FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月26日の米国株市場を先取り!

2020/02/26/09:09:29

 

★NY株式市場では、三指数が大幅続落する展開となったうえ、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに急拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。新型コロナウイルスの感染地域の拡大と感染者数が増加し、感染拡大による世界経済への影響が懸念されリスク回避の動きが継続した。また、米国経済の減速感も出始めていることも、米国株の利益確定売りにつながっている。主要三指数ともにイールドスプレッドが拡大してきており、過去の大底を上回る展開となってきたことで、割安感が出てきている。

 

NYダウが大幅続落したことで、200日SMAの27,230ドルを下抜けする展開となったものの、260日SMAの26,957ドルがサポートラインとして意識され下げ止まる展開となっている。5日SMAが25日SMAとデッドクロスしており、明確に下落基調となっている。下落が急速だったことで5日SMAと価格がかい離している。そのため、5日SMAが追い付いてくるまで上値の重い展開が予想される。さらに、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、買われ過ぎ域から%DがSlow%Dを下抜け両線とも真下を向いていることで、明確な下落基調を示している。米国三指数が大幅下落したことと、米長期金利が急低下したことでイールドスプレッドが急拡大しており、割安感が出ている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.509%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月24日:▲3.863%⇒2月25日:予想▲4.047%

 

2月25日のNYダウが大幅続落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.509%から▲0.462%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.179%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を+0.009%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.055%と縮小した。

 

NYダウが大幅下落したことで株式益利回りは急上昇した。また、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米疾病対策センター(CDC)が米国内の新型コロナウイルス感染拡大に備えるよう警戒を促すと、米企業業績や経済への悪影響が懸念された。銀行や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄にリスク回避の売りが出た。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.842%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・2月24日:▲3.817%⇒2月25日予想▲3.993%

 

S&P500が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.842%から+0.151とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.124%上回った。19年6月3日の大底となった3.881%を+0.112%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.009%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.186%より縮小した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.398%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・2月24日:▲2.357%⇒2月25日予想▲2.478%

 

NASDAQが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.398%から+0.080%とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.299%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.150%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.095%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.020%縮小した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場の企業業績下方修正があり、13日のPERが大幅に上昇した。しかし、NASDQ市場の下落調整や米長期金利の大幅低下から、イールドスプレッドが一気に▲2.4%台後半まで拡大する展開となっている。そのため、割安感が出ている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅続落する展開となったうえ、米長期金利も大幅低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。中国の新型肺炎の感染数が中国以外の韓国、イタリア、イランなどでも広がっていることが嫌気された。そのため、引き続き感染拡大により世界の経済への影響が懸念されている。米国株式市場では、大幅な株価の下落と米長期金利の急低下で割安感が出てきた。そのため、押し目買いも入りやすくなる。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況となっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では24時間SMAを下抜け!

2020/02/26/08:16:24

 

★2月18日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)の上方で上昇基調が継続していたが、その24時間SMAを下抜けした。そのため、一旦上昇の勢いは鈍化してきている。緩やかに上昇してきている雲の上限がサポートラインとして意識される。

 

NY金先物市場は1627.00-1666.70ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスへの懸念は払しょくしきれていないが、中心限月として7年1カ月ぶりの高値1691.7ドルまで上昇が続いていたこともあって、この日は利益確定の売りが優勢だった。米国内でも新型コロナウイルスの感染拡大の可能性が指摘されたことから、ポジション調整的な売りが入った。市場関係者の間からは『現状は金融危機やドル安の局面ではないこと、金を保有しても感染拡大を阻止できない』との声が聞かれている。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯前後で下げ止まるかが注目される。出来高の多い価格帯を明確に下抜けすると、出来高の少ない方に価格は下落する。また、買い方からの手仕舞い売りが出やすく、下げを加速させる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方からシグナルを下抜け下落基調となっている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、価格は上昇したものの上値を切り下げるダイバージェンスから下落基調となっている。%DがSlow%Dを下抜けかい離幅を広げながら両線とも下向きとなっていることで、下落の勢いが強いことを示している。

 

東京金の日足では、ロウソク足が上影陰線(トンカチ)となっており、高値圏で出ていることから反落を示唆している。5日SMAの5,747円と10日SMAの5,649円が上向きとなっていることで、サポートラインとして意識されるかが注目される。NY金先物市場は、米国株が大幅続落となったことで利益確定売りが入った。今まで全部買いの中で米国株高・金高であったことで、リスク回避の動きから株売りと同時に金売りも出た。為替市場では、リスク回避でも円買いにつながらない展開が続いていたが、ここ数日間はリスク回避の円買いにつながっている。米長期金利が急速に低下していることから日米金利差が急速に縮小していることも円買いにつながっている。そのため、東京金の上値を抑える展開となっている。

本日の注目点は、5日SMAや10日SMAで下げ止まるかが焦点となる。NY金も利益確定売りが一巡すれば再び上昇基調となりやすい。

 

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向  新型コロナウイルス感染拡大による警戒感強まる!

2020/02/26/07:18:21

 

★欧州市場朝方の取引では、ドルは前日終値近辺でもみ合い商状となった。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。しかし、欧州株が伸び悩み、米長期金利が再低下となったことも重石となり、ドルは日中安値を更新した。その後、欧州主要株式市場が全面安となり、NYダウ先物が上げ幅を急速に縮小したことを眺め円買いが優勢となった。ただ、リスク回避目的の円買いが強まったが、前日安値の110.33円が意識されると110.50円台まで下げ渋った。

 

NYダウ先物が130ドル超高まで買い戻される動きを眺めてドルが持ち直す展開となった。しかし、2月米消費者信頼感指数と2月リッチモンド連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことが重石となりドル売りが優勢になった。米長期金利が1.33%まで低下し、朝方200ドル近く上昇していたNYダウが下げ幅を拡大し190ドル安となるとドル売りが強まった。その後もNYダウが下げ幅を拡大したことで、リスク回避や米長期金利の低下を背景に円買いが強まった。米国株の下落幅がさらに拡大する中、リスク回避の地合いが継続した。米長期金利は1.3121%まで過去最低水準を更新した。

 

★欧米主要経済指標

・米・12月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数:前年比+2.85%(予想+2.85%、11月:前年比+2.54%←+2.55%)
・米・12月FHFA住宅価格指数:前月比+0.6%(予想:+0.4%、11月:+0.3%←+0.2%)
・米・2月リッチモンド連銀製造業指数:‐2(予想:10、1月:20)
・米・2月消費者信頼感指数:130.7(予想:132.2、1月:130.4←131.6)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は109.83-110.85円のレンジ相場

・肺炎が世界的にまん延するとの警戒感根強い

・米10年債・30年債金利が過去最低水準

・弱い米経済指標受けドルの重石に

・CDCが米国内の新型肺炎の感染拡大に備えるよう警告

・VIX指数は25.03から27.85へ上昇

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日経225の中期トレンドから下値を探る!

2020/02/25/16:22:49

 

★日経225の中期トレンドを示す週足では、13週SMA(赤線)を下抜けした後は上値を重くなっていた。ただ、26週SMA(青線)がサポートラインとして意識されていたが、前日の大幅な米国株の下落を受けて窓を開けて26週SMAを下抜けした。下抜けしたことで、戻り基調では26週SMAがレジスタンスとして意識された。結局のところ上下にヒゲのある寄せ線に近い形で終了した。

前日NYダウが100ドル超の下落したことから、自立反発狙いでNYダウ先物市場は200ドル超の上昇となっている。ただ、下落要因となっている新型コロナウイルスの感染拡大が収まっていないことから、一時的な戻りとなる可能性が高い。

また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は買われ過ぎ過熱感から%DがSlow%Dを下抜け両線とも真下を向いていることから、下落の勢いが強いことを示している。

そこで、日経225の下値では、52週SMA(緑線)の22,169円100週SMA(黒線)の22,095円がサポートラインとして意識される。このラインを下抜けると戻り場面でレジスタンスとして意識されることから、何とか維持出来るかが焦点となる。

ただ、このサポートラインを下抜けすると、200週SMA(紫線)の20,704円が重要なサポートラインとして意識される。

それでも下げ止まらず下抜けすると、8月9日週安値20,111円や12月28日週安値18,949円もサポートラインとして意識される。

 

まとめると、新型コロナウイルスが中国以外の地域で感染拡大していることから、直ぐに持ち直す展開となる可能性は低い。ただ、大幅に下落した自立反発で買い戻されやすいが、長続きしない可能性が高い。そのため、下値トライとなりやすいので、注意が必要となる。目先の52週SMAと100週SMAを維持出来るかが重要ポイントとなる。

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南アランド/円は次のトレンド発生待ちの様相!

2020/02/25/12:01:37

 

★南アランド/円の一目均衡表日足では、転換線(赤線)基準線(青線)がレジスタンスとして意識され上値の重い展開が続いている。転換線も基準線も横ばいとなっていることから、短中期の中心値が変わっていないことを示しており、トレンドのないもみ合い相場となっている。遅行線(緑線)は、26期間手前の雲の下限がサポートラインとして意識され、下げ止まる展開となっている。

3月2日に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

RSI(パラメータ:14、30、70)は、50%ラインがレジスタンスとして意識されやすい。一度50%近辺まで戻り基調となったが、上抜け出来ずに下押ししたが、再び戻り基調となっている。そのため、50%ラインを超えることが出来るかが焦点となる。

明日の南アランドは、ムボウェニ南ア財務相による予算演説が注目されている。市場では付加価値税(VAT)を15%から16%に引き上げる可能性を指摘する声がでている。約3割弱程度がVAT引き上げと予想している。2018年に1993年以来となる14%から15%に引き上げたが、この2年で2回目のVAT上げに対して貧困層などに大きな影響があることで、懸念する声も出ている。VAT引き上げは政府の債務対策に一番効果的とするエコノミストがいる反面、成長率が鈍化している南アでのVAT引き上げは、経済そのものを悪化させるだけでなく、前回も政府の歳入増につながらなかったというネガティブな意見も多くなっている。日本でも消費税率引き上げにより、市場予想以上にGDPが落ち込んだように、南アでも拒否反応も強いのも事実である。

 

まとめると、下落トレンドからもみ合い相場となり相場の節目にある。また、VATが引き上げられるようなら、先行きの成長鈍化を嫌気したランド売りが強まる可能性がある。一方で、引き上げが見送られるようなら、ランドの買い戻しが入る可能性がある。まずは基準線を明確に上抜け出来るかが注目される。ただ、上値では雲の下限もレジスタンスとして意識れやすい。3月2日前後に雲のネジレがあり、相場の節目となりやすいので注視される。現在新型ウイルスの感染拡大からリスク回避の動きが強まり、全般的に新興国通貨は売られやすい地合いとなっている。

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