FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/03/09/07:40:09

米国株式市場はまちまち:追加経済対策の成立見通しを好感

NYダウ306.14ドル高の31802.44ドル、ナスダックは310.99ポイント安の12609.16ポイントで取引は終了した。米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことで、投資家心理が上向き買いが広がった。米国では新型コロナのワクチン接種が進んでおり、経済が順調に正常化するとの期待も強い。特に景気循環株を押し上げ、NYダウは一時650ドル超上昇した。取引時間中の過去最高値を更新する場面があった。VIX指数は24.66から25.47へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことを受けて、米長期金利が上昇傾向を強めると円売り・ドル買いが優勢となり、一時108.94円と昨年6月8日以来9カ月ぶりの高値を付けた。NYダウが一時650ドル超上昇し、取引時間中の過去最高値を更新したことも相場の支援材料となった。米議会上院は6日、新型コロナ危機を受けた1.9兆ドル規模の追加経済対策法案を一部修正し、可決した。下院で9日にも再可決し、バイデン米大統領の署名を経て14日までに成立する見通しとなった。イエレン米財務長官は追加経済対策案について『非常に力強い米景気回復を促進させる十分なリソースを提供する』との見解を示した。また、『財政支出拡大に伴う景気過熱は想定していないものの、追加対策がインフレ誘発につながる可能性が示されれば、対応する手段があり、動向を注視する』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された1月独鉱工業生産が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米10年債利回りが一時1.6116%前後まで上昇するなど米金利が上昇傾向を強めるとユーロ売り・ドル買いが活発化し、一時1.1844ドルと昨年11月24日以来の安値を付けた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.42と昨年11月24日以来の高値を付けた。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに大幅反落:利益確定売り優勢

NY原油先物市場は64.57ドル-67.98ドルのレンジ相場となった。週明けの時間外取引で68ドル目前まで上振れた後を受け、利益確定の売り優位となった。アジア市場で67.98ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を警戒して利益確定を狙った売りが広がった。ニューヨーク市場で65ドルを下回り、通常取引終了後の時間外取引で64.57ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は下落:米長期金利の上昇や株高を嫌気した売り

NY原油先物市場は1673.30-1712.00ドルのレンジ相場となった。米金利が高水準を維持しており、金利を生まない資産である金が売られやすい状態が続いているアジア市場の取引開始後に1712.00ドルまで買われたが、換金目的の売りが強まり、アジア市場の終盤にかけて1700ドルを下回った。ニューヨーク市場では、米長期金利の上昇や株高を意識した売りも観測されており、一時1673.30ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場は4日続落:景気回復の加速を見込んだ売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.59%で終了した。米追加経済対策が成立する見通しとなったことを受けて、景気回復の加速を見込んだ債券売りが広がった。10年債利回りは一時1.6116%前後まで上昇した。 

 

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2021/03/08/03:00:19

米国株式市場は上昇:経済活動の再開を期待した買いが支え

NYダウ572.16ドル高の31496.30ドル、ナスダックは196.68ポイント高の12920.15ポイントで取引が終了した。2月米雇用統計が予想より良好な内容となったことで投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買い戻しが入った。また、1.9兆ドル規模の追加経済対策が速やかに成立する可能性があること、いくつかの州が来週からパンデミック対策の規制緩和を計画していることから経済活動の再開を期待した買いが支えた。原油先物価格の上昇を受けて石油株が買われたことも相場の押し上げ要因となり一時650ドル超上げた。ただ、米長期金利の上昇が警戒されて、指数はマイナス圏で推移する場面もあった。VIX指数は28.57から24.66へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、米労働省が発表した2月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比37.9万人増と予想の18.2万人増を大きく上回ったほか、失業率が6.2%と予想の6.3%より強い数字となったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時108.64円と昨年6月8日以来約9カ月ぶりの高値を付けた。ただ、買い一巡後は戻り売りなどに押されて、108.10円付近まで下押しした。米長期金利が低下に転じたことも相場の重石になった。米10年物国債利回りは良好な雇用指標を受けて一時1.6238%前後と昨年2月以来の高水準を付けたものの、そのあとは1.53%台まで低下した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁はオンラインイベントで『米経済はなお苦境から脱していない』『労働市場が力強さを増し、平均インフレ率が長期目標を達成する軌道に乗るまで支援策を維持する』などと述べた。2021年米経済成長率については『5-6%』と予想した。 

 

ユーロ/ドルは、米重要指標を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、良好な米雇用統計の結果が伝わるとユーロ売り・ドル買いで反応し一時1.1894ドルと昨年11月26日以来の安値を付けた。ただ、米長期金利が低下に転じると買い戻しが優勢となり1.1946ドル付近まで持ち直した。NY午後に入ると、週末を控えたポジション調整目的の売買に終始し、次第に商いが細った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは米雇用統計後に一時92.19と昨年11月25日以来の高値を付ける場面があった。米追加経済対策成立の見通しや良好な米経済指標を受けて、インフレ加速の観測が強まっており、市場では『FRBは早ければ今年中にも資産購入の減額に着手する』との思惑が浮上した。短期金融市場では2022年末までの利上げを織り込んだ。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:米雇用改善で経済活動の拡大期待

NY原油先物市場は63.82ドル-66.40ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国でつくる『OPECプラス』が4日、協調減産を4月も継続すると決定した影響が続いた。米2月雇用統計が強かったことで経済活動の拡大期待が高まったことも相場の支えに、大きく上値を伸ばした。アジア市場で63.82ドルまで下げたが、主要産油国による減産体制は継続することから、まもなく反転。この日発表された2月米雇用統計は市場予想を上回っており、需要増加が想定されたことで66.40ドルまで一段高となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基増加の310基となった。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利下げ渋りを嫌気した売り

NY金先物市場は1683.00-1705.70ドルのレンジ相場となった。強い2月米雇用統計の結果を受けて米長期金利が上昇し、為替相場でドル高が進行するとドル建ての金先物は1683ドル台まで下落した。その後、ドル売り戻しと共に1705ドル台まで反発するも、引けにかけては再び上値を切り下げた。通常取引終了後の時間外取引では1700ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は3日続落:良好な米2月雇用統計を受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小幅ながら3日続落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.57%で終了した。良好な2月米雇用統計を受けて債券売りが先行し、10年債利回りは一時1.6238%前後と昨年2月以来の高水準を付けた。ただ、売り一巡後は値ごろ感からの押し目買いが入り上げに転じる場面もあった。週末を控えたポジション調整目的の買いも入った。

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2021/03/05/07:55:55

米国株式市場は下落:米長期金利の急伸を嫌気した売り優勢

NYダウは345.95ドル安の30924.14ドル、ナスダックは274.28ポイント安の12723.47ポイントで取引を終了した。追加経済対策の速やかな成立期待に加え予想を小幅下回った先週分新規失業保険申請件数を受けて寄り付き後堅調に推移した。しかし、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が討論会でインフレ圧力の高まりに懸念を示さず、長期金利上昇の抑制策にも言及しなかったため、米長期金利が急伸した。高PER(株価収益率)で相対的に割高感が意識されやすいハイテク株中心に売りが広がった。指数は一時720ドル超下げる場面があった。VIX指数は26.67から28.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及による米経済正常化期待から米長期金利が上昇基調を維持した。日米金利差拡大への思惑からNY市場に入っても円売り・ドル買いの流れが続いた。107.50円超えに観測されていたストップロス注文を誘発し、107.65円まで値を上げた。1月米製造業新規受注が前月比2.6%増と予想の2.1%増を上回ったことも相場の支援材料になった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は討論会で『FRBは目標達成のために強くコミット』『依然としてFRBの目標には程遠い』と述べ、金融緩和の継続する姿勢を強調したものの、長期金利の上昇については『一過性のインフレ加速に対して我々は慌てない』『市場が秩序のない状況になれば問題視するだろう』と述べるにとどまった。市場では『金利上昇へのけん制が期待するほど強くなかった』として、米10年債利回りが一時1.56%台まで急伸した。これを受けて為替市場では全般ドル買いが活発化し、ドル円は取引終了間際に一時107.94円と昨年7月1日以来の高値を付けた。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長が講演でインフレ圧力の高まりに懸念を示さず、長期金利上昇の抑制策にも特に言及しなかったため、米長期金利が急上昇。主要通貨に対してドル高が進んだ流れに沿って、一時1.1962ドルと2月5日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。 

 

カナダドル/円は一時85.54円と2018年12月以来の高値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国でつくる『OPECプラス』がこの日の会合で協調減産の1カ月延長を決めると、WTI原油先物価格が一時5%超上昇。産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:需給のひっ迫の思惑から買い

NY原油先物市場は60.52ドル-64.86ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国でつくる『OPECプラス』は、4日に開いた会合で協調減産の1カ月延長を決定した。また、サウジアラビアが日量100万バレルの自主減産も4月まで1カ月延長すると表明した。これらを受けて原油相場は買いが強まり、約1年2カ月ぶりの高値となる64ドル後半まで一時上昇した。引けにかけては利益確定売りに押されるも、前日比では4%超高で終えた。ロンドン市場で60.52ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて62ドル台を回復。その後、62ドルを一時下回ったが、サウジアラビアの減産は4月末まで継続されることから、一時64.86ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利の上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1687.60-1721.60ドルのレンジ相場となった。注目されたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では、長期金利上昇をけん制する発言は期待されたほど強くなかった。米金利が再び上昇傾向となり、金利を生まない金への売り圧力が高まった。為替相場でドル高が進行したこともドル建て金先物の重しとなり、引け後には1688ドル割れまで下値を広げた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1721.60ドルまで買われたが、長期金利が一段高となったことやドル高を嫌って、1687.60ドルまで続落。その後1698.20ドルまで戻したが、時間外取引でも1700ドルを下回る水準で推移している。

 

米国債券市場は大幅続落:パウエル議長の討論会内容に失望売り

米国債券市場で長期ゾーンは大幅続落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.56%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が討論会でインフレ圧力の高まりに懸念を示さず、長期金利上昇の抑制策にも特に言及しなかったため、失望売りが広がった。10年債利回りは一時1.5675%前後まで上昇した。 

 

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2021/03/04/08:01:47

米国株式市場は下落:不調な経済指標結果や米長期金利上昇を嫌気

NYダウは121.43ドル安の31270.09ドル、ナスダックは361.03ポイント安の12997.75ポイントで取引を終了した。テキサス州などがパンデミック対策の全規制を解除すると発表したほか、バイデン米大統領が『5月末までに米国の成人全員分の新型コロナワクチンを確保できる』と表明したことで、ワクチン普及が米経済活動の正常化を促すとの期待が強まり景気敏感株が上昇した。ただ、2月ADP雇用統計や2月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったほか、米長期金利の上昇を警戒し、ハイテク株に売りが集まると指数は失速した。NYダウは不安定な値動きが続き、終盤売りが加速した。VIX指数は24.10から26.67へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングに絡んだドル売りが重石

ドル/円は、米10年債利回りが一時1.49%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行した。2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が11.7万人増と予想の17.7万人増を下回ったことが分かると106.80円付近まで下押ししたものの、米長期金利が上昇傾向を強める中、一時107.15円と昨年7月23日以来の高値を付けた。2月米サービス部門PMI改定値が59.8と予想の58.9を上回ったことも相場の支援材料になった。ただ、同日高値107.23円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。前日と同様に、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されたことも相場の重石となり、106.85円付近まで押し戻された。24時発表の2月米ISM非製造業指数が55.3と予想の58.7を下回ったことも次第に意識された。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するエバンズ米シカゴ連銀総裁は『インフレが急激に上昇する著しいリスクは見られない』『長期金利の上昇は前向きな経済的兆候であるという見解を共有』と述べたほか、『イールドカーブ・コントロールについては考えていない』『米連邦準備理事会(FRB)は必要に応じて債券購入の満期を延長する可能性がある』などと発言した。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.2043ドルと日通し安値を付けたものの、ロンドン・フィキシングにかけては全般ドル安が進んだため、1.2081ドル付近まで下げ渋った。フィキシング通過後は1.20ドル台後半で次第に値動きが細った。FRBはこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、『米経済活動はほとんどの地区で緩慢に拡大』『企業は今後数カ月間の見通しに楽観的で住宅需要も堅調』『労働市場の改善ペースは鈍い』などと指摘した。 

 

米国株相場の下落を受けて、新興国通貨は軟調だった。トルコリラは対ドルで一時7.4990リラ、対円で14.26円まで下落したほか、南アフリカランドは対ドルで15.1130ランド、対円で7.08円までランド安に振れた。また、メキシコペソは対ドルで20.9988ペソ、対円で5.09円まで売り込まれた。

 

NY原油先物市場は大幅反発:協調減産継続報道で買い戻し

NY原油先物市場は59.24ドル-61.99ドルのレンジ相場となった。今週の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合では協調減産の緩和が予想されていたが、一部通信社が関係筋の話しとして『4月も産油量は据え置かれる』と報じると、買い戻しが急速に強まった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計の発表後に値を下げるも直ぐに反発し、一時62ドル手前まで上げ幅を拡大した。EIA在庫統計では、原油が2156.3万バレルの積み増しと1982年以来の積み増し幅を記録した。一方、ガソリンは1362.4万バレルの取り崩しと1990年以来の取り崩し幅となった。アジア市場で59.24ドルまで下げたが、まもなく反転し、ロンドン市場の序盤にかけて61ドル台まで買われた。OPECプラスによる供給増加観測を受けて60.22ドルまで売られたが、需要増加への期待は残されており、一時61.99ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1699.40-1739.10ドルのレンジ相場となっている。米長期金利が再び上昇傾向を強めると金利を生まない金への売り圧力が強まり、中心限月としては約9カ月ぶりに1700ドルを一時割り込んだ。ただその後、為替相場でドルがユーロに対し売り戻されるとドル建ての金先物も下値を切り上げた。アジア市場で1739.10ドルまで買われたが、米長期金利の動向を意識して上値は重くなった。長期金利が一段高となったことから、ニューヨーク市場で一時1699.40ドルまで下げ幅は拡大。その後1723.80ドルまで戻したが、戻り売りが観測されており、時間外取引では1710ドル台で推移している。 

 

米国債券市場は大幅反落:米インフレ観測が強まり売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅反落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.48%で終了した。米インフレ観測が急速に強まる中、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和が想定よりも早く修正される可能性が意識されて、債券売りが広がった。 

 

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2021/03/03/07:45:37

米国株式市場は下落:利益確定売りが優勢となり上値の重い展開

NYダウは143.99ドル安の31391.52ドル、ナスダックは230.04ポイント安の13358.79ポイントで取引を終了した。中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の主席が2日、国内の不動産バブルに加えて米欧の金融市場のバブルが弾ける可能性を懸念すると表明したことから、寄り付き後下落した。また、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及による経済正常化期待から買いが優勢となったものの、前日に600ドル超高と約4カ月ぶりの上げ幅を記録した後だけに上値は重かった。主要ハイテク株に利益確定の売りが集まったことも指数の押し下げ要因となった。VIX指数は23.35から24.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングでドル売りフローで失速

ドル/円は、米10年債利回りが一時1.45%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行した。市場では『米追加景気対策が間もなく成立するとの観測や、新型コロナワクチンの普及による早期の経済正常化に期待が強まる中で円売り・ドル買いの動きは根強い』との声も聞かれ、一時106.96円と昨年8月14日以来の高値を付けた。ただ、節目の107.00円の上抜けに失敗すると一転下落した。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、一時106.67円と日通し安値を更新した。市場では『ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された』との指摘もあった。なお、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は『市場動向に細心の注意を払っている』『経済は目標には程遠く、忍耐強さが必要』『債券購入の縮小までしばらく時間がかかる』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では、米欧の金利差拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.1992ドルと2月5日以来の安値を付けたものの、NY市場では底堅い動きとなった。米長期金利が低下に転じたことで手掛かりに全般ドル売りが進んだ流れに沿って、一時1.2094ドルと本日高値を更新した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローも観測されたほか、『欧州連合(EU)は新型コロナ対策のため加盟国に認めている財政規律の一時停止を2022年も継続する可能性が高い』との一部報道も好感された。なお、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事はこの日、『債券利回りの上昇を抑えるため、ECBは債券購入増額を躊躇すべきではない』との考えを示したものの、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は続落:増産観測広がり持ち高調整による売り

NY原油先物市場は59.45ドル-61.21ドルのレンジ相場となった。時間外では一時59ドル半ばまで弱含んだが、石油需要増に繋がる『経済活動の早期正常化』への期待は根強く、NY勢の参入後は61ドル台まで反発する場面があった。もっとも引けにかけては再び売りが強まり、終値は2月19日以来の59ドル台となった。石油輸出国機構(OPEC)会合で協調減産幅が縮小される見通しが高まる中で持ち高調整が進んだ。またOPECプラス共同技術委員会(JTC)が原油相場の楽観的な見通しに警告を発したことも重しとなった。アジア市場で59.45ドルまで下げた後、押し目買いが入ったことでニューヨーク市場の序盤に61.21ドルまで買われたが、増産観測が広がったことから、ポジション調整的な売りが強まり、60ドルを再び下回った。 

 

NY金先物市場は小幅反発:米ドル売り戻しと米長期金利の上げ渋りで買い

NY金先物市場は1704.60-1737.20ドルのレンジとなった。為替相場でドル高が進んだことが重石となり、時間外では1705ドル割れまで売り込まれた。もっとも、約9カ月ぶりの1700ドル割れに失敗すると一転買い戻しが優勢になった。NY勢の本格参入後にはドル売り戻しが強まったことも支えに、1737ドル台まで下値を切り上げた。アジア市場で1704.60ドルまで売られたが、米長期金利の上げ渋りを意識して反転し、ニューヨーク市場で1737.20ドルまで買われた。

 

米国債券市場は反発:米国株安でリスク回避の債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.39%になった。米国株の下落を受けて相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。ブレイナードFRB理事が『経済は目標には程遠く、忍耐強さが必要』『債券購入の縮小までしばらく時間がかかる』などと述べたことも相場を下支えした。

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