FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/24/15:15:43

日経平均株価:アジア株式の軟調が重石

米国株の大幅安を受けて幅広い銘柄が売りに押された。日銀による上場投信(ETF)買いや中間配当狙いの買い期待が下支えするも上海株などアジア株式の軟調が重石となり、一時下げ幅は300円超となった。結局、前営業日比258円安の2万3087円と続落した。

 

東京外国為替市場:新規の手掛かり材料に乏しく狭いレンジ相場

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.47円付近までじり高となった。前日のNY市場で付けた105.50円が上値の目処として意識されると、上げは一服となった。その後は、米国で追加経済対策を巡り、与野党の協議が難航していることから利益確定などのドル売り・円買いも見られ、105.40円を挟んでもみ合いとなった。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、105.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、景気回復が遅れるとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.1645ドル付近へ下落する場面があった。

 

金ETFから大規模な資金流出:さらに資流出するか警戒

23日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(GLD/ U)から6億8003万ドルの資金流出となり、2016年11月10日(8億4304万ドル)以来、3年10ヵ月ぶりの大きさを記録した。この日の米国市場でGLDは3日続落し、2.16%安の174.79ドルで終了した。ドル指数が強含む中、実物資産の金が売られたことで7月22日以来、2ヵ月ぶりの安値圏に沈んだ。ナスダック100指数と連動するパワー・シェアーズQQQなどと同様、今年に入ってからGLDには資金流入が続いていただけに、ハイテク株などの調整を受けてGLDの流出基調も強まるのか警戒される。

 

ベイリー英中銀(BOE)総裁の講演に注目

英国での新型コロナウイルス感染拡大状況に警戒しつつ、ベイリー英中銀(BOE)総裁の講演に注目する展開となる。9月のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、マイナス金利の導入方法について年内に英健全性規制機構(PRA)と『体系的調整』を開始する方針を明らかにした。しかし、ベイリーBOE総裁は、『英中銀は利下げをじっくりと検討しており、マイナス金利も政策手段の選択肢にある。予定されているマイナス金利を巡る技術的な作業は、導入を示唆するシグナルというよりも、実際に導入が可能なのかどうかを検証するもの』と表明しており、本日もマイナス金利に関する言及に要注目となる。

 

トルコ市場では政策金発表に注目:市場予想は金利据え置き

本日は、トルコ中銀の政策金利発表が注目となる。市場予想は4会合連続の8.25%で据え置きとなっている。トルコの高止まりするインフレに対応するため、中銀は8月以降、市中銀行の実質的な調達金利を引き上げるなど『裏口的』な引き締め措置を実施してきた。もっとも、小手先の対策に市場は満足せず、為替相場ではリラ売り圧力がまったく弱まっていない。リラの下落トレンドを止める、または緩めるためには、政策金利の引き上げが必要だと思われる。しかしながらエルドアン大統領の意向は利上げ反対で変わりなく、ウイサル中銀総裁は大統領に従う姿勢が続き、中銀の独立性への懸念も増している。本日は主要政策金利に触ることができなくても、中銀が高インフレやリラ安に対する断固たる態度を示すことができるかが1つのポイントとなる。

注意するところでは、金価格が下落基調にある。トルコ中銀の外貨準備高における金の割合は、年初の約23%から今月11日時点では約48%まで増加している。そのため、これ以上の金の価値低下は、外貨準備高不足への警戒感を更に高めることになる。

 

米銀大手JPモルガンチェースは資産を英国から移転

米ブルームバーグによると、米銀大手JPモルガン・チェースが2000億ユーロ(約25兆円)規模の資産を英国からドイツに年内に移すことが23日、明らかになった。英国の欧州連合(EU)離脱の『移行期間』終了後も、EU加盟国の顧客にサービスの提供を続けられるようにする。同社は英ロンドンに欧州・中東・アフリカ地域の統括拠点を置き、在EUの顧客向けサービスを手掛けている。英国はEU離脱により、域内で自由に金融事業を営める『単一パスポート』の制度から外れる。英とEUは金融サービスの相互提供を続けられる枠組みを模索しているが、通商交渉は遅れている。移行期間が終わる予定の年末までに妥結に至らない事態に備えて、移管を決めたもようだ。

 

米国市場では8月新築住宅販売件数が公表

参考となる7月実績は、3ヵ月連続で増加しており、新築住宅市場はまずまず活況であることが確認された。8月については住宅ローンの金利水準が低位で推移していることや、都市部から郊外に移住するケースが増えていることから、販売件数が7月実績を大幅に下回る可能性は低いとみられる。

 

欧米市場イベント

○未定    9月月例経済報告
○15:45   9月仏企業景況感指数(予想:94)
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00   9月独Ifo企業景況感指数(予想:93.8)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:84.3万件/1233.9万人)
○21:50   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ムニューシン米財務長官、米上院銀行委員会で証言
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.2%/89.0万件)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○25日01:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○25日02:00   米財務省、7年債入札
○25日02:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○25日02:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○25日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○25日03:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○25日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○南アフリカ(伝統文化継承の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/23/15:13:25

日経平均株価:円高進行一服で底堅い展開が継続

22日の米国株式市場は反発したものの、東京市場は連休中の米国市場の軟調な動きを消化する展開となった。ただ、外国為替市場ではドル/円が105円台での推移となるなど、円高進行が一服した。そのため、日経平均は大きく崩れることなく推移し、市場では底堅いとの声も聞かれた。結局、前営業日比13円安の2万3346円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:上値は重いが105円台を維持

ドル/円は、4連休明けとなる国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.20円付近まで上昇した。欧州景気の先行きを警戒したユーロ安・ドル高が波及した面もあった。しかし、今晩の米国株価動向やFRB当局者の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、米国で追加経済対策を巡り、与野党の協議が難航していることから、利食い売りなどに105.05円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.10円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、夕方に発表される独やユーロ圏の9月購買担当者景気指数(PMI)速報値を控えて様子見ムードが広がり、1.16ドル台後半で小動きに終始した。

 

トルコとギリシャの協議が外交レベルでの会談に進展

トルコへの制裁が協議される予定だった欧州連合(EU)首脳会議だが、開催が24-25日から来月1-2日に延期されることになった。ミシェルEU大統領の警備担当者の1人が新型コロナウイルスに感染したことが延期理由とされている。1週間程度の延長ではあるが、トルコにとって状況を少しでも改善することができるかもしれない。というのも、東地中海の領有権を巡り対立しているトルコとギリシャが、これまでの軍高官レベルの技術的協議から外交レベルでの会談に進展する見込みとなった。急速な歩み寄りは期待でないが、EUの反トルコ姿勢を少しでも緩めるきっかけとなる可能性は出てきた。

 

欧州の感染拡大及び規制強化は南アにも大きな痛手を受ける

この2週間でフランスは12万4千人以上、英国は4万7千人以上、スペインは8万7千人以上の新型コロナウィルス感染者を記録している。英国の科学者はこのままの状況だと10月中旬には、英国だけで1日で4万9千人の感染者を記録すると警告している。欧州の感染拡大及び規制強化は、南アの観光業や輸出企業に大きな痛手を受けることで対岸の火事ではいられない。また、フィンセン文書の影響もあり、多くのファンド勢が11月決算前に株の利食い売りも散見される可能性も高った場合は、株安が新興国通貨にとってはマイナスになる。

『フィンセン(FinCEN)』とは、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク(Financial Crimes Enforcement Network)を意味する。マネーロンダリング(資金洗浄)などの米ドル建ての不審な取引については、アメリカ国外でのものであってもフィンセンへの報告が義務付けられている。
『不審行為報告書(SAR:Suspicious Activity Reports)』とは、このような不審な取引を記録した文書を指す。金融機関は顧客が不審な動きをしていた場合にSARを作成して、米財務省に報告する。

 

フィンセン文書の影響は米系ファンドの株売りにつながる可能性も

フィンセン文書は欧州系の金融機関の問題が昨日は取り上げられ、HSBCの株価は25年ぶりとなる水準まで下落した。ただし米JPモルガンも米連邦捜査局(FBI)の『10大重要指名手配犯』の1人に送金をしていたことも判明していることで問題は根深い。今後この文書がパナマ文書やパラダイス文書のように闇に葬られ、市場のトピックにならなくなる可能性は否定できないが、米系ファンドの多くが決算を迎える11月末までは利益確定の株売りが上値を抑える可能性もあるかもしれない。

 

米連邦最高裁の後任人事を巡り米景気先行き不透明感が強まる

米連邦最高裁ルース・ギンズバーグ判事の死去に伴う後任人事を巡る米与野党攻防の激化が追加経済対策の協議停滞へと波及し米景気先行き不透明感を強めている。
トランプ大統領は25日にも後任候補を指名するが、共和党上院トップのマコネル院内総務などは保守系判事の指名に拘泥している一方で11月3日の大統領選前の指名には民主党中心に反対が多く、判事の人事を巡る与野党攻防が激化すると懸念される。
そのとばっちりを受けるのが追加経済対策の与野党協議であり、市場はすでに1.5-2.0兆ドルの追加財政支出を織り込んでいただけに、失業給付上乗せ延長や追加現金給付が承認されず、零細事業や州政府への追加財政支援がないまま議会が9月末に休会すれば、従来、20%成長が予想された米10-12月期GDP成長率が10%に減速しかねない。

 

米国市場ではマークイット9月生傍証購買担当者景気指数(PMI)

8月実績は53.1と2ヵ月連続で景況拡大と悪化の節目を上回っており、製造業の景況感は回復基調にある。新型コロナウイルスの感染流行は終息していないものの、経済活動は一定水準を維持しており、雇用情勢は改善しつつあることから、9あg津は8月実績に近い数値になると予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00   10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲1.0)
○16:15   9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.5)
○16:15   9月仏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○16:30   9月独製造業PMI速報値(予想:52.5)
○16:30   9月独サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:51.9)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:30   9月英製造業PMI速報値(予想:54.0)
○17:30   9月英サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○19:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   7月米住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○22:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:45   9月米製造業PMI速報値(予想:53.5)
○22:45   9月米サービス部門PMI速報値(予想:54.7)
○22:45   9月米総合PMI速報値
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、下院特別小委員会で新型コロナウイルスについて証言
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○24日01:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○24日02:00   米財務省、5年債入札
○24日02:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○24日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24日03:00   クオールズFRB副議長、講演
○24日04:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/18/15:10:37

日経平均株価:海外勢の分散投資が下支え

米国株式市場では主要3指数は下落したものの、日本株は米国株の流れを引き継ぐ展開とはならず底堅い展開となった。相対的にハイテク株比率が低い日本株に分散投資で海外勢などの買いが優勢となった。直近のアジア株の底堅さがクローズアップされており、アジアの結びつきが大きいとされる日本株に、海外投資家を中心に見直し機運が広がっている。結局、前営業日比40円高の2万3360円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:利益確定のドル買い戻しがやや優勢

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、104.87円付近へじり高となった。ただ、前日の海外時間に約1ヵ月半ぶりの安値104.53円を付けた反動で、利益確定や持ち高調整のドル買い・円売りが入りやすい面もあった。午後は新規の手掛かり材料に乏しく、104.80円前後で小動きとなった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

全国CPIは16年11月以来の下落幅でも円高になりやすい

総務省によると、8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.3となり、前年同月比0.4%低下した。およそ4年ぶりの低下幅となった。緊急事態宣言解除により6、7月はプラスとなったが、8月は再び落ち込んだ。GoToトラベル実施などもあり、宿泊料が前年比で3割超安くなったことが響いた。このほか、電気代やガソリン代などエネルギー価格や日用品の価格下落も影響した。

単純に米国の8月消費者物価コア指数は前年比+1.7%だった。そして昨日の米10年物国債利回りは0.685%で終了した。そのため、実質金利は▲1.015%になる。一方、日本の8月コア消費者物価指数は▲0.4%で、日10年国債利回りは昨日359回債で0.01%で終了した。そのため、実質金利は▲0.39%になる。そのため、実質金利の低いドル売り・円買いになりやすい。実質金利がマイナスということは、将来において通貨の価値が低下するため。

 

ニュージーランドは9年半ぶりにリセッション

ニュージーランドは新型コロナウイルスの封じ込めに成功したとみられたが、8月に最大都市オークランドで感染が再発し、外出制限や行動制限の再発動に追い込まれた。結果、今月予定された総選挙も来月に延期された。また、外出制限や行動制限再発動の影響で改善が進んだ企業マインドは一転頭打ちしており、景気回復の足取りが重くなると懸念される。事態収束に手間取れば政権や与党にとり『逆風』となるリスクもある。新型コロナウイルスの感染拡大と封じ込めに向けた対策の影響で、4-6月の実質GDP成長率は前期比年率▲40.47%と2四半期連続のマイナス成長となるなど9年半ぶりのリセッションとなった。内・外需双方で景気が下振れしており、分野別でもすべての産業で生産がマイナスとなる『総崩れ』状態となった。先行きは企業マインドの改善を受けた景気回復が期待されるも、感染再燃によるマインド悪化に加え、足下のNZドル高は景気回復の足かせとなる可能性もある。

 

東地中海の地政学リスク簡単には解決せずリラの重石

欧州理事会は昨日、欧州連合(EU)加盟国の海域で行われているトルコ資源探査の中止要求を、圧倒的な賛成多数で可決した。もっともトルコが素直に従うとは思われず、トルコEU関係の悪化懸念が通貨リラの重石の1つとなった。ところで、一時は軍事的な衝突さえも危ぶまれたトルコとギリシャだが、現状は軍高官レベルでの話し合いが続いている。ドイツも仲介に乗り出したとも報じられており、来週のEU首脳会議の前に何らかの進展があるかもしれない。ただ、キプロス沿岸でのトルコによるガス田掘削作業に関しては、キプロス共和国を承認していないトルコが権益を譲る可能性は極めて少ないと見込まれる。例えギリシャと折り合いがついたとしても、東地中海の緊張は簡単に緩まないと思われ、地政学リスクの高まりには依然として警戒が必要である。

 

南ア準備銀行は政策金利据え置きで約半年ぶりに上昇

注目された南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)では、政策金利を据え置くことを決定した。結果を受けてここ最近対ドルで強含んでいたランドだが、約半年ぶりとなる水準までランドは対ドルで上昇した。MPC後にクガニャゴSARB総裁は『新型コロナ次第ではあるが、21年成長は緩やかだろう』『先行き不透明感は高いままであり、今後の決定はデータ次第』『インフレは中期的には抑制されている』『MPCは一時的な価格ショックと感染第2波を注視』と発言している。今回は利下げを見送ったが、今年の成長見通しが悪化する中での利下げ見送りに対して南ア国内で疑問の声も出ている。

 

米国の労働市場の回復は鈍い:航空各社も10月1日で解雇開始

米労働省が発表した11日までの週の週次新規失業保険申請件数は前週比3.3万件減の86.0万件と前週から再び減少したほか3週連続で100万件割れとなった。予想85.0万件ほど減少せず微々たる減少にとどまっている。パンデミックによる経済封鎖から7カ月が経過したが、経済活動の再開が思うように進まず、失業保険申請者は3月にピークで過去最多となる686.7万人に達したのち減少傾向にあるものの依然新規の申請が100万件近くにのぼっている。パンデミック危機前の水準の4倍以上で前回2008年の金融危機時の水準もかなり上回ったままである。正常化にはかなりの時間が要すると見られる。4日までの週の失業保険継続受給者数が1262.8万人と、前回1354.4万人から予想以上に減少し、4月初旬以来で最小となったことはプラス材料となる。エコノミストは今後数カ月内に経済が再び新型ウイルス第2波により脅かされるリスクに警戒。航空各社のCEOは17日、大統領補佐官のメドウズ氏と会見し、解雇を回避するための追加支援を要請。政府支援が得られなければ10月1日付けで計画通り解雇が開始される。労働市場の状況が再び悪化する可能性に警戒される。

 

欧米ベント

○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.7%/前年比3.0%)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○15:00   8月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%)
○17:00   7月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:15   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○18:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.25%で据え置き)
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:1579億ドルの赤字)
○21:30   7月カナダ小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比0.5%)
○21:30   7月カナダ卸売売上高(予想:前月比3.5%)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.3%)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:75.0)
○23:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19日01:00   8月ロシア失業率(予想:6.2%)
○19日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○19日04:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/17/15:16:45

日経平均株価:円高とNYダウ先物の下落に連れ売り優勢に

外国為替でドル/円が一時104円台後半まで下落したこともあり、朝方は輸出関連株を中心にさえない展開となった。日経平均は売り一巡後は、円高が進まなかったことで下げ幅を縮小したが、NYダウ先物が軟調だったことで再び弱含んだ。日銀の禁輸政策決定会合の結果発表を控えており、様子見ムードも出ていた。16日米FOMC後の会見でパウエルFRB議長が量的緩和強化などを示さなかったことから、NYダウ先物が下げ幅を拡大したことに連れ日経平均も下げ幅を拡大した。結局、前営業日比156円安の2万3319円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株安でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いが先行し、104.88円付近まで下落した。ただ、前日のNY時間でつけた約1ヵ月半ぶりの安値104.80円が意識され、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.10円台へじり高となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、小幅値を下げて105.00円付近でもみ合う展開となった。今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとのムードもあり、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、ECB当局者によるユーロ高けん制発言を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ、1.1738ドル付近まで下落する場面があった。また、数人のECBメンバーが、さらなる景気刺激策の導入に前向きな姿勢を見せていることもユーロの重石となった。

 

トルコはギリシャだけでなくキプロスとの関係も悪化

OECD(経済協力開発機構)がトルコの20年成長率見通しを前回予測から上方修正(4.8%減から2.9%減)したが、市場の反応は限定的だった。東地中海に関してエルドアン・トルコ大統領とメルケル独首相が話し合ったと報じられたが、トルコはキプロス沿岸でのエネルギー資源探査は継続している。キプロス共和国を国として承認していないトルコが行動を改めるとは思えず、キプロスが加盟する欧州連合(EU)とトルコとの亀裂の深まりが懸念され る。

 

南ア準備銀行の金融政策委員会に注目

本日南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)が行われることで、結果次第の値動きになる。市場では3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗している。ここ最近はドルに対してランドが強含んでいることもあり、ポジティブサプライズに市場は大きく反応しそうである。なお、南アは今週末20日0時からロックダウンの水準が1へ引き下げになる。

 

メキシコ労働市場の回復は道半ばであることを確認

メキシコ社会保障研究所がまとめたところによると、メキシコの労働市場は8月に9万2390人の雇用増となった。雇用増となったのは2月以来で半年ぶりだが、新型コロナウイルスの感染拡大によって3-7月の5カ月間で失われた雇用者は111万人を超えており、今回の雇用増は過去5カ月間の失職数のうち8%強に過ぎない。さらに8月分の雇用増9万2390人のうち、半数は非正規雇用者となっており、労働市場の回復は道半ばであることが改めて確認された。 ロペスオブラドール大統領は今月の国民向け演説の中で『景気のV字回復がすでに始まっている』と述べ、今後の雇用増についても自信を示した。一方で、多くのアナリストは政府から民間への支援が限られていることを考慮すると、景気の回復は非常に遅いものになるだろうと懸念を示している。

 

ゴールドマン・サックス証券は景気の現状判断を上方修正

日銀が16-17日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。上場投信信託U(ETF)の買入上限も12兆円で据え置かれた。菅新政権発足後、初めて金融政策決定会合だったが、声明文で特に政府との関係について記述はなかった。ゴールドマン・サックス証券は17日付のレポートで「景気の現状判断は『きわめて厳しい状態にある』から『持ち直しつつある』へと上方修正された。項目ごとにみると、設備投資が下方修正された一方、輸出、生産、個人消費が上方修正された。先行き判断は『ベントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、改善基調をたどる』で据え置かれた」と指摘した。その上で「菅新首相は、安倍政権下と同様に、日銀と緊密な関係を維持し、雇用維持・企業存続に必要と判断すれば金融緩和をさらに進めたいと述べている」としながら、「特に、菅氏は為替安定を自身の危機管理の重要分野と位置付けている。従って、円高急進時には、日銀に対して追加緩和を促す可能性があるため一定の注意が必要だろう」とみていた。

 

米国株上昇の恩恵は富裕層が中心

米国株価の上昇により恩恵を受けている米国人は多くない。Pew Research Centerによると、米国で株式投資をしている家庭は52%で、そのうちの多くが401k(確定拠出年金)や他の退職年金が占めている。株式市場に直接投資をしているのは14%のみとなっている。また米連邦準備理事会(FRB)によると2020年1-3月期では米国の10%の富裕層が、株式の87%の株を所有しているとしている。これは2009年の82%から更に上昇している。一方で中間層と言われる全体の20%から80%の所得層は6.6%しか株式を保有していないとされている。このような状況下のため多くの米国の中間層も、株価上昇の恩恵を受けていない。人種別では株式の92%を白人家庭が保有し、黒人とヒスパニックはそれぞれ1.6%しか株式を保有していない。このような状況をみると連日史上最高値を更新しても、負の連鎖から抜け出ることができない多くの米国民がデモに参加することが理解できる。

 

米大統領選の表面上支持率はなおバイデン氏が優位

16日公表のロイター/イプソスの世論調査によると、米大統領選の野党・民主党候補バイデン前副大統領の支持率は与党・共和党の現職トランプ大統領を9%ポイント上回り、依然としてバイデン氏が優位に立っていることが分かった。トランプ氏が取り込みを狙う郊外地域の有権者の間で、『法と秩序』強調のメッセージは十分な共感を得られていない。調査は11-15日に実施した。投票に行く可能性が高いと答えた有権者のうち50%がバイデン氏支持を表明した。トランプ氏は41%にとどまった。態度未定ないし双方とも支持しないが9%残っており、これらの人々の動向が選挙の行方を左右する可能性もある。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00   7月ユーロ圏建設支出
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比▲0.2%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.4%)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは7450億ポンドで据え置き)
○20:00   英MPC議事要旨
○21:30   8月米住宅着工件数(予想:147.8万件、前月比▲0.9%)
        建設許可件数(予想:152.0万件、前月比2.3%)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:15.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:85.0万件/1300.0万人)
○22:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:3.25%に引き下げと3.50%で据え置きが拮抗)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/16/15:14:53

日経平均株価:日米イベント待ちで方向感欠く展開

外国為替市場での円高進行が嫌気されて小幅に続落して始まったが、日米の金融政策イベントを前に取引見送りムードも強く、大きく売り込まれる展開にはならなかった。前日の米ハイテク株高を受けて、ハイテク株の一角に買いが先行した。米ナスダック指数の戻り基調を受け、グロース(成長)株に資金が向かいやすくソフトバンクGが大幅高となり、1銘柄で日経平均を50円超押し上げた。結局、前営業日比20円高の2万3475円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:終日105.30円近辺でもみ合い相場

ドル/円は、米FOMCの結果発表を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが先行し、105.26円付近まで値を下げた。米長期金利が時間外取引で小幅に低下したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、8月28日に付けた105.20円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.30円を挟んだもみ合う展開となった。午後に入っても、105.30円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国景気は一進一退の展開:雇用環境がカギを握る

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国経済は深刻な減速に直面したが、事態収束と経済活動の正常化を受けて底入れが進んでいる。足下では感染拡大の震源地は新興国にシフトするなど不透明感はくすぶるが、主要国での経済活動再開の動きや米中摩擦の余波を受けて外需は底入れが進む。ただし、景気回復の動きにも拘らず不透明要因もくすぶる展開が続くなど、中国景気は一進一退の展開が続いている。8月の小売売上高は名目ベースで前年比+0.5%と自動車販売の押し上げを受けて年明け以降初めて前年を上回ったが、実質ベースでは同▲1.1%と試算出来るなど回復は道半ばの状況にある。 統計公表を巡る『小細工』は統計自体に対する信ぴょう性を損なう恐れもある。他方、景気回復の持続力は雇用環境がカギを握る状況は変わらない。

 

南アランドは17日のMPC会合待ちの展開

昨日ラマポーザ南ア大統領は企業や労働者などの代表で構成される『国家経済開発労働評議会』に出席し、大統領の経済回復計画に合意したと発表した。本日は南アの小売売上高が発表される。7月はたばこや酒類の販売が厳しかったこともあり、前年比では落ち込むことが予測されている。ただし明日17日、南ア準備銀行(SARB)が金融政策委員会(MPC)を開き政策金利を発表することで、本日の指標では動きにくい。

 

トルコとギリシャの地政学リスクが高まる

東地中海の領有権を巡り対立しているトルコとギリシャは昨日、両国軍の高官が北大西洋条約機構(NATO)本部で協議を行った。話し合いで両者の歩み寄りを期待したいところだが、妥協点を見つけるのは簡単ではない。そういったなかトルコメディは昨日、エーゲ海東部に位置するサクズ島(ヒオス島)をギリシャが武装化していると報じた。トルコはこれを国際条約違反だとしており、再び両国の緊張が高まることが危惧される。地政学リスクが強まったままでは、リラの買い難さは続く。

 

メキシコは休場のため急変には注意

FOMCの結果が公表される9月16日は独立記念日でメキシコ市場が休場となる。重要イベントと市場の流動性低下が重なるため、薄商い中で急激な変動が起こり得るリスクもある。そのため、本日からイベント前のリスク管理を徐々に進めておきたいところである。

 

トランプ大統領は中南米系票に訴え:激戦の西部を回る

米大統領選に向け、共和党のトランプ大統領は12~14日の3日間、中南米系の票の掘り起こしを狙い西部州を回った。支持率でリードする民主党のバイデン氏を逆転するには、激戦州で競り勝つことが不可欠。新型コロナ感染防止の規制を無視した集会も開き、なりふり構わず動いた。トランプ氏が訪問したのはネバダ、カリフォルニア、アリゾナの3州である。ネバダとアリゾナでは中南米系の市民を集めた会合を開催し『決してあなた方を失望させない』と訴えた。アリゾナは両氏の接戦で、ネバダでは最近トランプ氏が猛追している。両州の勝敗が全体の情勢に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 

米国市場では8月小売売上高が公表

7月実績は3ヵ月連続プラスとなり、総額はウイルスの感染流行前の水準を回復した。ただ、ウイルス感染者は増加しており、経済活動はやや制限されていることから、個人消費の持続的な拡大は期待できない。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表

今回の会合ではゼロ金利政策や量的緩和(QE)が据え置かれると見られている。FRBが新指針でのインフレ平均目標を発表後、初めての会合となるため同時に発表される景気、インフレ、金利見通しに特に注目される。FRBがインフレ平均目標という新指針を発表後、経済専門局であるCNBCが市場関係者対象に実施した調査によると回答者の大半はFRBが2023年まで利上げを行わないと見ていることが明らかになった。新指針では、インフレが平均目標となるため長期にわたり2%を割り込んだあと、平均が2%になるまで2%超のインフレを容認することになるため、当初の想定以上に長期にわたり低金利を据え置く必要が出てくる。焦点はFRBがどの程度までインフレの上昇を容認し、どの程度の期間ゼロ金利を維持するか。一部のFRB高官は2.25%-2.5%くらいは容認できると言及している。インフレの2%達成にはかなりの時間を要すると見られるが、現在のところ2%を上回るという保証もなく、かなり不透明な状況である。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比横ばい)
       CPIコア指数(予想:前年比0.6%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.3%/前年比0.6%)
○15:00   8月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比横ばい)
○18:00   7月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済193億ユーロの黒字)
○18:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   7月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲5.0%)
○20:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、ウェブセミナーに参加
○21:30   7月対カナダ証券投資
○21:30   8月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比0.4%)
○21:30   8月米小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比0.9%)
○23:00   7月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○23:00   9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:78)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○17日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○17日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○17日05:00   7月対米証券投資動向
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(英MPC、17日まで)
○メキシコ(独立記念日)、休場

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