FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/08/23/03:02:39

米国株式市場は上昇:消費関連株や景気敏感株に押し目買い

NYダウは225.96ドル高の35120.08ドル、ナスダックは172.87ポイント高の14714.66ポイントで取引が終了した。前日まで下げが目立っていた消費関連株や景気敏感株の一角に押し目買いが入り、相場を下支えした。市場では『前日まで3日続落していただけに、これまで売り込まれてきた銘柄を中心に安値拾いの買いが入った』との声が聞かれた。前日に業務ソフトの値上げを発表したマイクロソフトは連日で上場来高値を更新した。緩和縮小を巡りタカ派発言を繰り返してきたダラス連銀総裁のカプラン総裁がデルタ株感染が拡大した場合に方針を修正すると発言し、連邦準備制度理事会(FRB)の早期緩和縮小への脅威も和らぎ相場の上昇を支援した。また、ハイテク株の上昇も手伝い、上げ幅を拡大した。VIX指数は21.67から18.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株価の上昇で過度なリスク回避後退でドル買い

ドル/円は、欧州市場では、時間外のダウ先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが入り、一時109.54円と日通し安値を付けた。ただ、前日と18日の安値である109.48円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。現物の米国株相場が上昇したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが出た面もあった。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時109.87円付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値109.89円を上抜けることは出来なかった。来週のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控えて、NY午後は様子見気分が広がった。手掛かり材料を欠く中で、値幅10銭程度の狭いレンジ取引に終始した。

 

ユーロ/ドルは、『米量的緩和縮小の前倒しが警戒される一方、欧州中央銀行(ECB)のハト派姿勢が続くとの見方からユーロ売り・ドル買いが出やすい状況』との声が聞かれ、一時1.1664ドルと昨年11月4日以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢になった。週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、ユーロ/円やユーロ/ポンドなど一部ユーロクロスの上昇につれた買いが入り、1.1705ドルと日通し高値を更新した。なお、ユーロ/ポンドは一時0.8590ポンドと7月22日以来約1カ月ぶりの高値まで上昇した。

 

メキシコペソは軟調だった。WTI原油先物価格が7日続落し、約3カ月ぶりの安値を付けると、産油国通貨とされるペソに売りが出た。対米ドルで一時20.4564ペソ、対円で5.37円といずれも6月22日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。

 

NY原油先物市場は7日続落:経済活動鈍化による需要減懸念が相場の重石

NY原油先物市場は61.82ドル-64.04ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス変異株の感染が拡大し、経済活動が鈍化してエネルギー需要減に繋がるのではないかとの懸念が依然として相場の重石になった。エネルギー消費大国である中国の石油輸入が減少しているとの報道も地合いを更に悪くさせた。一時62.10ドル台まで下落し、約3カ月ぶりの安値を更新した。アジア市場の序盤で64.04ドルまで買われたが、まもなく反落。需要減少の思惑が強まり、ニューヨーク市場ではじり安となった。通常取引終了後の時間外取引で61.82ドルまで一段安となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比8基増加の405基となった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに小反発:週末を控えたポジション調整の買い戻し

NY金先物市場は1780.00-1791.00ドルのレンジ相場となった。週末を控えてポジション調整の買い戻しが先行した。しかしながら、米長期金利が上昇すると金利のつかない金の魅力が相対的に弱まり、引けにかけては上げ幅を縮めた。狭いレンジの値動きが続き、取引高も低調となった。アジア市場で1791.00ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1780.00ドルまで反落したが、主要通貨に対するドル買いは一巡したことから、1789.00ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では1785ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米国株高を受けてし売り優勢も底堅い展開

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01高い1.25%で終了した。米国株相場の上昇を受けて、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。ただ、新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大による景気懸念が相場を下支えし、下値は限定的だった。

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2021/08/20/07:28:30

米国株式市場はまちまち:労働市場の回復期待が下支え

NYダウは66.57ドル安の34894.12ドル、ナスダックは15.88ポイント高の14541.79ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)が年内に緩和縮小に踏み切る可能性が強まったことが引き続き警戒されて、寄り付きから下落した。新型コロナウイルスのデルタ変異株流行で世界経済の回復減速への懸念も根強く、NYダウは終日軟調に推移した。ただ、週次失業保険申請件数がパンデミック開始以降の低水準となったため、押し目からは労働市場の回復期待を受けた買いも見られ、下値を支えた。ハイテクは底堅く推移し、ナスダック総合指数は小幅高となった。業務ソフトをまとめたサービスの値上げを発表したマイクロソフトが上場来高値を更新し、相場を下支えした。VIX指数は21.57から21.67へ上昇した。

 

NY外国為替市場:過度なリスク回避姿勢後退でドル買い戻し

ドル/円は、前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米国のテーパリング(量的緩和の縮小)開始観測が強まったことや、新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大で、景気鈍化懸念からリスク回避姿勢が強まった。欧州市場では一時109.45円と前日の安値に面合わせする場面があった。ただ、NY市場では下値の堅さが目立った。一時は270ドル超下落したNYダウが上げに転じるなど、米国株相場が底堅く推移すると過度なリスク回避姿勢が後退した。1.21%台まで低下した米10年債利回りが1.25%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えし、109.84円付近まで持ち直した。前週分の米新規失業保険申請件数や7月米景気先行指標総合指数が予想よりも強い内容となったことも買い戻しを誘った。 

 

ユーロ/ドルは、NY勢参入直後に一時1.1704ドル付近まで値を戻す場面もあったが、1.17ドル台での滞空時間は短く、米長期金利が低下幅を縮めると再び上値が重くなり、一時1.1673ドル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた年初来安値1.1666ドルはサポートされた。

 

南アフリカランドは軟調だった。世界的な株価の下落でリスク回避ムードとなり、対ドルで一時15.2723ランドと3月10日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。同国が世界最大の産出量を誇るプラチナの価格が大幅に下落したこともランド売りを誘った。対円でも一時7.19円と欧州時間に付けた3月11日以来の安値に面合わせした。また、産油国通貨は軟調だった。WTI原油先物価格が6日続落し約3カ月ぶりの安値を付けたことを受けて、産油国通貨とされるカナダドルやメキシコペソに売りが出た。

 

NY原油先物市場は6日続落:投機筋の積極的な売りとポジション調整売り

NY原油先物市場は62.41ドル-64.57ドルのレンジ相場となった。チャート上でポイントとされた65ドルを割り込み、投機筋の積極的な売りを呼び込んだ。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が経済活動の停滞につながり、エネルギー需要を減少させるのではないかという懸念の高まりも下げを加速させた。一時は約3カ月ぶりの安値圏となる62ドル台まで値を下げた。ただ、引けにかけては下げ幅を縮小した。アジア市場の序盤で64.57ドルまで買われたが、まもなく反落した。ニューヨーク市場の中盤にかけて62.41ドルまで一段安となった。需要減少の思惑が広がり、ポジション調整の売りが活発となった。ただ、通常取引終了後の時間外取引では64.07ドルまで戻しており、売りは一巡している。

 

NY金先物市場は小幅に3日続落:ドル高を意識した売り

NY金先物市場は1774.60-1795.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロなどで上値を伸ばし、ドル建て金先物は時間外から売りが先行した。金融市場全般に高まったリスク回避ムードが支えとなり反発する場面もあったが、軟調なプラチナや銅などに引きずられて再びマイナス圏に沈んだ。ニューヨーク市場の序盤にかけて1795.00ドルまで戻した。しかし、通常取引終了後の時間外取引で1778.00ドルまで反落する場面があった。

 

米国債券市場はまちまち:景気鈍化懸念から長期ゾーンに買い

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%で終了した。長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.24%で終了した。新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大で景気鈍化懸念からリスク回避姿勢が強まり、相対的に安全資産とされる米国債には買いが入った。 

 

 

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2021/08/19/07:40:33

米国株式市場は下落:米FRBの年内緩和縮小観測を嫌気した売り優勢

NYダウは382.59ドル安の34960.69ドル、ナスダックは130.27ポイント安の14525.91ポイントで取引を終了した。バイデン政権のインフラ案法制化への期待が後退したほか、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨への警戒感から寄り付き後は下落した。その後も、様子見気配が強まり、もみあいが続いた。議事要旨の中で、年内の緩和縮小の可能性が示唆されると警戒感が強まり、引けにかけて売りにさらに拍車がかかり、一時400ドル近く下落した。VIX指数は17.91から21.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC議事要旨公表後にドル失速

ドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月27日-28日分)の公表に向けて、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.29%台まで上昇すると全般ドル買いが先行し、一時110.07円と日通し高値を付けた。ただ、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が値を消すとドル円にも売りが出て、109.76円付近まで下押しした。NYダウが一時400ドル近く下落したことも相場の重石になった。なお、FOMC議事要旨では『大半の当局者は経済が予想通り幅広く発展するなら年内のテーパリング開始が適切と指摘した』『幾人かの当局者はさらなる進歩は十分に満たされていないとして、2022年初めのテーパリング開始が適切と指摘した』ことが明らかになった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を来週に控えて、市場では『FOMC議事要旨の内容を確認したい』と、注目が集まっていた。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、1.1700ドル割れに観測されていたストップロスを誘発し一時1.1694ドルと昨年11月4日以来の安値を付けた。ただ、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が値を消すとユーロ/ドルにも買い戻しが入り一時1.1742ドルと日通し高値を付けた。もっとも、反応は一時的ですぐに失速した。NY市場に限れば、大きな方向感は見られなかった。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、『FRBはインフレショックを考慮する必要がある』『22年第1四半期までにテーパリングを完了し、必要に応じて利上げのオプションも考慮するべき』などと述べたと伝わった。 

 

NY原油先物市場は5日続落:米国株安を嫌気した売り広がる

NY原油先物市場は64.26ドル-67.23ドルのレンジ相場となった。NY序盤は買いが先行したものの、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計の発表後は軟調に転じた。在庫統計では原油が323.3万バレルの取り崩しとなった一方、一部予想で取り崩しが見込まれたガソリンは69.6万バレルの積み増しとなった。原油先物は66ドルを割り込むと売り圧力が更に強まり、引け後には5月以来となる64ドル台まで弱含んだ。ロンドン市場で67.23ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では株安を嫌気して売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で64.26ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は小幅続落:戻り売りが観測

NY金先物市場は1778.80-1795.70ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を午後に控え、ポジション調整の売りが先行した。為替相場でドルが対ユーロで昨年11月以来の高値を更新したことも、ドル建て金先物に割高感を生じさせて重石となった。アジア市場で1795.70ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1778.80ドルまで反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨発表後に1792.20ドルまで戻したが、戻り売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1780ドル台で推移した。 

 

米国債券市場:FOMC議事要旨公表後に買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.26%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を控えて売りが先行したものの、議事要旨公表後は『ほぼ想定の範囲内』との見方から買い直された。米国株相場の下落も債券買いを誘った。

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2021/08/18/07:40:36

米国株式市場は下落:連日の高値更新から利益確定売り優勢

NYダウは282.12ドル安の35343.28ドル、ナスダックは137.58ポイント安の14656.18ポイントで取引を終了した。7月小売売上高が予想以上に落ち込んだため、寄り付き後は下落した。国内の新型コロナ感染による入院患者の急増を警戒した売りも根強く、下げ幅を拡大し一時500ドル超下げた。連邦準備制度理事会(FRB)による早期緩和縮小観測も売り材料となり、終日軟調に推移した。前日までに5日続伸し史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。VIX指数は16.12から17.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル需要高まる

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスの感染再拡大やアフガニスタンでの地政学リスクの高まり、中国のインターネット上の不正競争行為に関する規定草案発表などで世界景気の先行き不透明感が広がると、時間外のNYダウ先物が下落した。リスク回避のドル買いが先行した。そして、7月米小売売上高は予想より弱い内容となったが、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.27%台まで上昇するとドル買いがさらに強まり、一時1.1708ドルと日通し安値を更新した。なお、パウエル米FRB議長は討論会で「感染力の強い新型コロナ変異ウイルス『デルタ株』の感染拡大が経済に著しい影響を及ぼすかどうかはまだ不明」「金融セクターを経済へのリスクと見ていない」「現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することはできない」などと述べたが、金融政策については言及しなかった。 

 

ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.09円と日通し安値を付けたものの、前日の安値109.11円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、一時109.65円と日通し高値を更新した。その後の下押しも109.51円付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は4日続落:景気減速による需要減少懸念を嫌気

NY原油先物市場は66.33ドル-67.72ドルのレンジ相場となった。NY序盤は買い戻し優勢となるも、前日同様に67ドル後半で頭を抑えられた。安寄りした米国株が下げ幅を拡大すると、リスク資産でもある原油への売り圧力も強まった。新型コロナウイルス感染の再拡大が景気減速に繋がり、エネルギー需要が減少するとの懸念も原油相場の重しに繋がった。ニューヨーク市場の序盤にかけて67.72ドルまで戻したが、株安を警戒して66.33ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に66ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:地政学リスクの高まりから買い優勢

NY金先物市場は1782.10-1797.60ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高が進み、割高感が生じたドル建て金先物は売りが先行。もっとも、イスラム原理主義勢力・タリバンに占領されたアフガニスタンを巡る地政学リスクは高まったままであり、安全資産とされる金を売り込む動きも限定された。ニューヨーク市場の序盤にかけて1797.60ドルまで買われたが、安全逃避的なドル買いが広がったことから、1782.10ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1785ドル近辺で推移し、上値の重い状態が続いている。 

 

米国債券市場はまちまち:薄商いで不安定

米国債券市場で中長期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.26%で終了した。世界的な新型コロナ感染の拡大により、景気の回復ペースが鈍るとの観測で、相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、すぐに失速し引けにかけて値を消した。市場では『薄商いで相場が不安定だった』との声が聞かれた。

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2021/08/17/07:31:27

米国株式市場はまちまち:資本流入や防衛関連への期待から買い優勢に

NYダウは110.02ドル高の35625.40ドル、ナスダックは29.14ポイント安の14793.76ポイントで取引は終了した。中国や米国の経済指標が市場予想を下回ったほか、中東の地政学的リスク上昇で寄り付き後は大きく下げた。新型コロナ・デルタ株感染拡大への懸念も根強く、さらなる売り材料になった。その後、ディフェンシブ銘柄への買いが膨らんだほか、低調な中国指標に圧迫されて序盤に下落していた銘柄に押し目買いが入ると切り返した。 引けにかけては、資本流入や防衛関連への期待に上昇に転じると、NYダウは連日史上最高値を更新して引けた。米道路交通安全局(NHTSA)が「電気自動車(EV)のテスラの運転支援機能『オートパイロット』 の正式な調査を始めた」と発表したことを受けて、同社株は一時5.5%超下落する場面があった。VIX指数は15.45から16.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避姿勢の強まりから円買い優勢

ドル/円は、この日発表の中国経済指標が予想を下回ったことを受けて、世界的な景気減速への懸念が高まるとNYダウが一時280ドル超下落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。世界的に新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大が警戒されており、世界経済の回復鈍化への懸念が市場心理の悪化につながった面もある。8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が18.3と予想の29.0を下回ったほか、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.2217%前後まで低下したことも相場の重石となり、一時109.08円と4日以来の安値を付けた。市場では『アフガニスタン情勢を受けた地政学リスク回避の円買いも見られた』との指摘があった。もっとも、売り一巡後は109円台前半で下げ渋る展開になった。NYダウが上げに転じ、史上最高値を更新したほか、米10年債利回りが低下幅を縮小したことなどが相場を下支えとなった。

 

ユーロ/ドルは、 一時本日安値となる1.1768ドルまで売り込まれた影響が残ったが、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。低調な米経済指標や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入った半面、ユーロ/円やユーロ/スイスフランの下落につれた売りが相場の重しとなり、大きな方向感は出なかった。ユーロ/スイスフランは一時1.0736スイスフランまで下落した。アフガニスタンでイスラム原理主義勢力・タリバンが勢力を拡大し、首都・カブールまで制圧した。タリバンは国際テロ組織『アルカイダ』と関係が深いとされ、地政学リスクの高まりが避難通貨とされるスイスフラン買いにつながったようだ。 

 

NY原油先物市場は3日続落:中国の経済活動鈍化懸念から売り優勢

NY原油先物市場は65.73ドル-68.27ドルのレンジ相場となった。中国の7月鉱工業生産や小売売上高が市場予想を下回り、エネルギー消費大国である同国の経済活動鈍化が懸念されて原油先物は売りが先行し、一時は65.70ドル台まで下げ幅を広げた。ただその後、一部通信社が石油輸出国機構(OPEC)筋の発言として『現時点では、すでに計画されている以上の原油を市場に供給する必要はない』を伝えると、67ドル後半まで買い戻される場面があった。通常取引終了後の時間外取引では主に67ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:地政学リスクの高まりと米長期金利低下で買い優勢

NY金先物市場は1772.00-1791.30ドルのレンジ相場となった。アフガニスタンでイスラム原理主義勢力・タリバンがほぼ全土を掌握した。同勢力は国際テロ組織アルカイダと関係が深いとされ、地政学リスクの高まりと共に安全資産とされる金に資金が向かった。米長期金利が低下したことも金相場の下値を支えた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1772.00ドルまで下落したが、米長期金利の伸び悩みや中東情勢の悪化を警戒した買いが入った。一時1791.30ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも金先物は底堅い動きを維持し、主に1790ドルをやや下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:中国の景気減速懸念と地政学リスクから買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%引き(価格は上昇)0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比は0.02%低い1.26%で終了した。中国の景気減速懸念とアフガニスタンでの地政学リスクの高まりが投資家心理の悪化につながり、相対的に安全資産とされる米国債には買いが入った。ただ、安く始まったNYダウが上昇に転じ、史上最高値を更新すると徐々に上値が重くなった。 

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