★3月13日(水)の米国3市場は、NYダウ:148.23ドル高の25,702.89ドル、S&P500:19.40ポイント高の2,810.92ポイント、NASDAQ:52.37ポイント高の7,643.41と三指数ともに上昇する展開となった。一方、米長期金利は、2.621%に上昇(価格は下落)した。『12日付けPERと株価から逆算』して3月13日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.79倍、S&P500:17.43倍、NASDAQ:24.42倍と、三指数ともに上昇(割高)した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.98倍、S&P500:16.59倍、NASDAQ:21.75倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に13日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.335%、S&P500:▲3.116%、NASDAQ:▲1.474%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。米長期国債金利は、米国株相場の上昇を背景に安全資産とされる米国債に売りが出た。ただ、前日の米CPIに続きこの日発表の米PPIも低調だったため、FRBが当面は利上げを見送るとの観測が続いた。そのため債券相場の下値は堅かった。
昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。
13日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.384%⇒▲3.335%となり縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.891%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.266%へ縮小してきている。NYダウは、米1月耐久財受注額が予想に反して増加したことが好感されて買いが先行した。前日の米CPIに続きこの日発表の米PPIも低調だったため、FRBが当面は利上げを見送るとの観測が続いた。これも相場の追い風となり一時220ドル超上げた。ただ、トランプ米大統領が米ボーイングの新型機『737MAX』の運航停止を表明するとボーイング株が急落したため、NYダウも急速に伸び悩んだが、英議会で行われた採決で『合意なきEU離脱』が回避されたことを好感した買いが入ったため引けにかけて持ち直した。 VIX指数は13.77から13.41へわずかに低下した。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.169%⇒▲3.116%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。S&P500も連日の上昇で割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.753%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.385%へ縮小してきている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.516%⇒▲1.474%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.705%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.277%へ縮小してきている。
テクニカル的には、NYダウは、5日SMAの25,566ドルがサポートとなり、10日SMA25,708ドルや25日SMA25,678ドルがレジスタンスとして上値を抑えた。S&P500は、10日SMAの2,782ポイントがレジスタンスとして意識されていたが、上抜けしてきた。一旦年初来高値2,817ポイントを上抜けしたものの、達成感から利益確定売りに押され高値を維持することは出来なかった。NASDAQも10日SMAの7,532ポイントを上抜け年初来高値7,644ポイントを上抜けしたが、高値を維持することはできなかった。
ストキャスティクス(パラメータ:14、5、3、20、80)では、三指数ともに%Kが%Dを上抜けしてきたことで、上昇基調が継続している。ただ、全般的に高値圏まで上昇していることから上値が重くなる可能性が高い。
2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.269%、S&P500:3.518%、ナスダック:1.977%も下落時の節目となりやすい。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★欧州市場朝方の取引では、市場の注目が依然ポンドであるため、欧州勢が参入しても111.30円台での小動きとなった。NYダウの先物が下げ幅を縮小し、日経先物も90円高と強含んでいることを背景にリスク回避姿勢が後退し、全般円売り・外貨買いが優勢となった。
米2月生産者物価指数(PPI)総合では、前月比で予想を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比・前年比ともに予想より弱かった。米1月耐久財受注は強弱入り混じる内容となったが、結果事態に対する反応は鈍く111.40円前後で推移した。200日SMAの111.42円や一目均衡表転換線の111.47円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。その後はポンド/ドル売りが加速すると111.20円近辺に押された。トランプ大統領が『ボーイング新型機に対して運行停止命令へ』と述べたほか、『中国との貿易合意を急がず』と発言すると円買いが加速した。引けにかけてはドルの買い戻しが入り111.20円台を回復した。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・1月鉱工業生産:前月比+1.4%(予想:+1.0%、12月:-0.9%)
・米・2月生産者物価指数:前月比+0.1%(予想:+0.2%、1月:-0.1%)
・米・2月生産者物価コア指数:前月比+0.1%(予想:+0.2%、1月:+0.3%)
・米・2月生産者物価指数:前年比+1.9%(予想:+1.9%、1月:+2.0%)
・米・2月生産者物価コア指数:前年比+2.5%(予想:+2.6%、1月:+2.6%)
・米・1月耐久財受注速報値:前月比+0.4%(予想:-0.4%、12月:+1.3%←+1.2%)
・米・1月耐久財受注(輸送用機除く)速報値:前月比-0.1%(予想:+0.1%、12月:+0.3%
★欧米市場のポイント
・110.98-111.46円のレンジ相場
・英国議会は『合意なき離脱回避案』を可決
・米国でもボーイング新型機運行停止命令
・トランプ大統領は中国との貿易合意を急がず
・米2月生産者物価指数(PPI)は低調
・VIX指数は13.77から13.41へわずかに低下
★トルコリラ/円のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)日足では、バンド幅が縮小するスクイーズからバンド幅が拡張するエクスパンションとなったが、意外にも大きな動きとならなかった。
変化の兆しはプラス3σが12日21.366円から13日21.356円とわずかに内側に入ってきた。そのため、下落の勢いが鈍化してきていることを示している。
この後、マイナス3σも内側に入ってくると反転の兆しとあんる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)でも%K:23.04、%D:22.85と%Kが%Dをわずかながら上抜けしてきている。
現在の値位置が続くと、雲の中に入り込んでしまう。そうなると雲の上限がレジスタンスとして意識され戻り基調になっても上値が重くなりやすい。
ロウソク足が連日の陰線引けとなっていることで、下押し圧力は残っていることから、直ぐに反転と言うわけにはなっていない。ただ、今までのような下落の勢いは一旦鈍化していることから、マイナス3σが内側にはいってくるのを待つことになる。
★ポンド/円の日足では、18年9月以降150円台目前まで上昇しても上抜け出来ずにいる。3月1日も148.57円まで上昇したが、上値が重くなり下落基調となっている。
昨年9月以降はこのような動きが繰り返されている。
ここで気が付くのは、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)との相性である。
9月のケースの場合は、もみ合い相場が続いていたがストキャスティクスは買われ過ぎから下落基調になり25日SMA(青線)を下抜けると下落基調が強まった。
11月の場合は、260日SMA(茶線)を上抜けしたにも関わらず、『十字線』が出た後260日SMA、200日SMA(紫線)を下抜け25日SMAを下抜けると一転レジスタンスとなり下落基調となった。この時も、ストキャスティクスが買われ過ぎまで上昇後下落基調となった。
今年1月の場合は、100日SMA(黒線)がレジスタンスとなり、じり安となったが、25日SMAがサポートとなり下げ止まった。この時も、ストキャスティクスが買われ過ぎから下落基調となっている。
今回もストキャスティクスが買われ過ぎまで上昇下後に下落基調となっており、ポンド/円とストキャスティクスとの相性は良い。
現在は5日SMA(赤線)と260日SMAがレジスタンスとなり上値を抑えている一方で、25日SMA、100日SMA、200日SMAがサポートとなり下値を抑えている。また、1月4日安値と2月15日安値を結んだトレンドラインの上方に位置していることから、上昇基調は残っている。
今までの経験則からすると、25日SMAとトレンドラインを下抜けすると本格的な下落基調となりやすい。それまでは、もみ合い相場となりやすい。
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