FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/08/16/03:01:16

米国株式市場は上昇:米企業の好決算と低金利長期化の思惑から買い優勢

NYダウは15.53ドル高の35515.38ドル、ナスダックは6.64ポイント高の14822.90ポイントで取引を終了した。根強い回復期待を受けた買いに、寄り付き後は上昇した。その後、発表された8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に10年ぶり低水準に落ち込むと、強い回復への期待が大きく後退し、上げ幅を縮小した。しかし、企業の好決算や連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり低金利を維持するとの期待を受けた買いが下支えとなり、S&P500種株価指数とNYダウは連日で史上最高値を更新して終了した。VIX指数は16.06から15.45へ低下した。

 

NY外国為替市場:不調な米経済指標受けドル売り加速

ドル/円は、8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が70.2と予想の81.2を大きく下回り、2011年以来の低水準を付けたこと分かると、全般ドル売りが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.2767%前後まで低下したこともドル売りを誘った。一目均衡表雲の下限110.00円や基準線と転換線が位置する109.76円など、テクニカル的なポイントを下抜けると一時109.51円まで下げ足を速めた。市場関係者からは『夏季休暇シーズンに入り取引参加者が減少しており、市場流動性が低下。薄商いとなる中、値が振れやすい面もあった』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、独DAXやNYダウが史上最高値を更新するなど、欧米株式相場が底堅く推移する中、リスク選好のユーロ買い・ドル売りが入った。低調な米経済指標や米長期金利の低下もドル売りを促し、一時1.1805ドルと6日以来の高値を付けた。市場では『今週、年初来安値である3月31日の安値1.1704ドル手前で下値の堅さを確認したこともあり、週末を前にポジション調整目的の買い戻しが入った』との声も聞かれた。 

 

NY原油先物市場は続落:需要減退への警戒感から売り優勢

NY原油先物市場は67.77ドル-69.22ドルのレンジ相場となった。8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が前月から大幅に低下するなど、コロナ感染拡大の経済への影響が懸念され、エネルギー需要減退への警戒感で売りが優勢となった。米大手石油ガス開発のベーカー・ヒューズにより、今週の米国内の原油、天然ガスを合わせた掘削装置(リグ)稼動数は9基増加し500基となったと報じられたことも、原油の重石となった。ニューヨーク市場の中盤にかけて69.22ドルまで買われたが、需要増加の思惑は後退していることから、通常取引終了後の時間外取引で67.77ドルまで反落した。

 

NY金先物市場は反発:ドル安や米長期金利の低下を好感

NY金先物市場は1753.00-1781.30ドルのレンジ相場となった。8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値のさえない結果を受けて、為替相場ではドル売り・ユーロ買いが進み、米長期金利が低下したことが、金の買いを後押しした。アジア市場で1753.00ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1781.30ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引でも金先物は底堅い動きを維持し、1780ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:不調な米経済指標を受け買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.21%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比は0.08%低い1.28%で終了した。8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を大きく下回り、2011年以来の低水準を付けたことが分かると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。

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2021/08/13/07:38:30

米国株式市場は上昇:ハイテク株の上昇が下支え

NYダウは14.88ドル高の35499.85ドル、ナスダックは51.13ポイント高の14816.26ポイントで取引は終了した。7月生産者物価(PPI)の伸びが予想を上回り、インフレ高進への脅威が再燃し、寄り付き後は下落した。その後、週次新規失業保険申請件数が3週連続で減少したことを好感した買いも目立ち、下げ幅を縮小した。引けにかけ、ハイテク株の上昇も手伝い、NYダウは上昇に転じ、3日連続で史上最高値を更新し終了した。最近出遅れていたハイテク株に見直し買いが入り、相場を押し上げた。VIX指数は16.06から15.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:閑散相場で値動きの乏しい展開

ドル/円は、市場関係者からは『夏季休暇シーズンに入り取引参加者が減少しており、市場流動性が低下した。商いは閑散だった』との声が聞かれた。7月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時110.54円と日通し高値を更新した。ただ、前日の7月米消費者物価指数(CPI)と比較すると、米連邦準備理事会(FRB)の判断に与える影響度が低い指標ということもあって、一方的に買われる展開にはならなかった。一目均衡表雲の上限が位置する110.51円付近では戻り売りなども出て、一時110.32円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。もっとも、前日の安値110.31円がサポートとして働くと買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。米財務省が実施した30年債入札が『やや不調』と受け止められ、米長期金利が上昇幅を広げたことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇や予想を上回る米物価指標を受けて、ユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1724ドルと日通し安値を付けた。ただ、ユーロポンドやユーロ豪ドルなどユーロクロスが上昇するとユーロドルにも買い戻しが入り、1.1743ドル付近まで下げ渋った。もっとも、NY市場に限れば値幅は0.0019ドル程度だった。

 

メキシコペソは一転下落した。メキシコ中銀はこの日、金融政策決定会合を開き、政策金利を4.25%から4.50%に引き上げることを決めたと発表した。市場予想通りとなった。ただ、利上げを支持した理事会メンバーが3人、据え置きを主張したメンバーが2人となり、僅差での利上げだったことが分かるとペソ売りで反応し、対ドルで一時19.9666ペソ、対円で5.53円と日通し安値を更新した。なお、前回6月の利上げも3対2の決定で、2会合連続で全会一致とはならなかった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反落:増産の思惑残り伸び悩み

NY原油先物市場は68.46ドル-69.62ドルのレンジ相場となった。原油先物は売り買いが交錯。国際エネルギー機関(IEA)の月報で、コロナ感染の拡大でエネルギー需要が鈍化するとの見通しが示されたことが、原油の上値を圧迫した一方で、石油輸出国機構(OPEC)の月報では今年と来年の世界の石油需要は力強く回復するとの見解が維持され、原油相場の支えとなった。ロンドン市場で69.62ドルまで買われたが、原油増産の思惑で伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて一時68.46ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に69ドルをやや下回る水準で推移し、伸び悩んだ。

 

NY金先物市場は伸び悩み:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1742.60∸1759.60ドルのレンジ相場となった。7月米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回り、為替相場でややドル高・ユーロ安が進み、米長期金利が上昇したことが、金の上値を圧迫した。アジア市場で1759.60ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1742.60ドルまで下落したが、まもなく1750ドル台に反発した。通常取引終了後の時間外取引では1750ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反落:7月PPIが予想を上回り売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.36%で終了した。7月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行した。米30年債入札が『やや不調』と受け止められたことも相場の重石となった。

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2021/08/12/07:41:04

米国株式市場はまちまち:インフレ高進への脅威後退で買い優勢に

NYダウは220.30ドル高の35484.97ドル、ナスダックは22.95ポイント安の14765.14ポイントで取引を終了した。7月消費者物価指数(CPI)の伸びが一段落しインフレ高進への脅威が後退した。金融引き締めを急ぐ必要性が示されなかったため、寄り付き後は上昇した。インフラ投資が回復を強めるとの期待も根強く、NYダウは終日堅調に推移した。連日、史上最高値を更新し、引けた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅続落した。VIX指数は16.79から16.06へ低下した。

 

NY外国為替市場:過度なインフレ懸念が和らぎ全般ドル売り優勢

ドル/円は、欧州時間に一時110.80円と7月7日以来約1カ月ぶりの高値を付ける場面もあったが、NY時間に入ると一転売りが優勢となった。注目の7月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%上昇と市場予想通りとなったが、前月の0.9%上昇からは鈍化した。また、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.3%上昇/前年比4.3%上昇となり、短期的な基調をみるうえで重視される前月比で前回から大きく低下し、予想を下回った。過度なインフレ懸念が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)の早期金融引き締め観測が後退すると、全般ドル売りが広がった。米財務省が実施した10年債入札が『好調』と伝わると、米長期金利が低下傾向を強め、一時110.28円と日通し安値を付けた。もっとも、前日の安値110.28円が目先サポートとして意識されると引けにかけては下げ渋った。 

 

ユーロ/ドルは、米CPIを受けて『インフレがピークを付けた兆候も垣間見られ、インフレ上昇が一過性というFRBの認識を支える可能性がある』との見方が広がると、米長期金利が低下した。全般ドル売りが優勢となり、一時1.1753ドルと日通し高値を付けた。好調な米10年債入札を受けて、米10年債利回りが1.3000%前後まで低下幅を拡大したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。
 なお、ジョージ米カンザスシティ連銀総裁は講演で「米経済は堅調なペースで成長しており、景気支援を縮小し始める時期に差し掛かっている」と述べたほか、カプラン米ダラス連銀総裁は「9月にテーパリングを発表し、10月から開始すべき」と発言したものの、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は続伸:インフラ投資法案成立への期待から買い

NY原油先物市場は66.67ドル-69.45ドルのレンジ相場となった。バイデン米政権が石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する『OPECプラス』に原油の増産を求める声明を発表し、原油は売りが先行した。ただ、その後に米政府がこの声明は即時の対応を求めるものではなく、長期的視点での要求であり、米国の生産者に増産を求めていないとの報道が伝わると買い戻しが入った。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で、原油在庫は44.8万バレルの取り崩しと予想ほど在庫が減少しなかったが、反応は限られた。また、米議会上院でインフラ投資法案が可決し、法案成立の可能性がやや高まっていることや長期金利の伸び悩みが買い材料となった。

 

NY金先物市場は続伸:インフレ加速の懸念が後退

NY金先物市場は1724.60-1756.870ドルのレンジ相場となった。米7月消費者物価指数(CPI)の伸びが前月から鈍化し、米金融政策の早期縮小観測が後退した。米長期金利が低下し、金利を生まない金に買いが入った。ドルが対ユーロで下落したのもドル建ての金の買いを後押しした。アジア市場で1724.60ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の終盤にかけて1756.70ドルまで買われた。ユーロ安は一服したことや、インフレ加速の懸念が緩和されたことが金先物の上昇につながった。通常取引終了後の時間外取引では1750ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反発:米FRBの早期金融引き締め観測後退から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.21%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.33%で終了した。7月米消費者物価指数(CPI)の結果が伝わると、過度なインフレ懸念が和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)の早期金融引き締め観測が後退し、債券買いが優勢となった。好調な米10年債入札も相場の支援材料となった。 

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2021/08/11/07:28:32

米国株式市場はまちまち:米上院でのインフラ投資法案可決を好感

NYダウは162.82ドル高の35264.67ドル、ナスダックは72.09ポイント安の14788.09ポイントで取引を終了した。米上院はこの日、バイデン大統領と上院超党派グループが合意したインフラ投資法案を賛成多数で可決した。法案成立には下院の可決が必要だが、米景気回復を支えるとの期待が浮上し、買いが広がった。原油高が支援したほか素材や資本財など景気敏感株に買いが集まった。NYダウは史上最高値を更新して引けた。一方、ハイテク株では米長期金利が上昇したことで、高PER(株価収益率)の売りが出た。VIX指数は16.72から16.79へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米早期のテーパリング観測の高まりからドル買い

ドル/円は、前週末の7月米雇用統計や前日の6月米雇用動態調査(JOLTS)を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まる中、ドルを買う動きがこの日も継続した。しばらくはもみ合いの展開が続いていた米10年債利回りが一時1.35%台まで上昇したこともドル買いを促し、110.59円と7月14日以来の高値を更新した。ただ、7月14日の高値110.70円や一目均衡表雲の上限110.73円がレジスタンスとして意識されたこともあり、NY午後はやや伸び悩んだ。なお、米上院はこの日、バイデン大統領と上院超党派グループが合意したインフラ投資法案を賛成多数で可決した。バイデン政権の経済対策の柱の一つであるインフラ投資法案は成立に向けて最初のハードルを突破したが、法案成立には下院の可決が必要になる。市場では『米下院での審議はなお曲折が予想される』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月独ZEW景況感指数が予想を大幅に下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売りが優勢となった。このところの堅調な米雇用指標の結果やFRB高官らのタカ派的な発言で、全般ドル買いが入りやすい面もあり、一時1.1710ドルと3月31日以来の安値を付けた。市場では「同日に記録した年初来安値1.1704ドルが視野に入った」との声が聞かれた。なお、ユーロ/豪ドルは一時1.5931豪ドル、ユーロ/NZドルは1.6712NZドル、ユーロ/カナダドルは1.4672カナダドルまで下落した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:ポジション調整的な買い戻し

NY原油先物市場は66.56ドル-68.90ドルのレンジ相場となった。感染力の強いコロナ変異株の拡大を警戒した動きが一服し、安値拾いの買い戻しが入った。もっともコロナ警戒感と景気回復期待が交錯する中、一方向に大きく傾きにくい。また、明日に米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計の発表を控え、原油やガソリンの在庫が減少するとの見通しも原油の買い戻しを後押しした。長期金利の上昇やドル高を警戒した売りは一巡し、ポジション調整的な買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では68ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:押し目買い調整の買い戻し

NY金先物は1718.50-1739.40ドルのレンジ相場となった。ドル高や米長期金利の上昇を眺めながらこの日も金は売りが先行した。ただ、昨日までの急ピッチでの下げの反動で押し目買いや調整の買い戻しが入ったが、上値は限られた。アジア市場で1739.40ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1718.50ドルまで下げた。しかしながら換金目的の売りは一巡し、押し目買いが入ったことで1734.20ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では1730ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:早期のテーパリングを意識した売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.23%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い1.35%で終了した。このところの堅調な米雇用指標の結果や米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言で、FRBが量的緩和の縮小(テーパリング)に動きやすくなるとの見方から、この日も債券売りが続いた。 

 

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2021/08/10/08:14:06

米国株式市場はまちまち:コロナ感染件数が高水準に達したことを嫌気

NYダウ先物市場は106.66ドル安の35101.85ドル、ナスダックは24.42ポイント高の14860.18ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの変異株で感染力が強いデルタ株が中国など世界各地で流行し、経済正常化が遅れるとの懸念から売りが優勢となった。また、国内の新型コロナ感染件数が6カ月ぶり高水準に達し、ニューヨークで2年ぶり開催が予定されていた国際オートショーやニューオーリンズで10月に開催予定だったジャズフェスティバルの中止が相次いで発表され、投資家心理が悪化した。景気回復が損なわれるとの懸念に、寄り付き後は下落した。しかし、6月JOLT求人件数が過去最高を記録し、労働市場の改善が明らかになると警戒感が緩和し、下げ止まった。ナスダック総合指数は小幅高となった。VIX指数は16.15から16.72へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが時間外取引で一時1.26%台まで低下したことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると、一時1.1769ドルと週明け早朝取引で付けた日通し高値に面合わせしたものの、金先物価格やWTI原油先物相場の下落を背景に、ドル高・資源国通貨安が進むとユーロに対してもドル買いが入り上値が重くなった。6月米JOLTS労働力調査の求人数が1007.3万人と予想の927.0万人を上回り、過去最高を記録したこともドル買いを促し、一時1.1735ドルと4月1日以来の安値を付けた。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の重石になった。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は『雇用の力強い伸びがあと1-2カ月間続けば、FRBは10-12月中にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始できる』と述べたほか、同じく投票権を持つバーキン米リッチモンド連銀総裁は『今年のインフレ高進が利上げ条件の一つを満たした可能性もあるが、労働市場はなお改善の余地がある』と語った。

 

ドル/円は、米長期金利の低下をきっかけに円買い・ドル売りが先行し、一時110.03円と日通し安値を付けた。ただ、節目の110.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。良好な米雇用指標や米長期金利の上昇もドル買いを促し、一時110.35円とアジア時間早朝と前週末の高値に面合わせした。もっとも、市場関係者からは『夏季休暇シーズンに入り取引参加者が減少しており、市場流動性が低下した。商いは閑散だった』との声が聞かれ、今日一日の値幅は32銭程度となった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはNY市場に入っても底堅く推移した。対ドルでは一時4万6400ドル台、対円では510万円台まで買われ、いずれも5月17日以来の高値を更新した。市場では「米国のインフラ投資法案に盛り込まれる仮想通貨に関するルールを巡り不透明感は残るが、マーケットには楽観的なムードが戻ったようだ」との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は大幅続落:需要の回復の遅れを懸念した売り

NY原油先物市場は65.15ドル-67.90ドルのレンジ相場となった。世界で感染力の強いコロナ変異株の拡大が止まらず、エネルギー需要の回復の遅れるとの懸念が強く、原油相場は軟調な動きとなった。為替相場で先週末に続いてドルが対ユーロで上昇したのも、ドル建ての原油に割高感から売りを後押しした。通常取引終了後の時間外取引では66ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は大幅続落:換金目的の売りが継続

NY金先物市場は1677.90-1765.70ドルのレンジ相場となった。先週末の米雇用統計を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による緩和縮小時期が早まるとの思惑で、ドル高と米債利回りの上昇が進み、金の売りが強まっている。アジア市場の取引開始後に1765.70ドルから1677.90ドルまで急落したが、その後は下げ渋り。ニューヨーク市場の序盤にかけて1750.80ドルまで戻した。ただ、換金目的の売りは続いており、金先物は伸び悩んだ。時間外取引では1730ドル台で推移した。

 

米国債券市場は続落:労働市場の改善が裏付けされたこと嫌気

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い1.32%で終了した。前週末の7月米雇用統計に続き、本日発表の6月米JOLTS労働力調査の求人数が過去最高を記録すると、労働市場の改善が裏付けられ、債券売りを誘った。

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