FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/06/10/07:40:23

米国株式市場は下落:インフレ指標発表を控え様子見ムード強い展開

NYダウは152.68ドル安の34447.14ドル、ナスダックは13.16ポイント安の13911.75ポイントで取引を終了した。5月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が強い一日となった。NYダウは高値警戒感から売り圧力が強く、景気敏感株を中心に売られた。プラスに転じる場面もあったが、引けにかけて下げ幅を拡大し、取引を終えた。長期金利がおおむね1.5%を下回って推移したことは、ハイテク株にとってはサポート材料になった。ナスダックは朝方、1ヵ月ぶりに1万4000台に乗せたが、取引終了直前に下げに転じた。VIX指数は17.07から17.89へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.47%台に低下すると円買い・ドル売りが先行し、一時109.18円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値109.20円や7日の安値109.19円がサポートされると一転上昇した。109.00-10円には11日期限のまとまった規模のオプションが観測されていることもあり、109円台前半での下値の堅さも意識された。米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の支援材料となり、一時109.65円と日通し高値を更新した。市場では『米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、やや神経質な動きだった』との指摘があった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.2218ドルと日通し高値を付けたものの、その後失速した。米金利が低下幅を縮めたことでドル買い戻しが進み、一時1.2174ドル付近まで下押しした。10日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会と米インフレ指標の発表を控えて、投資家の様子見気分も強く大きな方向感が出にくい面もあった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。対ドルでは一時3万6000ドル台後半、対円では404万円台まで上昇する場面があった。中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用するブケレ大統領の提案を賛成多数で承認したことが好感された。なお、ビットコインの法定通貨採用は世界初。

 

NY原油先物市場は小反落:70ドル台では利益確定売り

NY原油先物は69.46ドル-70.62ドルのレンジ相場となった。経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待や、ブリンケン米国務長官が米国はイランとの核合意に復帰したとしても、多くの制裁を維持するとの意向を示したことで、原油は買いが先行した。ただ、米エネルギー情報局(EIA)の週間統計を受けて売りに押された。原油在庫は524.1万バレルの取り崩しと予想より在庫減となったものの、ガソリン在庫は704.6万バレルの積み増しと予想より大幅な積み増しとなった。将来的な需給ひっ迫の可能性は残されているが、70ドル台では利益確定を狙った売りが観測されている。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利低下を好感

NY金先物市場は1889.30-1901.70ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を受けて、金利を生まない金は買いが優勢となった。ただ、明日の米5月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる中、利益確定の売りも入り、値動きは限られた。1900ドル近辺では引き続き戻り売りの興味が残されている。

 

米国債券市場は続伸:ポジション調整目的の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.49%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、ポジション調整目的の買いが優勢となった。利回りは一時1.4705%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。なお、米10年債入札は『好調』と受け止められた。

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2021/06/09/07:13:40

米国株式市場はまちまち:様子見姿勢が強い中方向感の欠く一日

NYダウは30.42ドル安の34599.82ドル、ナスダックは43.19ポイント高の13924.91ポイントで取引を終了した。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が強い中、方向感の欠く一日となった。ダウは高値を警戒する売りに押されたほか、長期金利の低下が金融株の重石に。午後に入り、プラスに転じる場面もあったが、前日の終値近辺でもみ合い、結局小幅に下落した。一方、ハイテク株にとっては長期金利の低下は追い風となり、ナスダックはおおむねプラス圏での推移。ハイテク株が相場を下支えした。VIX指数は16.42から17.07へ上昇した。

 

NY外国為替市場:様子見ムードが強く方向感を欠く展開

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.51%台まで低下したことが相場の重石となり、一時109.28円付近まで下押ししたものの、109.00-10円には11日期限のまとまった規模のオプションが観測されていることもあり、売り一巡後は下値の堅さが目立った。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えて、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。NY市場に限れば109.27-51円のレンジ取引だった。

 

 ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ユーロ豪ドルなどユーロクロスの上昇につれた買いが入り、一時1.2193ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.2194ドルを上抜けることは出来なかった。10日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会や米インフレ指標の発表を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは軟調だった。対ドルでは一時3万1000ドル台と前日比で約10%の急落となったほか、対円では340万円近辺まで下落し約2週間ぶりの安値を更新した。米パイプライン運営のコロニアル・パイプラインがハッカーらに『身代金』として支払ったビットコインの大半を米当局が取り戻したことで、『政府のコントロールを受けない』との安心感が揺らぎ、売りにつながった。チャールズ・レティグ米内国歳入庁(IRS)長官が仮想通貨をめぐる規制導入の権限を議会に要請したことも嫌気された。

 

NY原油先物市場は反発:米長期金利の低下を意識した買い

NY原油先物市場は68.47ドル-70.27ドルのレンジ相場となった。利食いの売りが先行するも、経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待が根強いことが引き続き支えとなり、約2年8カ月ぶりに70ドル大台を回復して取引を終えた。ニューヨーク市場の序盤にかけて68.47ドルまで下げたが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで反転した。通常取引終了後に70.27ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:1900ドル近辺では利益確定売りが優勢

NY金先物市場は1885.70-1906.90ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を受けて、金利を生まない金は買いが先行するも、利益確定売りに押された。ただ、押し目では買い意欲も強く、小幅安で取引を終えた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1906.90ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで1885.70ドルまで売られた。その後は、米長期金利の動向を意識した相場展開となり、1898.80ドルまで戻した後、1890ドル台でもみ合う状態が続いた。

 

米国債券市場は反発:量的緩和の縮小観測の後退で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.53%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が後退する中、債券を買う動きが広がった。 

 

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2021/06/08/07:29:02

米国株式市場はまちまち:景気敏感株に利益確定売りで失速

NYダウは126.15ドル安の34630.24ドル、ナスダックは67.23ポイント高の13881.72ポイントで取引を終了した。米経済活動正常化への期待から買いが先行したものの、景気敏感株の一角に売りが集まると失速した。5月米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えて、積極的な売買が手控えられた面もある。足元で株価上昇が続いていた景気敏感株を中心に利益確定の売りに押され、終日マイナス圏での推移となった。一方のナスダックは、下落して始まったものの、終日堅調に推移。主要7ヵ国(G7)の財務相会合で、法人税の最低税率を15%とする共同声明が採択されていたが、影響は限定的だった。VIX指数は14.42から16.42へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米テーパリング観測後退でドル売り

ユーロ/ドルは、前週末に発表された5月米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が後退したため、この日もドル売りの流れが継続した。『ロシアは外国為替の流動性をユーロにシフトする刺激策を計画している』との一部報道もユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.2185ドルを上抜けて一時1.2202ドルまで上値を伸ばした。一時0.8578ポンドまで売りが先行していたユーロポンドが持ち直したことも相場を下支えした。 

 

ドル/円は、米金融緩和が当面継続されるとの見方を背景に全般ドル売りが先行した。一目均衡表転換線が位置する109.53円や基準線109.34円を下抜けて目先のストップロスを誘発すると一時本日安値となる109.16円まで下げ足を速めた。ただ、売り一巡後は次第に商いが細り、109円台前半で値動きが鈍った。市場では『5月米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えて、積極的な売買は手控えられた』との声が聞かれた。 

 

南アフリカランドは失速した。アジア市場では対ドルで一時13.4122ランドと2019年2月以来約2年4カ月ぶりの高値を付けたほか、対円でも8.18円と19年2月以来の高値を更新したものの、海外市場に入ると利食い売りなどが優勢になった。対ドルでは一時13.5413ランド、対円では8.07円まで下落した。なお、市場では『ムボウェニ南ア財務相解任の噂や南ア公務員組合(PSA)ストライキの可能性など噂が流れており、注意が必要』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反落:ポジション調整的な売り

NY原油先物市場は68.93度折る-70.00ドルのレンジ相場となった。経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待が根強いことや、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことを手がかりに買いが先行し、7月限は一時70ドルちょうどと、中心限月としては約2年8カ月ぶりの高値となった。ただ、買いが一巡した後は利食いの売りに押された。アジア市場で70.00ドルまで買われたが、需給ひっ迫を意識した買いは一巡し、68.93ドルまで下落した。ドル高一服を意識して、ニューヨーク市場の序盤にかけて69.78ドルまで反発したが、ポジション調整的な売りが増えたことで通常取引終了後に69.12ドルまで下げた。

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安を好感して1900ドル台回復

NY金先物市場は1883.70-1902.90ドルのレンジ相場となった。先週末の米雇用統計を背景としたドルの重い動きが継続し、ドル建ての金に割安感が増したことで買いが継続した。アジア市場で1883.70ドルまで売られたが、ドル高は一服していることから、金先物は下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引で1902.90ドルまで買われており、6月3日以来の高値をつけている。

 

米国債券市場は反落:持ち高調整目的売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.57%で終了した。今週予定されている米物価指標の発表や国債入札などのイベントを控えて持ち高調整目的の売りが優勢となった。 

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2021/06/07/03:01:13

米国株式市場は上昇:米FRBの金融緩和策の早期縮小観測が後退を好感

NYダウは179.35ドル高の34756.39ドル、ナスダックは199.98ポイント高の13814.49ポイントで取引を終了した。朝方発表された5月雇用統計は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の縮小を急ぐほどでないと受け止められ、その安心感から寄り付き後は上昇した。非農業部門雇用者数は前月比55万9000人の増加と市場予想は下回った一方、失業率は前の月から低下し、市場予想より改善が見られた。長期金利が低下したことで、ハイテク株にも買いが入った。NYダウ・ナスダックともに終日堅調に推移し、NYダウは最高値に迫っている。原油高を背景にエネルギー株もしっかりだった。VIX指数は18.04から14.42へ低下した。

 

NY外国為替市場:米雇用統計結果受け全般ドル安基調

ドル/円は、米労働省が発表した5月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比55.9万人増と予想の65.0万人増を下回ったことが分かると全般ドル売りが先行した。前日の安値109.55円を下抜けて一時109.33円まで下げ足を速めた。市場では『米雇用は着実に回復しているが、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められた』との声が聞かれた。4月米製造業新規受注が前月比0.6%減と予想の0.2%減を下回ったことも相場の重石となった。なお、失業率は5.8%と予想の5.9%より強い数字となったほか、平均時給は前月比0.5%上昇/前年比2.0%上昇と予想の前月比0.2%上昇/前年比1.6%上昇を上回った。 

 

ユーロ/ドルは、米雇用統計を受けて、FRBによる金融緩和策の早期縮小観測が後退すると、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.55%台まで低下しドル全面安の展開になり、一時1.2185ドルと日通し高値を更新した。ただ、ユーロ/円やユーロ/豪ドルなどユーロクロスの下落につれた売りが出るとやや伸び悩み、NY中盤以降は1.2160ドル台での小動きに終始した。なお、プーチン・ロシア大統領はこの日、『米国はドルを経済および政治戦争の手段にしている』と批判し、『ロシアは石油・ガス取引の決済にユーロなど他の通貨を使用する可能性がある』とけん制した。『ロシアの石油企業がドル建てでの決済をやめれば、ドルの深刻な打撃になるだろう』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

南アフリカランドは堅調だった。コモディティ価格の上昇やドル安の影響で、対ドルで一時13.4167ランドと2019年2月以来約2年4カ月ぶりの高値を付けた。対円でも一時8.16円と19年2月以来の高値を更新した。市場では『今週、南アに関してはネガティブなニュースが目白押しだったにもかかわらず、ランドの上昇バイアスは維持された』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:需要回復期待から買い優勢

NY原油先物市場は68.33ドル-69.76ドルのレンジ相場となった。米5月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びは市場予想を下回ったものの、着実に回復の流れをたどっていることが、エネルギー需要の回復期待を維持した。アジア市場で68.33ドルまで売られたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないことから押し目買いが入った。ニューヨーク市場の序盤にかけて69.76ドルまで買われたが、5月米雇用統計内容を意識した売りが観測され、一時69ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引では69ドル台で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比変わらずの359基となった。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1855.60-1899.00ドルのレンジ相場となった。予想にとどかなかった米非農業部門雇用者数の伸びを受けた米金利低下によるドル安が、ドル建て金相場の割安感につながった。金利を生まない資産である金の相対的な劣後性の緩和にもつながり、昨日の大幅反落の値幅を縮小する買い戻しとなった。アジア市場で1855.60ドルまで売られたが、押し目買いが入ったことで反転。5月米雇用統計発表後にドル売りが優勢となったことから、1899.00ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では1890ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反発:米金融緩和の早期縮小観測後退

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.55%で終了した。5月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったため、米金融緩和の早期縮小観測が後退し債券買いが優勢となった。 

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2021/06/04/07:25:18

米国株式市場は下落:良好な雇用指標を受け金融緩和縮小の警戒感

NYダウは23.34ドル安の34577.04ドル、ナスダックは141.82ポイント安の13614.51ポイントで取引を終了した。朝方発表された雇用の指標が好調で、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和の縮小に舵を切るのではとの警戒感から寄り付き後に下落した。米長期金利が上昇すると、利ざや拡大の見方から金融株などが買われた。半面、高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ相場の重しとなった。NYダウは予想を上回った5月ISM非製造業指数や法人税見送りの報道などに支えられ、一時260ドル超下げたあとに上げに転じる場面もあったが、結局小幅に下落して取引を終えた。VIX指数は17.48から18.04へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、5月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が97.8万人増と予想の65.0万人増を上回ったことが分かると米長期金利の上昇とともにドル買いが先行した。目先レジスタンスとして意識されていた5月28日の高値110.20円を上抜けて、一時110.32円と4月6日以来約2カ月ぶりの高値まで値を上げた。米長期金利の指標である米10年債利回りは1.62%台まで上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は3日、『流通市場企業信用制度(SMCCF)』を通じて購入した資産のうち、社債を投資対象とした上場投資信託(ETF)について『7日以降、段階的に売却する』と明らかにした。なお、市場では『FRBの売却額は社債市場全体に比べればわずかだろう』との声が聞かれ、社債市場への影響は限定的とみられている。 

 

ユーロ/ドルは、ロシアのシルアノフ財務相が『同国政府系ファンドがドル保有高をゼロにし、ユーロや人民元、金資産にシフトする計画』を発表するとドル売りで反応し、一時1.2208ドル付近まで強含む場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値1.2214ドルを上抜けることは出来なかった。良好な米雇用指標をきっかけに全般ドル買いが優勢になると、一時1.2118ドルと5月14日以来の安値を更新した。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『FRBが金融政策の調整に向けて議論を開始することは理にかなっているものの、実際に量的緩和の縮小(テーパリング)を始めるには程遠い』との考えを示した。

 

NY原油先物市場は小幅反落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は68.19ドル-69.40ドルのレンジ相場となった。2018年10月以来、約2年7カ月ぶりの高値水準69.40ドルに達したところから調整の下押しが先行した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で、原油在庫が大幅に減少して取り崩しが続いたことを確認すると、69ドル台で戻りを試す場面もあった。しかし再び上値が重くなり、マイナス圏へ沈んだ。アジア市場で69.40ドルまで買われたが、需給ひっ迫を意識した買いは一巡したことから、ニューヨーク市場で68.19ドルまで売られた。ドル高も嫌気された。ただ、通常取引終了後の時間外取引では68.93ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は反落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1866.70-1912.30ドルのレンジ相場となった。米金利上昇が金利を生まない資産である金の優位性を後退させたほか、ドル高によりドル建て金相場に割高感が生じた。米雇用指標の良好な結果も、安全資産とされる金の売りを促した。アジア市場で1912.30ドルまで買われたが、米国経済指標の改善やドル高を受けて1866.70ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では1870ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反落:良好な米雇用指標改善を受け売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.62%で終了した。5月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。

 

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