引き合いが確認されると米長期金利が低下した。金利を生まない金の相対的な価値の高まりが意識され、金先物価格はプラス圏を回復した。アジア市場の終盤にかけて1738.00ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。ニューヨーク市場では欧米株高を意識して1716.80ドルまで下げている。ただ、米長期金利の伸び悩みを意識した買いが観測されており、一時1726.50ドルまで反発している。

 

米国債券市場は反落:米景気回復が早まるとの見方から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.54%で終了した。バイデン米大統領は11日、予定より1日早く1.9兆ドル規模の追加経済対策に署名し、法案が成立した。米追加経済対策の成立で、景気回復が早まるとの見方から米株式相場が上昇し、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。なお、30年債入札は『無難』な結果だった。

 

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2021/03/11/07:52:49

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策が成立する見通しで買い優勢

NYダウは464.28ドル高の32297.02ドル、ナスダックは4.99ポイント安の13068.83ポイントで取引を終了した。米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことで投資家心理が上向き、引き続き買いが優勢となった。2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れ、買いを後押しした。NYダウは一時550ドル超上昇する場面があった。一方、10年債入札が冴えず、長期金利が下げ止まるとハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反落し、同4.99ポイント安の13068.83で取引を終えた。前日に大幅高となった反動で下げた。VIX指数は25.47から22.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国のインフレ懸念薄れ米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、『日銀は国債金利がより柔軟に動く方法を政策点検で検討している』との一部報道を受けて円買い・ドル売りが先行し、一時108.50円付近まで値を下げた。ただ、黒田東彦日銀総裁が5日に長期金利の変動幅拡大に対して否定的な見解を示したこともあり、ドル売り圧力はすぐに後退した。もっとも、2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ったことが分かると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れ、米金利の低下とともにドル売りが再燃した。前日の安値108.42円を下抜けて一時108.34円まで下げ足を速めた。なお、米下院はこの日、1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス経済対策法案を再可決した。バイデン大統領は12日に署名する見通しで、同法案はその後成立する。 

 

ユーロ/ドルは、翌日予定されている欧州中央銀行(ECB)定例理事会とラガルドECB総裁の会見を見極めたいとして、しばらくは方向感に乏しかったが、米CPIを受けて米金利が低下すると一時1.1925ドルまでユーロ高が進んだ。その後1.1886ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、引けにかけて再び強含んだ。6時30分前には一時1.1930ドルと日通し高値を更新した。なお、『ECB予測草案では、インフレ上昇は一時的との見解が示される』との一部報道が伝わったものの、相場の反応は限られた。 

 

カナダ銀行(BOC、中央銀行)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の0.25%で据え置くと発表した。据え置きは8会合連続。声明では『インフレ率が継続的に目標の2%に達するまでは現行の金融緩和策を維持する』との方針を改めて示した半面、『新型コロナ流行で落ち込んだ世界経済は回復基調にあり、米景気はコロナ感染減と財政支出の拡大を背景に勢いを増している』『カナダ経済も想定されていたより底堅い』とし、2021年第1四半期のGDP見通しを1月時点のマイナスからプラスに引き上げた。

 

NY原油先物市場は反発:株高を意識した買い戻し

NY原油先物市場は63.13ドル-64.96ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫は、原油在庫の積み増しが続いたものの、ガソリン在庫や中間留分(含む暖房油)は取り崩しが継続した。NY原油先物は、売り買いが交錯して64ドルを挟んで上下した。アジア市場で63.13ドルまで下げたが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことによって、ニューヨーク市場で一時64.96ドルまで反発した。その後、63.25ドルまで反落したものの、株高を意識して時間外取引で64.60ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利の伸び悩みが支援材料

NY金先物市場は1705.60-1724.40ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが一時1.504%と、先週4日以来の1.5%割れをうかがう低下が先行し、ドルは重い動きになった。ドル建て価格の割高感が後退して、金相場は底堅く推移した。ロンドン市場で1705.60ドルまで下落したが、米長期金利の伸び悩みを意識した買いが観測されており、ニューヨーク市場で1720ドル台まで上昇した。株高を意識して上げ渋る場面もあったが、一時1724.40ドルまで買われている。

 

米国債券市場は小幅続伸:インフレ指標が予想を下回り買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは小幅続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.52%で終了した。2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れた。なお、注目されていた10年債入札は『まずまずの結果』と受け止められ、市場の一部では安心感が広がった。 

 

 

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2021/03/10/07:46:32

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇一服で押し目買い

NYダウは30.30ドル高の31832.74ドル、ナスダックは464.66ポイント高の13073.82ポイントで取引を終了した。経済協力開発機構(OECD)が2021年世界、米国経済の成長見通しを引き上げたほか、米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことで投資家心理が上向き、買いが広がった。懸念されていた3年債入札も好調な結果となり米国債相場が堅調に推移し、米長期金利の上昇が一服したことで、これまで軟調だったアップルやマイクロソフトなどグロース(成長)株に押し目買いが入り相場を押し上げた。NYダウは一時340ドル超上昇し、取引時間中の過去最高値を更新する場面があった。VIX指数は25.47から24.03へ低下した。

 

NY外国為替市場:好調な3年債入札で米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、アジア時間に一時109.23円と昨年6月8日以来約9カ月ぶりの高値を付けた反動で利食い売りや戻り売りが優勢となった。欧米株価の上昇を受けて、一時108.97円付近まで持ち直す場面もあったが、109円台に乗せることは出来なかった。米3年債入札が好調な結果となったことで、米長期金利が低下傾向を強めると円買い・ドル売りがじわりと強まり、一時108.38円と日通し安値を更新した。経済協力開発機構(OECD)はこの日、2021年世界経済の成長率見通しを前回の4.2%から5.6%に上方修正したほか、米成長見通しを前回の3.2%から6.5%に引き上げたものの、為替相場への影響は限定的だった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1916ドルと日通し高値を付けたものの、1.1920-50ドルに観測されている売りオーダーに上値を抑えられると伸び悩んだ。一時1.1882ドル付近まで下押しした。もっとも、1.1829ドル付近に位置する200日移動平均線がサポートとして働いており、下値も堅かった。

 

NY原油先物市場は続落:達成感からの調整安が継続

NY原油先物市場は63.76ドル-65.98ドルのレンジ相場となった。週明けに北海ブレント原油先物が節目の70ドル台へ上振れて達成感が生じて以降、原油相場の調整安が継続した。NY原油先物が目先的な下値の節目とされた65ドルを割り込んだことも心理の悪化につながっている。投機筋の売りも入っているようで、明日の米週間原油在庫の発表を前に、下落方向でポジション調整が進んだ。ロンドン市場で65.98ドルまで戻したが、供給不安はある程度解消されており、ニューヨーク市場で64ドルを下回り、通常取引終了後の時間外取引で63.76ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利の低下とドル安で買い優勢

NY金先物市場は1676.70-1718.70ドルのレンジ相場となった。米金利の上昇を嫌気して売られていたナスダック総合指数も大幅に反発するなど主要3指数がすべて上昇と米株高となった。リスク選好のドル売り優位となった。ドル建て価格に割安感が生じ、金相場は上昇した。アジア市場の序盤で1676.70ドルまで下落したが、米長期金利の低下を受けて金先物は反転した。ロンドン市場で1700ドル台を回復し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1718.70ドルまで買われた。ただ、株高を意識した売りも観測されており、時間外取引では1710ドル台でもみ合う状態が続いている。

 

米国債券市場は反発:下落が続いた後の押し目買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.53%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いが優勢となった。3年債入札が『堅調』と受け止められたことも相場の下支え要因となった。

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