FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/15/15:09:43

日経平均株価:様子見ムード強く利益確定売り優勢

前日の米国株式市場は上昇したものの、日本株は前週後半から700円幅の上昇を演じていただけに、利益確定売りが先行する展開となっている。組閣人事や米連邦公開市場委員会(FOMC)など見極めたい重要イベントが控えているため、全体的に模様眺めムードが強かった。ただ、日銀によるETF株買いの観測が広がり、相場の下値を支えられた。結局、前営業日比104円安の2万3454円と4営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:全般ドル安基調が継続

ドル/円は、今日から始まる米FOMCで、ハト派姿勢が堅持されるとの思惑から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、105.61円まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、前日の海外市場でつけた105.55円が下値の目処として意識されると下げは一服、105.65円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、午前に発表された8月中国統計の上振れや上海総合株価指数の持ち直しを好感したオセアニア通貨高・ドル安が波及し、1.1900ドル近くへじり高となった。

 

世界の石油需要はピークアウトの可能性:英石油大手BP見通し

英石油大手BPは14日公表のエネルギー見通しで、世界の石油需要が既にピークを過ぎた可能性もあるとの見方を示した。新型コロナウイルスの影響による世界経済の悪化や行動様式の変化で、感染拡大前の水準に戻らないシナリオを盛り込んだ。どの想定の下でも化石燃料から再生可能エネルギーへの消費の移行は進む。
今年の報告書では2050年までの長期予測を出した。環境政策や技術開発が最近の傾向に沿って進む前提の標準ケースに加え、政策主導でエネルギー転換が勢いづく『急速』、低炭素化がさらに活発な『ネットゼロ』の3つのシナリオを想定した。

 

トルコ株価は底堅く推移するもコリラの買いづらさは続く

トルコメディアは13日、東地中海で活動していたトルコのエネルギー資源探査船が、ギリシャ海域から引きあげてトルコに帰港したことを報じた。これを受けてミツォタキス・ギリシャ首相は、『前向きな第1歩』であり、こういったことを継続させることが重要だと述べた。また『緊張が解消された場合、エルドアン大統領と会談する用意がある』とも発言した。 東地中海の緊張緩和が期待されてギリシャ株は大きく上昇し、トルコ株も底堅く推移した。ただし、トルコ側がエネルギー探査の継続を表明したためか、為替相場ではリラを買い戻す動きには繋がっていない。 ムーディーズもトルコ格下げ理由の1つとして地政学リスクを指摘しており、トルコとギリシャの関係改善の道筋がはっきりと見えるまでは、リラの買いづらさは続く。 ギリシャの後ろ盾となっているフランスと、トルコの対立もリラにとっては懸念材料である。対トルコで厳しい姿勢をみせるマクロン仏大統領について、先週末にエルドアン・トルコ大統領は『去り行く人だ』などと公の場で述べた。これまでのやり取りなどを見る限り、両者の溝を埋めるのはかなり難しい。

 

本日の南アランドはイベント控え動き難い展開

16日に南アからの7月小売売上高、そして17日に南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表することで、本日は動きにくくなる。特に17日のSARBへの注目度が高まっている。徐々に利下げ派が増加し、市場のコンセンサスとしては3.25%への利下げが多数を占めつつある。週末にムボウェニ南ア財務相がSARB予想のGDP-7%より悪くなる可能性があると発言したことも、更なる利下げ期待を高めている。

 

メキシコ景気のカギを握るのは原油価格動向

メキシコ国内では先週にメキシコ政府が2021年の予算案を議会に提出した。大幅な歳出を行わない緊縮政策を積極的に行うもので、債務比率については現在の54.7%から来年には53.7%に減らす目標を掲げている。もっとも、前提となるGDP成長率について政府の予想(今年8%程度落ち込んだ後、来年には4.6%に反発)は市場の大方の予想(今年-10%前後、来年は+3.4%程度)よりも楽観的なもので、格付け会社ムーディーズは『債務水準よりも経済成長を懸念。これは持続不可能である』と批判した。また、一部米銀からも『原油動向次第が窺われる。原油が仮に下がった場合には大幅赤字となるだろう』との意見が出ている。新型コロナウイルスの影響で国内経済が疲弊するなか、緊縮政策の実施が経済へのさらなるダメージにつながるとの懸念もあり、今後の経済状況については注意してみておく必要がある

 

米国では15日から16日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催

米FRBはFOMCでゼロ金利を据え置き、長期にわたり低金利を据え置く姿勢を再表明する見通しである。ただ、インフレ平均目標という新指針により、声明や会見に影響を与える可能性がある。9月会合では最新のFRBメンバーの2023年までの経済、インフレ、金利見通しが発表となる。新指針達成の具体的な手段を明確にするには良い機会と考えられている。 米国の追加財政策を巡り合意に向けた進展が見られないこと、FOMCのハト派姿勢などへの思惑に米国債相場は依然、堅調に推移している。同時に、ドル売り圧力となっている。

 

欧米イベント

○15:00   8月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移10.0万件/失業率なし)
○15:00   5-7月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○15:30   8月スイス生産者輸入価格
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○16:15   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:30   8月スウェーデン失業率
○18:00   9月独ZEW景況感指数(予想:69.8)
○18:00   9月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:30   7月カナダ製造業出荷(予想:前月比8.7%)
○21:30   9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:6.0)
○21:30   8月米輸入物価指数(予想:前月比0.5%)
○22:15   8月米鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%)
      設備稼働率(予想:71.4%)
○16日01:00   8月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲6.4%)
○16日02:00   米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国連総会開会(ニューヨーク)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/14/15:12:30

日経平均株価:ハイテク株中心に買い優勢

前場は米ハイテク株の調整一巡期待から買いが先行しソフトバンクGが英半導体アーム売却発表を手掛かりに大幅高となり、日経平均株価を119円押し上げた。また、米ナスダック先物が時間外取引で1%超上昇し米ハイテク株調整一巡感に投資心理が改善した。結局、前営業日比152円高の2万3559円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル売りも心理的節目の106.00円を意識

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.15円前後で取引された。今週予定されている米FOMCや日銀政策決定会合のイベントを前に、様子見ムードが広がった。午後に入ると、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑から、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて106.01円付近まで下落した。しかし、心理的節目の106.00円が意識されると下げは一服し、106.05円付近でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

SBGが傘下のアーム社売却でも為替市場は冷静

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は13日、ソフトバンクグループ(SBG)が株式非公開化を検討していると報じた。現在取り組んでいる資産売却の後、戦略の見直しを行う。ソフトバンクGは有利子負債圧縮と自社株買いに向けた資産売却計画を進めており、傘下の英半導体設計大手アームを400億ドル(約4兆2000億円)以上で米半導体大手エヌビディアに売却することで合意間近だと伝えられている。

市場ではその内容から『意外とキャッシュの部分が少ない』との声も聞かれている。SBGに直接入るドルキャッシュとしては、買収が完了する2022年3月ごろに約75億ドル+α(最大で37億ドル)程度にしかならない予定である。しかも、2022年3月なので、「今から相場にどうのこうの言うことでもない」というものである。恐らく、市場自身が『全くこのネタで盛り上がっていない』のも納得がいく。

 

それでも英国の合意なき離脱は回避されるとの見方

ジョンソン首相は10月15日までに合意できなければEUとの自由貿易協定(FTA)は締結されないものと受け入れ、先に進む必要があると表明した。10月半ばに向けてポンドは荒っぽい動きが見込まれる。ジョンソン首相は、EUとのFTAを年内に発効させるためには10月15日までの合意が必要と表明し、『合意なき離脱』への懸念が強まったものの、これは協議決裂の可能性をちらつかせることで、EUが先に譲歩するよう圧力を掛けるジョンソン政権の作戦との見方も少なくない。市場では、引き続き年末にかけて交渉が続き、年内には限定的な合意に至り、『合意なき離脱』は回避されるとの見方が多い。

 

米格付け会社ムーディーズがトルコの格下げを発表

ムーディーズは11日、トルコの格付けを従来の『B1』から『B2』に引き下げた。同社による格下げは約1年3カ月ぶりとなる。見通しは『ネガティブ』が維持された。 ムーディーズは、トルコの対外的な脆弱性が財政悪化スピードを速めると指摘した。信用リスクの高まりにもかわらず、トルコ当局は課題の改善に有効な対処ができていないだけではなく、対処する姿勢さえもみられないとした。同社によるトルコ格付けは4年前から投資不適格級(ジャンク級)だが、今回の『B2』はエジプトやジャマイカ、ルワンダと同等の格付けとなる。格付け会社からは、外貨準備高不足や地政学リスクも強く懸念された。トルコ中銀が発表した4日時点の外貨準備高(グロス、金保有を除く)は448.8億ドルと年初来の減少幅は44%を超えている。そのため、金融当局が力尽くでリラ安の流れを抑えるには限界がある。

 

南アの4-6月期のGDPが底になる可能性も

7-9月期の南アBER企業信頼感指数の結果から、南アの国内総生産(GDP)も4-6月期が底になるのではとの声がある。BERは4-6月期が+5だったが、7-9月期は+24まで改善しており、-51.0%まで落ち込んだGDPも7-9月期の回復が期待されている。ただし、依然としてウイルス感染が続いていることや、南アの巨額債務、電力不足など、ネガティブな面が山積みに残っており、たとえ4-6月期が底になった場合でも今後の経済回復は相当な時間を要することになる。
 今週は16日に7月の小売売上高が発表され、17日に南ア準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表する。現時点では政策金利は0.25%の利下げと据え置き予想が拮抗しているが、前回のMPCでも時期が迫ってくると追加利下げ期待が高まり、実際に利下げをしたように予想を変更する金融機関も増えてくる。

 

米大統領選で票につながらない州は無視

米CNNは10日、過去最悪な規模で被害が広がっている米カリフォルニア州やオレゴン州の山火事について、トランプ米大統領がほとんど言及していないことを指摘した。大統領が山火事について述べたのは8月半ばであり、その時は山の管理のずさんさが火事に繋がっていると、人的災害であるような批判を繰り広げた。8月下旬の共和党全国大会でも、山火事を危惧する言葉は発せられなかったようだ。 大規模な山火事に襲われたカリフォルニア州は民主党の副大統領候補カマラ・ハリス上院議員の地盤でもあり、民主党が強いとされる州。また、隣接するオレゴン州も上院議員2人は民主党、同州の下院議員5人中4人を民主党が占めている。両州とも11月大統領選では、バイデン元副大統領が圧倒的に優位とされている州である。 国内の惨事にもかかわらずトランプ大統領の言葉の少なさは、選挙で見込みのない州には関わり合わないということかもしれない。逆に言えば、大統領選で票に繋がる見込みがあれば、急いで進めることや圧力を強めることもありそうだ。

 

欧米市場イベント

○15:30   8月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲0.31%)
○16:00   7月トルコ鉱工業生産(予想:前月比8.3%)
○18:00   7月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比4.1%/前年比▲8.1%)
○自民党総裁選、投開票

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/11/15:14:12

日経平均株価:経済活動正常化への期待に上げ幅拡大

米国株の大幅安を嫌気して3桁下落からのスタートとなったものの、寄り付きを安値に反転した。NYダウ先物が堅調に推移したことを好感して、下げ幅を縮めて早い時間にプラス圏に浮上した。また、東京の時短営業終了や政府の『GoToトラベル』への東京参加など経済活動『正常化』期待に上げ幅を広げた。結局、前日比171円高の2万3406円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:106.15円付近でもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、106.20円付近まで値を上げた。しかし、前日に米上院で新型コロナウイルスの地下経済対策法案の動議が否決され、米景気への先行き不透明感が強まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、106.15円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても106.15円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。来週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を控え、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ECB後のラガルドECB総裁発言受けユーロ買い再開

ECBは定例理事会で市場の予想通り、政策金利やパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を維持することを決定。回復がまだ脆弱でPEPPを購入枠全額使用する公算が極めて高いとの見通しをラガルド総裁は示した。同時に、Q3国内総生産(GDP)の強い反発が期待され、規模拡大に関しての協議は行わなかったことも明らかにしている。ユーロ・ドル相場が1.2ドル台に達した際、専務理事兼首席エコノミストのフィリップ・レーン氏が、ECBにユーロ相場の目標はないが、金融政策に影響すると、ユーロ高けん制発言を行ったため、ECBが何らかのユーロ高対策を発表するとの思惑も市場で浮上しユーロ売りに繋がっていた。しかし、過剰に反応する必要はないとの見解が示されたためユーロ買いが再開した。再び1.2ドルを試す可能性がある。

 

英国の合意なき離脱懸念高まる

1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国とEUは10日、ロンドンで臨時会合を開き、国際条約『離脱協定』の主要部分をほごにしようとする英法案をめぐって議論した。EUは、法案が成立すれば『極めて重大な国際法違反だ』と訴え、月内の修正を要求した。英国の対応次第で法的措置も辞さない構えを示したが、英国は法案修正を拒否し、対立が一段と深刻化した。一方、英EUの自由貿易協定(FTA)締結交渉はこの日、3日間にわたった第8回会合が進展なく終了した。英沖合でのEU加盟国の漁業権の在り方や、英EUの企業が公平な条件で競争するための枠組み整備といった主要な懸案で、英EUの溝は埋まらなかった。ジョンソン英首相は会合に先立ち、FTA交渉の合意期限を10月15日に設定した。残された時間は少ない上、英EU関係が急速に悪化しており、交渉は決裂のリスクに直面している。ただ、英EUは来週も話し合いを続ける。

 

南アフリカの経常収支は過去最大の下落幅

昨日発表された4-6月期の南ア経常収支は1036億ランドの赤字となった。対GDP比では-2.4%まで落ち込み、4-6月期の下落幅としては過去最大となった。赤字幅が拡大した南ア経常収支が重石となり、あrン度の上値を重くした。

 

EUでは対トルコ制裁を協議へ

地中海のコルシカ島では10日、EU南部諸国『MED7』首脳会議が開催され、仏・伊・スペイン・ポルトガル・ギリシャ・キプロス・マルタが参加した。その会議では、東地中海でトルコと対立するギリシャやキプロスへの全面的な支援と連帯が表明された。参加したマクロン仏大統領からは『トルコはもう地域のパートナーではない』との発言も聞かれました。今後トルコが譲歩しなければ、対トルコ制裁が今月下旬にも本格的にEUで協議されるもようである。ただトルコが強硬姿勢を緩めるとは思われず、事態の改善が望めないなかで、通貨リラが買い難い状況は変わらない。注目されていた北大西洋条約機構(NATO)本部におけるトルコ・ギリシャの軍高官レベルでの協議は、ギリシャ側からキャンセルされたことが報じられた。

 

米国市場では8月消費者物価コア指数が公表

7月実績は前年比+1.6%で6月実績を0.4ポイント上回った。家賃の伸びは鈍化したが、医療費は上昇した。8月については、家賃の伸びは鈍化する見込みだが、医療費や一部サービス価格の上昇が予想されることから、コアインフレ率は7月実績と同水準になる見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月英国内総生産(GDP、予想:前月比6.7%)
○15:00   7月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:69.00億ポンドの赤字/30.00億ポンドの黒字)
○15:00   7月英鉱工業生産指数(予想:前月比4.0%/前年比▲8.9%)
      製造業生産高(予想:前月比5.0%)
○15:00   8月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比横ばい)
○15:00   7月独卸売物価指数(WPI)
○15:50   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:00   7月トルコ経常収支(予想:20.0億ドルの赤字)
○17:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○17:50   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   ラガルドECB総裁、講演
○18:45   メルシュECB専務理事、講演
○20:00   7月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比6.6%)
○21:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、オンラインイベントに参加
○21:00   7月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲11.5%)
○21:30   4-6月期カナダ設備稼働率(予想:70.2%)
○21:30   8月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比1.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○12日03:00   8月米月次財政収支(予想:2450億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)財務相理事会(非公式、12日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/10/15:18:25

日経平均株価:米国株先物の回復で日本株を買い直す動き

前日の米国株の大幅高を好感して寄り付きから3桁の上昇となった。寄った後の動意は限られた。しかし、売り込みづらい地合いが醸成される中、上げ幅を広げて2万3200円台を回復するなど、じり高の展開となった。軟調に推移していたNYダウやナスダック先物が下げ幅を縮め日本株を買い直す動きに繋がっている。結局、前営業日比202円高の2万3235円となり反発して終了した。9月第1週の買いが外投資家は3週ぶりに125億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:総じてドルの上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、106.30円付近まで上昇した。しかし、8日に付けた高値108.38円が意識され、上値を追う動きは限られた。その後は、米長期金利が低下すると、利食い売りなどに押されて106.15円付近へ下落した。複数のメディアが『トランプ米大統領は新型コロナウイルスの脅威を2月時点で認識していたにもかかわらず、パニックを起こしたくないため、国民に正しい情報を意図的に伝えていなかった』と報じたこともドルの重石となった。午後に入ってもこの流れは続き、106.06円付近まで下落した。ただ、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、106.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、今晩予定されているECB理事会で、今年の国内総生産(GDP)伸び率が上方修正される可能性が浮上しているため、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1828ドル付近まで上昇した。

 

金ETFの資金流入が急減速:金価格も調整色強めた

金上場投資信託(ETF)への資金流入が原則した。購入から売却を差し引いた純購入は重量ベースで8月に38.9トンの流入超となった。9ヵ月連続の流入超となったが、166.5トンの流入超だった前月に比べて77%減とペースは大幅に鈍化した。金価格が8月上旬に過去最高値を更新後、調整色を強めたのと同時に、ETFへの資金流入も鈍化した。しかし、資金流入は鈍化したが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の先行き不透明感や、各国中銀の大規模緩和による低金利の長期化など、金ETFへの資金流入を促す外部環境そのものが大きく変わった訳ではない。ETFが保有する金現物は残高ベースで8月末時点で3,824トンとなり、8ヵ月連続で過去最高を更新した。

 

北アイルランドの国境管理問題が再燃

英国はEUとの離脱合意の内容を修正する法案を準備している。 英紙が伝える修正の内容は、①EUの国家補助金規制を北アイルランドのみに適用する、② 北アイルランド企業が他の英国向けに出荷する際に求められる輸出申告書を免除する、③ 他の英国から北アイルランドに出荷する際の関税還付の対象物品を英国が決定する。合意内容の修正を通じて、佳境を迎える将来関係協議でのEU側の譲歩を引き出す狙いがあると伝えられる。だが、そうした意図とは裏腹に、EU側の英国への不信を招き、将来関係協議を一段と難しくする恐れがある。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会が開催

ECB専務理事兼主席エコノミストのフィリップ・レーン氏は『ECBは金融政策で為替を目標にしないがユーロ・ドル相場は金融政策から生じることを認識することが重要』との見方を伝えており、ECBがユーロ高の問題点について言及する可能性がある。米練ぷ準備制度理事会(FRB)が期間平均で2%のインフレ率を目指す方針に転換したが、ユーロ高の一因となっており、ラガルドECB総裁のインフレ目標についての見解も注目される。

 

トルコとギリシャ高官の協議に注目:仮想敵国ロシアの介入も

8日から10日に延期されたトルコとギリシャ高官の協議が注目されます。話し合いはブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で行われる予定である。東地中海の領有権を巡る両国の対立は、これまでのところ激化の様相を強めるばかりである。問題となる海域では、トルコはリビアと、ギリシャがエジプトと排他的経済水域(EEZ)を取り決めており、今回の協議で歩み寄りポイントを見つけるのは難しい。なお、一部報道では、ロシアがトルコとギリシャの仲介に名乗りを上げたと報じられている。地中海における影響力を高めたいことが背景にあると思われ、NATOの仮想敵国であるロシアが口を挟んできたことで、問題がより複雑化する可能性もあります。

 

メキシコ政府は債務比率の引き上げ回避で格下げリスク後退

昨日はメキシコ政府が2021年の予算案を議会に提出した。内容としては、2021年に向けて、大幅な歳出を行わない緊縮政策を積極的に行うとのもので、債務比率については、現在の54.7%から来年には53.7%に減らす目標を掲げている。また、GDP成長率についても、今年は8%程度落ち込んだ後、来年には4.6%反発するという市場の大方の予想(今年-10%前後、来年は+3.4%程度)よりも楽観的な予想となった。ただ、これについては市場の見方は厳しく、新型コロナウイルスによる国内経済へのダメージは甚大なものに広がっているにも関わらず、ここへきて緊縮政策に乗り出すということは、今現在でも不十分とされる企業・家計への支援策がさらに消極的になるとの見方が出てくるわけで、今後のメキシコ経済に不安を残す予算発表となった。 一方で、債務比率の引き上げが避けられたことで格付け会社による格下げのリスクが低下したことになる。

 

トランプ大統領の方針転換で市場が振り回される可能性も

トランプ大統領が8日、フロリダ州やジョージア州、サウスカロライナ州の沖合における石油・天然ガス掘削禁止措置を、2032年まで延長する大統領令に署名したと報じた。オバマ前政権が導入したこの禁止措置は22年が期限であり、そこから10年延長は思い切った判断に感じる。大統領はこれまで、同地域のエネルギー開発拡大を目指してきた。ただ今回は、大統領選を左右する重要な州の1つフロリダで、環境保護団体だけではなく、観光業や不動産業の猛反対にあった。そこで、方向性を180度転換したとみられる。11月の大統領選に向けて苦戦が予想される現職のトランプ大統領。昨年から集めた選挙資金11億ドルのうち8億ドル以上を既に使用したとされるが、その効果もこれまでのところ限定的である。大統領は選挙資金に個人資産の投入も表明するなど、必死の様相となっている。ここから10月末まで、票欲しさによる大統領の方針転換が何度かあるかもしれない。市場もそれに振り回される可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.5%/前年比1.6%)
○15:45   7月仏鉱工業生産指数(予想:前月比5.0%)
○16:00   6月トルコ失業率
○16:30   8月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比0.8%)
        コア指数(予想:前月比横ばい/前年比0.7%)
○18:00   4-6月期南アフリカ経常収支(予想:30億ランドの黒字)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:00   7月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.2%)
○21:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○21:30   8月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比▲0.3%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比0.3%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:84.6万件/1292.5万人)
○23:00   7月米卸売売上高(予想:前月比2.8%)
○23:00   7月米卸売在庫(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   EIA週間在庫統計
○11日01:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○11日02:00   ラガルドECB総裁、講演
○11日02:00   米財務省、30年債入札
○11日02:45   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、記者会見
○英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第8回協議(ロンドン、最終日)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/09/15:15:30

日経平均株価:心理的節目の2万3000円台は維持

前日の米国株の大幅安を受けて、寄り付きから300円を超える下落となった。心理的節目の2万3000円も割り込んだことでリスク回避志向が強まり、その後もじりじりと下げ幅を広げた。ただ、22900円どころでは下げ渋る動きも見られた。午後には、NYダウ先物が上げに転じて米国株の調整が落ち着くとの期待から下げ渋った。一方で米ハイテク株の下落の帰趨を見極めたいと、米FRBのFOMC(15-16日)を控え投資家の押し目買い意欲は強くない。結局、前営業日比241円安の2万3032円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで106円割れ

ドル/円は、日経平均株価の大幅安を眺めたドル売り・円買いが先行し、105.85円付近へ下落した。朝方に英製薬大手が新型コロナウイルスのワクチンについて臨床試験を一時中断すると発表したことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、下値では本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き、105.90円台へ値を切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.90円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国はEU離脱協定ほごの法案:英政権は国際法違反認める

ジョンソン英政権は8日、昨年10月に欧州連合(EU)と合意し、今年1月末に発効した国際条約『離脱協定』の主要部分をほごにしようとする法案について、国際法違反に当たる内容が含まれていると正式に認めた。協定の順守を求めるEUの反発は必至で、大詰めを迎えた英EUの自由貿易協定(FTA)交渉の行方にも影響する可能性がある。

 

南アのGDPが昨年の半分以下:景気減速感が強い

南アGDPは前期比年率で-51.0%と市場予想の-47.2%を下回る結果となった。予想していたとはいえ、南アフリカのGDPが昨年と比較をすると半分以下まで落ち込んだことを考えると、南アランドを買う地合いとは言えない。南ア財務相は年間のGDPを-7.2%と予測していたが、これも下方修正される可能性はありそう。本日は南アフリカ経済研究所(BER)の企業信頼感指数が発表されるが、このような状況下ではネガティブサプライズに市場はより反応することになりそうである。

 

トルコを巡る諸問題がリラの重石

トルコを巡る諸問題(東地中海、実質金利マイナス、外貨準備高不足、新型コロナ感染)は改善する見通しは立たず、くわえて米国株の大幅下落でリスク回避地合いが強まったことなどがリラの下押し圧力となっている。欧州時間にはトルコ金融当局によるリラ買い・ドル売り介入も予想されるが、トルコ中銀の外貨準備高枯渇への懸念は高まっており、介入の効果は限定的かもしれない。先週発表された8月28日時点の中銀・外貨準備高(グロス)は415.9億ドルと、年初来では48.8%減まで減少幅を拡大している。

 

メキシコ政府が格下げリスクを高める行動へ

メキシコ政府が国内総生産(GDP)に対する債務比率を前年から約20%引き上げ70%とした。債務比率は格付け会社が特に格下げの判断として重要視している部分の一つである。これまで財政赤字削減のためにインフラを抑え、民間企業への融資も手控えていたメキシコ政府がここへきて財政保守路線から逸脱する行動をとっていることが今後の格下げリスクを一層高めることになる。

 

対中強硬姿勢は米景気に悪影響

大統領選に向けて対中政策に関する国民の関心が集まる中、民主党の大統領候補バイデン氏との違いを強調すべく、トランプ大統領は中国との経済関係を制限する意向だと強硬姿勢を強調した。中国でのビジネスを展開する企業に関税を発動する可能性などを警告している。トランプ政権は、強制労働が疑われるウイグル自治区産の綿花、トマト製品の輸入禁止措置をとる方針を示した。追加パンデミック救済策の見通しがたたずそのうえ、中国との関係悪化は景気見通しに更に悪影響を与える。

 

環球時報の米国債売却報道の意味合いは重い

9月相場の波乱要因視されるのがトランプ再選戦略に組み込まれた米政権の対中強硬路線に伴う米中対立激化と中国の米国債売却説である。中国共産党系『環球時報』(3日付)が『中国は米国債の保有額を徐々に減らすかもしれない』と指摘、中国の米国債保有額は日本に次ぐ規模で購入ペースが緩むだけでも米長期金利の上昇に繋がりかねない。『環球時報』は『中国は米国債保有額を8000億ドル程度へ徐々に減らす』との上海財経大学教授の見通しを紹介した。中国の米国債保有額は6月末で1兆744億ドル、見通しが実現すれば2割強の減少となる。さらに、『軍事衝突のような極端な場合には全ての米国債を売るかもしれない』との同教授の発言を引用する。『環球時報』編集長のツイッター投稿は、習近平主席を代弁しているというのがワシントンの通り相場であり、『米国債売却』報道の意味合いは重い。

 

欧米市場イベント

○14:45   8月スイス失業率(季節調整前、予想:3.3%)
○19:00   7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:8)
○20:00   8月メキシコCPI(予想:前月比0.39%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   8月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.24%)
○21:15   8月カナダ住宅着工件数(予想:22.00万件)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○10日01:00   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比▲8.5%)
○10日02:00   米財務省、10年債入札
〇英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第8回協議(ロンドン、10日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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