FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/07/15/07:49:06

米国株式市場はまちまち:パウエル米FRB議長のハト派姿勢を好感

NYダウは44.44ドル高の34933.23ドル、ナスダックは32.70ポイント安の14644.95ポイントで取引を終了した。6月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったものの、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の下院金融サービス委員会での証言を控え、金融緩和策を当面維持することが示唆されるとの憶測に寄り付き後は上昇した。証言で、インフレリスクに対する時期尚早の対処を警告するなど、ハト派姿勢が確認され、NYダウは終日堅調に推移した。ただ、米長期金利の低下で金融株が売られたほか、原油安でエネルギー株が下げたため上値は重かった。指数はマイナス圏に沈む場面もあった。VIX指数は17.12から16.33へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締めに慎重姿勢からドル売り

ドル/円は、6月米卸売物価指数(PPI)は前日の同消費者物価指数(CPI)に続いて予想を上回る強い結果となったが、日本時間15日1時のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に先立ち公表された証言原稿が『早期のテーパリング期待を高める内容ではなかった』と受け止められると、米長期金利の低下とともにドル売りが進行した。取引終了間際に一時109.88円と日通し安値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時1.34%台まで低下した。なお、パウエルFRB議長は米下院金融サービス委員会での証言で『金融緩和政策を変更する前には景気回復が一段と進む必要がある』『回復の道のりは長い』と述べ、金融引き締めに慎重な姿勢を示した。議員との質疑応答では『FRBは高インフレの状況を非常に注意深く監視』『テーパリングについては今後数週間で再度協議する予定』『物価上昇で予想が大きく崩れた場合、FRBは金融政策を変更する』などと語った。 

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長の議会証言で『物価上昇は一時的』との認識が改めて示され、金融引き締めに慎重な姿勢が表明されると、米金利の低下とともにドル売りが優勢となり、一時1.1839ドルと日通し高値を付けた。FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では『米経済活動は5月下旬から7月上旬にかけてさらに強まり、穏やかないし力強い成長を示した』との認識が示され、前回の『穏やかに拡大し、拡大ペースが幾分加速している』から引き上げられたが、相場の反応は限られた。 

 

カナダドル円は頭が重かった。カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を0.25%のまま据え置くことを決めたと発表した。債券買い入れプログラムの規模を従来の週30億カナダドルから週20億カナダドルに減額したことが分かると、当初はカナダドル買いで反応し、一時88.57円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとは一転売りが優勢になった。市場では『利上げのタイミングに関するシグナルのような、もっとタカ派的な内容を期待していた』との声が聞かれ、失望売りなどが出たほか、WTI原油先物価格が3%超下落したことを受けて、産油国通貨とされるカナダドルに売りが出たて、一時87.84円と日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:供給不足の懸念和らぎ売り優勢

NY原油先物市場は72.21ドル-75.44ドルのレンジ相場となった。米週間原油在庫が8週連続の取崩しとなったことで一時下げ渋る場面もあった。しかし、石油輸出国機構(OPEC)ほか主要産油国による枠組み『OPECプラス』内での協調体制の乱れから、生産調整が不調に終わるとの警戒感が原油相場の重石となった。ニューヨーク市場の序盤にかけて75.44ドルまで買われたが、一部産油国は生産水準を引き上げる方向で調整を進めており、供給不足に対する懸念は多少緩和されたことから、ポジション調整的な売りが増えた。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1804.90-1831.10ドルのレンジ相場となった。上昇して寄り付いた米株がマイナス圏へ下押す場面が見られ、安全資産とされる金は買われやすかった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で緩和縮小を急がない姿勢を示したことから米金利が低下してドル安となり、ドル建て金価格に割安感が生じたことも押し上げ要因となった。金利低下により、金利を生まない資産である金の劣後性後退も意識され、下支えとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1831.10ドルまで買われたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて上昇は一服した。ただ、米長期金利の低下を受けて金先物は底堅い動きを保っており、時間外取引では清算値である1825ドルをやや上回る水準で推移。

 

米国債券市場は反発:米金融緩和の早期縮小観測後退で買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.22%、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い1.34%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、金融緩和の早期縮小観測が後退すると債券買いが優勢となった。 

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2021/07/14/07:40:35

米国株式市場は下落:インフレ高進への警戒感から利益確定売り

NYダウは107.39ドル安の34888.79ドル、ナスダックは55.59ポイント安の14677.65ポイントで取引を終了した。6月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため、インフレ高進への警戒感から寄り付き後は下落した。史上最高値付近からの利益確定売りなども目立ち、終日軟調に推移した。航空機のボーイングはこの日、中型機『787』の機体の一部に改修が必要な構造問題が見つかったと発表。米連邦航空局(FAA)と協議し、改修作業のため一時的に生産ペースを引き下げるとした。同社株が4%超下落し、1銘柄でダウ平均を63ドル程度押し下げた。取引開始前に4-6月期決算を発表したゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースも1%超下げた。VIX指数は16.17から17.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米30年債入札受け金利上昇でドル買い

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが小幅に低下したことが相場の重しとなり、一時110.15円と日通し安値を付けたものの、6月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回る内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、一時110.56円まで値を上げた。その後、米長期金利が低下に転じると一時110.29円付近まで下押ししたものの、『低調』な米30年債入札を受けて米10年債利回りが1.42%台へ戻すと、全般ドル買いが活発化。3時過ぎには一時110.65円と日通し高値を付けている。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するデイリー米サンフランシスコ連銀総裁は『物価上昇は一時的なものとして見ている』『テーパリングについて議論するのは適切』『年末か来年早々のテーパリングに向けて状況が整う』などと述べた一方、利上げについては『議論するのは時期尚早』との考えを示したが、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米CPIを受けて全般ドル買いが先行すると一時1.1792ドルまで値を下げたものの、米長期金利が低下に転じると一転買い戻しが優勢になり、1.1833ドル付近まで下げ渋った。ただ、低調な米国債入札を受けて米長期金利が再び上昇すると改めてユーロ売り・ドル買いが優勢に。5時前に一時1.1772ドルと日通し安値を付けた。

 

南アフリカランドはこの日も売りが継続した。同国内での暴動が拡大する中、対円で一時7.49円と4月13日以来3カ月ぶりの安値を付けたほか、対ドルでは一時14.7583ランドと4月1日以来約3カ月半ぶりの安値を更新した。同国では、法廷侮辱罪の有罪判決を受けて収監されたズマ前大統領の解放を求める抗議デモに端を発した暴動で、13日までに少なくとも757人が逮捕され、45人の死亡が確認された。市場関係者からは『少数白人支配が終わって以降、最悪とも言える暴動』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:原油在庫の取り崩し継続の思惑から買い

NY原油先物市場は73.70ドル-75.25ドルのレンジ相場となった。明日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の発表を前に、原油在庫の取り崩しが継続するとの思惑から買い戻しが進んだ。ただ、OPECプラスの生産量調整に関する協調の乱れなどへの警戒感が、上昇力を限定した。 

 

NY金先物市場は反発:米金利上昇とドル高を受け上昇幅は縮小

NY金先物市場は1798.70-1818.00ドルのレンジ相場となった。米国株の反落を受け、安全資産とされる金を買う動きが優勢となった。ただ、米金利上昇によるドル高を受け、ドル建て金価格に割高感が生じたことが下押しを誘った。金利を生まない資産である金の優位性を後退させたことも重しとなり、上昇幅を縮小した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1818.00ドルまで買われたが、6月消費者物価指数は市場予想を上回ったことを受けて、1798.70ドルまで反落。その後、1816.00ドルまで戻したが、インフレ進行を警戒した戻り売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1810ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:不調な米30年債入札結果受け売り優勢

米国市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.26%、米10年債利回りは前営業日比0.06%高い1.42%で終了した。6月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回る内容だったことが分かると債券売りが先行したものの、特定品目の価格が急騰した影響が大きく『インフレ加速が長期化するとの懸念は強まらなかった』として、その後は買い戻しが優勢となった。ただ、NY午後に実施された米30年債の入札が低調だったことが伝わると一転売りが膨らんだ。 

 

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2021/07/13/07:43:46

米国株式市場は上昇:企業の好決算を期待した買い優勢

NYダウは126.02ドル高の34996.18ドル、ナスダックは31.32ポイント高の14733.24ポイントで取引を終了した。国内でも新型コロナウイルス変異株の感染拡大が見られ、警戒感から寄り付き後は下落した。その後、企業の好決算を期待し、景気循環株にも買いが向かい上昇に転じた。引けにかけて、シューマー上院院内総務がインフラ計画を巡る進展に楽観的な見解を示すと、回復期待に一段高となり主要株式指数は連日、史上最高値を更新して引けた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。市場の関心は今週から始まる米主要企業の4-6月期決算発表に移っており、『好業績期待から買いが入った』との指摘があった。13日に決算を発表するゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースへの上昇が目立った。VIX指数は16.18から16.17へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買いやや優勢

ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.95円と日通し安値を付ける場面もあったが、110円割れで下値の堅さを確認すると一転買い戻しが優勢になった。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだ影響も受けて、次第に強含んだ。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.37%台まで上昇したことも円売り・ドル買いを促し、一時110.40円と日通し高値を付けた。米国株式相場が底堅く推移し、主要3指数が史上最高値を更新したことも相場の支援材料となった。もっとも、市場では13日の6月米消費者物価(CPI)や14日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に注目が集まっており、一本調子で上昇する展開にはならなかった。 

 

ユーロ/ドルは、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が『インフレ見通しのリスクは上向き』としながらも、『景気刺激策の縮小は早急ではなく徐々に行うべき』とテーパリングに慎重な見方を示すとユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1836と日通し安値を付けた。その後、ユーロ/円の上昇につれた買いが入り一時1.1874ドル付近まで値を戻す場面もあったが、ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなど一部ユーロクロスが下落した影響で上値は限られた。米長期金利の上昇も相場の重石となった。なお、ECBは戦略見直しの結果を踏まえて、来週22日の定例理事会で金融政策の方向性を示す『フォワードガイダンス』を変更する方針である。ラガルドECB総裁は一部通信社とのインタビューで『フォワードガイダンスは確実に再検討されるだろう』と述べたほか、テーパリングについては『話すには適切な時期ではない』と語っている。 

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反落:新型コロナ変異株の拡大を嫌気した売り

NY原油先物市場は73.21ドル-74.10ドルのレンジ相場となった。新型コロナ変異株の拡大が世界経済の回復を阻害する要因となり、エネルギー需要を弱めるとの見方が重石となった。一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国による枠組みであるOPECプラス内で、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が対立した。OPECプラスの産出量の協調を乱す可能性があるとして、先行きに対する不透明要因になっている。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1791.00-1811.00ドルのレンジ相場となった。米金利上昇によるドル高を受け、ドル建て金価格に割高感が生じて押し下げ要因になった。米金利上昇が金利を生まない資産である金の優位性を後退させたほか、米株の底堅い動きが安全資産として金を買う動きを鈍らせた。アジア市場で1811.00ドルまで買われたが、株高や長期金利の反発を警戒してニューヨーク市場の序盤にかけて1791.00ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1805ドル近辺で推移している。

 

米国債券市場はまちまち:重要イベント控え方向感出ず

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)した一方で、長期ゾーンは横ばいだった。米2年債国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%、米10年債利回りは前営業日と同じ1.36%で終了した。13日の6月米消費者物価(CPI)や14日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言など、米重要イベントを控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。なお、米10年債入札は『無難』と受け止められた。

 

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2021/07/12/03:01:11

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇を好感した買い優勢

NYダウは448.23ドル高の34870.16ドル、ナスダックは142.13ポイント高の14701.92ポイントで取引は終了した。長期金利の上昇を受けて、景気回復への懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。前日に下落が目立った金融株を含む景気敏感株に押し目買いが入り、相場を押し上げた。市場の関心は来週から始まる米主要企業の4-6月期決算発表に移っており、『好業績期待から買いが入った』との指摘もあった。終日堅調に推移し、主要株式指数は史上最高値を更新して引けた。VIX指数は19.0から16.18へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク志向の改善から円売り優勢

ドル/円は、米国株式相場が堅調に推移し、主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.35%台後半まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時110.26円と日通し高値を更新した。ただ、円以外の通貨に対してはドル売りが目立ったため、買い一巡後は110円台前半でのもみ合いに終始した。市場では『米系ヘッジファンドなどが重要視している50日移動平均線109.80円を明確に上抜けたことで買いも入りやすいが、ここからは一目均衡表基準線が位置する110.43円がレジスタンスとして意識される』との声が聞かれた。なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、米議会に年に2回提出する金融政策報告書を公表した。『短期的なインフレ見通しの上方向へのリスクが拡大した』と物価の上振れリスクを警戒しながらも、『供給制約が薄れるとともに2%強の目標水準に落ち着く』との従来の見解を強調した。金融政策については『完全に回復するまで経済を強力に支援し続ける』『リスクが発生した場合、金融政策のスタンスを調整する用意がある』と表明した。報告書は14-15日のパウエルFRB議長の議会証言に先立ち公表された。 

 

ユーロ/ドルは、米国株相場の上昇を背景に投資家のリスク許容度が回復しユーロ買い・ドル売りが優勢になった。前日の高値1.1868ドルを上抜けて一時1.1881ドルまで上値を伸ばした。 

 

資源国のクロス円は堅調だった。WTI原油先物価格が大幅に上昇したことを受けて、産油国通貨に買いが集まった。カナダドル/円は一時88.50円、メキシコペソ/円は5.55円、ノルウェークローネ/円は12.71円まで値を上げた。カナダドルについては、カナダ統計局が発表した6月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が23.07万人増と予想の19.50万人増を上回ったことを好感した買いも見られた。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:原油在庫減少で買い安心感広がる

NY原油先物市場は72.72ドル-74.76ドルのレンジ相場となった。8日に米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で原油は7週連続の取り崩しとなり、その幅も一部予想を大きく上回った。在庫が着実に減少していることを受けて相場には買い安心感が広がった。欧米株式市場が反発しリスク志向ムードが回復したことも、リスク資産でもある原油の強さに繋がった。アジア市場で72.72ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて74.76ドルまで一段高となった。米港の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の378基となった。

 

NY金先物市場は反発:ドル弱含みで買い優勢

NY金先物市場は1796.60-1813.00ドルのレンジ相場となった。1800ドル割れの堅さを確認し、上値を試す展開になった。為替でドルが対欧州通貨や対資源国通貨で弱含み、ドル建ての金先物に割安感がでたことによる買いに支えられた。米長期金利が上昇したことで伸び悩む場面もあったが、週引けにかけては底堅さが維持された。アジア市場で1796.60ドルまで下げたが、ユーロ高を意識した買いが入ったことで1800ドル台を回復した。ニューヨーク市場の終盤にかけて1813.00ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は反落:リスク選好による債券売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.21%、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い1.35%で終了した。米国株が史上最高値を更新したことで安全資産とされる米国債に売りが出た。

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2021/07/09/07:24:53

米国株式市場は下落:景気回復に懐疑的な見方が広がり売り優勢

NYダウは259.86ドル安の34421.93ドル、ナスダックは105.27ポイント安の14559.79ポイントで取引を終了した。東京で4回目の緊急事態宣言が発動され、五輪5者協議で都内の会場すべて『無観客』が決定されたとの報道をきっかけに新型コロナウイルス変異株流行が世界経済の回復を妨げるとの懸念が強まり、寄り付き後は下落した。新規失業保険申請件数も予想外に増加したため、景気回復に懐疑的見方が広がり、終日軟調に推移した。史上最高値付近での利益確定売りにハイテク株も下落した。市場では『米長期金利の低下も米景気の減速懸念を高めた』との声が聞かれた。VIX指数は16.30から19.00へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米株安でリスク回避の円買いが強まる

ドル/円は、世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気回復が遅れかねないとの懸念から世界の株式相場が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となり、一時109.50円と6月11日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は2%超急落したほか、NYダウは一時530ドル超下げた。また、日経平均先物は大証終値比670円安の2万7480円まで売られる場面があった。もっとも、NY午後は下げ渋る展開となった。米国株相場が急速に下げ幅を縮小したほか、一時は1.24%台まで低下した米10年債利回りが1.30%台まで低下幅を縮めたことがドル/円を下支えした。 

 

ユーロ/ドルは、対円中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行した。欧州中央銀行(ECB)が発表した戦略見直しが想定の範囲内であったことも買い安心感につながり、一時1.1868ドルと日通し高値を更新した。ECBは1年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を『2%』に変更すると発表した。これまでの『2%に近いが、それを下回る水準』を改め、物価の一時的な上振れを容認する。気候変動に対する考慮を金融政策に加味することも明らかにした。なお一部報道によると、戦略見直しの内容が先行きの政策にどのように反映されるかを示す『フォワードガイダンス』を巡っては合意に至らなかった。22日の理事会で改めて討議するという。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:世界景気の回復鈍化が懸念され売り優勢

NY原油先物市場は70.76ドル-73.25ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス変異種の感染拡大による世界景気の回復鈍化が懸念され始め、エネルギー需要拡大への期待も後退するなか、時間外から売りが強まり一時約3週間ぶりの安値となる70ドル後半まで値を下げた。ただNY勢の参入後、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で原油の取り崩し幅が一部予想を大きく上回ったことが分かると買い戻しが優勢に。72ドル台を回復して上値を伸ばし、引けにかけては73ドル台に乗せる場面もあった。

 

NY金先物市場は6日ぶりに反落:欧米株安で換金売り優勢

NY金先物市場は1793.50-1819.50ドルのレンジ相場となった。金融市場全般にリスク回避の動きが強まるなか安全資産とされる金に資金が向かい、NY序盤には1819ドル台と3週間ぶりの高値をつけた。ただ米株が急ピッチでマイナス幅を縮小し為替もドルが下値を切り上げると、金先物は利益確定の売りに押された。ニューヨーク市場の序盤にかけて1819.50ドルまで買われたが、株安を意識した換金売りが増えたことから、1793.50ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1800ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:世界の景気回復遅延懸念から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.19%、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.29%で終了した。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気回復が遅れかねないとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。市場では『空売りの持ち高を積み上げていた投資家の買い戻しが見られた』との指摘もあり、利回りは一時1.2479%前後と2月16日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。 

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