FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月3日の米国株市場を先取り!

2020/03/03/11:22:28

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅上昇したうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。市場では連日下落していたことから、割安感が高まっていたところに、各国当局が景気支援策に踏み切るとの期待が膨らみ買い戻しの動きが強まった。さらに、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行が新型肺炎を巡る対応策で、3日に電話会談を開催することが報じられたことや、トランプ大統領が製薬会社との会合を開催、新型肺炎のワクチンの早期開発への期待も加わり、一段と上昇した。久しぶりの好材料に市場が飛びついた感がある。三指数とも急上昇したが、割安感が残っていることから、続伸するかが注目される。

 

NYダウが大幅上昇したことで、200日SMAの27,241ドルや260日SMAの26,965ドル近くまで戻り基調となっている。そのため、戻り場面でレジスタンスとして意識されるか注目される。5日SMA、10日SMAと25日SMAが真下を向いており下落の勢いが強い展開となっている。そのため、5日SMAが横ばいになるまでは不安定な動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎ域から%DがSlow%Dを上抜けてきたことで、戻り基調になる兆しも出てきた。ただ、売られ過ぎ過熱感が出ているが、明確なトレンドが発生している時は、低水準で底這いするダマシが発生するので注意が必要となる。大きな戻りとなったが、米長期金利が低位で推移していることでイールドスプレッドが拡大しており、割安感が残っている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.848%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%、20/2/28-4.541%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月28日:▲4.541%⇒3月2日:予想▲4.258%

 

3月2日のNYダウが大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.848%から▲0.590%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.032%と上回った。19年6月3日の大底4.038%を+0.220%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.156%と上回った。20年2月28日の大底4.541%まで▲0.283%かい離した。

 

NYダウが大幅上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。各国当局が景気支援策に踏み切るとの期待に買戻し優勢で始まった。その後、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行が新型肺炎を巡る対応策で、3日に電話会談を開催することが報じられると上げ幅をさらに拡大。引けにかけては、トランプ大統領が製薬会社との会合を開催、新型肺炎のワクチンの早期開発への期待も加わり、一段と上昇した。大型ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが広がり、上げ幅は過去最大となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.183%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

               20/2/28-▲4.499%

・2月28日:▲4.499%⇒3月2日予想▲4.243%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.107%から+0.136とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.374%上回った。19年6月3日の大底となった3.881%を+0.362%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.241%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.064%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで▲0.256%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.621%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・2月28日:▲2.803%⇒3月2日予想▲2.626%

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇をしたことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.621%から+0.005%とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.447%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.298%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.243%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.128%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで▲0.177%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では過去のイールドスプレッドを上回るなど急速に割安感が高まっている。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが▲2.6%台まで縮小する展開となったが、割安感は残っている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで三指数ともに前日比で大幅縮小した。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行が新型肺炎を巡る対応策で、3日に電話会談を開催することが報じられた。また、、トランプ大統領が製薬会社との会合を開催、新型肺炎のワクチンの早期開発への期待も加わり、一段と上昇した。米国株式市場では、株価が大幅上昇したが米長期金利が低位で推移していることで、割安感が残っている。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況となっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では5,500円前後で出来高膨らむ!

2020/03/03/08:36:51

 

★2月22日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)がレジスタンとなり上値を抑えられる展開となっている。5,423円が底値となり一旦戻り基調となったが、5,600円を目前に上値が重くなった。先行き雲の下限が接近してくることから、レジスタンスとして意識されるかが注目される。一気に上抜け出来るようなら戻り基調が強まる可能性もある。一方で、雲の下限がレジスタンスとして意識されると戻りも鈍くなりやすい。

 

NY金先物市場は1576.30-1612.10ドルのレンジ相場となった。為替市場でドルが対ユーロで大幅安となり、ドル建ての金に割安感が生じたことで金に買いが入った。また、新型ウイルスの経済的影響の緩和に向け世界的な利下げが行われるとの期待感も、金の買いを後押しした。米国株式は大幅反発となったが、株高は特に嫌気されなかった。

 

価格帯別出来高では、急落したこともあり出来高が大きく分かれる展開となっている。出来高の少ない価格帯では、上下に大きく振れやすいので注意が必要となる。5,500円が心理的な節目となっており、短時間のもみ合いで出来高が膨らんでいる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)はゼロラインの下方から緩やかに戻り基調となっている。しかし、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けてきており、再び下落基調となってきている。正反対の動きとなっていることから、寄り付き後の動きを注視する必要がある。

 

東京金の日足では、25日SMAの5,602円を下抜けたことで、下値では75日SMAの5,366円や100日SMAの5,322円が視界に入っている。3月2日安値5,423円を下回るようなら下値トライとなりやすい。一方で、上値では25日SMAが意識されている。NY金は心理的節目となっている1,600ドル台割れとなっており、1,600ドルがレジスタンスとして意識されている。為替市場では、再び108円台を回復してきたが、米長期金利が低下している中、ドルの上値も重くなっている。ただ、米国株が本日も続伸するようなら、ドル買いが再び優勢となりやすい。

本日の注目点では、25日SMAを上抜けできるのか、それとも3月2日安値を下抜けるかが焦点となる。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米国株急騰でドル/円は戻り基調!

2020/03/03/07:30:54

 

★欧州市場朝方の取引では、主要国による協調利下げ期待が高まり、株価が大幅反発となる中、リスク回避が後退して円売り戻しが加速した。新型肺炎への各国の対応を期待して株高が進んだ局面ではドル買いが強まったが、株高が一服し米長期金利が1.09%台まで再び低下するとドルの戻り売りに押された。欧州株は高安まちまちで方向感つかみにくく、NYダウ先物も上げ幅を縮小したことで、ドル売りが継続した。FRBによる早期利下げ観測が強まる中、米長期金利が1.07%台まで再低下するに連れてドルの上値を抑えた。NYダウ先物が248ドル安の大幅下落となったが、円高は抑制された。

 

2月米ISM製造業景気指数が50.1と予想の50.5を若干下回ったことが相場の重石となったほか、米長期金利低下に伴うドル売りが強まった。その後、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。『G7財務相は3日に新型コロナウイルス対策で電話会議を行う予定』と伝わると、NYダウが760ドル超高まで上げ幅を拡大した。米国株高を背景とした戻り高値も限定的となり、全般ドルの上値の重い動きが続いた。ただ、トランプ大統領が製薬会社との会合を実施したと伝わると、新型肺炎のワクチンの早期開発期待が強まり、米国株高進行とともに円売りが強また。

 

★欧米主要経済指標

・独・2月製造業PMI改定値:48.0(予想:47.8、速報値:47.8)
・ユーロ圏・2月製造業PMI改定値:49.2(予想:49.1、速報値:49.1)
・英・2月製造業PMI改定値:51.7(予想:51.9、速報値:51.9)
・英・1月住宅ローン承認件数(中銀):7.09万件(予想:6.80万件、12月:6.79万件←6.72万件)

 

・米・2月製造業PMI改定値:50.7(予想:50.8、速報値:50.8)
・米・2月ISM製造業景況指数:50.1(予想:50.5、1月:50.9)
・米・1月建設支出:前月比+1.8%(予想:+0.6%、12月:+0.2%←-0.2%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は107.37-108.57円のレンジ相場

・2月米ISM製造業景気指数は予想を若干下回る

・主要中央銀行が協調して金融緩和に動くとの期待

・今月のFOMCでの0.50%の利下げを織り込む

・トランプ大統領が製薬会社との会合を実施

・NYダウは1293.96ドル高と過去最大の上げ幅

・VIX指数は40.11から33.42へ低下

カテゴリー: ホットニュース

日経225のプラス3σは拡大継続中!

2020/03/02/12:30:52

 

★日経225のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)日足では、±3σのバンド幅が拡張するエクスパンションして下落した。それだけ下落の勢いが強いことを示している。本日は一旦戻り基調となっているものの、プラス3σが外側に開いていることから下落の勢いは解消されていない。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎ過熱感が出始めているものの、%DとSlow%Dは下向きとなっており、下落基調は継続している。

一旦戻り基調となっているが、プラス3σが横ばいから内側に入ってくるまでは下落の勢いが強いことを示している。また、ストキャスティクスでも%Dが下向きを維持していることで、横ばいになるまでは下落の勢いが強いままとなっている。

3月9日近辺に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

今日一旦下げ止まる展開となっているが、これで下げ止まり戻り基調が続くと判断するには、時期尚早となる。まずは、プラス3σが横ばいや内側に入るまでは下落トレンドが継続しやすい。

カテゴリー: ホットニュース

東京金の日足では雲の上限で下げ止まるか注目!

2020/03/02/08:24:08

 

★東京金の一目均衡表日足では、雲の上限がサポートラインとして意識され下げ止まる展開となっている。しかし、先行き雲の上限が緩やかに上昇してきていることから、下値を切り上げる必要がある。

また、相場の方向性を示す基準線(青線)が下向きとなっていることから、下落基調が継続する可能性が高い。さらに、52期間の中心値を示す先行スパン2当日線(黒線)を下抜けしたことで、中長期的な下落調整的な動きになりやすい。そのため、早々に先行スパン2の5,506円を回復出来るかが注目される。

26期間遅行する遅行線(緑線)は、ロウソク足を下抜けしてきていることから、下押しバイアスが強まっている。

RSI(パラメータ:14、30、70)は、50%ラインを下抜けたことで、下落基調が明確となっている。

まとめると、いったん一目均衡表の雲の上限がサポートラインとして意識され下げ止まったが、再び戻り基調になるか判断するには時期尚早となっている。本日の注目点は引き続き雲の上限がサポートラインとなるのか、それとも下抜けしてしまうのかが焦点となる。雲の上限を下抜けするようなら、遅行線も明確にロウソク足を下抜けすることになり、下落基調が続く可能性がある。

今まで『全部買い』で米国株も金も上昇してきたが、株価の急落で『全部売り』の展開となっている。そのため、金も利益確定売りに押される展開となっている。売り一巡するまでは、不安定な動きとなりやすいので注意が必要となる。

 

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ