FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/07/26/03:01:22

米国株式市場は上昇:良好な企業決算を好感した買い優勢

NYダウは238.20ドル高の35061.55ドル、ナスダックは152.39ポイント高の14836.99ポイントで取引を終了した。長期金利が再び上昇したため、新型コロナ流行再燃による景気回復鈍化への警戒感が後退して寄り付き後に上昇した。良好な企業決算も手伝い、終日堅調に推移した。来週に決算を控えているハイテク関連にも期待感から買いが向かい、主要株式指数は史上最高値を更新して引けた。NYダウが終値で3万5000ドルを超えるのは初めて。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。VIX指数は17.69から17.20へ低下した。

 

NY外国為替市場:円安でも110.60円に届かず

ドル/円は、米国株式相場が堅調に推移し、主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出て、一時本日高値となる110.58円まで値を上げた。ただ、110.60円には厚めの売りオーダーが観測されているほか、14日の高値110.70円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。NY午後に入ると、週末とあって次第に値動きが鈍った。来週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見気分も強かった。 

 

ユーロ/ドルは、前日に重要イベントである欧州中央銀行(ECB)定例理事会を通過したことから、終日方向感に乏しい展開だった。NY時間に限れば安値1.1755ドル、高値1.1781ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。なお、バイトマン独連銀総裁は『ECBの低金利環境が過度に長期間維持される見通しについて懸念している』と述べたものの、相場の反応は限られた。バイトマン氏は前日のECB理事会でウンシュ・ベルギー中銀総裁と共にフォワードガイダンス変更に反対した。 

 

南アフリカランドは軟調だった。対ドルでは一時14.8632ランド、対円では7.44円といずれも3月31日以来の安値を更新した。南アフリカ準備銀行(SARB)が前日に、『ズマ前大統領の収監に抗議するデモを発端として今月発生した暴動で、コロナ禍からの景気回復が遅れる恐れがある』と警告し、低金利維持を示唆したことが引き続きランド売りを促した。SARBは22日、近く利上げが実施されるとの見方も出る中、政策金利を現行の3.50%に据え置くことを全会一致で決定した。一部では『利上げを主張するメンバーが出るのではないか』との思惑があっただけにランド売りが優勢となっていた。

 

NY原油先物市場は小幅に4日続伸:株高を意識した買い優勢

NY原油先物市場は71.39ドル-72.21ドルのレンジ相場となった。投資家のリスクオフや、18日に石油輸出国機構(OPEC)プラスが協調減産の段階的な縮小で合意したことを受けて週明けの19日は暴落したが、その後は米国株の巻き戻しやエネルギー需要見通しへの根強い期待感を背景に4日続けて買い戻しが入った。ただ、為替市場でユーロが対ドルで上値が重く、ドル建ての原油は割高感から売りも入り、上値は限られた。ニューヨーク市場の序盤に71.39ドルまで下げたが、株高を意識して下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引で72.21ドルまで買われた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比7基増加の387基になった。

 

NY金先物市場は小反落:株高と米長期金利上昇で伸び悩み

NY金先物市場は1789.10-1810.70ドルのレンジ相場となった。米国株が堅調な動きになるなど、投資家のリスク回避姿勢の後退で安全資産の金に売りが入った。米長期金利の上昇も、金利を生まない金の上値を圧迫した。ロンドン市場で1810.70ドルまで買われた後、1789.10ドルまで反落。ニューヨーク市場では株高を意識して伸び悩み、1800ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は横ばい:米FOMCを控えて様子見ムード強く方向感欠く

米国債券市場で中長期ゾーンは横ばいとなった。米2年債国債利回りは前日比変わらずの0.20%、米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.28%で終了した。来週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。なお、7月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想を上回った一方、同サービス部門PMI速報値は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。 

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2021/07/21/07:30:51

米国株式市場は上昇:短期的な戻りを期待した買い優勢

NYダウは549.95ドル高の34511.99ドル、ナスダックは223.90ポイント高の14498.88ポイントで取引を終了した。前日に今年最大の下落幅(725ドル安)を記録した反動で、短期的な戻りを期待した買いが先行した。新型コロナ再流行への懸念を受けた売りが行き過ぎとの見方も浮上し、押し目買いに終日堅調に推移し引けにかけて上げ幅を拡大した。前日に下げが目立ったボーイングに買い戻しが集中し、1銘柄でダウ平均を70ドル程度押し上げた。決算への期待が高いアップルやマイクロソフトなども買われ、指数の上昇に寄与した。VIX指数は22.50から19.73へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル買いも110.00円手前で伸び悩み

ドル/円は、欧州時間に一時109.30円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。前日に急落した米国株相場が大幅反発すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが先行した。日本時間夕刻に付けた109.74円を上抜けて一時109.95円まで値を上げた。一時は1.1260%前後と2月11日以来の低水準を付けた米10年債利回りが上昇に転じ、1.22%台まで戻したこともドル買いを誘った。ただ、節目の110.00円手前では戻り売りなどが出たためやや伸び悩んだ。110.00-30円に観測されている売りオーダーにも上値を抑えられた。なお、NYダウは一時650ドル超上昇したほか、日経平均先物は大証終値比390円高の2万7800円まで買われる場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が上昇に転じたことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1756ドルと4月5日以来の安値を付けた。22日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、市場では『ECBがハト派姿勢を貫く』との見方が強まっており、ユーロの上値を抑えた面もあった。ただ、売り一巡後は買い戻しがやや優勢となり、1.17ドル台後半で値動きが鈍った。

 

NY原油先物市場は反発:リスク回避の動きが後退して買い優勢

NY原油先物市場は65.01ドル-67.20ドルのレンジ相場となった。前日の流れを引き継ぎ、売りが先行した。ただ、米国株が大幅反発し、米長期金利も上昇に転じ、リスク回避の動きが後退したことを受けて原油先物にも買い戻しが入った。また、今週発表の原油・ガソリンの在庫が減少するとの見方も買い戻しを後押しした。通常取引終了後の時間外取引で67.61ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は小反発:換金目的の売りが一巡

NY金先物市場は1805.50-1825.90ドルのレンジ相場となった。コロナ感染拡大で先行き景気に対する警戒感が強まり、投資家のリスク回避姿勢が高まっている中、逃避資産の金は買いが先行し、一時1825.90ドルまで上昇した。ただ、米株が大幅反発したことや、為替市場でドル高・ユーロ安が進んだことを手がかりに買いは失速し、小幅高で取引を終えた。通常取引終了後の時間外取引では1810ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米国株反発で長期債券買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)し、長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.19%、米10年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.22%で終了した。前日のリスク回避の流れを受けて債券買いが優勢となり、利回りは一時1.1260%前後と2月11日以来の低水準を付ける場面があった。ただ、米国株相場が大幅に反発すると投資家心理の悪化に歯止めがかかり、一転債券売りが優勢となった。 

 

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2021/07/20/07:33:58

米国株式市場は下落:コロナ感染拡大で景気の先行き不透明感から売り

NYダウは725.81ドル安の33962.04ドル、ナスダックは152.26ポイント安の14274.98ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスで感染力が強いインド型〈デルタ株)の感染拡大が続き、米国でも新規感染者数が増加した。行動規制が再び強化されるなど、景気の先行き不透明感から幅広い銘柄に売りが出た。原油先物価格も大きく値下がりし、米長期金利も急低下、NYダウは一時940ドル超下げる場面があった。VIX指数は18.45から22.50へ上昇した。

 

東京外国為替市場:リスク回避による米長期金利低下で円買い強まる

ドル/円は、新型コロナウイルスで感染力の強いインド型(デルタ株)の感染が拡大し、景気回復に水を差すとの見方から投資家のリスク回避姿勢が強まり、円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが節目の1.20%を割り込み、一時1.1723%前後まで低下したことも相場の重石となり、109.03円と5月27日以来の安値を付けた。7月NAHB住宅市場指数が80と予想の82を下回ったこともドル売りを誘った。ただ、5月27日の安値109.04円や節目の109.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になり、一時109.58円付近まで下げ渋った後、NY午後は109円台半ばで値動きが続いた。なお、NYダウは一時940ドル超下落したほか、日経平均先物は大証終値比540円安の2万7060円まで売られる場面があった。

 

ユーロ/ドルは、新型コロナ変異株の感染拡大への懸念や、原油など商品価格の下落を背景に、投資家のリスク回避ムードが強まりユーロ売り・ドル買いが先行した。前週末のドイツやベルギーを襲った洪水の被害状況が深刻で、欧州株相場が急落したことも相場の重石となり、一時1.1764ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利が急低下すると次第にユーロ買い・ドル売りが優勢になった。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いも入り、一時1.1824ドルと日通し高値を付けた。もっとも、買い一巡後はじりじりと上値を切り下げた。 

 

産油国通貨は軟調だった。WTI原油先物価格が急落したことを背景に産油国通貨に売りが集まった。メキシコペソは対ドルで一時20.0950ペソ、対円で5.45円までペソ安に振れたほか、カナダドルは対米ドルで一時1.2807カナダドル、対円で85.43円まで値を下げた。WTI期近8月限は時間外取引で一時8.6%超下落する場面があった。『石油輸出国機構(OPEC)プラス』が18日、協調減産の段階的な縮小で合意したことを受けた。

 

NY原油先物市場は大幅下落:ウイルス変異株の感染拡大を警戒

NY原油先物市場は65.56ドル-71.40ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』が週末に増産で合意したことを受けて売りが先行した。また、世界でデルタ株の感染が拡大し、景気回復への楽観ムードが後退したことでリスク資産の原油にも売りが入り、約2カ月ぶりの安値水準まで暴落した。ニューヨーク市場で一段安となり、時間外取引で65.56ドルまで下げ幅は拡大した。

 

NY金先物市場は続落:換金目的の売り優勢

NY金先物市場は1795.00-1818.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル買いが先行し、ドル建ての金も売りに押されたが、対ユーロでドル買いが後退したことや、米国株が暴落するなど投資家のリスク回避で安全資産の金に買いも入り、下げ幅を縮小して取引を終えた。アジア市場で1818.00ドルまで買われたが、株安を警戒した換金売りが増えたことで反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1795.00ドルまで下落した。ただ、米長期金利の低下を意識した買いも入っており、一時1816.50ドルまで戻す場面もあった。

 

米国債券市場は上昇:世界景気の減速懸念強まり買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.21%、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い1.19%で終了した。新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)の感染拡大を受けて世界景気の減速懸念が強まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時1.1723%前後と2月12日以来の低水準を付けた。市場では『目先、1%程度まで低下余地がありそうだ』との声も聞かれた。 

 

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2021/07/19/03:01:02

米国株式市場は下落:コロナ感染再拡大を懸念した売り優勢

NYダウは299.17ドル安の34687.85ドル、ナスダックは115.89ポイント安の14427.24ポイントで取引を終了した。6月小売売上高が予想外のプラスに改善したため強い回復への期待が高まり、寄り付き後、上昇。しかし、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に低下したため期待が後退して下落に転じた。さらに、世界で感染力の強いインド発の新型コロナウイルス感染症『デルタ変異株』の感染が広がる中、景気の先行き不透明感が高まり売りが優勢となった。米カリフォルニア州ロサンゼルス郡はワクチン接種の有無に関係なく屋内でのマスク着用を17日深夜から再度義務付けるなど、ワクチン接種が進む国でも再び行動制限に踏み切る動きが相次いでいる。VIX指数は17.01から18.45へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株安でリスク回避の円買い戻し

ドル/円は、6月米小売売上高が前月比0.6%増と予想の0.4%減に反して増加したほか、自動車を除く数値が前月比1.3%増と予想の0.4%増を上回ったことを受けて円売り・ドル買いが先行し、一時110.34円と日通し高値を付けた。ただ、7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が80.8と予想の86.5を下回ると次第に上値を切り下げた。一目均衡表転換線が位置する110.26円や基準線110.49円が戻りの目処として意識された面もある。感染力の強いインド発の新型コロナウイルス感染症『デルタ変異株』が猛威を振る中、高く始まった米国株相場が下げに転じたことも相場の重石となった。

 

ユーロ/ドルは、一時1.1792ドルと日通し安値を付けたものの、そのあとは節目の1.1800ドルを挟んだ方向感に乏しい展開となった。NY時間に限れば値幅0.0027ドル程度の狭いレンジだった。なお、「欧州中央銀行(ECB)は来週22日の理事会で金融政策の方向性を示す『フォワードガイダンス』の変更を巡って意見が対立している」との一部報道が伝わったが、相場の反応は薄かった。

 

ポンドは全面安となった。ポンド/ドルは一時1.3761ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロ/ポンドは0.8580ポンドまでユーロ高・ポンド安が進行した。ポンド/円は一時151.43円と本日安値を付けた。英国では新型コロナの感染が再び拡大しており、1日の新規感染者数が5万人を突破した。ワクチン接種が大幅に進む一方、減少傾向にあった感染者数が足もとで急増している。また、イングランドでは19日から感染対策の規制がほぼすべて撤廃される予定だが、ロンドン市長は『公共交通機関でのマスク着用を引き続き義務づける』と表明するなど、政府と首都で対応が分かれる事態となっている。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反発:株安を警戒して上げ幅縮小

NY原油先物市場は70.16ドル-72.04ドルのレンジ相場となった。増産の意向を示すアラブ首長国連邦(UAE)と、他のOPECプラス(石油輸出国機構・OPEC加盟国と非加盟の主要産油国による枠組み)の国々が妥協点を見出すとの見方があるものの、依然として不透明感は晴れない状態だった。一方、経済回復にともなう原油需要の回復期待は維持されており、上下とも強い方向感を示しにくいまま週引けとなった。アジア市場で71ドルを下回った後、ニューヨーク市場の序盤にかけて72.04ドルまで戻したが、需給ひっ迫の思惑は後退しており、70.16ドルまで反落。その後、72.00ドルまで戻す場面があったが、株安を嫌気して上げ幅は縮小した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の380基になった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:換金目的の売り優勢

NY金先物市場は1809.50-1832.70ドルのレンジ相場となった。週初12日に反落後は、昨日まで3日続伸した。本日は週末の調整安となった。しかし、6月29日に4月15日以来の安値1750.10ドルをつけて以降の戻り基調は継続中。週間では上昇して陽線で引けた。アジア市場の序盤に1832.70ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤に1827.60ドルまで戻したが、株安を意識した換金目的の売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引で金先物は1809.50ドルまで下落している。 

 

米国債券市場はまちまち:コロナ感染再拡大が懸念され買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)、長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.23%、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格上昇)1.29%で終了した。6月米小売売上高が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行したものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されて次第に買い戻しが進んだ。

 

 

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2021/07/16/07:36:01

米国株式市場はまちまち:好材料・好決算発表銘柄が指数を押し上げた

NYダウは53.79ドル高の34987.02ドル、ナスダックは101.82ポイント安の14543.13ポイントで取引は終了した。強弱まちまちの経済指標を受けて、寄り付き後はいったん下落した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会の証言で、緩和縮小の条件達成は程遠いとの見解を繰り返すと上昇に転じ、好材料が出た銘柄や好決算を発表した銘柄が買われ、指数を押し上げた。一方で、足もとで上昇が目立っていた主要ハイテク株が売られ、相場の重石となった。NYダウは序盤マイナス圏で推移し、一時170ドル超下げる場面があった。ハイテク株は利益確定売りが継続し、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は16.33から17.01へ上昇した。

 

外国為替市場:ドル/円では米長期金利低下で上値の重い展開

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.1851ドルと日通し高値を付けたものの、その後失速した。欧米株価が軟調に推移する中、リスク回避のドル買いが優勢となった。原油先物価格の下落を受けて、対資源国通貨中心にドル高が進んだ影響も受け、一時1.1796ドルと日通し安値を付けた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で開かれた公聴会で『金融政策はかなりの期間、緩和的であり続ける』『高インフレが予想以上に長引けば、FRBは適切に対応する』『量的緩和の縮小(テーパリング)の道筋や構成巡り次回会合で議論する』などと証言したが、新味の乏しい内容で市場の反応は限られた。 

 

ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.68円と日通し安値を付けたものの、9日の安値109.70円や一目均衡表雲の上限109.55円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になり、一時110.09円と日通し高値を付けた。原油安でドル高・資源国通貨安が進んだ影響も受けた。ただ、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.2906%前後まで低下したこともあって、上値は重かった。クロス円の下落も相場の重しとなり、引けにかけて109.78円付近まで押し戻されている。

 

南アランド/円は、ズマ前大統領の収監をきっかけに暴動が全土に拡大する中、一時7.52円まで下落した。当初はズマ氏の支持者による収監への抗議デモが中心だったが、次第に無関係の貧困層の人々も加わり暴徒化した。略奪なども横行し、地元メディアによると『無政府状態』になっている。 

 

NY原油先物市場は続落:需給ひっ迫の思惑が後退で売り優勢

NY原油先物市場は71.40ドル-72.96ドルのレンジ相場となった。アラブ首長国連邦(UAE)が増産を決定と伝わり、石油輸出国機構(OPEC)加盟と非加盟の主要産油国で構成する枠組み『OPECプラス』による生産調整の協調体制が崩れるとの見方が売りを誘った。UAEの生産に関する姿勢はまだ決定していないとの報道もあるが、市場は不透明感を嫌気した。アジア市場の終盤にかけて72.96ドルから71ドル台後半まで下げた。ニューヨーク市場で一時72.93ドルまで戻したが、主要産油国は減産規模を縮小するとの見方が広がったことから、需給ひっ迫の思惑はさらに後退した。ポジション調整的な売りが再び活発となり、時間外取引で71.40ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は小幅に3日続伸:米長期金利の低下を好感

NY金先物市場は1820.60-1835.00ドルのレンジ相場となった。欧米株が重く推移、原油価格が下落と、リスク回避が意識されやすい状態で、逃避先資産とされる金を買う動きにつながった。米金利が低下するなかでもドル相場がリスク回避の買いで底堅かったことは、ドル建て金価格の重しとなった。しかし、金利低下は、金利を生まない資産である金の相対的な優位性にもつながり下値を支えた。アジア市場で1835.00ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1820.60ドルまで反落した。しかしながら、米長期金利の低下を受けて金先物は反転し、通常取引終了後の時間外取引では1831.30ドルまで戻している。

 

米国債券市場:金融緩和の早期縮小観測の後退を好感

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいで長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前日と変わらず0.22%、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.30%で終了した。金融緩和の早期縮小観測が後退する中、債券を買う動きが続いた。 

 

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