FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/16/15:15:34

日経平均株価:ウイルス感染拡大を嫌気した利益確定売り強く下落

米国中心に新型コロナウイルス新規感染者数の増加が続き経済活動停滞リスクが意識された。また、中国4-6月GDP+3.2%と1-3月-6.8%からプラス転換したが中国6月小売売上高-1.8%と予想+0.3%を下回り心理的節目2万3000円を前に利益確定売りが優勢となった。結局、前営業日比175円安の2万2770円と反落して終了した。7月第2週の海外投資家は5週間ぶりに1108億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:リスク回避で106円台後半でもみ合相場

ドル/円は、日経平均株価の反落を眺めてドル売り・円買いが先行し、106.83円付近まで値を下げた。一部米メディアが『トランプ米政権は中国共産党メンバーや家族の入国を全面禁止することを検討している』と報じたことも、ドルの押し下げ要因となった。ただ、前日の海外市場でつけた安値106.67円が視野に入ると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、107.00円付近へじり高となった。午後は、日経平均株価の下げ幅拡大やアジア株安がリスク回避の円買いを誘い、106.85円付近へ下落したが、今晩の米小売売上高などの経済指標を見極めたいとの思惑から下値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、今後予定されているECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.1398ドル付近までじり安となった。

 

中国の第2四半期GDPはプラス転換したが消費は脆弱

16日発表された中国4-6月実質GDP成長率こそ前年同期比+3.2%とマイナス成長だった。1-3月期-6.8%からプラス転換したが、6月小売売上高が前年同月比-1.8%と市場予想(+0.3%)を大幅に下回って消費の脆弱さが浮き彫りとなった。6月工業生産高は前年同月比+4.8%と3ヶ月連続で増加、政府の購入補助金などの支援により自動車が+13.4%。次世代通信規格『5G』関連の生産活発化に通信機器+12.6%と堅調な結果となった。なお、インフラや設備投資の固定資産投資は1-6月-3.1%とマイナスが続くも新型コロナ封じの都市封鎖の1-2月-24.5%で底入れした以降はマイナス幅が縮小してた。

 

欧州市場では欧州中央銀行理事会(ECB)が開催

ECBはこの会合で金融政策を据え置く見通しとなっている。ラガルドECB総裁の会見では景気見通しリスクに注目が集まる。経済活動の再開で域内の指標は改善しており、ECBの大規模緩和、マイナス金利に加えて、的を絞った長期資金供給オペ(LTRO)、資産購入プログラムの拡大が奏功していることが強調される可能性がある。ECBのバランスシートは昨年末から1.5超ユーロ拡大した。 ただ、回復ペースは予想を下回る。欧州でのウイルス感染動向は安定しているが、米国で感染が再燃していることもあり、欧州には経済活動の完全な再開は選択肢に今のところない。 また、欧州復興基金の協議をするEUサミットを控え、ECBが劇的に政策変更する可能性は少ない。復興基金が承認され景気に効果があらわれるまでは、当面政策が据え置かれる可能性が強い。今後の政策は下半期経済の回復次第となる。

 

好調な米経済指標結果:6月鉱工業生産においては61年ぶりの伸び

米国の7月NY連銀製造業景気指数は17.2と、5カ月ぶりのプラスに転じ予想も上回り2018年11月以来で最高となった。同時刻に発表された6月輸入物価指数は前月比+1.4%。伸びは5月+0.8%から予想以上に拡大し2012年3月以降8年ぶり最大を記録した。前年比では-3.8%と、5月-6.2%から改善したものの予想-3.7%は下回った。
米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した6月鉱工業生産は前月比+5.4%と、伸びは5月+1.4%から予想の+4.3%以上に改善し1959年以降61年ぶり最大の伸びを記録した。6月設備稼働率は68.6%とやはり予想67.8%を上回り5月65.1%から改善した。

 

良好な米経済指標結果にもFRB高官は懐疑的見方

最近の良好な経済指標の結果にもFRB高官は懐疑的見方を崩していない。ブレイナード理事は、米国経済が4月に底入れ後、反動したがその回復ペースが鈍化しつつあるとし、成長を押し上げるために追加で積極的な措置が必要だと訴えた。5月、6月の消費の強さはいくつかの州が時期尚早に経済活動を再開した結果だと指摘した。それらの州でウイルス感染が再燃しているということは、今後、その景気反動の勢いが後退することを意味すると説明している。2番底入りも警告している。通常はタカ派で知られるハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も異例な苦痛をともなう長期にわたる景気減速を警告した。

 

米国市場では6月小売売上高が公表

5月実績は前月比+17.7%となり、月間では過去最大の増加率となった。市場予想を上回る事業者が店舗を再開したことが要因となった。抑制されていた需要の顕在化で自動車販売と飲食店の売上高が特に増加したとみられる。6月については、より多くの事業者が店舗を再開していることから、主に飲食店などの売上高が増加する見込みとなっている。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移25.00万件/失業率なし)
○15:00   3-5月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○15:45   6月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.1%)
○18:00   5月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済45億ユーロの黒字)
○18:30   5月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.8%/前年比▲0.1%)
○20:15   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○21:30   5月対カナダ証券投資
○21:30   6月米小売売上高(予想:前月比5.0%/自動車を除く前月比5.0%)
○21:30   7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:20.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:125.0万件/1760.0万人)
○23:00   5月米企業在庫(予想:前月比▲2.3%)
○23:00   7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:61)
○17日00:10   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○17日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○17日01:00   6月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲7.2%)
○17日02:00   米財務省、20年債入札
○17日02:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○17日05:00   5月対米証券投資動向

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/15/15:13:32

日経平均株価:ワクチン開発進展と駐豪経済回復基調を好感した買い

米バイオ製薬モデルナが開発中の新型コロナウイルスのワクチン開発進展で経済『正常化』が早まるとの期待からNYダウ先物が上昇し、出遅れていた景気敏感株中心に幅広い銘柄に買いが集まった。また、中国経済の回復基調も中国関連株の支援材料となった。結局、前営業日比358円高の2万2945円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は方向感を欠いた値動き

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数や上海総合株価指数をにらみながら、107.20円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。五・十日にあたり仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後に入っても、107.25円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。日銀金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決定した。日銀展望リポートでは、2020年度の実質国内総生産(GDP)見通しが事実上は下方修正されたものの、ドル/円相場への影響はほとんどなかった。ユーロ/ドルは、午前中に約4ヵ月ぶりの高値1.1423ドルをつけた反動から、利益確定などのユーロ売り・ドル買いに押され、1.1390ドル台へ軟化した。

 

1~6月FX取引額が過去最高

金融先物取引業協会によると、2020年1~6月の店頭FX53社の取引金額は3231兆円と、半期として過去最高だった。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した金融市場の混乱で為替相場の値幅が大きくなり、収益機会と捉えた個人が多かった。1~6月の全体の取引金額に占める通貨ペアの比率をみると、首位は『ドル・円』取引で63%、『ポンド・円』取引で12%、『豪ドル・円』取引で9%の順となった。

 

新たな資金の逃避先として中国国債へ資金流入

市場の混乱を回避したい投資家は、中国国債を新たな資金の逃避先として見いだしている。経済調査会社CEICのデータによると、4-6月期に人民元建ての中国国債に対する外国資金の流入ペースは2018年後半以来の好調さを見せた。流入規模は4兆3000億元(約66兆円)超と、過去最大を記録した。外国の中国国債保有は近年増加している。中国政府が売買しやすくしていることも要因となっている。19年から主要な債券インデックスに組み入れられたこともある。

 

メキシコでの感染者数はイタリアを抜き4位へ

メキシコでの新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、死者数は3万5000人を突破し、イタリアを抜き世界4位の多さとなった。感染者数の合計も30万人を超えた。もっとも、ウイルス検査が他国と比較して圧倒的に低いことからも実際の感染者数および死者数は現在報告されている倍の数に達する可能性と指摘する専門家もいる。
なお、各国での新型コロナ感染の深刻な状況を受けて、トランプ米政権は近日中にもカナダとメキシコの国境閉鎖を8月下旬まで延長することを検討しているとの報道が伝わっている。カナダのトルドー首相も昨日、週後半には国境制限に関する新たな措置を発表すると発言しており、メキシコ側からも近々何らかの対応が明らかにされる。

 

米国内では行動規制を再び導入する動き

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国で、行動規制を再び導入する動きが広がってきた。バーの営業停止などに踏み切ったのは9州に上り、経済規模で全米の4割弱を占める。感染者が増える他の地域も追随する公算は大きく、景気回復が遅れそうだ。西部カリフォルニア州のニューサム知事は13日「我々は在宅命令の『修正モード』に戻る」と述べ、行動規制を再び強めると発表した。3月中旬に導入した全面的な制限に戻るわけではないが、5月上旬から順次再開してきた飲食店の店内利用やバー、映画館などを再び閉鎖する。大都市ロサンゼルスを含む感染の拡大地域ではジムや美容院も営業を止める。

 

バイデン氏の認知症疑惑に関する調査結果に波紋広がる

ラスムセン社によるアンケート『バイデン氏の頻繁な失言や混乱した発言は、なんらかの形の認知症を病んでいるからだという批判があります。あなたが見たこと、読んだことから判断してバイデン氏がなんらかの形の認知症を病んでいると思いますか?』に対して、『そう思う』と答えた人が38%、『わからない』が14%だった。
○「アメリカではコロナウイルスで1億2000万人が死んだ」(実際は12万人)
○バージニア州とノースカロライナ州、オハイオ州とアイオワ州、ニューハンプシャー州とバーモント州を間違えた。
○オバマ大統領の名前を思い出せず、「私のボスだった大統領」と言った。
○「トランプはシャーロッツビルのデモに関して白人至上主義者を擁護した。英首相のマーガレット・サッチャー(※テレサ・メイ首相)も疑った」
○「1970年代後半(※1968年)にボビー・ケネディとキング牧師は暗殺されてしまった」

 

米国6月消費者物価指数は8年ぶり高水準

米労働省が発表した6月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%と4カ月ぶりのプラスで、予想+0.5%も上回った。前年比では+0.6%と5月+0.1%から上昇、2012年8月以降8年ぶり高水準となった。変動の激しいエネルギー、食品を除いたコアCPIは前月比+0.2%と、やはり4カ月ぶりのプラスで予想+0.1%を上回った。前年比では+1.2%と、低下予想に反して5月と同水準を維持した。 インフレの上昇でドル買いが優勢となった。

 

欧米市場のイベント

○15:00   6月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい/前年比0.4%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.2%)
         小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比1.1%)
○15:00   6月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.5%)
○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00   5月南アフリカCPI(予想:前月比▲0.5%/前年比2.2%)
○17:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   5月カナダ製造業出荷(予想:前月比9.5%)
○21:30   6月米輸入物価指数(予想:前月比1.0%)
○21:30   7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:15   6月米鉱工業生産指数(予想:前月比4.4%)
         設備稼働率(予想:67.7%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○16日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○16日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○トルコ(デモクラシーの日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/14/15:12:12

日経平均株価:前日NYダウが終盤に失速したことを嫌気

米国株が取り引き終盤に失速したことを嫌気して、寄り付きから3桁の下落した。寄った後はあまり動きはなかったが、上値は重く下値模索が続いた。弱い中でも22600円近辺では下げ渋っていたが、上海総合株価指数の下落も重荷となり、持ちこたえられず前場は安値引けとなり22600円も下回った。また、ポンぺオ米国務長官が13日、南シナ海における駐豪kの海洋進出に関し声明を出したことで、米中対立が激化するとの警戒感も相場の重荷となった。このところ上昇基調が続いていた半導体関連株などへの売りが目立った。結局、前日比197円安の2万2587円反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株が軟調な動きとなりリスク回避の円買い

ドル/円は、新型コロナウイルスのワクチン開発に対する期待感からドル買い・円売りが先行し、107.37円付近まで値を上げた。しかし、107.40円がテクニカル的な上値の抵抗線として意識され、上げは一服した。その後は、日経平均株価の反落や上海総合株価指数安などをながめドル売り・円買いに押され107.10円付近へ下落した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、107.20円前後で小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.134ドルを挟んで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

コロナ禍で個人の純金積み立てが急増

個人による純金積み立てが急増している。国内地金商の最大手である田中貴金属では、今年1~6月期の口座開設の申込件数が前年同期の2.6倍となった。もともと『ロウ豪2000万円問題』などがくすぶっていたところで新型コロナウイルスの感染拡大し、将来不安が急速に広がっている。そのため、『価値が目減りしない資産』として金への投資は熱を帯びている。田中貴金属では40~50代の会員が最も多い。月別にみると米イランの関係悪化など地政学リスクの高まりが意識された1~2月も多かったが、新型コロナへの不安から5月の増加が顕著だったという。また、楽天証券でも『白金や銀も含む貴金属の積み立てを始めた人は、今年1~7月に前年同期の4倍に増えたという。

 

欧州市場では復興基金の協議の行方が焦点

欧州では、16日に欧州中央銀行(ECB)が今週定例理事会を予定しているほか、17-18日に欧州連合(EU)サミットが予定されており域内各国首相は欧州復興基金を協議する。ECBは定例理事会で政策金利を据え置く見込みだが、緊急国債購入プログラムなどを修正するかどうかに焦点が集まる。ハンガリーのオルバン首相はEUが予算と復興基金で速やかに合意する可能性が低いと悲観的見通しを示している一方で、合意に向けた歩み寄りも見られ最終的に合意にいたるかどうかが焦点。

 

イエメンとサウジ間で小競り合いの様相

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は13日、前日深夜にサウジアラビア南部ジザンの大規模石油施設をドローン(無人機)とミサイルで攻撃したと表明した。
これより先、サウジアラビアが主導する連合軍は、フーシ派がサウジに向けて発射したミサイル4発と、爆発物を搭載したドローン6機を迎撃し破壊したと発表。ただ、迎撃した場所や、施設などに被害があったかは明らかにしていない。ドローンはフーシ派が支配するイエメンの首都サヌアからサウジに向けて発射されたとしている。

 

メキシコペソ買いを誘う材料に乏しい

メキシコ国内からはペソ買いを誘う材料は乏しいのが現状である。新型コロナウイルスの感染者数は依然として増加傾向が続いており、累計の感染者数は30万人超えが目前に迫ってきた。死者数も3万5000人を数えており、全くと言っていいほど抑制できない状況にある。また、1日に発効した米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に関連して、先週にはロペスオブラドール大統領とトランプ米大統領の会談が行われたが、カナダのトルドー首相が米国の関税措置案に反対して協議を欠席するなど、出だしから3カ国の足並みの乱れを示す結果となった。いずれもペソ相場で材料視されたわけではないが、決してポジティブな環境ではないことは頭に入れておく必要がある。

 

米企業決算シーズン始まる:業績予想のつかない初めてのシーズン

米企業の決算発表シーズンが始まりつつあるが、投資家とアナリストにとっては大きな試練となっている。これほど予想のつかないシーズンは初めてだと彼らは話している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が生んだ経済危機を受け、S&P500構成企業のうち180社超が収益ガイダンスの発表を見送ったことから、投資家の視界は限られている。また、アナリストの利益予想は少なくとも2007年以来で最も広く分散している。

 

米国市場では6月消費者物価コア指数(CPI)が公表

6月消費者物価指数(コアCPI)は前年比+1.1%とインフレ率は鈍化する可能性がある。ただし、インフレ指標に関係なく米金融当局は緩和姿勢を堅持する見通しで、コアCPIは重要な材料になりにくい。

 

欧米イベント

○15:00   6月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.6%/前年比0.9%)
○15:00   5月英GDP(予想:前月比5.5%)
○15:00   5月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:82.00億ポンドの赤字/6.35億ポンドの赤字)
○15:00   5月英鉱工業生産指数(予想:前月比6.0%/前年比▲20.0%)
      製造業生産高(予想:前月比8.0%)
○15:30   6月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲2.4%)
○15:30   6月スイス生産者輸入価格
○16:30   6月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比0.5%)
        コア指数(予想:前月比0.4%/前年比0.5%)
○18:00   5月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比14.5%/前年比▲20.5%)
○18:00   7月独ZEW景況感指数(予想:60.0)
○18:00   7月ユーロ圏ZEW景況感指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○21:30   6月米CPI(予想:前月比0.5%/前年比0.6%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
○15日03:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○15日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○15日03:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/13/15:10:59

日経平均株価:上海株とNYダウ先物の続伸を好感した買い

米国で新型コロナウイルス治療薬の開発期待が高まり先週末10日のNYダウ369ドル高の反発と相まって買いが先行した。また、国内ETF分配金捻出に伴う売り一巡や需給不安の緩和を好感した買いに上げ幅を広げた。また、上海株やNYダウ先物の続伸などをにらみ買いが優勢となった。結局、前週末比493円高の2万2784円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好でドル安・円安進行

ドル/円は、日経平均株価の大幅反発を眺めたドル買い・円売りが先行、106.94円付近まで小幅に値を上げた。しかし、心理的な節目の107.00円が意識され、上値を追う動きは限られた。その後は、米国で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことから、持ち高調整などのドル売り・円買いに押され106.80円台へ下落した。午後は、日経平均株価をにらみながら、106.90円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、世界的な株高がリスク選好のユーロ買い・ドル売りを誘い1.1330ドル台へじり高となった。

 

中国の金融機関では不良債権急増に備える必要

中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は11日、新型コロナウイルスによる経済への打撃を受けた不良債権急増に銀行は備える必要があるとし、一部の中小行で資産の劣化が加速していると警鐘を鳴らした。銀保監会は、利益の伸びが急減速する銀行や、減益に陥る銀行も出てくると指摘した。各行が最低限の貸倒引当金を計上した場合、銀行部門の利益は3500億元(500億ドル)以上減少すると試算した。銀保監会のデータによると、中国の商業銀行の2019年利益は前年比8.9%増の2兆元だった。
6月末時点の不良債権残高は3兆6000億元、不良債権比率は年初から0.08%ポイント上昇して2.10%となった。

 

新型コロナウイルスの進む治療薬開発がリスク選好要因

米バイオ医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療薬としてのレムデシビルについて新たなデータを発表した。第3相治験の分析結果などが含まれる。比較分析ではレムデシビルを投薬した患者の74.4%が14日目までに回復した一方、標準的な治療を受けた患者は同59%が回復した。レムデシビルを投薬した患者の死亡率は14日目で7.6%で、投薬しなかった患者の死亡率は同12.5%となった。危険な状態にある患者に例外的に未承認薬の投与を認めるコンパッショネート使用についても、データを発表した。小児の患者で83%、妊娠中もしくは産後の女性で重症の疾患を抱える患者で92%が28日目までに回復した。

 

ファイザーらのコロナワクチン:年内に承認申請の構え

有力欧米紙であるウォールストリートジャーナル(WSJ)は、米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックが共同開発する新型コロナウイルスワクチンが、年末までに承認申請に向けた準備が整う見通しだと報じている。同ワクチンは初期段階の臨床試験(治験)で有効性や十分な忍容性(副作用への耐用性)を示しており、月内にも大規模治験が開始される予定となっている。

 

EUとの関係悪化はトルコ経済回復の足かせ

週初には欧州連合(EU)外相理事会がベルギー・ブリュッセルで開催される。ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は先週アンカラを訪れ、EUが懸念する事柄(トルコによる東地中海の資源開発やリビア情勢)をトルコ高官と話し合った。その後ボレル氏は『トルコ側との協議は理想からほど遠い』との感想を述べており、外相理事会では、トルコの地中海ガス田掘削作業に対する追加制裁が議題にあがると予想される。また、リビア内戦でトルコと立場を異にするEU主要国のフランスとは、地中海で両国の軍艦が一触即発となった件で非難の応酬が続いている。トルコ貿易はEUに頼るところも多く、そのEUとの関係悪化はトルコ経済回復の足かせとなる。

 

南アフリカでは経済の中心地で感染者拡大:医療崩壊の危機

ついに南アフリカの新型コロナウイルス感染者数は先週20万人を超えた。ハウテン州は経済の中心のヨハネスブルグがあり、経済規模は全州で1位だが、10日には州のトップであるマクラ首相がウイルスに感染していることが判明した。また先週は死亡者数も全州の中で1位を記録し、人口密度が高いこともあり感染拡大が止まらない。そして州の衛生担当者は『不快だろうが、州はすでに150万の墓地を準備している』という恐ろしい発言もしている。西ケープ州は喜望峰があるケープタウンがあり立法府の所在地でもある。このケープダウン市でも感染が拡大している。現在南アフリカではこれらの経済的に重要な州で感染がひろがっている中で、どのようなウイルス対策を行うべきかが話題になっている。本来ならば豪州が行っているような、ロックダウンを再び行うことが感染を抑制する効果があるとされているものの、4月の大規模ロックダウンにもかかわらず感染の波が弱まらず、これ以上の経済的な負担をかけるのは良くないという声も多い。一部ではスウェーデンのように経済封鎖をすることがなく、このまま進みたいとする声がある。しかし、スウェーデンと明らかに違うところは、南アフリカフリカの医療体制が脆弱なことでスウェーデン方式の場合は医療崩壊が進むと指摘されている。今後も南アフリカの感染状況が収まらない可能性が高く、ウイルスの猛威の恐ろしさを改めて認識させられる。

 

欧米イベント

○15:00   6月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   5月トルコ経常収支(予想:38.0億ドルの赤字)
○16:00   5月トルコ鉱工業生産(予想:前月比10.6%)
○22:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○14日00:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○14日02:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○14日03:00   6月米月次財政収支(予想:8630億ドルの赤字)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/10/15:24:56

日経平均株価:東京都で新規感染者が過去最多になり下げ幅拡大

前日に業績下方修正したファストリが大幅下落しことで日経平均株価を押し下げた。米国の新型コロナ感染拡大や東京都の新規感染者の過去最多更新等への警戒感や上海株の下落も投資家心理の重荷となり下げ幅を拡大した。また、東京都で新型コロナウイルスの新規感染者が240人以上確認され過去最多になったと伝わると下げ幅を広げた。さらに取引終了間際に『良品計画の米子会社が破産法を申請した』と報じたことも売りを誘った。結局、前営業日比238円安の2万2290円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は心理的節目の107円割れ

ドル/円は、日経平均株価の下落から短期筋などのドル売り・円買いが入り、107円台前半から107.01円近辺に下落した。ただ、心理的節目と見られる107.00円が意識されると、ドル売りは一服、107.05円を挟んでもみ合いとなった。午後は日経平均株価の下げ幅が100円を越えて拡大したことや、上海総合株価指数の下落を嫌気したドル売り・円買いが進み、107.0円を下抜けし、一時106.90円付近へ下落した。東京都で新型コロナウイルスの感染者が新たに240人以上と2日連続で過去最多を更新したことも、円買いを誘った。ただ、ドルが総じて主要通貨で強含んでいたことから、106.90-95円水準でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、手掛かり材料難となり1.1265-75ドル水準で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国ではバブル懸念とディスインフレが共存

年明け以降の中国経済は、新型肺炎感染拡大と感染封じ込めに向けた都市封鎖措置などの影響で景気に急ブレーキが掛かった。しかし、その後は感染収束により経済活動の正常化が進み、財政及び金融政策による景気下支えの動きもみられる。こうした動きに加え、香港問題を契機とする金融市場の不安定化阻止に向けた動きは、足下で株式を中心に資産価格が急上昇するなど『バブル』再燃が懸念される兆候がみられる。 一方、直近6月のインフレ率は前年比+2.5%とわずかに加速するも、政府目標(3.5%前後)を大きく下回る。コアインフレ率は前年比+0.9%に鈍化しており、雇用・所得環境の悪化や価格競争の激化がディスインフレ圧力を招いている可能性がある。さらに、商品市況の底入れは生産者物価を押し上げるも、家計部門のデフレマインドが幅広い財の出荷価格の重石となるなど、先行きもディスインフレ基調が定着する可能性もある。
足下の株式市場におけるバブル的な価格上昇は『官製バブル』の様相を呈しているが、政府は株式相場の上昇を煽る一方で過去のバブル崩壊を教訓にその萌芽を潰す動きもみせる。当面はバブル懸念とディスインフレ圧力が同居する奇妙な状況が続く一方、実体経済の動向がこれまで以上に重要になると見込まれる。

 

トルコと欧米との関係悪化懸念

週初にトルコを訪れたボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、欧州議会でトルコによる東地中海の資源開発を非難した。来週に開催されるEU外相理事会ではトルコへの追加制裁が話し合われる可能性は高まっており、制裁が現実味を帯びてくればトルコ側の反発も必至である。経済的に結びつきの強いEUとの関係悪化は、トルコ景気回復の大きな足かせになる。また一部報道では、米軍がキプロスの軍隊に訓練支援を行うと報じられた。同国は建国の経緯を含め東地中海でトルコと対立しており、トルコにとっては決して見過ごすことはできない。このところやや落ち着きを見せていた米国・トルコ関係だが、今後の行方が危惧される。

 

トランプ米大統領の姪の暴露本:7月14日に出版予定

トランプ米大統領の姪のメアリー・トランプ氏によるトランプファミリーの黒歴史を明かす回顧録『Too Much and Never Enough: How My Family Created the World’s Most Dangerous Man(私の家族はどうやって、世界で一番危険な男を作り上げたのか)』が、7月14日に出版される予定となっている。身内の姪による暴露本となり、11月の大統領選に向けて、内憂外患となる。トランプ米大統領の弟ロバート・トランプ氏が「出版は秘密保持契約に違反している」として、メアリー氏と出版社のサイモン・アンド・シュスターに対する一時差し止め命令を求めて提訴していたものの、ニューヨーク州第一審裁判所で却下された。

 

米大統領選が新たなブラックスワンの可能性も

11月に予定されている米国の大統領選挙が新たなブラックスワンとなりうる。最近の調査で、民主党の大統領候補バイデン氏がリードを広げ今のところどの世論調査でも20ポイント近くトランプ大統領をリードしている。バイデン氏は8日、ウイルス危機や社会危機が拡大する中、7000億ドル規模の『BUY AMERICAN』経済政策を発表した。製造業やイノベーションに力を入れる。トランプ大統領の『AMERICA FIRST』政策にも類似する。バイデン氏はトランプ減税を解消し、『企業はアメリカに公平に貢献すべき』と、増税や法人税の引き上げを示唆している。さらに、『株主の資本主義は終わらせなければならない』と訴えており、資本市場にとりプラスとは考えにくい。銀行など金融の規制が強化されることは必至と見られ、景気回復をさらに遅らせ、金融市場が急速に脆弱になる可能性が警戒される。 

 

米雇用指標からV字型回復への期待も再燃

米6月雇用統計が予想を上回るなど、一部ではV字型回復への期待も再燃している。米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は前週比9.9万件減の131.4万件と前回141.3万件から予想以上に減少した。失業保険継続受給者数も1806.2万人と、前回1876万人から予想以上に減少し、4月中旬以来の低水準となった。しかし、ウイルス感染再拡大で、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官は経済回復の持続に一段と懐疑的見方を示している。ビジネスは注文を満たしているが新たな注文はない。また、7月末には失業保険申請件数の特別支給も終了する。FRBの数人の高官は、政府に支援策の延長の必要性を主張している。FRBの回復に慎重な見通しを受け、市場ではFRBが資産購入プログラムを拡大する可能性を期待しリスク資産市場を押し上げと共に、ドル売り圧力となっている。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.4%)
○15:45   5月仏鉱工業生産指数(予想:前月比15.1%)
○16:00   4月トルコ失業率
○20:00   5月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比1.8%)
○21:00   6月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.30%)
○21:00   5月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲37.8%)
○21:30   6月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化70.00万人/失業率12.0%)
○21:30   6月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比▲0.2%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比0.4%)
○23:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○欧州連合(EU)経済・財務相理事会
○シンガポール総選挙

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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