FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/08/30/03:01:36

米国株式市場は上昇:低金利が継続されるとの期待から買い優勢

NYダウは242.68ドル高の35455.80ドル、ナスダックは183.69ポイント高の15129.50ポイントで取引は終了した。昨日の下げの反動で、寄り付き後は上昇した。注目となっていた連邦準備制度理事会(FRB)の年次経済シンポジウムの講演でパウエル議長は年内の資産購入縮小開始が適切となる可能性に言及したものの、利上げには程遠いとタカ派色を強めなかったことから、長期にわたり低金利が継続されるとの期待に買いが強まった。長期金利の低下で、ハイテク株も買われナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。VIX指数は18.84から16.33へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長講演後にドル失速

ドル/円は、ボスティック米アトランタ連銀総裁が『米雇用増加が引き続き堅調であれば、10月のテーパリング(量的緩和の縮小)開始が合理的』と述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁が『私たちは実質的なさらなる進展を遂げた』『9月にテーパリングの詳細について協議し、年末までに開始することを支持』との考えを示すなど、複数の米金融当局者からタカ派的な発言が伝わると全般ドル買いが先行し、一時110.27円まで値を上げた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演で『年内のテーパリング開始が適切になり得る』としながらも、『テーパリングは利上げ時期を示す直接的なシグナルではない』と強調すると、米長期金利の低下とともに一転ドル売りが優勢となり、一時109.78円と日通し安値を更新した。なお、パウエルFRB議長は新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大については『注意深く点検する』としたほか、足もとのインフレ上昇については『一時的なものである可能性』と従来の見方を繰り返した。市場では『想定したほどタカ派的な内容ではなかった』と受け止められ、米株高・債券高(金利低下)・ドル安につながった。 

 

ユーロ/ドルは、注目のパウエルFRB議長の講演を控える中、複数の米金融当局者からタカ派的な発言が伝わったため全般ドル買いが先行し、一時1.1735ドルと日通し安値を付けた。ただ、パウエルFRB議長の講演をきっかけに米金融緩和の早期縮小観測が後退すると、一転ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。前日の高値1.1779ドルを上抜けると目先のストップロスを誘発し、一時1.1802ドルと13日以来の高値を更新した。なお、FF金利先物市場では先物価格が上昇し、FRBによる金融引き締めの可能性低下が示唆された。市場関係者からは『FRB当局者が日常的にテーパリングに言及しているため、マーケットがサプライズを受けるリスクが低下。テーパー・タントラム(緩和縮小へのかんしゃく)が引き起こされる公算は低くなった』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:エネルギー需要の高まりへの期待からの買い

NY原油先物市場は67.52ドル-69.05ドルのレンジ相場となった。パウエル米連邦準備理事会議長が講演で金融政策に関して慎重さをうかがわせる発言をしたことで、米金利低下・ドル安となった。株価押し上げにもつながり、景気回復によるエネルギー需要の高まりへの期待も強まって、原油相場を押し上げた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比5基増加の410基となった。

 

NY金先物市場は大幅に続伸:パウエル米FRB議長講演受け買い優勢に

NY金先物市場は1785.20-1821.90ドルのレンジ相場となった。アフガニスタン情勢を懸念した昨日の反発に続き、本日は注目のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演で、市場の思惑より慎重な金融政策姿勢が示されたことで米金利が低下した。金利動向を受けたドル安によってドル建て金価格に割安感が生じ、価格の押し上げにつながった。金利低下に対して、金利を生まない資産である金の相対的な価値が高まったことも金相場を支援した。

 

米国債券市場はまちまち:米金融緩和の早期縮小観測の後退から買い

米国債券市場で中期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.23%で終了した。長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.31%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、米金融緩和の早期縮小観測が後退すると債券買いが優勢となった。市場では『テーパリング開始時期に関する新たな手掛かりは得られず、年終盤まで実施される可能性は低いとの見方が広がった』との声が聞かれた。 

 

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2021/08/27/07:22:17

米国株式市場は下落:テーパリングの思惑や地政学リスクを嫌気した売り

NYダウは192.38ドル安の35213.12ドル、ナスダックは96.05ポイント安の14945.81ポイントで取引を終了した。企業の好決算を期待し、寄り付き後は上昇した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムでのパウエル議長の演説を控え、数人の地区連銀総裁が新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大にもかかわらず、年内の緩和縮小開始を支持したため、警戒感から下落に転じた。その後、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で少なくとも2回の爆発があり、米兵を含めて60人超が死亡したと伝わった。自爆攻撃の可能性が高く、アフガン情勢を巡る地政学リスクの高まりが投資家心理の悪化につながった。VIX指数は17.22から18.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルの手掛かり材料は多かったが方向感出ず

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けて、円売り・ドル買いが先行した。米金融当局者からタカ派的な発言が相次いだこともドル買いを促し、一時110.23円と日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。ただ、『アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で少なくとも2回の爆発があり、米兵を含めて60人超が死亡した』と伝わると、NYダウが一時200ドル超下落した。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、一時109.93円付近まで下押しした。もっとも、明日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、大きな方向感は出なかった。今日一日の値幅は30銭程度と比較的小さい。なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は「今後も経済成長や雇用増加が続くと予想されることから、FRBは早めにテーパリング(量的緩和の縮小)を始めるべき」と述べたほか、ブラード米セントルイス連銀総裁は「現時点では資産購入は必要ない。テーパリングを開始し、2022年第1四半期までに資産購入を終わらせるべき」と主張した。また、カプラン米ダラス連銀総裁も新型コロナデルタ株感染が急増しているものの、経済には回復力があるとして「9月FOMCでテーパリング計画を発表し、10月から開始するべきとの考えに変わりはない」と述べた。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長の講演を明日に控える中、米金融当局者からタカ派的な発言が相次ぐと、ユーロ売り・ドル買いがやや優勢となり、一時1.1746ドルと日通し安値を更新した。もっとも、同議長の講演内容を見極めたいとして様子見ムードも広がったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。NY午後に入ると、1.17ドル台半ばでの狭いレンジ取引に終始した。

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反落:コロナ感染再拡大を嫌気した売り

NY原油先物市場は67.02ドル-68.31ドルのレンジ相場となった。デルタ株による新型コロナウイルスの感染再拡大が経済回復を鈍らせ、エネルギー需要を弱めるとの見方が重しとなった。4-6月期の米国内総生産(GDP)改定値が、市場予想ほど強い改善を示さなかったことも、この意識を強めた。アジア、ロンドン市場では68ドル近辺で伸び悩んだ。ニューヨーク市場の終盤に68.31ドルまで戻したが、株安を意識して通常取引終了後の時間外取引で67.02ドルまで売られた。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりからの買い

NY金先物市場は1781.30-1800.40ドルのレンジ相場となった。NY入りにかけた米金利上昇や、ドル相場の上昇を受けて下落する場面もあった。しかし、アフガニスタンで2度にわたり自爆テロと思われる爆発が発生した。地政学リスクを意識して安全資産とされる金が買われる動きに転換した。1781.3ドルを安値に、一時1800.40ドルまで上昇した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1792.00ドルまで反落しており、やや上げ渋る状態が続いている。

 

米国債券市場はまちまち:米金融当局者からのタカ派発言受け売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.23%で終了した。長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.35%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派的な発言が相次いだことを受けて、債券売りが先行した。ただ、明日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの雰囲気も強く、一本調子で下落する展開にはならなかった。

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2021/08/26/07:31:48

米国株式市場は上昇:景気回復期待から買い継続

NYダウは39.24ドル高の35405.50ドル、ナスダックは22.06ポイント高の15041.86ポイントで取引を終了した。利益確定売りに寄り付き直後は下落した。しかし、7月耐久財受注速報値が予想ほど落ち込まず、安心感が広がり上昇に転じた。製薬会社ファイザー・ビオンテックがブッスター接種の正式承認を目指した申請を当局に提出したとの報道で、回復期待に伴う買いが一段と強まり終日堅調に推移した。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。VIX指数は17.22から16.79へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からドルは底堅い展開

ドル/円は、米長期金利の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行した。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことも円売り・ドル買いを促し、一時110.12円と日通し高値を更新した。米5年債入札後に米長期金利が上昇幅を広げたことも相場の支援材料となった。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。一目均衡表雲の上限110.13円がレジスタンスとして意識された面もあった。なお、市場ではパウエルFRB議長がテーパリング開始について言及するのか、講演テーマ『経済見通し(The Economic Outlook)』に関する内容のみについて話すのか、注目が集まっている。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.1726ドルと日通し安値を付けた。ただ、ユーロ/円などクロス円が上昇すると徐々に買い戻しが優勢に。前日の高値1.1765ドルを上抜けると目先のストップロスを誘発し、一時1.1775ドルまで上値を伸ばした。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミストはこの日、『9月の政策決定会合でPEPPの終了を議論するのは時期尚早』『米金融当局のテーパリングの余波が市場に及んだ場合に備え、ECBは対応を準備している』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:原油在庫の減少を意識した買い

NY原油先物市場は66.92ドル-68.54ドルのレンジ相場となった。調整の売りが強まり、マイナス圏での動きが先行した。しかし、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(8/20時点)で原油在庫が-298.0万バレル3週連続の取り崩しとなったことが確認されると、プラス圏へ浮上する底堅さを示した。ロンドン市場の序盤にかけて66.92ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で68ドル台に上昇し、一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1784.00-1805.30ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが1.35%手前まで上昇したことを受けてドル相場が底堅く推移した。ドル建て金価格の割高感につながったほか、ドルの代替通貨的な価値もあるとされる金の相対的な優位性を損なわれた。3営業日続伸したことに対する反動の動きもあって、やや大きめな反落となった。アジア市場の序盤で1805.30ドルまで買われたが、まもなく反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1784.00ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引では1790ドル台で推移しており、売りは一巡している。

 

米国債券市場はまちまち:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.23%で終了した。長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.34%で終了した。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことを受けて売りが先行した。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、ポジション調整目的の売りも出た。 

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2021/08/25/07:30:45

米国株式市場は上昇:ワクチンの正式承認を受けた景気回復期待

NYダウは30.55ドル高の35366.26ドル、ナスダックは77.15ポイント高の15019.80ポイントで取引を終了した。当局による新型コロナウイルスワクチン正式承認を受けた景気回復期待に買いが強まり、寄り付き後は上昇した。 原油高に加え、企業の好決算も手伝い終日堅調に推移した。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。ハイテクも強く、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。VIX指数は17.15から17.22へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル下支え

ドル/円は、原油や銅、鉄鉱石などコモディティ価格の上昇を背景に、資源国通貨買い・ドル売りが強まると、円に対してもドル売りが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.25%台まで低下したことも円買い・ドル売りを促し、一時109.38円と日通し安値を更新した。ただ、109.40円より下の水準には断続的に買いオーダーが観測されており、売り一巡後は下げ渋る展開になった。米10年債利回りが1.29%台まで上昇したことも相場を下支えして、109.75円付近まで持ち直す場面があった。もっとも、NY午後に入ると次第に値動きが鈍った。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控える中、積極的な売買は手控えられたようだ。NY午後の値幅は10銭程度と非常に小さかった。なお、7月米新築住宅販売件数は70.8万件と予想の70.0万件を上回ったものの、前月分が70.1万件へ上方修正されたこともあり、前月比の伸びは1.0%上昇と予想の3.6%上昇を下回った。8月米リッチモンド連銀製造業景気指数は9と予想の24より弱い内容となった。 

 

ユーロ/ドルは、対資源国通貨中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1765ドルと17日以来の高値を更新した。もっとも、米長期金利が上昇したこともあり、積極的に上値を追う動きは限られた。 

 

NY原油先物市場は続伸:原油需要が盛り上がるとの連想買い

NY原油先物市場は65.41ドル-67.80ドルのレンジ相場となった。ファイザーとビオンテックのコロナワクチン正式承認を受け、ワクチン接種進展への期待が高まった。経済活動の活発化によりエネルギー需要が盛り上がるとの連想を誘い、原油相場を押し上げた。メキシコ湾の海上石油施設で発生した爆発事故により、石油の供給が一時的にせよ停滞するとの懸念も買い材料となったようだ。アジア市場で65.41ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で67ドル台に上昇し、一段高となった。通常取引終了後の時間外取引で一時67.80ドルまで上げ幅は拡大した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利上昇で上げ渋り

NY金先物市場は1802.60-1812.20ドルのレンジ相場となった。週末のジャクソンホール会合を前に米金融政策の行方が注目となるなか、コロナ・デルタ株の影響を懸念する声が米連邦準備理事会(FRB)高官から聞かれており、連邦公開市場委員会(FOMC)が慎重な姿勢を示すとの観測が浮上した。金利の上昇が抑えられ、金利を生まない資産である金の相対的な価値が高まるとの見方が、金相場の下支えとなった。アジア市場で1802.60ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1812.20ドルまで反発した。ただ、米長期金利の上昇を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で1805.60ドルまで下げている。

 

米国債券市場は下落:経済再開が進むとの見方から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01高い(価格は下落)0.23%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.29%で終了した。新型コロナワクチンの普及で経済再開が進むとの見方から、株高・債券安が進んだ。なお、米2年債入札が旺盛な需要を集めたことを受けて買いが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。

 

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2021/08/24/07:36:27

米国株式市場は上昇:コロナ感染拡大への懸念後退を好感

NYダウは215.63ドル高の35335.71ドル、ナスダックは227.99ポイント高の14942.65ポイントで取引を終了した。食品医薬品局(FDA)が国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したため、コロナ感染拡大への懸念が後退して寄り付き後は上昇した。さらに、原油価格の反発が買い材料になったほか、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムが対面形式からオンライン形式に変更されたことを受けて、この会合でパウエル議長が緩和縮小計画を発表するとの警戒感が後退したことも支援材料となり、上げ幅を拡大した。前週売られていた景気敏感株などに買いが入り、一時300ドル超上昇する場面があった。 ハイテク株も強く、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して引けた。VIX指数は18.56から17.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:対産油国通貨中心にドル安

ユーロ/ドルは、NYダウが一時300ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移するとリスク回避のドル売りが先行した。原油先物相場の大幅反発を背景に、対産油国通貨中心にドル安が進むとユーロに対してもドル売りが出た。米長期金利の低下もユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1750ドルと日通し高値を更新した。なお、新型コロナウイルスのデルタ株感染が世界的に拡大する中、経済情勢を巡る不確実性への警戒感が台頭した。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控える中、市場の一部では『FRBのテーパリング(量的緩和の縮小)後ずれ観測』が浮上している。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.95まで低下する場面があった。

 

ドル/円は、欧州株相場や時間外のNYダウ先物の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが先行した。110.00円に観測されていた売りオーダーをこなして、一時110.15円まで値を上げた。ただ、一目均衡表雲の上限が位置する110.16円がレジスタンスとして意識されると失速した。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、一時109.65円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。原油や金、銀など商品相場が堅調に推移する中、対資源国通貨中心にドル安が進んだ影響も受けた。なお、8月米製造業・サービス部門・総合PMI速報値は予想を下回った一方、7月米中古住宅販売件数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

産油国通貨は買いが目立った。WTI原油先物価格が一時6%超の大幅高となったことを受けて、カナダドルやノルウェークローネに買いが集まった。米ドルカナダドルは一時1.2643カナダドル、カナダドル円は86.77円までカナダドル高に振れたほか、ノルウェークローネは対ユーロで一時10.4538クローネ、対ドルで8.8990クローネ、対円で12.33円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は8営業日ぶりに反発:地政学的緊張の高まりから買い

NY原油先物市場は61.80ドル-66.00ドルのレンジ相場となった。先週末まで7営業日続落した後を受け、ドル下落によるドル建て商品の価格押し上げ効果もあって、大幅反発となった。多くの産油国が隣接するアフガニスタンの地政学的緊張が、今後原油の供給に影響を与えるとの懸念もある。だが、この点については依然として中国や他国の景気回復鈍化が需要低迷につながるリスクと、どちらがより市場の動意を促すか見定めている状態にある。アジア市場の序盤で61.80ドルまで下げたが、株高を意識した買いが入り、ニューヨーク市場の中盤にかけて66.00ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では65ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は大幅続伸:米金利低下とドル安を好感

NY金先物市場は1778.00-1809.10ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を受けてドル売りが先行し、ドル建て金相場に割安感が生じ、価格を押し上げる圧力となった。金利低下やドル安は、金利が発生せず、ドルなど貨幣の代替資産としての性質も合わせ持つ金の相対的価値を高める要因にもなった。アフガニスタン情勢を受けた地政学的リスクも、安全資産とされる金を買う動きにつながった。アジア市場で1778.00ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1809.10ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では清算値を挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は横ばい:早期テーパリング観測後退で買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.25%で終了した。欧州株やNYダウ先物の上昇を受けて債券売りが先行したものの、新型コロナウイルスのデルタ株感染が世界的に拡大する中、8月米PMI速報値が予想を下回ったことが分かると、早期テーパリング(量的緩和の縮小)観測が後退し、一転買い戻しが優勢となった。 

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