FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/03/02/07:54:18

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇が落ち着き買いが優勢

NYダウは603.14ドル高の31535.51ドル、ナスダックは396.48ポイント高の13588.83ポイントで取引が終了した。米下院が1.9兆ドル規模の追加経済対策を可決したほか、米食品医薬品局(FDA)が米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンに緊急使用許可を出したことを受けて、早期の経済正常化への期待が高まった。前週の株価急落のきっかけとなった米長期金利の上昇がひとまず落ち着いたほか、2月ISM製造業景況指数が予想を上回ると上げ幅を拡大した。投資家心理の改善につながり一時730ドル超上昇する場面があった。VIX指数は27.95から23.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利動向に振れる展開

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが1.45%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行し、一時106.77円まで値を上げた。米10年債利回りが1.41%台まで上昇幅を縮めると106.52円付近まで下押しする場面もあったが、NYダウが一時730ドル超上昇し、豪ドル/円などクロス円が上昇するとドル/円も再び強含む展開になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁が『イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応』『インフレ期待が上昇している兆候はない』と発言したことで、米10年債利回りが1.4582%前後と本日高値を付けるとドル高が進み、一時106.89円と昨年8月28日以来の高値を更新した。もっとも、同日高値106.95円が目先レジスタンスとして意識されると、引けにかけてはやや伸び悩んでいる。なお、2月米ISM製造業景気指数は60.8と予想の58.6を上回り、2018年2月以来3年ぶりの高水準となった。

 

ユーロ/ドルは、米国株相場の上昇に伴うリスク選好のドル売りが出ると1.2067ドル付近まで持ち直したものの、ビルロワドガロー仏中銀総裁が『最近の利回りの上昇は不当であり、欧州中央銀行(ECB)はそれに対応する必要がある』『選択肢には必要に応じて預金金利の引き下げが含まれる』などと発言すると、一時1.2028ドル付近下落し欧州時間に付けた日通し安値に面合わせした。

 

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは持ち直しの動き。2月28日には一時43100ドル台まで下落していたものの、そこから急反発に転じ、昨日ついに49400ドル台と再び5万ドルを意識するレベルまで回復してきた。足もとは小緩んだ48600ドル台。ここから上値は重そうだが、下値リスクが軽減した感は否めず、じり高推移が続くとの見方も少なくない。

 

NY原油先物市場は続落:協調減産の緩和観測が相場の重石

NY原油先物市場は59.96ドル-62.92ドルのレンジ相場となった。米国では先週末、大規模な追加コロナ対策が下院で可決され、また同国で3番目となる新型コロナウイルスワクチンが承認された。経済正常化への期待が高まるなか原油先物は時間外から買い戻しが強まり、一時63ドル手前まで上昇した。しかしながら、NY勢の本格参入後は上値が重い展開になった。為替相場でドル高が進んだことや、今週の石油輸出国機構(OPEC)会合における協調減産の緩和観測が依然として重石となった。一時60ドル割れまで売り込まれる場面があった。アジア市場の序盤で62.92ドルまで戻したが、買いは続かず、62ドル台半ば近辺でのもみ合いが続いた。ニューヨーク市場ではドル高や長期金利の上昇を嫌気してポジション調整的な売りが強まり、一時60ドルを下回った。 

 

NY金先物市場は5日続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1717.20-1757.40ドルのレンジ相場となった。先週末の大幅下落の反動で時間外では買い戻しが先行した。しかしながら為替相場でドルがユーロに対し再び強含むと、ドル建ての金先物は上値を切り下げる展開になった。NY午後には米長期金利の上昇が重石となり、一時1720ドルを割り込む場面もあった。アジア市場で1757.40ドルまで買われたが、欧米諸国の株高を意識して上値は次第に重くなった。ニューヨーク市場では、米長期金利の反発が観測されており、通常取引終了後の時間外取引で1717.20ドルまで下落した。

 

米国債券市場は小幅反落:米追加か経済対策やワクチン普及期待から売り

米国債券市場で長期ゾーンは小幅反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.42%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から債券売りが先行した。バーキン米リッチモンド連銀総裁が『イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応』『インフレ期待が上昇している兆候はない』と発言したことも相場の重石になった。ただ、前週末に大幅下落したことから、値ごろ感からの買いも入ったため下値は堅かった。

 

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2021/03/01/03:01:33

米国株式市場はまちまち:ポジション調整売りでNYダウは終日軟調

NYダウは469.64ドル安の30932.37ドル、ナスダックは72.91ポイント高の13192.34ポイントで取引を終了した。米長期金利上昇への警戒から、寄り付き後下落した。月末でヘッジファンドなどが損失確定のための持ち高解消に動いたなどとの憶測も重しとなり、NYダウは終日軟調推移した。前日に発表した2022年1月期通期の1株利益見通しが予想を下回ったセールスフォース・ドットコムが6%超の急落となり、相場を押し下げた。ゴールドマン・サックスやキャタピラーなど景気敏感株にも売りが出たほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などディフェンシブ株にも売りが集まった。原油価格の下落を背景にシェブロンなど石油株も安かった。ただ、米国債相場が行き過ぎ感などから反発し、金利が低下に転じたため足元で大きく下げていたアップルやマイクロソフトなどを中心にハイテク株が買い戻され、ナスダック総合指数は概ねプラス圏で推移した。VIX指数は28.89から27.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期高止まりとリスク回避のドル買い

ドル/円は、米10年債利回りが前日に一時1.6085%前後まで急騰したことを受けて、この日もドル買いが継続した。NY市場に入り、NYダウが一時490ドル超下落すると、リスク回避のドル買いが活発化し一時106.69円と昨年8月28日以来約半年ぶりの高値を付けた。市場では『米連邦準備理事会(FRB)が年内に資産購入の減額を議論するとの観測が高まっており、パウエルFRB議長の緩和継続姿勢に懐疑的になりつつある』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇基調に対する警戒感から世界各国の株式相場が下落すると、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から安全資産とされるドルが買われた。ユーロ/ポンドの下落につれたユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.2062ドルと日通し安値を付けた。ユーロ/ポンドは『月末特有のユーロ売り・ポンド買いのフローが観測された』との声も聞かれ、一時0.8656ポンドまで下落した。 

 

原油や銅など商品相場の下落を背景に、資源国通貨が軟調に推移した。豪ドル/米ドルは一時0.7693米ドル、NZドル/米ドルは0.7223米ドル、米ドル/カナダドルは1.2749カナダドル、米ドル/南アランドは15.1972ランドまで米ドル高に振れた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:ドル高と株安を嫌気した売り

NY原油先物市場は61.34ドル-63.57ドルのレンジ相場となった。昨日に続いて為替市場でドルが対ユーロで上昇し、ドル建ての原油は割高感から売りが先行した。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国で構成する『OPECプラス』が3月4日の会合で、現行の協調減産措置を4月から緩和するとの観測が出ていることも原油の上値を圧迫した。アジア市場からじり安となり、ニューヨーク市場では欧米株安やドル高を嫌気してポジション調整的な売りが一段と強まる展開となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の309基となった。

 

NY金先物市場は大幅続落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1714.90-1773.80ドルのレンジ相場となった。昨日に急上昇した米長期金利が本日は低下気味も引き続き高い水準でとどまり、ドルが対ユーロで大幅に上昇し、ドル建ての金は大幅に続落した。アジア市場で1773.80ドルまで買われたが、ユーロ安・ドル高を意識して上値は次第に重くなった。ニューヨーク市場では、安全逃避的なドル買いが観測されており、米国債の需要が増えたことから、金先物は一時1714.90ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場は3営業日ぶりに大幅反発:デュレーション調整による買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに大幅反発(利回りは低下)した。米10年債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)1.41%で終了した。前日に急落した反動で短期的な戻りを期待した買いが入ったほか、市場では『月末を迎えて、機関投資家が保有する債券の平均残存年限を維持するための買いを入れた』との指摘があった。

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2021/02/26/07:57:25

米国株式市場は下落:金利急上昇への警戒感から売り優勢

NYダウは559.85ドル安の31402.01ドル、ナスダックは478.54ポイント安の13119.43ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が市場の予想以上に減少したほか、追加経済対策や新型コロナワクチンの普及による景気回復への期待が下支えとなり、米10年債利回りが一時1.6085%前後と昨年2月以来約1年ぶりの高水準に上昇すると、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に売りが広がった。金利急騰で投資家心理が悪化したことで、このところ上昇していた景気敏感株にも売りが波及し、ダウ平均は一時660ドル超下げた。特に割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが加速し、ナスダック総合指数指数は一時、約4%下落した。VIX指数は21.34から28.89へ大幅上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の大幅上昇でドル買い優勢

ドル/円は、米債券市場では米景気回復や国債増発を見込んだ債券売りが優勢となり、米10年債利回りが節目の1.50%を突破し一時1.6085%前後まで急騰した。為替市場では米長期金利の大幅上昇に伴うドル買いが広がり、一時106.40円と昨年9月4日以来約半年ぶりの高値を付けた。前週分の米新規失業保険申請件数や1月米耐久財受注額などが予想より強い内容だったことや、米7年債入札が『不調』だったことも債券売り(金利は上昇)を誘った。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は『最近の米10債利回り上昇は妥当な市場の反応』との認識を示し、インフレ期待の高まりを目指す米連邦準備理事会(FRB)にとっては『歓迎すべき動向だ』と発言した。ジョージ米カンザスシティ連銀総裁は『債券利回りの上昇は経済見通しに対する楽観的な見方を反映している』と述べ、『FRBが対応する必要ない』との考えを示した。また、ボスティック米アトランタ連銀総裁も『利回りは歴史的にみて依然として非常に低い』『FRBが現時点で利回りに対応する必要はない』などと語った。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の独・ユーロ圏経済指標が予想を上回ったことを受けてユーロ買いが先行した。ユーロ/ポンドの上昇につれたユーロ買いも相場を押し上げて、一時1.2243ドルと1月8日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利の急騰をきっかけに全般ドル買いが強まると、一時1.2161ドル付近まで押し戻された。なお、ユーロ/ポンドは大幅に上昇した。前日に一時0.8541ポンドと約1年ぶりの安値を更新するなど、足もとで相場下落が続いていただけに、本日はショートカバーが優勢となり一時0.8697ポンドまで値を上げた。 

 

NY原油先物市場は続伸:景気回復期待からの需要拡大思惑からの買い

NY原油先物市場は62.65ドル-63.81ドルのレンジ相場となった。ロックダウン(都市封鎖)の緩和やワクチン普及を背景とした景気回復期待の高まりや、米南部テキサス州を襲った寒波の影響を受けている石油関連施設の操業再開の遅れなどを手がかりに底堅く推移した。ただ、為替市場でドル安・ユーロ高が失速し、米株が大幅安となったことが重しとなり、上値は限られた。米長期金利の急上昇を警戒して62.65ドルまで下落したが、将来的な需要増大の思惑は残されており、一時63.81ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では株安を意識して上げ渋り、主に63ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1763.90-1805.00ドルのレンジ相場となった。米長期金利が大幅に上昇し、金利を生まない金は売りが継続した。また、ドルが対ユーロで上昇し、ドル建ての金に割高感が生じたことも売りを後押しした。アジア市場の序盤で1805.00ドルまで買われたが、米金利高を警戒してじり安の展開となった。ニューヨーク市場で1763.90ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では1770ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は続落:米景気回復や国債増発を見込んだ売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.15%高い(価格は下落)1.52%で終了した。米景気回復や国債増発を見込んだ債券売りが出たほか、前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より強い内容となったことが債券売りを誘った。米7年債入札が『不調』だったことも債券売りを促し、『売りが売りを呼ぶ展開』となった。10年債利回りは一時1.6085%前後と昨年2月以来の水準まで急騰した。市場関係者からは『米連邦準備理事会(FRB)が長期金利上昇に警戒感を示していないこともあり、水準はさらに切り上がりそうだ』との声が聞かれた。5年債利回りは一時0.8617%前後まで急上昇した。市場では『一部ストラテジストが警戒する重要水準0.75%を上回ったことで売りが加速した』との指摘があった。 

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2021/02/25/07:59:52

米国株式市場は上昇:経済活動の正常化を期待した買いが優勢

NYダウは424.51ドル高の31961.86ドル、ナスダックは132.77ポイント高の13597.96ポイントで終了した。米長期金利の上昇を嫌気する格好で売りが先行し一時110ドル超下落したものの、売り一巡後は米追加経済対策の成立や経済活動の正常化を期待した買いが優勢となり上げに転じた。一時470ドル超上昇し、初めて3万2000ドル台に乗せた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で『FRBが掲げるインフレ目標2%の達成に3年以上かかる可能性がある』などと発言すると、米金融緩和の長期化観測が改めて高まり買いが広がった面もある。NYダウは引けにかけて上昇幅を拡大、史上最高値を更新して終了した。VIX指数は23.11から21.34へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買いやや優勢

ドル/円は、米10年債利回りが一時1.4337%前後と昨年2月以来約1年ぶりの高水準を付けたほか、米30年債利回りが2.2910%前後と昨年1月以来約1年1カ月ぶりの高水準を更新するなど、米長期金利が大幅に上昇したことを受けて全般ドル買いが先行した。1月米新築住宅販売件数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時106.11円と17日以来の高値を付けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で『労働市場にはかなりのスラック(需給の緩み)があり、最大雇用には程遠い』『インフレと雇用の目標達成に近づいていると実際のデータが示すまで、現行の債券購入ペースを継続する』と述べ、金融緩和維持を改めて強調すると米長期金利が上昇幅を縮小した。金利低下とともにドル買い圧力が後退し、一時105.83円付近まで下押しした。パウエルFRB議長が『インフレ目標を達成するのに3年以上かかる可能性がある』と述べたことも意識された。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.2109ドルと日通し安値を更新した。ただ、パウエルFRB議長が『インフレ目標の達成に3年以上かかる可能性』を指摘すると、米金融緩和策が長期化するとの見方が改めて意識されてドル売りが優勢になった。取引終了間際に一時1.2175ドルと欧州序盤に付けた日通し高値に面合わせした。米国株の上昇を受けてリスク選好のドル売りも見られた。

 

オセアニア通貨は堅調だった。米国株相場が上昇したことでリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルに買いが集まった。豪ドル/米ドルは一時0.7973米ドルと2018年2月以来約3年ぶりの高値を付けたほか、豪ドル/円は84.42円と18年6月以来約2年8カ月ぶりの高値を更新した。また、NZドル/米ドルは0.7455米ドルと17年8月以来、NZドル/円は78.91円と18年4月以来の高値を更新した。

 

NY原油先物市場は反発:寒波の影響で供給懸念からの買い優勢

NY原油先物市場は60.97ドル-63.37ドルのレンジ相場となった。ロックダウン(都市封鎖)の緩和やワクチン普及を背景に景気回復期待が高まっていることが支えとなった。また、米南部テキサス州を襲った寒波の影響を受けている石油関連施設の操業再開が遅れるとの見方も引き続き原油の買いを後押しした。米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫は減少予想に反して128.5万バレルの積み増しとなったが、発表後は売り買いが交錯し、反応は限られた。アジア市場で60.97ドルまで下げたが、まもなく反転した。欧米株高を意識した買いが増えたことや、需給ひっ迫を意識して、ニューヨーク市場の中盤にかけて63.22ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1782.20-1813.00ドルのレンジ相場となった。米長期金利が大幅に上昇し、金利を生まない金に売り圧力が強まった。また、ドルが対ユーロで上昇したことや、米株が上昇したことも、金の売りを後押しした。アジア市場で1813.00ドルまで買われた後は伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤にかけて1782.20ドルまで下落した。 

 

米国債券市場は反落:米景気回復や国債増発を見込んだ売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.37%で終了した。米景気回復や国債増発を見込んだ売りが先行した。10年債利回りは一時1.4337%前後と昨年2月以来約1年ぶりの高水準を付けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米金融緩和策が長期化するとの見方が改めて意識されると買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。なお、米5年債入札は『低調』と受け止められたが、相場の反応は限られた。

 

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2021/02/24/08:24:32

米国株式市場はまちまち:米金融緩和策の長期化を意識した買い戻し

NYダウは15.66ドル高の31537.35ドル、ナスダックは67.85ポイント安の13465.20ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の半期に一度の上院議会証言を控え金融緩和縮小への警戒感に寄り付き後、大きく下落した。足もとの米長期金利の上昇を警戒し、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株を中心に売りが先行し、一時360ドル超下落した。ただ、パウエル米FRB議長の議会証言を受けて、米金融緩和策が長期化するとの見方が改めて意識されると一転買い戻しが優勢となり一時130ドル超上げた。ナスダックは下げ幅を大幅に縮小するも終日軟調推移となった。VIX指数は23.45から23.11へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:パウエルFRB議長の発言受けドル一時ドル売り

ドル/円は、ダウ先物の下落を背景にリスク回避のドル買いが先行した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を前にポジション調整目的の買いも入り、一時105.42円と日通し高値を更新した。パウエルFRB議長の発言が伝わると一時105.06円付近まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含んだ。ポンド円中心にクロス円が上昇した影響を受けた。パウエルFRB議長はこの日、米上院銀行委員会で『インフレと雇用環境はFRBの目標をはるかに下回っており、緩和的な金融政策が維持される可能性が高い』と述べ、金融緩和策を維持する姿勢を強調した。足もとの長期金利の上昇については『経済再開や経済成長への市場の期待の表れだ』と述べ、当面は静観する考えを表明。また、インフレ懸念については『物価上昇が長続きするとは予想していない』との考えを示した。 

 

ポンドは全面高となった。ジョンソン英首相は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて1月上旬から実施しているロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和を3月8日から開始すると発表。英経済正常化への期待からポンド買いが優勢となり、ポンド/ドルは一時1.4117ドルと2018年4月以来約2年10カ月ぶりの高値を更新した。また、ポンド/円は148.61円と19年3月以来約1年11カ月ぶりの高値を付けたほか、ユーロ/ポンドは0.8606ポンドと昨年3月以来の安値を更新した。なお、緩和計画によると早ければ6月下旬にもほぼ全ての規制を解除し、国民の生活を正常に近い形に戻す方針である。

 

ユーロ/ドルは、NYダウが一時360ドル超下落し、ナスダック総合が4%近く急落するとリスク回避のドル買いが優勢となり、1.2135ドルと日通し安値を付けたものの、NYダウがプラス圏を回復すると買い戻しが優勢になり、1.2166ドル付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は横ばい:米国株安を警戒した売り優勢

NY原油先物市場は、60.67ドル-63.00ドルのレンジ相場となった。寒波の影響を受けた米南部の石油関連施設の操業再開が遅れるとの見方や、景気回復への期待を背景に買いが先行したが、利益確定売りに押された。売り買いが交錯し、方向感は出なかった。アジア市場で63.00ドルまで買われたが、株安を警戒した売りが増えたことでニューヨーク市場の序盤に60.67ドルまで下落した。しかしながら、ナスダック総合指数を除いて米国株式の下げ幅は縮小したことから、時間外取引で62.13ドルまで戻した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに小反落:3日続伸で利益確定売り優勢

NY金先物市場は、1794.50-1815.20ドルのレンジ相場となった。3日続伸したこともあり、やや利益確定売りが優勢となった。ただ、注目のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は大きな手がかりとはならず、為替相場でもユーロが対ドルでの動きが鈍い中、金先物も値動きは限られた。アジア市場で1815.20ドルまで買われた後、利益確定を狙った売りが増えており、ニューヨーク市場の中盤にかけて1794.50ドルまで下落した。しかしながら、米長期金利の伸び悩みやユーロの下げ渋りを意識した買いが入ったことで1810.60ドルまで反発した。

 

米国債券市場は反発:米金融緩和策の長期化の思惑から買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日りに反発(利回りは低下)した。米10年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.34%で終了した。米景気回復や国債増発を見込んだ売りが先行したものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米金融緩和策が長期化するとの見方が改めて意識されると買い戻しが優勢となった。

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