FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/03/15:12:12

日経平均株価:投資家心理改善で続落の反動から大幅反発

アップルなど米IT大手の好決算を背景に前週末のNYダウ114ドル高の反発を受け投資家心理が改善した。そのため、前週までの6日続落の反動からヘッジファンドなど海外短期筋が先物を買い戻しが入った。また、一時106円台半ばへの円安も売り方の買い戻しを誘い上げ幅を広げた。結局、前営業日比485円高の2万2195円と7営業日ぶりに大幅反発となった。

 

東京外国為替市場:利食い売りに押され106円台を維持出来ず

ドル/円は、日経平均株価の大幅高や米長期金利上昇に支えられ、106.43円付近まで上昇した。セブン&アイ・ホールディングスが米コンビニエンスストア併殺型ガソリンスタンド部門『スピードウェイ』を買収すると発表したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、米国で追加経済対策をめぐる与野党の協議が難航しているため、上昇は一服した。その後は、短期筋などの利食い売りに押されて105.80円付近まで下落した。国内輸出企業によるドル売り・円買いも継続的に観測された。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.80円台を中心とした狭いレンジでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

9年ぶりの製造業PMIの高水準:中国経済回復基調継続

中国メディア財新と英調査会社IHSマークイットが3日発表した民間版の中国7月製造業PMI(購買担当者景気指数)は52.8と前月(51.2)比+1.6改善し景気境目50を3ヵ月連続で上回り、新型コロナウイルス世界的大流行(パンデミック)にも拘わらず11年1月(54.5)以来9年6ヶ月ぶりの高水準へ回復した。一方、7月31日発表の国家統計局と中国物流購入連合会の政府版7月製造業PMIは前月比+0.2の51.1と5ヶ月連続で景気判断50を上回り3月(52.0)以来の高水準だった。世界に先駆けてロックダウン(都市封鎖)を解除した中国経済の回復が日米欧はじめ世界経済の先行指標となっているだけに9年ぶり製造業PMIの高水準は日本経済にも朗報である。

 

トルコの複雑化する対外関係

欧州連合(EU)が反対するトルコの東地中海における資源開発について、トルコはギリシャ側の海域でのガス田調査を休止する意向を示した。その後、ギリシャ軍がトルコから軍用ドローン50機を購入との報道もあり、両国の歩み寄りが期待されたが、週末の報道ではギリシャ国防相が購入否定とも伝えられている。キプロス沿岸に関しては、トルコはガス田掘削の作業船を送り出しており、ギリシャやキプロスやその後ろ盾となるEUとトルコの溝はまだ深いままである。また米国も、トルコの露製地対空ミサイル配備を巡り、議会だけでなくポンペオ米国務長官が対トルコ制裁の可能性について言及した。露ガスを輸送するパイプライン『トルコストリーム』についても米は懸念しており、米トルコ関係も楽観視できない状態が続く。

 

隠れトランプ支持が増えている可能性も

投票日まで残り3カ月となった米大統領選の世論調査で、共和党のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領にリードを許している。ただ、トランプ氏は4年前もクリントン元国務長官に支持率で終始劣りながら勝利した。米社会の分断が深まる今回、調査に正直に答えない『隠れトランプ支持者』がむしろ増えているとして、精度を疑問視する専門家もいる。トラファルガー・グループ(ジョージア州)は2016年の前回大統領選で激戦州ミシガンなどの結果を言い当て、トランプ氏勝利を予測した数少ない世論調査会社である。ロバート・カヘリー上級調査員は取材に対し『トランプ支持でも、そうとは言いにくい空気が4年前より強い』と指摘する。
カヘリー氏によると、電話など人対人の世論調査では、社会的に望ましいとみられる回答に反する場合、対象者がうそをつくことがある。4年前、同社は『あなたはトランプ支持か』という質問に加え、『あなたの隣人の大半はトランプ支持か』を尋ねた。後者が本心を聞き出すための質問で、より実態を捉える効果があったという。

 

米国主要金融機関の金先物価格予想

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、リスク回避の際に買われやすい金に敷きイン流入が続いている。低金利環境の長期化やドル安も相場の先行観を強めている。バンク・オブ・アメリカは今後18ヵ月間で1トロイオンス3,000ドルまで上昇すると予想している。米FRBの金融緩和の長期化が相場を押し上げる。同社の過去の分析では長期金利から期待インフレ率を引いた実質金利の低下が相場の押し上げの主因となるとされている。2,000ドル付近で上昇余地は限られるとの声もある。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントは2021年には堅調な景気回復を見込み、FRBが金融緩和の姿勢を弱めることが金先物相場の重荷になると予想する。JPモルガンは20年10月~12月期の平均は1トロイオンス1,880ドルと足元の水準よりも低いと予想する。2,000ドル台を安定して維持するためには、米10年物の実質金利が一段と低下する必要があるが、経済見通しを踏まえると金利低下はまもなく底を打つとしている。

◆金融機関の金先物の価格予想(1トロイオンス当たり)

・バンク・オブ・アメリカ:3,000ドル

・ゴールドマン・サックス:2,300ドル

・UBSグローバル・ウェルス・マネジメント:2,000ドル

・シティグループ:2,000ドル

・JPモルガン:1,880ドル

 

銅金レシオが低下基調:景気の先行き悪化を示唆

銅は多くの工業製品に使われることから、景気回復時に価格が上昇しやすい。一方、安全資産の代表格である金は景気の低迷時に買われやすい。銅価格を金価格で割って算出する『銅金レシオ』は、より景気動向を反映すると言われている。米長期金利も景気動向に敏感に反応するため、両者の連動性は高い。6月上旬に一旦上昇した米長期金利は、その後低下基調が続いている。銅金レシオも7月中旬以降、低下に転じた。新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感が強まるなか、両者の方向性が再びそろったことは、景気の先行き悪化を示唆している可能性がある。

 

米国市場では7月ISM製造業景況指数が公表

6月実績は52.6で1年2ヵ月ぶりの高水準となった。米国各州で経済活動の再開が進んだことが要因となった。新規受注指数は24.6ポイント上昇で統計開始以来最大の上げ幅を記録した。7月については、生産指数は6月実績を上回る可能性があることから、全体的には6月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:30   7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%)
○16:30   7月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:50.0)
○16:50   7月仏製造業PMI改定値(予想:52.0)
○16:55   7月独製造業PMI改定値(予想:50.0)
○17:00   7月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:51.1)
○17:30   7月英製造業PMI改定値(予想:53.6)
○22:45   7月米製造業PMI改定値(予想:51.3)
○23:00   7月米ISM製造業景気指数(予想:53.6)
○23:00   6月米建設支出(予想:前月比1.0%)
○4日01:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、討議に参加
○4日02:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○4日03:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○4日03:00   7月ブラジル貿易収支
○トルコ(犠牲祭)、カナダ(市民の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/22/15:12:25

日経平均株価:4連休を控え利益確定売り優勢

米国でハイテク株が売られて、ナスダックが下げたことを嫌気して下落スタートした。開始早々に下げ幅を3桁に広げたところでは、押し目買いが入って急速に値を戻したが、プラス圏に浮上するかというところでは売り直された。日本の4連休を前にこれまで上昇した銘柄に利益確定売りが優勢となり、米追加経済対策に時間を要するとの見方も重荷となっている。結局、前営業比132円安の2万2751円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は下げ止まり106円台後半で小動き

ドル/円は、日経平均株価の反落を眺めたドル売り・円買いに押され、106.72円付近まで下落した。欧州の景気回復を期待したユーロ高・ドル安が波及した面もあった。しかし、106.65円付近がテクニカル的な下値のサポートとして意識されると下げは一服、106.75円を挟んでもみ合いとなった。午後は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや中国株高に支えられ、106.90円付近まで上昇した。しかし、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から伸び悩む展開となった。ユーロ/ドルは、21日に行われたEU首脳会議での復興基金案合意が好感されて一時1.1547ドル付近まで上昇し、約1年ぶりのユーロ高・ドル安となった。

 

英製薬大手アストラゼネカのワクチン:9月にも供給予定

英製薬大手アストラゼネカは20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナウイルスのワクチンの初期治験(臨床試験)で強い免疫反応を確認したと発表した。ワクチンは9月にも供給を始める予定で、新型コロナ対策としての期待が高まっている。開発中のワクチンを18-55歳の1077人に投与し、ほとんどの治験者の体内で抗体が作られかつワクチンを2回打った人はより強い効果が認められた。アストラゼネカのソリオCEOは20日の会見で、米国や中国はじめ世界中でワクチン開発が進んでいるが、『アストラゼネカのワクチンは医療機関等に今秋9月にも供給予定で最早部類に入る』とし、日本へのワクチン供給は『1億回を念頭に政府と交渉している』と述べた。なお、治験は英国やブラジル等で進み日本では8月に開始予定している。

 

EU首脳会談で合意された復興基金

欧州連合(EU)は首脳会談で、前代未聞のパンデミックで損傷している域内経済を助ける復興基金でようやく合意にこぎつけた。補助金と低利融資の割合で大きく意見が分かれていたが、補助金の割合を3900億ユーロに減額する妥協案がだされ合意に至った。規模は7500億ユーロ規模。加えて、EUは次回の予算で2021年から2027年まで1.07兆ユーロを拠出。投資は合計で1.8兆ユーロにのぼる。欧州委員会のウルズラ委員長は欧州経済がパンデミック危機から力強く脱出できると、楽観的な見方を示している。首脳らはそれぞれの国の議会の承認を得なければならない。

 

南ア航空(SAA)の救済に必要な条件を満たす必要がある日

南アフリカだけでなく世界的なウイルス感染拡大は、今後の経済に影響を与えることは確実だが市場は無視し、低金利により支えられている株式市場の値動きが新興国通貨の動きを決定するほぼ唯一の要因になりつつある。リーマン危機の時もパリバショックが起きてから約8カ月以上市場が崩壊するまで時間がかかった。それ以前からもサブプライムローンの危険性が指摘されていたことを考えると、市場が反応するのにはかなりタイムギャップがあるのかもしれない。ウイルス感染による経済的な影響でリスクオフになることには備えが必要ですが、まだ先なのかもしれない。
 南アにとっては本日22日に南ア航空(SAA)が救済に必要な条件をすべて満たす必要がある日となっている。昨日ムボウェニ南アフリカ財務相は『政府はSAAの財政支援は行わない』とすでに発言しているが、必要条件に満たさない場合債権者が集まる24日に今後のSAAの運営が決まる。人員の解雇などを含め、大きくSAAが変わることは間違いない。

 

米国の第4弾の財政出動の行方に注目

第4弾の財政出動を巡るトランプ米政権・共和党側と民主党の協議の行方が注目される。米政府は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、これまで合計2.9兆ドル近くの景気刺激策を実施してきた。ただ既に失業給付の積み増しが今月末で終了するため、早期に新たな支援策をまとめる必要がある。積み増し幅に関しては現状の600ドルから、共和党が200ドル程度まで減額、民主党は500ドル程度に留めたいとしており、両者には差がある。また、トランプ大統領が求める給与税減税については、議会が必ずしも積極的ではないようだ。他にも、『コロナ免責条項』(従業員や顧客が職場などで新型コロナに感染しても企業や政府機関、学校などが賠償責任を負わない)について、共和党は賛成だが民主党は反対の立場だ。 共和党と民主党、政府と議会は11月の選挙に向けての駆け引きもあり、協議停滞などのヘッドラインには警戒しておきたい。合意に向けて進展となれば、素直にリスク選好の動きになりやすい。

 

米国市場では6月中古住宅販売件数が公表

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月実績は、2010年10月以来の低水準となった。経済活動は大幅に制限されており、住宅需要は減少した。6月については、各州で経済活動が再開されており、雇用情勢も改善していることから、販売件数は前月比で大幅に増加する見込みとなっている。

 

欧米イベント

○未定   7月月例経済報告
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲15.6%)
○21:30   6月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比0.2%)
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00    6月米中古住宅販売件数(予想:前月比24.5%/年率換算480万件
○23:30    EIA週間在庫統計
○24:00    デギンドスECB副総裁、講演
○23日02:00   米財務省、20年債入札

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/21/15:14:49

日経平均株価:ワクチン開発進展やEUの復興基金合意を好感

米国株高を好感して買いが先行した。しかし、21日の東京の新規感染者230人とと伝わり短期筋の売りに上げ幅を縮めた。一方で英大手製薬アストラゼネカ等による新型コロナのワクチン開発進展や欧州連合(EU)首脳会議が復興基金で合意するとの英FT紙(電子版)報道を契機に景気回復を期待した買いが優勢となった。結局、前営業日比166円高の2万2884円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ユーロに対してドル買い戻しで連れた円安基調

ドル/円は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.20円を挟んでもみ合いとなった。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、ユーロ/ドルのユーロ安・ドル高が波及、ドル/円も107.35円付近まで上昇した。日経平均株価が上げ幅をやや拡大したことも、ドル買い・円売りを誘った。ユーロ/ドルは、EU首脳会議で7500億ユーロの復興基金案が合意に至ったことを好感して一時1.1470ドル付近まで上昇、およそ4ヵ月半ぶりの高値をつける場面があった。しかし、目先の好材料は出尽くしたの見方から、次第に利益確定や持ち高調整ののユーロ売り・ドル買いに押される展開となり、1.14ドル台前半へ下落した。

 

2020年は庚子の年:厄災の多い年回り

2020年『庚子(かねのえ)の年』は、戦争、大地震・洪水などの自然災害、大飢饉による食料難などの厄災に襲われるのではないか、との警鐘が鳴らされていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に襲われている。中国を統治した五帝の最初の帝『黄帝』(紀元前2510年~2448年)が、約4500年前に記した『黄帝地母経』によると、60年に1度やってくる干支『庚子の年』は、災難に襲われる年、歴史的な変化の年として警鐘が鳴らされてきた。『庚子の年』は、人々が暴力的になり、洪水と旱魃に襲われる年となるらしい。

 

今後の日本株のキーファクターは企業業績

大和証券は21日付けレポートで国内外の機関投資家の株式市場などに関する調査結果を公表した。6ヵ月後の日経平均株価予想は、2万2000円~2万3000円という回答が最多となった。4月に実施された前回調査では、2万円以下の回答が約8割を占めており、その時に比べ高水準となった。前回調査から世界的に株価が上昇したことが影響しているとみられ、今後6ヵ月は上値が重いとの見方が大勢を占めた。今後のキーファクターは企業業績が最多回答で、前回調査で最多回答コロナウイルスの被害状況は次点となり、投資家の菅セインが徐々にコロナウイルスから企業業績にシフトしているとみられた。

 

国内金地金は上昇基調:過去最高値を更新

田中貴金属工業が21日午前に公表した小売価格(税込み)は前日比比べ34円高い1グラム6,937円となり、過去最高値を更新した。米国や日本などで新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、感染再拡大の警戒感が高まっていることで、相対的に安全資産とされる金の買いを誘った。

 

国際社会とトルコの溝が広がりでトルコリラは買い難くなる

トルコが介入を強めるリビア内戦に関し、仏・独・伊は、国連安全保障理事会が定めた武器禁輸に違反した国に『制裁検討の用意がある』と警告した。トルコへのけん制も当然含まれており、今後の同国の動向が注目される。ただ、これまでシリアからリビアに向けて傭兵を送っていたトルコが、他の地域からも傭兵調達に動いているとの報道もあり、リビア内戦へのかかわりは更に深まる。また、博物館となっていた世界遺産『アヤソフィア』をモスク化した件でも、キリスト教国を中心に批判が高まっています。トルコ政府は、礼拝中はキリスト教関連の人物を描いたモザイク画をカーテンで覆う方針を明らかにした。国際社会とトルコの溝が広がり、経済関係の悪化にも繋がってしまうようであれば、リラはますます買い難くなる。

 

米企業はウイルス感染の再拡大で企業活動見直し

米国の大企業は3月と4月に打ち出した新型コロナウイルス対策について、状況の打破にはつながらないと判断し始めている。米国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の再拡大で一部企業の活動が再び停止に追い込まれ、迅速な回復への期待がしぼみつつある。航空会社から外食チェーンに至るまで多くの企業が、戦略や人員配置の再転換、あるいは既存の転換計画のてこ入れを迫られている。企業は一時帰休を恒久的なレイオフに変更し、コア事業の縮小や生産の無期限削減に着手している。

 

米国の追加財政策の協議が本格化:民主党と共和党で大きな隔たり

米国のトランプ政権と議会はパンデミック対策の追加財政策の協議を本格化させる。ワクチンや治療薬開発で進展が見られるものの実用化にはまだいたっておらず、パンデミック終息も見られないため回復を押し上げるためには追加財政支援策が必至となる。 政府がパンデミック救済策の一環として実施している失業保険の週600ドルの特別支給が今月末に終了、また、小規模企業を支援するプログラムの申請期限も8月に迫る中、米国政府、議会は今後2週間、法案成立の圧力が強まる。 破綻を最小限にとどめるための企業の債務保護、地方政府への支援、国民への直接的な資金供給、住宅ローンや賃貸支援において、民主党と共和党は見解の相違を縮めていく必要がある。また、規模でも民主党は3.5兆ドル規模の支援を提示している一方、共和党は1兆ドル規模を提示しており、大きな譲歩がお互いに必要となる。

 

欧米イベント

○17:30   6月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.1%)
○21:30   5月カナダ小売売上高(予想:前月比20.0%/自動車を除く前月比12.5%)
○22:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、パネルディスカッションに参加

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/20/15:12:27

日経平均株価:連休控え様子見ムード強く小反発

米国で1日当たり新型コロナウイルス新規感染者数が7万人超と過去最多に増え感染再拡大に経済『正常化』遅延への警戒感強まりNYダウ先物の軟調推移に売り優勢となり下げ幅は広げた。午後は日銀のETF(上場投信)購入観測の浮上や中国・上海株の堅調が投資家心理を支えて下げ幅を縮小した。しかし、東京都内で新たに168人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された』と報じられると相場の重石となった。また、4-6月期の国内主よ企業の決算発表を控えているほか、今週は3営業日しかないことなどから様子見姿勢が強かった。結局、前営業日比21円高の2万2717円と小反発して終了した。

 

東京外国為替市場:107.60円が上値目処として意識

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りフローが通常より多くも見込まれ、107.53円付近まで上昇した。しかし、8日につけた107.60円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、米長期金利の低下や日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが入り107.30円台へじり安となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、107.30円を挟んでもみ合いとなった。本邦実需勢の売り買いは午前で一巡したこともあり取引は薄くなった。ユーロ/ドルは、一部メディアが『EU内の強硬派は、復興基金で3900億ユーロの補助金案を受け入れる可能性がある』『オランダなどの財政規律を重視した4カ国が復興基金の補助金額に同意する用意がある』などと報じたことがユーロ買いを誘い1.1455ドル付近へ上昇した。

 

中国の6月以降は金融緩和や景気対策から景気回復基調

中国の経済指標のうち、かつて李克強首相が『遼寧省のGDPより確か』と指摘した比較的信頼性のある鉄道貨物輸送量(李克強指数の一つ)は、5月に前年比+1.4%とプラス回復になっている。昨年12月の+13.3%から今年4月の-2.7%までの急落が一服になってきた。同じく李克強指数の一つである電力消費量も、5月は前年比+4.6%と4月の+0.7%から改善している。2月の-10.1%という大幅悪化から、底入れを固めつつある。最新6月の中国貿易統計で、内需を示す輸入がドルベースで前年比+2.7%と今年初のプラス化となった。5月の-16.7%という大幅減から、リバウンド回復となっている。信ぴょう性はともかく、金融緩和や景気対策を受けた不動産・インフラ関連の投資増加などにより、鉄鉱石輸入は33カ月ぶりの高水準となった。原油輸入も月間と日量の換算で、過去最高を更新している。輸出も+0.5%と打たれ強さを示した。中国ではこうした景気回復期待のほか、政策的な株価支援策や、香港問題による香港からの資金流出阻止策、香港と中国本土の金融市場の信認維持策といった各思惑もあって、7月以降は株高が加速されてきた。

豪州は感染拡大による景気低迷観測が豪ドルの重石

ウイルス感染が豪州最大の都市シドニーを擁するニューサウスウェールズ州に広がっている。豪州は厳格なウイルス対策を行っていることから、景気低迷観測が豪ドルの頭を抑える可能性がある。メルボルンではステージ3のロックダウンが行われているが、ステージ4に引き上げられるとのうわさも流れている。ステージ4になると、薬局やスーパーマーケットなどを除いてすべて営業が停止されるため、経済への影響は深刻化する。モリソン豪首相はこのロックダウンが7月の雇用指標に影響を及ぼすと発言しており、今後の雇用指標の悪化見通しも豪ドルにはマイナスとなりやすい。

 

23日のトルコ中銀政策金利の発表では据え置き予想

トルコ中銀政策金利の発表では、2会合連続の『8.25%で据え置き』が大方の予想です。インフレが再び上昇傾向となり、実質金利マイナス幅が広がるなかで緩和休止策は妥当となる。中銀声明で今後の物価見通しに変化がでるのかが注目されます。なお、24日にトルコ格付けを発表するスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、利上げの必要性も指摘している。S&Pによる現在のトルコ格付けはB+、見通しは安定的としている。

 

来年にもメキシコの投資適格級の各付けを失う可能性

大手米銀が発表したレポートによると、来年にもメキシコは投資適格級の格付けを失う可能性があるとの見通しを発表した。仮にそうなれば、メキシコ国内からの資金撤退で株安・債券安・ペソ安が加速することも想定される。

 

米国では景況感や先行景況観も6月から低下傾向

経済活動再開が注意深く進んでおり、NY州は第4段階の活動再開入りした。一方で、活動を早めに再開しウイルス感染が再燃している一部の州では、逆に活動再開の段階を数段階戻す兆候が見られ解雇の動きも再燃している。米国の労働市場の回復を遅らせる可能性が懸念される。消費の鈍化にもつながり景気の回復も抑制する。実際、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は73.2と、上昇予想に反して6月78.1から低下した。現在景況感や先行景況観も6月から低下しており、今後の消費が鈍化し、景気回復も抑制されることが懸念される。

 

トランプ大統領は選挙日までの大幅な株価を予告

トランプ米大統領は19日放映の米FOXニュースとのインタビューで、大統領選挙日までの大幅な株高を予告し、景気回復を追い風にした再選に自信を示した。月内にもまとめる新型コロナウイルスの追加経済対策では、給与税減税を目玉として実現に強い意欲を示した。トランプ氏は、経済活動の再開で戦後最悪となった失業率が改善していると強調し、来月上旬に発表される7月の雇用統計は『良い数値になるだろう』と指摘した。『わたしが史上最高の経済を築いた。それを再び実現する』と訴えた。
トランプ政権と与党共和党は7月中にも追加経済対策をまとめる方針である。給与税減税に関し『もし(議会が可決した)法案に含まれていなければ、署名しないことも検討する』と語り、法案に拒否権を行使する可能性も示唆した。

 

欧米イベント

○15:00   6月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○17:00   5月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○21日00:10   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、テンレイロMPC委員、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/07/17/15:11:47

日経平均株価:都内の感染拡大を嫌気して売り優勢

米製薬大手ジョンソン&ジョンソンが16日にワクチン開発を前倒し、早ければ9月中にも最終段階の臨床試験(治験)を始めると発表した。そのため、ワクチン開発期待が買い材料視される一方で世界的な感染拡大ペースの速さを警戒する声が多く上値を抑えた。上海株式市場が堅調に推移するなど支援材料もあり、全般底堅い展開となった。しかし、国内の複数のメディアが、東京都内で新たに新型コロナウイルスに感染していると確認された人は、290人以上となる見通しと報じられたことが嫌気された。結局、前営業日比73円安の2万2696円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いがやや優勢

ドル/円は、日経平均株価が買い先行で始まったことや国内輸入企業のドル買い・円売りに支えられ、107.36円付近まで小幅に値を上げた。しかし、前日の海外市場でつけた戻り高値107.40円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、米国で1日当たり新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多を更新していることから、持ち高調整などのドル売り・円買いに107.25円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたことがリスク回避の円買いを誘い、107.17円付近まで下落した。しかし、今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、107.20円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、週末を控えて積極的な売り買いは目立たず、1.13ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

中国経済は雇用なき回復:下期は洪水など不安要因も

中国経済が先進国より早く新型コロナウイルスの打撃から立ち直ってきた。16日発表の4~6月の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比3.2%と2四半期ぶりにプラスに転換した。回復は雇用に波及せず消費も弱いままで、下期は洪水など不安要因もある。『新型コロナの影響を克服し、経済の強靱さと活力を示した』。中国国家統計局の報道官は16日の記者会見で胸を張った。

 

投資家の資金が中国ファンドへシフト

中国株式市場の好調で、中国ファンドの収益率も急騰している。新型コロナの震源地である中国がいち早くコロナ拡大の封じ込みに成功し、景気萎縮から最も速く抜け出したことで、中国ファンドに関心を持つ投資家も増えている。そして、株式市場の上昇を受けて、中国の個人投資家はマネー・マーケット・ファンド(MMF)を解約し、株式へファンドの投資を増やしている動きが増えている。政府の支援策による、国内の景気回復が楽観視されているほか、不動産は魅力に欠け、信託商品や銀行の理財商品に債務不履行(デフォルト)が増えたことも、株式投資の好調につながっている模様である。

 

1~6月欧州の新車販売台数は前年同期比40%減

欧州自動車工業会(ACEA)が16日発表した2020年1~6月の欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は前年同期比40%減の459万4489台だった。新型コロナウイルスの影響が最も大きかった4月(前年同月比80%減)に比べれば、6月は24%減とやや持ち直してはいるが、回復ペースは遅い。国別にみた1~6月は、最大市場のドイツが35%減の121万台。新型コロナの感染者数が多かった英国やイタリア、スペインはそれぞれ約半分に落ち込んだ。

 

トルコは財政赤字と人材不足から経済回復の先行き不透明感強い

昨日トルコ財務省が発表した6月財政収支は、194億リラの赤字と前年同月から61%赤字幅が拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、景気支援策による支出増加が影響した。また、1-6月期では1095億リラの赤字と前年同時期から1.4倍も赤字が増加し、20年の赤字想定額・1237億リラの約89%を既に達成している。このままでは今後の財政出動の柔軟性も失われてしまい、トルコ経済の下支えもままならない状況である。また、16年7月のトルコクーデター未遂から4年が経ったが、ソイル内相は、これまで28万人以上をクーデター関与で拘留し、9.5万人近くを逮捕したことを明らかにした。さらに、アカル国防相は、2万人以上の軍関係者が粛清されたとも発言した。。トルコメディアによれば、クーデターに絡み、13万人以上の公務員がこれまで停職または解雇された。トルコは優秀な人材も多く失い、国力もかなり落ちているのではないかという見方も出ている。『人材不足』が、今後のトルコ経済回復に向けて大きな問題になってくるかもしれない。  

 

米国は『国防権限法』で8月13日から中国製品排除

米政府は7月14日付「官報」に8月13日施行のファーウェイなど中国企業5社の製品を使う米企業と米政府の取引を禁じる『国防権限法』の暫定規則を掲載した。対象の日本企業は800社を超え該当する中国製品排除が必要となり、米中対立が企業の調達戦略に修正を迫りコスト負担を増やすことになる。

 

米国では行動規制の再導入が広がる

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国では行動規制の再導入が広がり、経済規模で全米の4割を占める9州が、5月上旬から順次再開してきた飲食店の店内利用やバーに映画館などの再閉鎖に踏み切り、景気回復の遅れが懸念されつつある。特に、カリフォルニア州の1日当たり感染確認者(7日移動平均)は14日前に比べ+49%と急激に増加し、テキサス67%、フロリダ65%と感染拡大に歯止めがかからず、米疾病対策センター(CDC)が経済再開条件の1つに挙げる『感染者が過去14日間で減少傾向』とはほど遠い状況にある。流行地では7月上旬から死者数が増え始め、感染者が増えれば医療体制が逼迫し、再規制が不可欠となるが、行動規制の再導入はサービス業中心に米経済に甚大な打撃を与え、持ち直した個人消費の再悪化や失業者の増加が懸念される。

 

欧米市場イベント

○17:30   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   デギンドスECB副総裁、講演
○18:00   5月ユーロ圏建設支出
○18:00   6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.3%)
○18:00   6月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.8%)
○19:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○21:30   5月カナダ卸売売上高(予想:前月比7.9%)
○21:30   6月米住宅着工件数(予想:116.9万件、前月比20.0%)
        建設許可件数(予想:129.0万件、前月比6.1%)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:79.0)
○18日01:00   6月ロシア失業率(予想:6.3%)
〇欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、18日まで)
○18日 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(テレビ会議)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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