FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/04/08/07:38:23

米国株式市場はまちまち:景気回復期待と利益確定売りが交錯

NYダウは16.02ドル高の33446.26ドル、ナスダックは9.54ポイント安の13688.84ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスのワクチン普及による米経済再開への期待や、米金融緩和の長期化観測を背景に買いが入った。半面、NYダウは史上最高値圏にあるだけに、利益確定の売りなどが出て下げに転じる場面もあった。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、早期の緩和策縮小観測が後退したことが下支えとなりNYダウは小幅高で引けた。VIX指数は18.12から17.16へ低下した。

 

NY外国為替市場:110円台を回復出来ず一時失速

ドル/円は、欧州市場序盤に一時109.94円と日通し高値を付けたものの、110円台を回復することは出来ずに失速した。米長期金利の指標である米10年債利回りが低下した場面では円買い・ドル売りが優勢となり、一時109.60円とアジア時間に付けた日通し安値109.58円に迫った。ただ、米10年債利回りが上昇に転じると109.88円付近まで持ち直した。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するエバンズ米シカゴ連銀総裁は『米景気見通しは明るさを増しているものの、インフレ率がより健全な水準に上昇するよう、当面は緩和政策を維持する必要がある』などと発言した。テーパリング議論開始については『時期尚早』との考えを示した。また、米連邦準備理事会(FRB)が公表した3月16-17日分のFOMC議事要旨では『経済は改善しているものの、FRBの目標達成には程遠い』『先行きのインフレのリスクは概してバランスがとれている』『債券利回りの上昇は景気見通しの改善を反映している』との見解が示された。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏のサービス部門PMI改定値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。ユーロポンド中心にユーロクロスが上昇したことも相場の支援材料となり、一時1.1915ドルと3月23日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇すると次第にドル買い戻しが優勢となり一時1.1861ドルと日通し安値を更新した。

 


ユーロ/ポンドは一時本日高値となる0.8664ポンドまでユーロ高・ポンド安が進んだ。市場では『これまでポンド高基調が続いたため、利益確定目的のポンド売りが優勢だった』との声が聞かれた。 

 

NY原油先物市場は続伸:需要拡大期待から買い優勢

NY原油先物市場は58.12ドル-60.04ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計の発表を控え、利益確定の売りに押される場面もあったが、世界経済の早期回復に伴うエネルギー需要拡大期待を背景に底堅い動きとなった。EIAの在庫統計は、原油在庫が352.2万バレルの取り崩し、予想以上に減少した一方で、ガソリンは404.4万バレルの積み増し、予想以上に増加した。強弱まちまちの結果に反応は限られた。原油在庫減少の思惑などで60.04ドルまで買われたが、米ドル安が一服していることや、米長期金利の下げ渋りを意識して上げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引では主に59ドル台後半で推移している。

 

NY金先物市場は小反落:様子見ムード強く動意に欠ける展開

NY金先物市場は1731.20-1745.40ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控え、様子見ムードが強く、動意に欠ける動きも、やや利食いの売りが優勢となった。アジア市場の序盤で1745.40ドルまで買われた後は売りが優勢となり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1731.20ドルまで反落した。米長期金利の動向を意識した買いが入り、一時1744.10ドルまで戻したが、その後は1740ドルを挟んだ水準で推移し、伸び悩む展開となった。

 

米国債券市場は3日ぶりに反落:材料不足で持ち高調整売り

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.67%で終了した。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『経済は改善しているものの、FRBの目標には程遠い』『先行きはなお極めて不確実』『支援策の引き揚げを検討できるほど状況が改善するまではしばらく時間がかかる』との見解が示されたが、市場では『新味に乏しい内容で、持ち高調整の売りが出た』との指摘があった。 

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2021/04/07/07:35:22

米国株式市場は下落:終盤利益確定売りに押される展開

NYダウは96.95ドル安の33430.24ドル、ナスダックは7.21ポイント安の13698.38ポイントで取引を終了した。史上最高値付近での利益確定売りが優勢となり寄り付き後は下落した。ただ、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを上方修正したことなどが支援材料となり、買いが入る場面もあったが、終盤売りに押された。前日に好調な米経済指標を支えに過去最高値を更新していただけに、上昇が目立っていた銘柄に短期的な利益確定売りが集まった。長期金利の低下でナスダック総合指数は底堅く推移したが引けにかけ、下落に転じた。VIX指数は17.33から18.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り優勢

ユーロ/ドルは、この日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったが、前日と同様にNY勢が加わる時間帯に入ると全般ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.65%台まで低下したことがドル売りを促し、一時1.1878ドルと3月23日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.27と3月23日以来の低水準を付けた。なお、国際通貨基金(IMF)はこの日公表した最新の世界経済見通しで、2021年世界成長率予測を前回の5.5%から6.0%に上方修正した。新型コロナウイルスのパンデミックに米国などが過去に例のない大規模な対策を打ち出したことが寄与し、1976年以降で最も高い成長を見込む。一方、各国内および先進国と発展途上国との格差拡大や乖離には警鐘を鳴らした。 

 

ドル/円は、欧州市場では一時110.55円の本日高値まで買われる場面もあったが、NY市場ではさえない展開になった。『111.00円にかけて断続的に観測されている売りオーダーに上値を抑えられた』との声が聞かれる中、米長期金利の低下に伴うドル売りが優勢となり、前日の安値109.96円や一目均衡表転換線109.85円を下抜けて一時109.63円まで値を下げた。その後の戻りも109.93円付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は反発:需要増加への期待から買い優勢

NY原油先物市場は58.62ドル-60.90ドルのレンジ相場となった。中国3月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が昨年12月以来の高い水準となったことや、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを上方修正したことなどが支援材料となり、景気回復によるエネルギー需要増加への期待感で買いが優勢となった。米イランは核合意再建へ間接協議が行われ、米国による対イラン制裁解除とイランによる核合意履行に向けた具体的な計画を策定し、9日に協議を再開する方針で一致した。アジア市場の序盤で58.62ドルまで下げたが、米ドル高が一服していることや、米長期金利の低下を意識した買いが入った。ニューヨーク市場で一時60.90ドルまで反発。ただ、通常取引終了後の時間外取引では利食い売りも観測されており、上げ幅は縮小した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1728.20-1746.70ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことや米長期金利が低下したことが、金の買いを後押しし、中心限月ペースで約1カ月ぶりの高値をつけた。アジア市場の序盤で1728.20ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1746.70ドルまで一段高となった。

 

米国債券市場は続伸:早期利上げ観測後退で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.66%で終了した。『米連邦準備理事会(FRB)による早期引き締め観測による相場の動きは行き過ぎ』との見方が広がり、債券買いを誘った。『4月は日本の機関投資家の新年度入りに当たり、期初計画に基づいた買いが入りやすい』との声も聞かれた。 

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2021/04/06/08:06:01

米国株式市場は上昇:米景気回復期待から買い優勢

NYダウは373.98ドル高の33527.19ドル、ナスダックは225.49ポイント高の13705.59ポイントで取引を終了した。前週末発表の3月米雇用統計や本日発表の3月米ISM非製造業指数が良好な内容となったことを受けて、米景気の回復期待が高まった。米長期金利が落ち着いた動きとなったことが好感されて、主力ハイテク株にも買いが入った。VIX指数は17.33から17.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売り優勢

ユーロ/ドルは、連休明けの米国株相場が上昇して始まり、史上最高値を更新するとリスク選好のドル売りが先行した。前週末の高値1.1786ドルを上抜けて一時1.1820ドルと3月25日以来の高値を付けた。なお、3月米サービス部門・総合PMI改定値は速報値から上方修正され、3月米ISM非製造業指数は63.7と予想の58.5を上回ったものの、相場の反応は鈍くドル売りの流れが継続した。

 

ドル/円は、米国株相場の上昇を背景にリスク選好のドル売りが先行した。前週末の安値110.38円を下抜けて一時109.93円まで下げ足を速めた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.54と3月25日以来の安値を付けた。ただ、109円台では押し目を拾いたい向きも多く、売り一巡後は110円台前半で下げ渋った。市場では『ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された』との指摘もあり、一時110.25円付近まで下げ幅を縮める場面があった。なお、イエレン米財務長官はこの日、過去30年にわたる法人税率引き下げ競争に終止符を打つため、G20に『法人税に世界的な最低税率を設定することで合意するよう働きかけている』と発言した。一方、コロナ禍勝利宣言はまだできないとして、『強力な財政支援策を尚早に引き揚げないよう呼び掛ける』と述べた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:イランの供給拡大懸念で売り優勢

NY原油先物市場は57.63ドル-61.50ドルのレンジ相場となった。先週末に発表された米雇用統計が堅調な内容になり、米景気回復によるエネルギー需要増加期待で買われる場面もあったが、イランの供給拡大懸念で売りに押された。市場は6日に開催される米国の核合意復帰をめぐる協議の行方に注目が集まっている。石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合で増産が決定されたが、需要増加の思惑は後退しており、ニューヨーク市場で一時57.63ドルまで下落した。米国株高を意識した買いは一部にとどまった。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米国株高が意識され伸び悩み

NY金先物市場は1721.60-1734.40ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感から買いが入るも、米国株が大幅高になるなどリスク選好ムードが強いことが安全資産とされる金に売り圧力がかかり、方向感が鈍い動きとなった。アジア市場の終盤にかけて1721.60ドルまで下落した後、ユーロの反発を受けて金先物は反転し、一時1734.40ドルまで買われた。しかしながら、米国株高を嫌気して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では1728ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:利益確定の買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.70%で終了した。前週末発表の3月米雇用統計や本日発表の3月米ISM非製造業指数が良好な内容となったことを受けて債券売りが先行したものの、そのあとは利益確定の買いが入り持ち直した。市場では『4月は日本の機関投資家の新年度入りに当たり、期初計画に基づいた買いが入りやすい』との声も聞かれた。

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2021/04/05/03:01:55

聖金曜日(グッドフライデー)で欧米市場は休場

米国株式市場、原油先物相場、金先物相場は休場

 

NY外国為替市場:3月米雇用統計結果受けドル買い優勢

ドル/円は、聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で海外の市場参加者がほぼ不在のなか、欧州時間には持ち高調整の円買いが入り、一時110.33円まで弱含む場面も見られた。ただ、その後は徐々に下値を切り上げる展開になった。3月米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が91.6万人増と市場予想の64.7万人増を大幅に上回る強い結果となると、米10年債利回りの上昇とともに110.75円まで反発した。引けにかけては市場参加者の不在や手掛かり材料難で動意を欠き、110.60円台での小動きとなった。 

 

ユーロ/ドルは、ドル/円の下落を受けて欧州時間に1.1786ドルまで上昇したが、その後は上値が重くなった。米雇用統計の発表直後は上下に振れたものの、次第に米長期金利の上昇につれた売りが優勢となり、一時1.1749ドルまで反落した。その後の戻りも限られた。なお、日本時間3日2時過ぎには米連邦議会議事堂付近で車が警戒中の警官に突っ込む事件が発生した。休会中だった議事堂が一時閉鎖される事態となったが、テロ関連ではないとの発表もあったため、相場への影響は限定的だった。 

 

米国債券市場は反落:良好な3月雇用統計受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.72%で終了した。3月米雇用統計が良好な結果となり、安全資産とされる債券相場は売りに押された。なお、この日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で短縮取引だった。 

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2021/04/02/07:21:12

米国株式市場は上昇:大型インフラ計画による景気押し上げ期待

NYダウは171.66ドル高の33153.21ドル、ナスダックは233.23ポイント高の13480.11ポイントで取引を終了した。バイデン大統領が発表した大型インフラ計画が景気をさらに押し上げるとの期待に寄り付き後は上昇した。また、主力のハイテク株にも米長期金利の低下を背景にした買いが入り、指数を押し上げた。さらに、3月ISM製造業景況指数が1983年来で最高を記録する良好な結果を好感し、上げ幅を一段と拡大した。VIX指数は19.40から17.33へ大幅低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り優勢

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが1.66%台まで低下幅を拡大したことをながめ、全般にドル売りが優勢となった。一時1.1780ドルまで上昇し、その後も高値圏で底堅く推移した。また、米ドル/カナダドルは1.2544カナダドルの安値まで米ドル安・カナダドル高が進行した。ドル全面安の流れに沿ったほか、原油先物相場が堅調に推移したことも産油国通貨であるカナダドルの支えとなった。

 

ドル/円は、米長期金利低下によるドル売りの流れが強まるなか、一時110.51円と日通し安値をつけた。一方で、クロス円の上昇につれた買いも入ったため、下押しも限られた。なお、3月米ISM製造業景気指数は64.7と市場予想の61.3より強い結果となったが、相場への影響は限定的だった。

 

NY原油先物市場は大幅反発:材料出尽くしから買戻し

NY原油先物市場は58.86ドル-61.75ドルのレンジ相場となった。本日行われた石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で減産体制が維持されるとの憶測から、原油先物価格は強含んで始まったが、協調減産を段階的に縮小することが決定され、5・6月に日量35万バレル、7月に45万バレル増産すると報じられると上げ幅を削り一時前日比でマイナスに転じた。しかしながら、材料出尽くし感から買い戻しが入ると急騰し、大幅に反発して引けた。ニューヨーク市場で一時61.75ドルまで買われる場面があった。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利が低下したことを好感

NY金先物市場は1706.40-1731.60ドルのレンジ相場となった。ほぼ前日比横ばいで推移していた金先物価格だが、週間の米失業保険指標が予想より悪化したことで、米10年債利回りが低下しドルが全面安となり、金先物価格は上昇して引けた。アジア市場の序盤で1706.40ドルまで下落したが、米長期金利の低下を受けて金先物は反転した。通常取引終了後の時間外取引で1731.60ドルまで買われている。

 

米国債券市場は反発:需給懸念が和らいだことで買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.67%で終了した。バイデン米大統領がインフラ投資計画の財源を法人増税でまかなう方針を示したことを受け、一部市場で予想されていた国債増発による財源確保の思惑が後退した。債券の需給懸念が和らいだことを手掛かりにした買いが強まった。 

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