FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/25/15:12:55

日経平均株価:ウイルスワクチンの開発期待からリスク選好の流れ

世界的な新型コロナウイルスワクチンの開発期待によるリスク選好の流れに乗り、前日の米国株式市場でNYダウが2万8000ドルを回復した。およそ半年ぶりの高値を付けた流れを受け、日経平均株価が新型コロナウイルス感染拡大に伴う急落前の水準(2月21日の2万3386円を上回った。ただ、先行きの見通しについては市場関係者の間で、治療法やワクチンへの期待と実体経済とのかい離はまだ大きいとの理由から慎重な見方もある。結局、前営業日比311円高の2万3296円と3日続伸した。

 

東京外国為替市場:様子見基部強く106.00円を挟んでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたドル買い・円売りが先行し、106.05円付近まで上昇した。しかし、21日付けた106.07円が上値目処として意識され、上げは一服した。その後は持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて105.90円付近へ下落した。ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル安が波及した面もあった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数を睨みながら、小幅値を上げて106.00円を挟んでもみ合いとなった。週後半に予定されている国際経済シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演を前に、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、夕方に発表される8月独IFO景況感指数を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが一巡すると、1.1810ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。

 

英国の合意なき離脱が現実味を帯びてきた

23日にサンデー・エクスプレス紙が世論調査を行った。調査の内容は『英国は欧州連合(EU)との貿易交渉を停止し、WTOルールに従うべきか?』というものである。この調査の結果で95%(3,663人)が、「EUとの交渉を終了し、WTOルールに従うべき」と回答し、上記の案に反対したのが4%(136人)という極端な結果だった。(残りの1%は未回答等)週末のサンデータイムズ紙は「ゴーブ英内閣府担当相はほとんどの時間を『合意なき離脱』への準備に時間を割いている」と報じている。首相は以前から9月末までに交渉がまとまらなければ、その時点で交渉決裂になるかもしれない。

 

トルコリラ買い材料見当たらず

先週末に発表されたトルコ史上最大規模のガス田発見は、同国経済にとって中長期的にはプラスとされたものの、短期的にはインフラ設置などのコスト増に繋がるとの見方も多く、リラを売り戻す動きが強まった。また、昨日発表されたトルコ7月外国人観光客数は、前年比では85.8%減でした。4-6月と比較すると減少幅は縮小したが、依然として外国からの訪問は避けられている状況である。トルコにとって重要な外貨獲得手段である観光セクターの回復が遅れれば、経常赤字の改善は見込み難く、リラの下値警戒感も高まっている。さらに、トルコと諸外国との関係悪化もリラを買いづらくさせている。一部報道では、トルコが露製地対空ミサイルS400の追加購入をロシアと合意したと報じている。米国はトルコのS400配備に敏感であり、報道が事実であれば、米による対トルコ制裁が危惧される。その他に、東地中海のエネルギー探査を巡りトルコとギリシャの対立は続いたままである。昨日はアラブ首長国連邦(UAE)が飛行訓練と称して戦闘機をギリシャのクレタ島に派遣したと伝わった。トルコは対抗姿勢を強めると予想され、地政学リスクが高まりはリラにとってはネガティブ要因となる。

 

南アランドの上値を抑える要因

南アランドの上値を抑える要因としては、南アの国内経済の鈍化があげられる。昨日アブサ銀行の決算が発表されたが、上半期の1株当たりの利益は93%減少した。また同行は『8月の経済指標はほとんどの地域でウイルス拡大の鈍化を示しているが、不確実性の高まりが企業の信頼と投資を弱め、消費者にとって厳しい状況が続く』と示しているように、今後の経済の鈍化が続くことは南アランドにとってネガティブ要因となる。

 

トランプ米大統領再選なら米中貿易摩擦先鋭化の可能性も

トランプ米大統領は2期目の公約で、経済政策でも中国への強硬な姿勢を示した。再選されれば、米中貿易摩擦の一段の激化が見込まれ、日本企業も影響を受ける懸念がある。トランプ政権の通商政策には、突然に関税引き上げを持ち出すといった『不確実性』が目立った。再選後も同じ手法が取られる可能性が高く、日本は引き続きトランプ氏に振り回される展開も予想される。公約には、『中国から100万人分の製造業の雇用を取り戻す』という内容が盛り込まれた。トランプ氏は『海外から国内に雇用を戻すことを拒否する米企業に関税を課す』と発言しており、事実上の罰則で企業への圧力を強めて国内生産を促し、雇用を増やす政策を取るとみられる。公約では『中国に新型コロナを世界に拡散させた責任を取らせる』ともしており、米中対立が先鋭化すれば、両国に拠点がある日本企業は、海外戦略の練り直しを迫れそうだ。貿易摩擦が景気悪化につながれば、経済規模の大きな両国だけに、世界中にその影響が波及する懸念もある。そもそもトランプ政権の通商政策は保護主義色が強かっただけに、再選されれば、日本が恩恵を受ける自由貿易体制には逆風となりかねない。

 

米ジャクソンホールでのパウエル米FRB議長発言に注目!

今週の為替相場で注目されるのは、27-28日に開催される米ジャクソンホールでのカンザスシティー連銀主催によるFRB関連のシンポジウムだ。パウエル議長のオンライン講演は、米東部時間27日午前9時10分(日本時間の同午後10時10分)から予定されている。注目は今後の政策枠組みやフォワード・ガイダンスなどの見直しとなる。基本的には「27日にパウエル議長が明確な発表をすれば、9月15-16日の次回FOMC会合の役割を先取りするような印象を与えるため、踏み込んだ説明には至らないのではないか」(21日ブルームバーグ)との見方が強い。期待ほど緩和強化方針が示されなければ、改めて調整的なドル買い戻しを促す可能性がある。同時にFRB議長講演などで過度な緩和強化期待が後退すると、高値過熱感が警戒される米国株が調整反落となる可能性も無視できない。その場合は安全逃避通貨であるドルと円が同時に上昇となる。円相場はドル/円でのドル高・円安と、クロス円での欧州通貨安・資源国通貨安・円高の綱引き相場が想定される。

 

米国市場では8月CB消費者信頼感指数が公表

7月実績は92.6で市場予想を下回った。期待指数は91.5と、前月から14.6ポイント低下した。8月については、新型コロナウイルスの感染流行は終息していないことや、経済見通しは特に改善していないことから、7月実績と差のない数値となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲10.1%/前年同期比▲11.7%)
○15:00   4-6月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲11.7%)
○15:00   4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○17:00   8月独Ifo企業景況感指数(予想:92.0)
○22:00   6月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
       4-6月期米住宅価格指数
○22:00   6月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比3.6%)
○23:00   7月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.3%/78.6万件)
○23:00   8月米消費者信頼感指数(予想:93.0)
○23:00   8月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:10)
○26日02:00   米財務省、2年債入札
○26日04:25   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○米共和党全国大会(2日目)

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/24/15:13:34

日経平均株価:香港株高で投資家心理改善

先週末の米国株は上昇したが、スタートは小幅安となった。しばらくは前日終値近辺でもみ合いながらも上値が重い状況が続いた。しかし、香港株の大幅高で投資家心理が強気に傾き米食品医薬品局(FDA)新型コロナウイルス感染症の新治療法を特別認可したと発表したのも買い安心感に繋がった。一方で物色の広がりが限られ安倍首相の健康問題もあり商い低調で推移した。結局、前営業日比65円高の2万2985円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米国の景気先行き懸念後退から105円台後半で推移

ドル/円は、トランプ米政権が対中強硬姿勢を続けていることで、米中関係のさらなる悪化を警戒したドル売り・円買いに押され、105.69円吹きまで下落した。しかし、21日に発表された8月米製造業PMI速報値や7月米中古住宅販売件数などの指標が予想を上回り、米国の景気先行き懸念が和らいでいることから下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢がドル買い・円売りに動き、105.80円付近へ切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.80円を挟んだ狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、先週末の海外時間に急落した反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1805ドル近くへ値を上げた。

 

メキシコの司法行政能力の低下問題が浮き彫り

安全保障、司法、人権保護、汚職の分野を評価してランキングにしたGlobal Impunity Index (GII)が先日発表された。これはメキシコのプエブラ米州大学が作成したもので、簡単に言えば、治安面での世界的な位置づけを採点するものである。今年のメキシコは69カ国中60位となった。前回の調査では、メキシコは69カ国中66位、前々回は59カ国中58位といずれもワースト10に入る治安の悪さを表している。GIIによると、メキシコの改善策としては裁判官の数を増やすことを挙げている。世界的な平均は人口10万人に対して17.83人の裁判官とされているが、メキシコはわずか2.17人と明らかに裁判官の数が少なく、GIIは司法行政の能力の異常な低下を警告している。一方で、警察官の数に関してはメキシコは人口10万人当たり347.76人と他国に比べて多いが、この点についてもGIIは『警察官の数が多いからといって効果的な取り締まりができるわけではない』と指摘している。インフラと専門性を向上させるためには、警察と司法制度の予算を大幅に増やす必要があり、ロペスオブラドール大統領にはこの点を改善することを期待しているとしている。

 

日本企業のアフリカへの投資減少がランド/円の買い支え減少に

2019年のデータでは、アフリカに進出している日本企業の拠点数は563拠点である。1位は南アの141社、2位ケニア64社、3位エジプト52社、4位モロッコ49社、5位ナイジェリア34社となっている。進出企業数は2015年371社、2017年448社、そして2019年は上記の563社になっている。その中で2019年の営業見通しが『黒字』と回答した企業は50.3%となり、半数を超えている。中でも南アは約7割が黒字と好調で、暗黒のズマ政権が終わりラマポーザ政権による汚職撲滅や財政健全化への期待、政情の安定化によるビジネス拡大が背景にあるとされている。しかし、今回の新型コロナウイルスが今後大きく影響を及ぼすのは間違いないと思われる。南アに関してはウイルス感染拡大による健康リスク、経済の停滞とウイルス対策による財政的危機を迎え2019年の市場調査とは全く状況が変わっていると思われる。そのため、今後はアフリカへの積極な投資が減少していくことが考えられ、アフリカ進出企業によるランド/円の買い支えも少なくなってくる可能性が高い。

 

24日から米共和党の全国党大会開始:米大統領選が本格的に開始

米民主党全国大会は20日、大統領候補に指名されたジョー・バイデン前副大統領(77)が指名受諾演説を行った。バイデン氏は11月の選挙で対決するトランプ大統領を『米国を暗闇で覆い隠した』と糾弾し、『暗黒の終わりが始まったと歴史に刻もう』と宣言した。トランプ政権で深まった社会の分断を修復し『今こそ団結する時だ』と呼び掛けた。大会は4日間の日程を終了した。前日には黒人女性初の副大統領候補に選ばれたハリス上院議員が指名受諾演説を行っており、4年ぶりの政権奪還に向け、二人三脚での選挙運動を本格的に進める態勢が整った。
一方の共和党は、24日からノースカロライナ州シャーロットで全国党大会を開き、トランプ大統領とペンス副大統領を正副大統領候補に正式指名する。ただ、トランプ氏は指名受諾演説を会場ではなくホワイトハウスから行う方針だ。

 

週末の良好な経済指標を受け米長期金利上昇

全米不動産協会(NAR)が発表した7月中古住宅販売件数は前月比+24.7%の586万戸と、市場予想を上回り住宅市場のピーク2006年12月来で最高となった。伸び率は過去最大を記録した。 事前に民間マークイットが発表した8月製造業PMI速報値は53.6と、7月50.9に続き2カ月連続で50超えた。市場予想52.0も上回り昨年1月来で最高となった。また、8月サービス業PMI速報値も54.8と、7月50.0に続き2カ月連続の50超えで予想51.0を上回り昨年3月以来で最高となった。8月総合PMI速報値は54.7と、7月50.3から上昇し昨年2月来の高水準となった。市場予想を上回った住宅、製造業指数を受け米国債相場は軟調(金利上昇)となった。米10年債利回りは0.62%から0.65%まで上昇した。

 

MSCI世界株指数で米国優位の進展で過度な国外漏出とドル安は抑制

MSCI世界株指数(ドルベース)でも、『米国株÷米国株を除いた先進国株』の相対倍率は今年8月時点で1.73となり、2008年の0.61からは2.8倍超の米国優位が進展してきた。同じくMSCIの『米国株÷新興国株』は今年8月が3.03であり、2008年の1.08からは3倍近い米国優位へと復活している。その意味で今回の場合、米国内での余剰資金膨張やFRBの緩和強化については、過去の緩和局面に比べると、米国内で滞留・活用される部分もあり、過度な国外漏出とドル安は抑制される可能性がある。

 

欧米市場イベント

○米共和党全国大会(27日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/21/15:13:52

日経平均株価:朝高も週末と円高基調を嫌気して上げ幅縮小

前日の米国株主要3指数が上昇したうえ、米ファイザーとドイツのバイオンテックの新型コロナワクチンの開発が順調との報道が好感され、日経平均株価指数は一時200円超高となった。しかし、その後は週末前ということや、ドル/円が105.60円台と円高基調となっていることが嫌気され、徐々に上げ幅を縮小した。結局、前営業日比39円高の2万2920円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売りで105円半ばでもみ合い

ドル/円は、前日のNY市場で低調な米経済指標を背景にドル売り・円買いが優勢だった流れが継続して105.60円付近まで下落した。その後、米製薬大手ファイザーが『新型コロナウイルスのワクチンは10月の審査申請に向けて順調に進んでいる』との見解を示したことでが好感され、105.75円付近へ値を切り返した。しかし、日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことからドル買い・円売りは続かず、105.65円付近へ押し戻された。午後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、105.56円付近までじり安となった。ユーロ/ドルは、これから発表されるフランスやドイツの8月購買部担当者景気指数(PMI)速報値を控えて1.18ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

欧州市場では8月マークイットユーロ圏製造業PMI速報値が公表

7月実績は51.8となった。ユーロ圏における新型コロナウイルスの感染流行は収束していないものの、各国の経済活動は拡大しつつある。欧州復興基金の創設や雇用情勢の改善傾向はプラス材料となるため、製造業PMIは7月実績をやや上回る可能性がある。

 

今晩のエルドアントルコ大統領の良いニュース発表に注目

トルコ中銀は3会合連続で政策金利である1週間レポレートを8.25%で据え置いた。リラ下落を止めるには、利上げが必須とする見方も多いなかでの据え置き決定に、再びリラ売りが強まった。ただ、その後は中銀が国内の銀行に対し、外貨も含めた預金準備率の引き上げを発表するとリラは買い戻された。 本日は、エルドアン・トルコ大統領が発表するとした『時代を変える良いニュース』が注目される。予想される内容としては、19日に一部通信社が報じた『黒海でのエネルギー資源発見』にくわえ、以前から進めている東地中海でのガス田探査に何らかの進展がみられたことも考えられる。また、新型コロナウイルスのワクチンについても述べるとの見方もある。 エネルギーを輸入に頼るトルコでは、リラ安によりコストが更に増加している。そういった中で自国でのエネルギー生産が現実味を帯びてくれば、トルコ経済にとって明るい材料となる。ただもし、その規模が小さく、実用化までの期間が長すぎるなどと捉えられると、一昨日に買われた反動で株価と共に下押しする可能性もある。 なお、東地中海におけるギリシャとの対立は改善されたわけではない。しかしながら、米海軍がギリシャのクレタ島付近に艦艇を派遣し、トルコ・ギリシャが不用意に衝突しないよう監視をし始めた。

 

メキシコの前大統領の汚職捜査開始で現大統領にはプラスの可能性も

メキシコの検察はペーニャ・ニエト前大統領に対する汚職捜査を開始したと発表した。前大統領の側近で、国営石油会社ペメックスの元最高経営責任者(CEO)でもあったエミリオ・ロソヤ氏(CEO時代の不正買収疑惑などで逮捕されている)の証言により、ペーニャ・ニエト氏には『2012年の大統領選挙でブラジル建設大手オデブレヒトからの賄賂を選挙キャンペーンに使用するよう指示』『エネルギー改革法案の通過を確実にするため、議員に賄賂を贈った』などの疑いがかけられている。ロソヤ氏は証人や証拠文書なども用意できると述べており、今後の行方にも注目が集まる。 一方、前政権の汚職スキャンダルに注目が集まることは、これまで徹底的に汚職や政治腐敗を非難してきたロペスオブラドール大統領にとってポジティブに働くかもしれない。足もとではメキシコ経済の低迷や新型コロナウイルスの感染拡大によって、大統領の経済・感染症対策に対する批判が高まっていたが、世論の矛先を逸らせる可能性もある。なお、ロペスオブラドール大統領はこれまでにペーニャ・ニエト氏を起訴することに賛成ではないと述べた一方、法務長官が下した決定は尊重するとの姿勢を示している。

 

27日にジャクソンホール会議でパウエル米FRB議長が講演

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は来週27日に米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演する。複数のメディアが報じた。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響で各国の中央銀行幹部や経済学者らが集まって討議する形は困難になったため、オンライン形式で開催される。

 

米国市場では8月マークイット製造業PMIが公表

7月実績は50.9となった。国内におけるウイルス感染は増加しており、企業景況感の大幅な改善は期待できないものの、雇用や個人消費は改善傾向にある。複数の項目で改善が予想されており、全体の指数は7月並みの水準を維持する可能性がある。

 

米国市場では8月中古住宅販売件数が公表

6月の販売件数は4ヵ月ぶりに増加した。雇用情勢は改善しつつあることや、低水準で住宅ローン金利が利用できる状態は変わっていないことを考慮すると、7月は6月実績を上回る可能性が高いと予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00  7月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比2.0%/前年比横ばい)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○16:15   8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.7)
○16:15   8月仏サービス部門PMI速報値(予想:56.3)
○16:30   8月独製造業PMI速報値(予想:52.5)
○16:30   8月独サービス部門PMI速報値(予想:55.1)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:52.9)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.5)
○17:30   8月英製造業PMI速報値(予想:53.8)
○17:30   8月英サービス部門PMI速報値(予想:57.0)
○21:30   6月カナダ小売売上高(予想:前月比24.5%/自動車を除く前月比15.0%)
○22:45   8月米製造業PMI速報値(予想:51.9)
○22:45   8月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○22:45   8月米総合PMI速報値
○23:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○23:00   7月米中古住宅販売件数(予想:前月比14.7%/年率換算538万件)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/20/15:14:36

日経平均株価:後場から先物主導で下げ幅拡大

米国株安を嫌気して寄り付きから3桁の下落となった。序盤では節目の23000円をサポートに下げ渋る動きも見られたが、米FRBの緩和強化期待の後退や中国人民銀行の貸出金利据え置きなどで、リスク回避が優勢になっている。TOPIXが日銀ETF買い発動基準の0.5%安に届かず後場に日銀ETF買いを期待して買っていた投資家が先物に処分売りを出して先物主導で下げ幅を広げた。結局、前営業日比229円安の2万2880円と反落して終了した。8月第2週の海外投資家は、3663億円の買い越しとなり2週連続となった。

 

東京外国為替市場:106円前後で方向感を欠く展開

ドル/円は、米FOMC議事要旨の内容受けてドルの買い戻しの動きが東京市場でも引き継がれ106.21円付近まで上昇した。しかし、トランプ米大統領が対中強硬姿勢を改めて強調し、米中の対立激化が懸念されているため、ドル買い・円売りは続かなかった。その後は、日経平均株価の反落や中国株安を眺め、106.05円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価が一段と下げ幅を拡大すると、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて105.98円付近まで下落した。しかし、今晩発表される米経済指標を見極めたいとのムードから下げ渋り、106.10円付近へ持ち直した。ユーロ/ドルは、前日に公表されたFOMC議事要旨が、市場の想定よりもハト派的な内容ではなかったと受け止められたことで、ポジション調整などのユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.18ドル台半ばから1.18ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

中国三峡ダムの水位は過去最高:決壊の警戒感も

四川省などで続いた大雨で重慶市中心部の一部道路などが水没し、長江を使った物流は一時停止に追い込まれた。重慶市からみて下流に位置する三峡ダムの水位は過去最高を更新する見通しで、当局は警戒を強める。すでに一部の観測地点で警戒水位を大幅に上回り、1981年の洪水に匹敵する規模となった。長江沿いなどの道路は冠水し、商業施設などは相次いで営業停止に追い込まれた。自動車やパネルなどの主要工場は河川から離れた高台にあるため、多くの操業に直接的な影響は出ていないもようだ。長江を使った船舶の物流が18日から止まっていることから、水運を利用する一部の企業の製品出荷などに悪影響が出る恐れも浮上する。

 

ノルウェー政府ファンドの苦悶

2020年8月18日、北海の石油生産を原資とする世界最大の政府ファンド、ノルウェー政府年金基金グローバル(運用資産:約1.2兆ドル)は2020年上半期(1-6月)の運用成績が、マイナス3.4%、1880億クローネ(約212憶7000万ドル)の損失を計上したと発表した。ノルウェー政府は2020年上半期の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、景気刺激策として、1670億クローネ(約190億ドル)を引き出している。

 

トルコでは金融政策決定会合:市場予想は据え置き

エルドアン・トルコ大統領は昨日、『時代を変える良いニュース』を21日に発表すると表明した。一部通信社が、関係者の話として『トルコが黒海でエネルギー資源を発見した』と報じ、大統領の発表はこの件ではないかという観測が広がると、エネルギー関連株を中心にイスタンブール株式市場は急騰した。また、為替相場もリラ買い戻しが強まった。本日のリラ/円は、昨日の『黒海でのエネルギー資源発見』の続報に注意しながら、トルコ中銀の金融政策決定会合を見極めての取引となる。トルコ中銀は本日、金融政策決定会合を開催し、政策金利を発表する。今のところ市場予想の中心値は『8.25%で据え置き』である。ただし、トルコの実質金利マイナス幅の拡大がリラの重石となるなか、リラの下落トレンドを反転させるには利上げが必須とする意見も多いのは確かである。トルコ中銀が前回の物価レポートで示した『年末のインフレ見込み8.9%』を意識した何らかの引き締め策、またはタカ派よりの声明が織り込まれる可能性がある。

 

米FOMC議事録では9月会合での追加緩和を示唆せず

議事録では消費が最悪となった4月から大幅に回復したと強調すると同時に、最近の指標が消費の鈍化を示唆していると指摘した。また、ビジネスセクターでの改善が限定的で、企業主対象の調査では、引き続き不透明性やリスクが異例に高いとの指摘があったと記された。 経済の軌道はウイルスの展開次第で全手段を活用することを公約し、当面の間、大規模な緩和が必要となる可能性を確認した。数人のメンバーからは追加緩和が必要かもしれないと指摘があったものの、市場で憶測のあったフォワードガイダンスやインフレ目標の強化、イールドカーブコントロールなどといった将来の政策の基盤に関する言及はなかった。 議事録では中銀が政策金利をゼロ金利にして、資産を7兆ドルまで拡大したあと、どのように今年の追加支援を策定するか、また、透明性を改善するための声明の修正の協議を継続したことが確認された。数人のメンバーはもし、パンデミックが長期化した場合、金融市場の安定リスクとなると懸念があった。一部の中小企業が資金のひっ迫に直面していることも認識している。

 

バイデン増税を嫌気するウォール街

トランプ陣営は7月に支持者からの寄付が過去最高の1億6500万ドル(約173億円)に達した一方、バイデン陣営は1億4000万ドル(約147億円)で2500万ドル(約26.2億円)の差が生じたことがトランプ巻き返し機運を高めているとされる。さらに、ウォール街にはバイデン増税を嫌気する向きが少なくないという。例えば、所得税の最高税率は現在37.0%だが、バイデン候補はこれを39.6%に、現行21%の法人税を28%にそれぞれ引き上げると公約している。バイデン増税の総額は10年間で3.2兆ドル(約340兆円)と、4年前の大統領線でクリントン候補が掲げた増税案6630億ドルの5倍近い大増税とされる。中でも、ウォール街が嫌気するのが株式等の売却益にかかるキャピタルゲイン課税引き上げる。現在、1年超保有後の売却の最高は20%だが、バイデン氏は年100万ドル超の高所得者の所得税と同じ39.6%に高めようとしており、実現すれば税率は2倍に跳ね上がる。トランプ大統領は13日に保守系FOXテレビのビジネス番組に出演し、『バイデン氏の増税は市場を破壊する』と断じ、自らは株価押し上げを狙いキャピタルゲイン減税(最高税率15%への引き下げ)を表明した。
トランプ再選なら15%、バイデン勝利なら39.6%と2倍以上もキャピタルゲイン税率が違えば、ウォール街がどちらを支持するかは明々白々である。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○15:30   4-6月期スイス鉱工業生産指数
○16:30   7月スウェーデン失業率(予想:9.8%)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:30   7月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比0.5%)
○18:00   6月ユーロ圏建設支出
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月16日分)
○21:30   8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:21.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:92.5万件/1500.0万人)
○23:00   7月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.1%)
○21日01:00   7月ロシア失業率(予想:6.3%)
○21日02:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、討議に参加
○米民主党大会でバイデン氏が大統領選候補指名受諾演説
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/19/15:14:32

日経平均株価:物色先は小型株中心の動き

ドル/円相場の円高進行や低調な機械受注の結果が重荷となり、見送りムードが強く引き続き商いは低調だった。薄商いの状態が続く中で、物色面では小型株に傾斜し、マザーズ指数は連日年初来の高値を更新した。結局、前営業日比59円高の2万3110円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日経株価指数がプラス圏に転じるとドル買い戻し

ドル/円は、米景気減速を警戒したドル売り・円買いが先行し、105.10円付近まで下落して7月31日以来の安値を付ける場面があった。ただ、このところ一本調子の下げが続いていたため、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、105.50円付近へ反発した。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたこともリスク選好の円売りが強まった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.50円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。明日早朝に公表されるFOMC議事録要旨を控えて様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.1940ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧米勢待ちの様相となっている。

 

日本の設備投資の本格悪化はこれから

ここまで比較的底堅かった設備投資の先行きに暗雲が垂れ込めている。内閣府が本日発表した6月の機械受注統計で、設備投資の先行指標とされる民間の受注額は市場予想に反し2ヵ月ぶりに前月比で減少した。4-6月期の国内総生産(GDP)速報値では個人消費などと比べて浅いマイナスにとどまっていた設備投資だが、これから本格的に悪化する公算が大きい。民間設備投資の先行き指標とされる『船舶・電力を除く民需』の受注額(季節調整済み)は6月が前月比7.6%減の7066億円だった。4-6月期では前期比12.9%減となった。同時に公表した7-9月期の予想は同1.9%減で、見通し通りなら5四半期連続のマイナスとなる。新型コロナウイルスの感染拡大が大きな打撃を与えた日本経済は、生産や輸出が最悪期を脱しつつある。しかし、『しばらく間をおいて落ち込む傾向がある』のが設備投資である。コロナ禍による需要の落ち込みでいったん急速に下がった設備の稼働率が回復するまで、企業は新たな投資に慎重になるという『履歴効果』があるためである。

 

トルコの住宅市場は好調だが

トルコリラへの売り圧力が強まり、トルコ経済への悪影響が懸念されている一方で、景気の底打ちを示す経済指標も見受けられている。例えば、低金利を背景に住宅市場は好調であり、7月の住宅販売は新築・中古を合わせて22.3万戸と前年同月と比べると2倍以上も増加した。6月の19万戸からも17%増となっている。国営銀行がインフレ率やそれ以下で金利を提示していることもあり、住宅ローンを組み購入する人が増えている。7月にローンを介して販売された住宅は、13万戸と1年前と比べると900%増を記録したとも報じられている。トルコ中銀が実施した一連の緩和策は昨年7月から始まり、1年前はまだ金利が高止まりし、住宅ローンを使ってまで購入しようとする人は少なかった。しかし、この1年間で政策金利は15%以上も低下しており、金利水準は他国と比べてまだ高いものの、住宅ローンの使い勝手は良くなったと感じられている。住宅市場の回復に関連業界は胸を撫で下ろしているかもしれないが、まだ安心はできない。というのもリラ安を止めるために、利上げが必須という市場の声が高まっている。

 

ギリシャに流れ込む中国マネー

ギリシャに中国マネーが流れ込んでいる。外国から投資を呼び込みたいギリシャと、インフラ整備などを通じて存在感を高めたい中国の思惑が一致した。古代文明が隆盛しシルクロードでつながっていた両国が、経済的、地政学的に関係を深めている。
中国が広域経済圏構想『一帯一路』を進めるなか、不動産だけでなくインフラ分野にも中国マネーは広がる。中国の国有海運大手、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)はギリシャのピレウス港へ投資し運営も手掛けている。中国国有の国家電網は17年にギリシャの送電会社の株式24%を取得した。

 

米国の追加財政策次第では第3四半期の消費は鈍化

ディスカウント小売り大手のウォールマートなど、小売り企業は外出規制が奏功しネット販売が急増、第2四半期決算では軒並み好調な結果を発表している。同時に、ウォールマートのCEOは『政府の給付金が第2四半期に消費を押し上げたことは明白』で、資金が一巡後消費が衰える可能性を警告した。第3四半期の売上を左右する追加財政策の行方を見守っているという。米国経済は7割を消費が占める。このため、7-9月期の消費の伸びが低迷することは回復も抑制することになる。今のところ、米与野党が新型コロナウイルス救済策で合意する兆しは全く見られない。バンク・オブ・アメリカが8月13日までに世界ファンドマネジャー対象に行った調査によると、V字型回復予想は回答者のうち17%に過ぎなかった。W字型回復は37%、31%がU字型回復を予想しており、投資家の大半は回復が長期にわたると見ている。

 

米国市場では米FOMC議事要旨(7月28-29日分)を公表

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)についての意見・記述が多く含まれていた場合、年内導入の思惑が広がり、ドル売りにつながる可能性がある。そのため、FOMC内容を確認するまでは、リスク選好的なドル買いは抑制されやすい。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比0.6%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.3%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比1.2%)
○15:00   7月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.3%)
○17:00   6月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.4%)
○18:00   7月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.2%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   6月カナダ卸売売上高(予想:前月比10.0%)
○21:30   7月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比0.5%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○20日02:00   米財務省、20年債入札
○20日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28日-29日分)
○20日04:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○緊急の欧州連合(EU)首脳会議、ベラルーシ情勢協議(テレビ会議)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ