★エンベロープとは、移動平均線から上下に一定にかい離させた線のことで、価格が移動平均線から、どの程度離れたかを見るために使用する。エンベロープの上限・下限をトレンドの反転にポイントとして売買サインを用いたり、支持・抵抗の目安として使う。
日経225の日足では、25日SMA(茶線)のプラス圏では3~5%が上値の目処として意識される。今回の上昇も+3%の22,753円を抜けしたことで、+5%の23,195円を目指して上昇している。ただ、25日SMAは上昇基となっていることから、+5%も日々上昇することになるで、目標値は日々変化する。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)も%D:98.21、Slow%D:96.93とかなり過熱感が出ていることから、いつ下落調整しても不思議ではない状態となっている。
昨年5月からのエンベロープを見ても、5%近辺まで到達したケースが2回あるが、その後は大きな下落調整となっている。
★東京白金のトレンド分析では、中期トレンドとなる週足分析が分かりやすい。
6月21日週安値2,774円を起点として安値を切り上げる8月23日週安値2,863円を結んだトレンドライン(S1)はメインのトレンドラインとしてある。一方、下値を切り上げたことで8月23日安値を起点として安値を切り上げる10月11日安値3,012円を結んだトレンドライン(S2)を新たに引くことができる。S1より上方にS2が引かれたことで、上昇ペースが加速していることになる。
単純移動平均線(SMA)では、8月30日に大陽線による大幅上昇の勢いのまま翌9月6日週には200週SMA(紫線)を一気に上抜けした。しかし、上ヒゲの長い陽線の出現で200週SMAを下回って終了すると、200週SMAがレジスタンスとして意識されもみ合いのあと下落基調となった。しかし、25週SMA(青線)がサポートラインとして意識され下げ止まると再び反転する展開となった。しかし、10月25日週では再び200週SMAがレジスタンスとして意識され今週も上値を抑える展開となっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強まってきている。10月11日週からの戻りでは、%Dは戻り切らず下向きを維持している。ストキャスティクスでは、前回の高値より価格は上昇したにも関わらず、上値を切り下げる展開となっている。
まとめると、200週SMAが今回もレジスタンスとして意識され下押しバイアスが強まっている。しかし、現段階ではトレンドは下値を切り上げる展開となっており、上昇基調は継続していることになる。ただ、短期的には、上値を切り下げ(R1)てきており、上値切り下げ・下値切り上げの三角持合いの様相になってきているが、今週が終了するまではロウソク足が確定しないので、現段階での判断は時期尚早となる。ストキャスティクスと東京白金の相性が良く、オシレーターとして機能していることが分かる。それに基けば下落調整入りとなっている。下値では13週SMA(赤線)の3,130円は上向きを維持しており、サポートラインとして意識される。また、S2もサポートラインとして意識される。S2を下抜けるとトレンドライン下抜けとなるが、26週SMAの3,011円や52週SMA(緑線)の2,995円が下値目処として意識される。一方で、週末にかけて上昇基調が強まり200週SMAを上抜けするようなら、9月6日週の高値3,410円が目先の上値目処となりやすい。上抜けすると1月26日年初来高値3,618円が次の上値目処として意識される。
★NY株式市場では、三指数とも上昇したうえ米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。
NYダウは、5日SMAの26,895ドルと10日SMAの26,913ドルが上向きとなっており、短期的な上昇基調は継続している。米長期金利も1.8%台(28日終値:1.844%)まで上昇してきている。さらに長期金利が上昇するようなら米国株の割安感がさらに薄れる可能性がある。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.379%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・10月25日:▲3.603%⇒10月28日予想▲3.527%
10月28日はNYダウが上昇したうえ、長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.379%から▲0.852%と平均値よりかい離が縮小している。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.699%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.511%と縮小した。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.575%と縮小した。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。トランプ米大統領が『中国との貿易に関する合意署名の作業は想定より早く進んでいる』との見解を示したほか、欧州連合(EU)が英国のEU離脱期限の延長を認めたことから投資家心理の改善を意識した買いが強まった。マイクロソフトやアップルが上場来の高値を更新するなどハイテク株主導で上げ幅を広げ、一時は200ドル超高まで値を上げた。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.707%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・10月25日:▲3.548%⇒10月28日予想▲3.469%
S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.707%から▲0.238%と平均値より縮小している。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.400%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.412%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.533%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.710%より縮小した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も薄れてきている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.242%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・10月25日:▲2.046%⇒10月28日予想▲1.958%
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.242%から▲0.284%と平均値より縮小した。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.221%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.370%縮小した。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.425%と縮小した。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.540%縮小した。
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは大幅縮小した。割高にはなっていないが、イールドスプレッドが2%割れとなってきており、以前ほどの割安感も出ていない。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、指数が上昇したうえ米長期金利が上昇したことで縮小する結果となった。米国株は割高感を感じるまでは買われていないが、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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★10月18日以降の東京金60分足では、上昇基調にある24時間SMA(緑線)がサポートラインとして意識され24時間SMAに沿ってもみ合い相場が継続している。各SMAが緩やかに上向きを維持していることから、短期的には上昇基調は継続している。寄付き後一目均衡表の雲が接近してくることから、雲の上限を下抜けしてしまうのか、それとも雲の上限を上抜けを維持出来るかが注視される。
NY金先物市場は1492.30-1510.80ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領の『中国との貿易に関する合意署名の作業、想定より早く進んでいる』との発言を受けて米中通商協議への期待感が高まり、投資家のリスクオフ姿勢が後退し、逃避資産の金は売りに押された。心理的な節目となる1,500ドルを再び下回った。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を上回っていることから、一旦上値が重くなると、買い方からの利益確定売りが入りやすくなり上値の重石となりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方からMACDがシグナルを下抜け緩やかに低下基調にあることから、下落調整の動きとなっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、下位で%DがSlow%Dをわずかに上抜けしてきたことや、下値を切り上げていることで戻り期待も残る。
東京金の日足では、高値圏で『十字線』となっており上値の重さも意識されている。ただ、5日SMAの5,211円、10日SMAの5,198円、25日SMAの5,185円を上回っていることから、短中期的にも上昇基調は続いている。米国株高や米長期金利上昇からNY金は節目の1,500ドルを下回っており、上値が重くなっている。為替市場では、109円前後まで円のじり安が進んでおり、東京金の下支えとなりやすい。米国株高が進む中、米長期金利も上昇していることから、米国株には割高感が強まることになるので下落調整的な動きとなりやすく、リスク回避の動きになりやすい。
★欧州市場朝方の取引では、米長期金利の上昇を受け、ドルが底堅く推移した。なお、欧州主要株価指数は前週末日高安まちまちで取引を開始した。欧州市場では、NYダウ先物はプラス圏を維持したものの、米長期金利が1.83%台に上昇後は失速したことでドル買いを抑制した。トゥスクEU大統領が1月末までのブレグジット延期合意を発表したが織り込み済みで、反応は限られた。
NY入りにかけて、トランプ大統領から、中国との貿易に関する合意署名の動きが、想定より早く進んでいるとの見解が示されると、ドル買いが強まった。S&P500やナスダックは過去最高値を更新し、米長期金利は1.80%から1.85%まで上昇し、ほぼ1ヵ月ぶり高水準となった。米10月ダラス連銀製造業活動指数が予想外のマイナスとなりドル買いは一段落した。米中通商協議の楽観ムードや英国の『合意なきEU離脱』懸念の後退でリスクオフの円売りが活発となった。109円台では上値の重さが意識されたが、総じて底堅く推移した。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・9月マネーサプライM3:前年比+5.5%(予想:+5.7%、8月:+5.8%←+5.7%)
・米・9月シカゴ連銀全米活動指数:-0.45(予想:0.00、8月:0.15←0.10)
・米・9月卸売在庫速報値:前月比-0.3%(予想:+0.2%、8月:+0←+0.2%)
・米・9月前渡商品貿易収支:-704億ドル(予想‐735億ドル、8月-731億ドル)
・米・10月ダラス連銀製造業活動指数:‐5.1(予想:1.0、9月:1.5)
★欧米市場のポイント
・108.64-109.04円のレンジ相場
・英国の合意なきEU離脱懸念の後退
・米中貿易協議の進展期待高まる中リスク選好の動き
・米長期金利は一時1.8579%と約1ヵ月ぶりの高水準まで上昇
・VIX指数は12.65から13.11へ上昇
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