FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/05/20/07:34:16

米国株式市場は下落:仮想通貨の急落で投資家心理悪化

NYダウは164.62ドル安の33896.04ドル、ナスダックは3.9ポイント安の13299.74ポイントで取引を終了した。代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが一時30%超急落したことで、投資家心理が悪化した。しかし、アトランタ連銀のボスティック総裁が「暗号通貨にシステミックリスクはない」とするなど、金融市場における暗号資産の割合が限られているとの見方が広がり、下げ幅を縮小した。景気敏感株中心に幅広い銘柄に売りが広がり、NYダウは一時580ドル超下げる場面があった。なお、市場では『一部の機関投資家がビットコインから安全資産の金に資金を移している』との声も聞かれた。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した4月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、もし、経済の速やかな成長が継続した場合、大規模緩和を見直す可能性も示唆したため緩和縮小の可能性を警戒した売りに戻りも限定的となった。VIX指数は21.34から22.18へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FOMC議事要旨公表後ドル買い戻し強まる

ドル/円は、一時109.33円と日通し高値を付けたものの、17日の高値109.50円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。NYダウが一時580ドル超下落したほか、日経平均先物が大証終値比370円安の2万7600円まで下げると、リスク回避の円買いが優勢となり、108.54円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月27日-28日分)で『一部の参加者は経済の急速な進展が継続すれば、今後ある時点の会合でテーパリング(量的緩和の縮小)を巡る討議を開始することが適切になるとの考えを示した』と伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買い戻しが活発化し一時109.30円付近まで持ち直した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の指標である米10年債利回りが低下に転じた場面ではユーロ買い・ドル売りが入り一時1.2239ドル付近まで上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.2245ドル手前で失速した。FOMC議事要旨でテーパリングの議論開始が示唆されると全般ドル買いが優勢となり、一時1.2160ドルと日通し安値を付けた。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは行って来いの動きになった。ビットコイン・ドルは一時30016ドル前後まで下落し、下げ幅は前日比で30%を超えたものの、売り一巡後は急速に買い戻しが進み4万ドル台を回復した。ビットコイン・円も一時351万円前後まで売り込まれたものの、そのあとは442万円付近まで急速に持ち直した。電気自動車テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日に『ビットコイン決済停止』を発表して以降、投資家心理は悪化。また、中国人民銀行によると、中国銀行業協会などは19日までに金融機関に対してビットコインなど仮想通貨の関連業務を禁じる通知を出したと伝わった。市場関係者からは『急ピッチな市場拡大で高値を更新してきた仮想通貨市場から急速に資金を引き揚げる動きが広がっている』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は大幅続落:供給増加を警戒した売り優勢

NY原油先物市場は61.95ドル-65.35ドルのレンジ相場となった。イラン核合意の再建を模索しウィーンで行われている当事国交渉で、イランと米国が妥結に近づいているとの報道や、インドや日本、台湾などを中心にアジア地域でコロナ感染拡大が深刻化していることを背景に売りが先行した。米株が大幅安になるなど、投資家のリスク回避ムードも売りを後押しした。原油在庫統計を受けて買いが入る場面もあったが、反応は一時的で売りが継続した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が132.0万バレルの積み増しと市場予想ほど増加せず、ガソリン在庫は196.3万バレルの取り崩しと、予想以上に減少した。アジア市場の序盤で65.35ドルまで買われたが、まもなく反落し、ニューヨーク市場で61.95ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は5日続伸:米FOMC議事要旨公表後は弱含み

NY金先物市場は1852.20-1891.30ドルのレンジ相場となった。暗号資産ビットコインが急落し、米国株が大幅安になるなど、投資家のリスク回避姿勢が強まり、逃避資産の金に買いが入り、6月限は一時1891.3ドルまで上昇した。ただ、時間外では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でテーパリングが言及されたことを背景にドル高が進み、ドル建ての金は売り戻しが優勢となり、上げ幅をほぼ吐き出した。ロンドン市場で1852.20ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1891.30ドルまで買われた。ただ、利益確定を狙った売りが増えたことによって金先物は伸び悩んでおり、通常取引終了後の時間外取引で一時1862.00ドルまで下げている。 

 

米国債券市場は反落:米金融緩和縮小の思惑から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.67%で終了した。米国株相場の下落を受けて買いが先行したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月27日-28日分)でテーパリングの議論開始が示唆されると一転売りが優勢となった。 

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2021/05/19/07:24:41

米国株式市場は下落:米法人税増税を警戒した売り優勢

NYダウは267.13ドル安の34060.66ドル、ナスダックは75.41ポイント安の13303.64ポイントとで取引を終了した。小売りの好決算を好感し、寄り付き後は上昇した。その後、米4月住宅着工件数が予想を下回ったほか、イエレン財務長官が演説で、バイデン大統領が提示しているインフラ計画を実施するため法人税制に改革が必要と増税を推進したため回復に警戒感が広がり、下落に転じた。根強いインフレ懸念や利益確定と見られる売りにおされ引けにかけてさらに下げ幅を拡大した。アップルやマイクロソフトなど主力ハイテク株への売りが続いたことも相場の重石となった。VIX指数は19.72から21.34へ上昇した。

 

NY外国為替市場:明日のFOMC議事要旨公表控え様子見ムード

ユーロ/ドルは、対ポンド中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行した。4月米住宅着工件数などの米経済指標が予想より弱い結果となったこともドル売りを促し、一時1.2234ドルと2月25日以来の高値を付けた。市場では『欧州では新型コロナウイルス対策の制限緩和が続いており、経済正常化を期待したユーロ買いが入った』との声が聞かれた。2月25日の高値1.2243ドルがレジスタンスとして意識されると、いったんは伸び悩む場面もあったが、下押しは1.2199ドル付近にとどまった。 

 

ドル/円は、ポンドやユーロなどに対してドル安が進むと、円に対してもドル売りが先行した。予想を下回る米住宅指標も相場の重石となり、一時108.84円と日通し安値を付けた。そのあとは108円台後半での狭いレンジ取引に終始した。市場では『明日公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月27日-28日分)に注目が集まっており、様子見ムードが強まった』との指摘があった。

 

産油国通貨は軟調だった。WTI原油先物価格が一時3%超下落したことを背景に産油国通貨に売りが集まった。メキシコペソは対ドルで一時19.8690ペソ、対円で5.48円までペソ安に振れたほか、カナダドルは対米ドルで一時1.2081カナダドル、対円で90.19円まで値を下げた。 

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:イランの核合意交渉報道で一時急落

NY原油先物市場は64.11ドル-67.01ドルのレンジ相場となった。ワクチン接種の進展や経済活動正常化に伴う景気回復期待や、為替相場でのドル安・ユーロ高などを手がかりに買いが先行したが、『イランの核合意交渉で進展があった』との一部報道を受けて需給緩和への思惑から6月限は一時64.14ドルまで急落した。ただ、その後はロシアのウリヤノフ在ウィーン国際機関常駐代表が『最終合意にはまだ時間がかかる』との見解を示したことを受けて買い戻しが入り、下げ幅を縮小して取引を終えた。アジア市場の終盤にかけて67.01ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では株安を嫌った売りが観測されており、64.11ドルまで反落した。通常取引収容後の時間外取引では主に65ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は4日続伸:強弱材料からもみ合い相場

NY金先物市場は1863.50-1875.90ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じ、買いが入り、6月限は一時1875.9ドルまで上昇した。ただ、約4カ月ぶりの高い水準まで上昇したことで利食い売りも入り、前日比小幅高で取引を終えた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1875.90ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが増えたことによって1863.50ドルまで反落した。イラン核合意で進展の可能性があることから、1864.00ドルから1870.60ドルの範囲内でもみ合う展開となった。

 

米国債券市場は反発:米住宅指標の悪化を受けた買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.64%で終了した。予想を下回る米住宅指標や米国株相場の失速を受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。

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2021/05/18/07:40:51

米国株式市場は下落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NYダウは54.34ドル安の34327.79ドル、ナスダックは50.93ポイント安の13379.05ポイントで取引を終了した。インフレ高進への警戒感が根強いほか、前週末に大きく買われた反動で売りが先行した。高インフレが長引き、金融緩和が修正されるとの思惑から米長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株に売りが集まった。しかし、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が緩和縮小協議は時期尚早であるとの考えを再表明すると、引けにかけて下げ幅を縮小した。VIX指数は18.81から19.72へ上昇した。

 

NY外国為替市場:新規手掛かり材料乏しくドル/円は小幅もみ合い

ドル/円は、ポンドや産油国通貨に対してドル安が進んだ影響を受けて、一時109.04円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は109.29円付近まで下げ渋った。そのあとは109円台前半での狭いレンジ取引に終始した。なお、この日発表の5月米NY連銀製造業景気指数は24.3と予想の23.7を上回った一方、5月NAHB住宅市場指数は83と市場予想通りの結果となった。 

 

ユーロ/ドルは、『欧州中央銀行(ECB)が向こう数カ月で債券買い入れペースを鈍化させる』との観測が浮上する中、欧州長期金利の上昇とともにユーロ買いが先行し、一時1.2169ドルと日通し高値を付けた影響が残った。ただ、11日につけた直近高値1.2182ドルがレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。ユーロ/ポンドの下落につれた売りも出て、一時1.2135ドル付近まで上値を切り下げる場面があった。NY午後に入ると、1.21ドル台半ばで値動きが鈍った。

 

原油先物価格の上昇を背景に、産油国通貨のカナダドルやメキシコペソは堅調だった。米ドル/カナダドルは一時1.2061カナダドルまで下落したほか、米ドル/ペソは19.7634ペソまでペソ高に振れた。また、カナダドル/円は90.54円まで上昇し、ペソ/円は5.53円まで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は続伸:欧米での経済正常化への期待広がる

NY原油先物市場は64.83ドル-66.43ドルはレンジ相場となった。インドや日本などアジア地域でコロナ感染の拡大が続いているものの、欧米ではワクチン普及が進み、規制緩和が進んでおり、経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待が強く、原油相場は堅調な動きが続いている。ニューヨーク市場の序盤に64.83ドルまで下げたが、まもなく反転し、時間外取引で66.43ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は3日続伸:リスク回避の金買い

NY金先物市場は1841.10-1869.30ドルのレンジ相場となった。米株が反落するなど、投資家のリスク回避姿勢を背景に逃避資産の金に買いが入り、6月限は中心限月として4カ月ぶりの高い水準となった。インドや日本などアジア地域でコロナ感染の拡大が続いていることも、金の買いを後押しした。アジア市場での取引開始後に1841.10ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場で上げ幅は拡大した。一時1869.30ドルまで一段高となった。また、中東情勢の悪化を意識した安全逃避的な買いが入った。

 

米国債券市場は3営業日ぶりに反落:良好な米経済指標受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.65%で終了した。5月米NY連銀製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、債券売りが出た。 

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2021/05/17/03:02:41

米国株式市場は上昇:夏にかけて経済活動の活発化を期待した買い

NYダウは360.68ドル高の34382.13ドル、ナスダックは304.99ポイント高の13429.98ポイントで取引を終了した。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)銘柄に買いが入り一時430ドル超上昇した。米疾病対策センター(CDC)が『新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人は原則、屋内・屋外ともにマスクをつけなくても良い』との指針を発表したことで、市場では『夏にかけて経済活動が活発化する』との期待が高まり、景気敏感株にも買いが集まった。 VIX指数は23.13から18.81へ大幅低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売りやや優勢

ユーロ/ドルは、4月米小売売上高が予想を下回る内容だったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行した。5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を下回ったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時本日高値となる1.2148ドルまで値を上げた。前週末の4月米雇用統計後の反発水準である1.2152ドルが目先戻りの目処として意識されるとやや伸び悩んだものの、下押しも1.2132ドル付近にとどまった。 

 

ドル/円は、NY時間に限れば値幅26銭程度のもみ合いに終始した。対欧州・オセアニア通貨などでドル安が進んだ影響を受けた半面、ユー/ロ円などクロス円の上昇につれた買いが入ったためドル/円自体は方向感が出なかった。

 

オセアニア通貨は堅調だった。NYダウが一時430ドル超上昇し、ナスダック総合も330ポイント以上上昇したことを受けて、リスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルに買いが入った。豪ドル/米ドルは一時本日高値となる0.7787米ドル、豪ドル/円は85.17円まで値を上げたほか、NZドル/米ドルは0.7256米ドル、NZドル/円は79.35円と日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は反発:経済回復期待の高まりから買い優勢

NY原油先物市場は63.33ドル-65.62ドルのレンジ相場となった。米『コロニアル・パイプライン』は全面的に再稼働をはじめたが、米金利低下・米株上昇・ドル安などで原油先物は反発した。また、米疾病対策センター(CDC)がウイルスワクチンの接種を完了すれば、屋内外を問わずにマスクを着用しなくてもいいとする指針を発表したことで、経済回復への期待の高まりも原油先物の支えとなった。ロンドン市場の序盤にかけて64ドル台を回復し、ニューヨーク市場で一段高となった。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1819.00-1847.10ドルのレンジ相場となった。欧州入り後から強含んだ金先物だが、NY入り後も昨日に続いて米金利が低下し、ドルは軟調に推移した。ドルで取引される金先物は割安感もあり続伸して週を引けた。アジア市場で1819.00ドルまで下げた後、ユーロの反発を意識した買いが入ったことで反転。ニューヨーク市場で一段高となり、通常取引終了後の時間外取引で上げ幅はさらに拡大した。

 

米国債券市場は続伸:米景気回復への過度な期待後退で買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.63%で終了した。4月米小売売上高が予想を下回ったことで、米景気回復への過度な期待が後退すると債券買いが優勢となった。市場では『米金融緩和の長期化を見込んだ買いも入った』との声が聞かれた。 

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2021/05/14/07:39:35

米国株式市場は上昇:米長期金利の低下で値ごろ感の買い優勢

NYダウは433.79ドル高の34021.45ドル、ナスダックは93.31ポイント高の13124.99ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数の予想以上の減少を好感し、雇用や景気の回復期待を受けた買いが再燃して寄り付き後は上昇した。4月消費者物価指数(CPI)に続き生産者物価指数(PPI)も物価上昇圧力を示す結果となったもののインフレへの脅威がいくらか緩和し、長期金利も低下したたこともハイテク株中心に相場の下支えとなった。米疾病対策センター(CDC)がワクチン接種完了後のマスク着用の必要はないとの決定を発表すると、経済活動の再開ペースの加速を期待し、上昇幅を一段と拡大した。足もとで相場下落が続いたあとだけに、値ごろ感からの買いが入ったほか、米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)銘柄に買い戻しが入った。NYダウは一時590ドル超上昇する場面があった。VIX指数は27.59から23.13へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り

ドル/円は、4月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.6%/前年同月比6.2%と予想の前月比0.3%/前年同月比5.8%を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時109.69円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値109.79円を上抜けることは出来なかった。米PPIが予想を上回ったにもかかわらず、米長期金利が低下したため、一時109.41円と日通し安値を付けた。なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は『直近の低調な雇用統計やインフレ率の上昇が一時的であることを確認しなければならない』『金融政策の変更を検討する前にさらに数カ月分のデータが必要』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.20ドル台後半でのもみ合いに終始した。前日の4月米消費者物価指数(CPI)や本日の米PPIの発表を受けて米金利の先高観が強まり、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった半面、米長期金利が低下したため売買が交錯した。 

 

メキシコペソは堅調だった。WTI原油先物価格は一時4%超下落したものの、メキシコの通貨ペソは買いが優勢となった。ドル/ペソは一時19.9135ペソ、ペソ/円は5.50円までペソ高に振れた。なお、メキシコ中銀はこの日、市場の予想通り政策金利を現行の4.00%に据え置くことを全会一致で決定した。声明では『不確実性が極めて高い環境下で、インフレ、経済活動、金融市場に対するリスクが金融政策に対する主要な課題になっている』との見解を示した。

 

NY原油先物市場は大幅反落:目先の供給不足不安解消で売り優勢

NY原油先物市場は63.09ドル-65.81ドルのレンジ相場となった。週末にサイバーテロを受けた米『コロニアル・パイプライン』が稼働を再開したことで、目先の供給不足不安が解消されたこともあり原油先物価格は5日ぶりに大きく反落して引けた。なお、バイデン米大統領はパニック的なガソリンの購入を控えることを国民に訴えた。ポジション調整的な売りが活発となった。一時63.09ドルまで下落。ただ、時間外取引では株高を意識して63.89ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は反発:米金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1808.40-1829.10ドルのレンジ相場となった。米金利高に連れたドル買いの影響で弱含んでいた金先物価格だったが、昨日の米消費者物価指数(CPI)に続いて予想より強い結果となった卸売物価指数(PPI)発表後も、米金利が低下しドルの頭も抑えられたことで、金先物価格は小幅に反発して引けた。ロンドン市場で1808.40ドルまで下げたが、米国株式の反発を意識して換金目的の売りは減少し、1829.10ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では1820ドル台で推移している。

 

米国債券市場は上昇:基調の見極めムードから買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.66%で終了した。前日の4月米消費者物価指数(CPI)に続き、この日発表の4月米卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったが、市場では『インフレ率の上昇が一時的なのか、新たなトレンドなのかを見極めようとする動きが出ている』との声が聞かれた。 

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