FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/09/01/15:21:53

日経平均株価:売り買い材料乏しく小幅な値動きの展開

前日の米国株でNYダウとS&P500が下落するなど買い材料に乏しく、マイナス圏とプラス圏を行き来する方向感に欠ける展開となった。しかし、8月の中国製造業PMIが発表された後はプラス圏に浮上した。売り買いとも材料に乏しく、方向感を欠いた値動きとなった。結局、前日比1円安の2万3138円と値幅の小さい展開で推移した。

 

東京外国為替市場:ドル/円の106円台上値の重さが意識

ドル/円は、自民党総裁選で菅官房長官が有力視されているため『アベノミクス』が継承されるとの思惑からドル買い・円売りが先行、106.03円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場で付けた高値106.09円が意識され、上値を追う動きは限られた。その後は、FRBによる低金利政策が長期化するとの観測からドルは全面安となり、主要通貨に対するドルの値動きを示すインデックスは約2年4ヵ月ぶりの低水準を記録した。ドル/円はこの流れが波及してドル売り・円買いが進み、105.60円付近まで下落した。また、一部メディアが『中国は台湾海峡に軍用機を送り込んでいる』と報じたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後は、今晩発表される8月米ISM製造業景況感指数を控えたポジション調整などのドル買い・円売りが入り、105.70円台へ値を持ち直した。しかし、米中の対立が激化するとの懸念がくすぶっていることから、ドルの反発は限られ、105.65円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日にクラリダFRB副議長がオンラインのイベントで金融緩和の長期化を示唆したことから、海外全などがユーロ買い・ドル売りに動き、1.1997ドル吹きまで値を上げた。

 

新首相誕生までの日程

自民党は31日、総裁選を9月8日告示、同14日投開票の日程で実施する案を決めた。1日の総務会で、党員投票は行わず両院議員総会で選出する方針を決定する。選挙日程は2日に総裁選挙管理委員会を開いて確定する。次期首相の座を懸けた選挙戦が事実上スタートする。新総裁は臨時国会が召集予定の16日に新首相に指名され、新政権が発足する見通しである。

 

ランド買いも一時的:NECで期待したほどの発表なくランド失速

ランド/円は月末の31日に月初来高値を更新し、一時7月29日以来となる6.38円まで上昇した。これは、週末に行われた与党アフリカ民族会議(ANC)の全国執行委員会(NEC)を現政権が乗り越えたことが、ランドの支えとなった。また、週末にムボウェニ南ア財務相が辞任した(もしくは辞任する)といううわさが流れたが、これを財務相がツイートできっぱりと否定したこともランド買いにつながった。 しかし、NY参入後は上値も抑えられ、徐々に下げ幅を拡大し6.23円まで下がり、ボラタイルな動きになった。ANCのNEC後の記者会見で、市場予想が期待したほどの発表がなかったことが売り要因になりました。

 

トルコの感染拡大による経済へのダメージが浮き彫り

欧州序盤に発表された4-6月期トルコGDP(前年比)は9.9%減と、市場予想の10.7%減よりもマイナス幅を縮めた。もっとも、落ち込み幅は2009年1-3月期以来の水準であり、新型コロナ感染拡大によるトルコ経済へのダメージが浮き彫りになった。ただ、GDPの結果を受け、アルバイラク財務相はV字回復の兆候を示していると述べていたが、やや楽観視し過ぎている。トルコは東地中海のエネルギー資源探査の期間を延長するとし、領有権を巡るギリシャやキプロスとの緊張は更にエスカレートしそうな状況である。周辺域での軍事演習も継続され、北大西洋条約機構(NATO)同盟国であるギリシャとの偶発的な衝突への懸念が増している。トルコが貿易で頼るところが大きい欧州連合(EU)からの制裁が現実味を帯び始め、リラを買い難くさせている。

 

S&P500が最高値語は円相場は安定化する可能性が高い

米国株S&P500は2月の過去最高値を更新してきたが、過去実績として為替市場では円相場の『安定化』が高確率で支援されてきた。リスク選好がクロス円を中心に円安要因となるほか、過度な米国債金利の低下歯止めや、景気の先行指標である株価の上昇を受けた米国景気の遅行改善などがドルの下支え要因となりやすい。今回もまた、米国株の過去最高値更新後のドル安・円高歯止めや円相場の安定化、ドルの底上げ軌道入りといった『過去ジンクスの踏襲』が注目されやすい。こうした過去ジンクスの背景については、1)米国株の最高値上抜けで上値余地が広がり、リスク選好がクロス円を中心に円安・外貨高を支援する、2)安全逃避の後退などで、過度な米国債金利の低下に歯止めが掛かる(ドル安抑制)、3)株価は景気の先行指標であり、米株の最高値更新のあとは米国の景気が遅行改善に向かいやすい、といった要因がある。

 

米国市場では8月ISM製造業景況指数が公表

7月実績は54.2だった。18業種のうち13業種の活動が拡大した。生産指数は2018年8月以来となる62.1となり、受注指数は61.5に上昇した。受注増加による在庫減少を受けて、生産を増やす動きが広がった。8月については、受注指数と生産指数は引き続き好調とみられており、全体的に7月実績と同水準の数値になると予想される。

 

欧米市場イベント

○16:00   8月トルコ製造業PMI
○16:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、オンラインイベントに参加
○16:30   8月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:51.6)
○16:50   8月仏製造業PMI改定値(予想:49.0)
○16:55   8月独製造業PMI改定値(予想:53.0)
○16:55   8月独雇用統計(予想:失業率6.4%/失業者数変化▲2000人)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:51.7)
○17:30   7月英消費者信用残高(予想:8億ポンド)
○17:30   7月英マネーサプライM4
○17:30   8月英製造業PMI改定値(予想:53.3)
○18:00   7月ユーロ圏失業率(予想:8.0%)
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比0.2%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.8%)
○21:00   4-6月期ブラジル国内総生産(GDP、予想:前年同期比▲10.6%)
○22:45   8月米製造業PMI改定値(予想:53.6)
○23:00   8月米ISM製造業景気指数(予想:54.6)
○23:00   7月米建設支出(予想:前月比1.0%)
○2日02:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○2日03:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○2日03:00   8月ブラジル貿易収支(予想:68.48億ドルの黒字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/31/15:17:28

日経平均株価:買い安心感広がり大幅上昇

安倍首相の後任を選ぶ自民党総裁選で菅義偉官房長官が出馬を検討していると伝わり『政策の継続性』期待感が浮上した。また、著名投資家バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが5大商社株を5%超取得したと伝わったことも買い安心感が広がったことで、一時上げ幅を460円へ広げた。結局、前日比257円高の2万3139円と4営業日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は株価の動向に連れる展開

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末に絡むドル売り・円買いフローが持ち込まれ、105.30円付近へ下落した。しかし、28日に付けた105.20円が下値目処として意識され、下げは一服した。その後は、日経平均株価の大幅反発や中国株高に支えられ、105円台半ばへ切り返す展開となった。午後は持ち高調整的ドル買い・円売りが持ち込まれ、105.70円付近へ上昇する場面もあった。しかし、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから伸び悩み、105.60円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、高値警戒感から利益確定などのユーロ売り・ドル買いに押され、1.900ドル付近へじり安となった。

 

ドル買い比率が上昇:首相辞任表明で取引活発化

QUICKが31日に算出した前週末28日時点の店頭の外国為替証拠金(FX)8社合計(週間)の建玉状況によると、前週のFX取引で円に対するドル買い比率は上昇した。『ドル・円』取引の総建玉に占めるドル買い建玉の比率は75.0%と前の週末から4.4ポイント上昇した。週末にかけて円高が進んだのを受け、個人投資家による相場の流れに逆らった『逆張り』の円売り・ドル買いが出た。安倍首相が28日午後、辞任の意向を表明した。日銀の金融緩和観測の先行きに対する不透明感が意識されたことで前週末の海外市場で円は一時1ドル105.20付近まで上昇した。『首相の辞任表明をきっかけにFX取引が活発になり、105円台では相場の反転を狙った円売り・ドル買いの持ち高を増やす個人投資家が多かった』との指摘があった。

 

欧州市場では8月独消費者物価指数(CPI)が公表

8月独消費者物価指数(CPI)速報値は、前月比横ばい、前年比+0.1%と予想されており、7月の前月比-0.5%、前年比-0.1%から、新型コロナウイルスによるデフレ圧力の後退が見込まれている。予想通りならば、欧州中央銀行(ECB)によるパンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)の全額消化観測が後退する可能性が高まることになる。レーンECB専務理事兼主任エコノミストは、先週開催されたジャクソンホール会合で、『ECBはインフレ目標達成の遅延をこれ以上は容認できないため、ECBには必要に応じて全ての政策措置を調整する用意がある』と述べており、ネガティブサプライズにも要警戒となる。

 

米バークシャー・ハザウェイが日本の商社株取得

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイは30日、日本の5大商社の株式をそれぞれ5%超取得したと発表した。バークシャー傘下のナショナル・インデムニティが31日に財務省関東財務局に提出した大量保有報告書にyると、伊藤忠商事:5.02%、丸紅:5.06%、三菱商事:5.04%、三井物産:5.03%、住友商事:5.04%、それぞれ取得した。30日に90歳の誕生日を迎えたバフェット氏は『日本の未来にバークシャー・ハザウェイとして参加することは喜ばしい』と表明した。『5大商社は世界各地に合弁事業が多数あり、今後さらに増やす公算が大きい。将来的に相互に有益な機会があることを望む』とした。

 

メキシコ中銀の3つの経済シナリオ

メキシコ中銀が発表した四半期の報告書では、新型コロナウイルスの先行き不透明感から3つのシナリオを想定していると発表しました。まとめると以下になります。
⓵最良のシナリオ :第2四半期を底に急速に回復し、2020年GDPは-8.8%に留まる。2021年には+5.6%の回復。②中間シナリオ: 2020年GDPは-11.3%を予想。最悪の場合には-12.8%となり、深いU字型の景気後退。 ③最悪のシナリオ :2020年GDPは-12.8%まで落ち込む。2021年は+1.3%の回復に留まる。
ディアス総裁は半期を通じて経済が同じような形で成長し続けるかどうかが鍵として、そうなれば2021年には勢いのある回復を見せると楽観的な見解を示した。一方で、2019年末までの経済状況に戻るためには十分ではないと悲観的なコメントも残している。 なお、雇用については前回報告書の140-180万人の雇用喪失から110-175万人の喪失とやや上方修正した。2020年末インフレについても+3.5%から+3.7%に引き上げた。今後1-3年の間でメキシコの格付けが投資適格のソブリン信用格付けを失う可能性について中銀のチーフアナリストは「私は可能性がある。マクロ経済の枠組み、特に財政の安定性、確実性、堅実性を高める政策を採用することで、可能な限り回避すべき」と述べた。

 

南アランド/円は売り・買いのフローにより方向感が出にくい展開

南ア国内のウイルス感染の拡大は横ばいになっているが、電力供給不足や失業問題で、本来であればランド/円はより一層弱含んでも良い状況にある。先々週発表されたアブサ銀行の決算も、上半期の1株当たりの利益は93%減少した。また同行は『8月の経済指標はほとんどの地域でウイルス拡大の鈍化を示しているが、不確実性の高まりが企業の信頼と投資を弱め、消費者にとって厳しい状況が続く』としているように、南ア経済で明るい話題を探すのは依然として難しい状況である。しかし、先月から続くドル売り地合いがランドに波及し、ランドを買い支える要因になっていることから、両サイドのフローにより方向感が出にくい状態である。今週は31日に7月貿易収支が発表される。発表が延期となっている4-6月期の失業率は今週発表予定となっているが、再々延期も否定できない。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月南アフリカマネーサプライM3
○15:30   7月スイス小売売上高
○16:00   4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比▲10.7%)
○16:00   7月トルコ貿易収支(予想:27.3億ドルの赤字)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   7月南アフリカ貿易収支(予想:125億ランドの黒字)
○21:00   8月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比0.1%)
○21:00   4-6月期インドGDP(予想:前年同期比▲19.2%)
○21:30   7月カナダ鉱工業製品価格
○21:30   7月カナダ原料価格指数
○22:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、討議に参加
○英国(サマーバンクホリデー)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/28/15:16:54

日経平均株価:安倍首相辞任報道で失速

米FRBが27日にゼロ金利政策の長期化に向けた新しい政策指針を決め株式市場への資金流入が続くとの見方から投資家心理が上向き買い安心感に繋がった。また、1ドル=107円近辺まで円安が進み、自動車など輸出関連株が採算改善期待から一段高となった。さらに、香港などアジア株の堅調も投資家心理を支えた。しかし、午後に『安倍首相が辞任の意向を固める』と伝わり、国内政治情勢に対する不透明感から一気に売りが膨らみ、一時下げ幅は600円超となった。結局、前営業日比326円安の2万2882円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:安倍首相辞任報道でリスク回避の円買い

ドル/円は、米長期金利上昇や日経平均株価が買い先行で始まったことに支えられ、106.85円付近までじり高となった。海外勢などから月末に絡むドル買い・円売りフローも継続的に観測された。午後もこの流れが続き、106.94円付近まで上げたが、心理的節目の107.00円が意識されると上げは一服した。その後は、一部メディアが『安倍首相は持病が悪化したことなどから、国政に支障が出る事態を避けるために辞任の意向を固めた』と報じた。この報道を嫌気して日経平均株価が大幅安になると、ドル/円は、リスク回避の円買いが津尾真理、一時106.10円付近まで急落した。ユーロ/ドルは、FRBによる事実上のゼロ金利政策が長期化するとの思惑から、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.18ドル台後半へ水準を切り上げた。

 

南アフリカでは電力不足が経済の足かせ

このところの南アフリカでは電力不足が経済の足かせとなり、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大と強力な感染対策による経済活動の制限で下押し圧力が掛かった。 政府は財政・金融政策による景気下支えを図るが、主要格付機関は軒並み格下げを実施するなど厳しい状況に直面した。さらに、先月には感染拡大を受けて夜間外出禁止措置の再開に追い込まれるなど、南ア経済を取り巻く状況は厳しさを増してきた。アフリカ大陸では新型コロナウイルスの感染拡大が続く一方、南アでは先月末をピークに感染者数は鈍化するなど事態収束の兆候が出ている。政府も17日夜に警戒レベルを緩和してほぼすべての経済活動で制限が解除されるが、電力不足は経済の足を引っ張るとみられる。

 

地政学リスクもトルコリラの重石

トランプ大統領は、トルコとギリシャに対して『対話で解決すべき』と述べたが、双方の首脳は東地中海における自国の正当性を押し出しており、妥協点は簡単に見つかりそうにない。トルコ政府は昨日、来月1-2日に東地中海で海軍による砲撃訓練の実施を発表し、ギリシャを刺激し続けている。それに対して、ギリシャだけではなく、その後ろ盾となっているフランスがトルコへの強硬な姿勢を崩していない。EU加盟国と偶発的な衝突リスクが高まるなか、リラの買い難さは続いている。また、トルコ中銀は昨日、21日時点での外貨準備高(グロス、金保有額を除く)が454.3億ドルと、前週比では横ばいだったことを明らかになった。もっとも、年初来では約44%も減少しており、準備高枯渇への懸念は高まったままである。

 

パウエル米FRB議長講演では具体策を欠く内容

カンザスシティ連銀主催の連邦準備制度理事会(FRB)年次経済政策シンポジウムで、パウエル議長は27日、金融政策の決定においてインフレ目標の変更を発表した。パウエル議長の会見では、インフレをどのように引き上げるかなど重要な具体策に欠けた。また、フォワードガイダンスに関する言及もなかった。このため、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、①フォワードガイダンス、②スタッフのインフレ見通し、③インフレを引き上げる手段、に注目が集まる。 ダラス連銀のカプラン総裁は、FRBが容認する緩やかなインフレの過熱はおそらく、2.25%-2.5%前後となるだろうとしている。コアPCEが2.5%前後をつけたのは2006年。この水準のインフレ回復は容易ではない。現状で失業率は10%超え。インフレ目標を変更しようが、物価達成には程遠く、急伸する確率は非常に低い。このため、FRBはゼロ金利を数年維持することになると見られている。

 

米国は農産物履行めぐり対中姿勢軟化か

米通商代表部(USTR)のグレッグ・ダウド首席農業交渉官はこれまで、第1段階貿易合意で中国が公約した米農産物購入拡大の履行を強く求めてきたが、こうした姿勢を和らげた。ダウド氏は27日、米大豆輸出協会のオンラインセミナーでの講演で、第1段階合意の拘束力や履行メカニズム、関税の再賦課への言及を控えた。また、順守しない場合の制裁に関する質問を受け、同氏は『これは2年間の公約だ』と強調した。ダウド氏は今年2月、米農務省の定例フォーラムで、米中両国は履行状況の進展を話し合うため毎月会合を開くとし、実行が不十分な場合は損失額に相当する規模の関税を課す可能性があると述べていた。
中国は第1段階合意の下で今年1年間に米農産物を365億ドル(約3兆9000億円)相当を購入することになっているが、米国勢調査局が25日に公表したデータによれば、中国の1-7月の購入額は76億3000万ドルと目標の約23%にとどまっている。

 

米国市場では7月PCEコア価格指数が公表

6月の実績は前年比+0.9%にとどまった。個人消費の持ち直しが期待されていたが、上昇率は1%を下回った。7月については、ウイルス感染の増加が懸念されているが、失業手当の上乗せ措置が継続しており、衣料や宿泊費などの支出増加で伸び率は6月実践をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独輸入物価指数(予想:前月比0.2%/前年比▲4.7%)
○15:00   9月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:1.0)
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比0.1%)
○15:45   7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   7月仏消費支出(予想:前月比1.2%)
○15:45   4-6月期仏GDP改定値(予想:前期比▲13.8%)
○16:00   8月スイスKOF景気先行指数(予想:90.0)
○16:30   4-6月期スウェーデンGDP(予想:前期比▲8.6%)
○17:00   安倍晋三首相、記者会見
○17:00   8月ノルウェー失業率(予想:4.7%)
○18:00   8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:85.0)
○18:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.7)
○21:30   6月カナダGDP(予想:前月比5.6%/前年比▲9.1%)
       4-6月期カナダGDP(予想:前期比▲39.6%)
○21:30   7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比1.5%)
       7月米個人所得(予想:前月比▲0.2%)
       7月米PCEデフレーター(予想:前年比1.0%)
       7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.5%/前年比1.2%)
○22:05   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演(ジャクソンホール会議にて)
○22:45   8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:52.0)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:72.8)
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「今後10年の進路:金融政策にとっての意義」(テレビ会議方式で開催、最終日)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/27/15:11:10

日経平均株価:米中関係悪化懸念が上値の重石

米国株高を受け買いが先行したが、米国が26日に南シナ海軍事拠点建設に関わった中国企業24社に禁輸措置を発動し香港英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』(26日電子版)が『中国が青海省と浙江省から南シナ海に対艦弾道ミサイルを発射した』と報じた。そのため、米中対立激化を嫌気して景気敏感株中心に利益確定売りが優勢となった。一方で、新規手掛かり材料に乏しくアジア株も高安まちまちでパウエル米FRB議長の講演を前に様子見ムードが強く『夏枯れ相場』の予想を呈している。結局、前営業日比82円安の2万3208円と小幅続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中関係の悪化懸念からドルの上値の重い展開

ドル/円は、中国軍が南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルを発射したため、米中関係のさらなる悪化を警戒したドル売り・円買いが先行し、105.85円付近へ下落した。東京市場でもこの流れは続き、日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたことも嫌気されて105.80円付近まで下落した。しかし、今晩のジャクソンホールで予定されているパウエルFRB議長の講演を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに動き、一時106.07円まで上昇した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.00円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは1.18ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

S&P500とVIX指数の同時上昇で下落リスクに警戒

26日の米国株式市場ではS&P500が上昇したにも関わらず、VIX指数(恐怖指数)も上昇した。年初から26日まででS&P500が前日比で上昇したのは97営業日である。そのうちVIX指数も上昇したのは13営業日にとどまり、珍しい出来事だったことが分かる。しかも、S&P500の1%超高とVIXの5%超高が同じ日に上昇したのは、過去10年さかのぼっても今年6月8日と昨日26日だけである。これは高値警戒感から現物株や先物を買い増すことにはためらいがあるが、株高が止まらないので『株高リスク』に備える目的のコール(買う権利)買いが入ったためである。弱気派の退潮は市場参加者が総じて楽観に傾いている裏返しで、株安進行のマグマが蓄積されているともいえる。前回は6月9日から3日間の下落は2,444ドルとなり、11日には過去2番目の1,861ドルの下落幅を記録している。

 

IKEAが新工場をメキシコに建設、鴻海精密工業も検討

24日には『鴻海精密工業など複数の台湾企業がメキシコでの工場建設を検討』との一部報道が伝わったが、世界最大の家具量販店であるIKEA(イケア)もメキシコに新工場を建設すると発表した。メキシコ北部のコアウイラ州に建設する新工場は2021年の4-6月には完成予定としている。10万平方メートルにおよぶ新工場では北米のイケアストアで販売されているマットレスやソファなどを製造する予定で、現地では2000人の新規雇用が見込まれると伝わっている。

 

ハマスの幹部数名がトルコ市民権を得る:活動範囲の拡大を警戒

英テレグラフ紙は今月半ば、多くの国がテロ組織に指定する『ハマス』の幹部数名に、トルコが市民権を与えたと報じた。トルコパスポートを所持していれば、日本、韓国やシンガポール、その他複数の国にビザなし渡航が可能であり、ハマスの活動範囲が広がり、行動が掴み難くなることが警戒されている。トルコのイスラム化を推し進めるエルドアン大統領は、この『ムスリム同胞団』を支援している。そのため『ハマス』についても、2年ほど前に『ハマスはテロ組織ではない』とSNSで配信した。

 

トランプ氏は米国大統領選に向けて勢いを巻き戻す

世界最大の賭けサイト、英ベットフェア・エクスチェンジによると、11月の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領が勝率で民主党のバイデン候補との差を縮めていると報じている。ベットフェアによると、トランプ氏が勝利する確率は45%。バイデン氏は54%でなおリードを維持しているものの、6月初旬の62%から低下した。ベットフェアは『大統領候補の正式指名以降、両候補の勝率の差は大幅に縮小した』と指摘している。

 

パウエル米FRB議長のジャクソンホール演説に市場は注目

カンザスシティ連銀主催の連邦準備制度理事会(FRB)年次経済政策シンポジウムで、パウエル議長は27日に金融政策の骨組みの見直しに関する講演を行う。通常はワイオミング州、ジャクソンホールで非公開で実施されるが、パンデミックの影響で今年はリモートで行われ、ライブ配信で公開される。 FRBはこの機会を利用し、インフレ対処の手段の変更を明らかにすると予想されている。議長はインフレ目標値の上下レンジを容認する政策に関して協議すると見られている。新型コロナウイルスパンデミックが経済を損ない、FRBは低インフレを懸念している。長期にわたる低成長、物価安に閉じ込められる可能性を回避するために、インフレを一時的に若干過熱させることを検討している。インフレの目標が一段と引き上げられるためFRBはゼロ金利をさらに長期にわたり維持していく必要がある。具体的な政策が提示されればドル売りや資産市場の上昇に繋がる。逆に、もし、今まで通りに、2%目標でインフレが持続するまで大規模緩和を維持するとの方針の再表明にとどまった場合はドルのショートカバーが強まる。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)改定値が公表

速報値は前期比年率▲32.9%だった。3月下旬頃から実施された都市封鎖によって、多くの小売業・サービス業が営業を停止したことによって、個人消費支出が大幅に減少したことが米国経済の急激な縮小につながった。経済環境の急速な悪化を受けて、企業設備投資も大幅に減少した。改定値で上方修正される項目は少ないとみられており、速報値との比較でわずかな改善にとどまる見込となっている。

 

欧米市場イベント

○未定 ◇ 8月月例経済報告
○14:45   4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比▲8.6%/前年比▲9.6%)
○15:45   8月仏企業景況感指数(予想:88)
○17:00   7月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比9.2%)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.0%/前年比1.7%)
○20:00   7月メキシコ貿易収支(予想:4.29億ドルの黒字)
○21:30   4-6月期カナダ経常収支(予想:122.0億カナダドルの赤字)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率▲32.5%)
           個人消費(改定値、予想:前期比年率▲34.6%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比年率▲1.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:100.0万件/1445.0万人)
○22:10   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、金融政策の枠組み見直しについて講演(ジャクソンホール会議にて)
○23:00   7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比2.0%/前年比10.8%)
○28日00:15   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、講演(ジャクソンホール会議にて)
○28日00:50   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○28日01:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○28日02:00   米財務省、7年債入札
○トランプ米大統領、共和党大会で指名受諾演説
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)、テーマは「今後10年の進路:金融政策にとっての意義」(テレビ会議方式で開催、28日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/08/26/15:11:27

日経平均株価:前日終値近辺で方向感欠く展開!

米国株式市場でS&P500とナスダック総合指数が最高値を更新したが、日経平均は前日にコロナ急落直前の水準を回復した達成感などもあり、利益確定売の動きが優勢となった。また、NYダウ先物や香港株の下落が重荷となったものの、根強い新型コロナウイルスのワクチン開発期待や円安などが支えとなった。結局、前営業日比5円安の2万3290円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:FRB議長の講演を控え106.40円前後でもみ合い

ドル/円は、米中対立懸念の後退でドル買い・円売りが先行し、106.56円まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた106.58円が上値の目処として意識され、上げは一服した。その後は、国内輸出企業などがドル売り・円買いに動き106.45円前後で取引された。午後は、中国株安や米株価指数先物の下落がリスク回避の円買いを誘い、106.35円へ下落した。ただ、27日に予定されているジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えて下値を追う動きは限られ、106.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇を眺めたユーロ売り・ドル買いが入り1.1805ドル近くへじり安となった。

 

28日の安倍首相の会見に注目:コロナ対策説明と体調に言及も

安倍晋三首相は28日に記者会見を開く調整に入った。政府の新型コロナウイルス対策を説明するのに合わせ、体調不安説が出ている自らの健康状態にも言及する見通しとなっている。首相官邸で記者会見を開くのは通常国会閉幕後の6月18日以来となる。首相は17、24両日に2週連続で都内の病院を訪れた。検査内容や結果について『またお話をさせていただきたい』と説明する考えを示していた。25日は2週間ぶりに午前中から首相官邸での執務にあたり、閣議や閣僚らとの面会をこなした。午前中に官邸に入ったのは11日以来だった。

 

金ETFから資金が流出:資金流入基調に一服感

25日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(GLD)から資金が流出した。2億1909万ドルの資金流出となり、14日(2億3742万ドル)以来、1週間ぶりの大きさを記録した。この日の米国市場でGLDは3営業日ぶりに小反発して0.12%高で終えたが、NY金先物が2000ドルの大台を割り込んで以降、8月初めまで活発だったGLDへの資金流入は一服感がある。それでも25日時点の年初来で196億ドル超の資金が流入し、今年はナスダック100指数と連動するパワー・シェアーズQQQ(140億ドル)を上回る資金を呼び込んでいただけに、FRBの金融緩和の長期化を期待したフローの巻き戻しが引き続き警戒される。この日は銀を投資対象とするiシェアーズ・シルバートラストETFからも1億2515万ドルの資金が流出した。

 

トルコリラは下値模索の様相:リラ買い材料乏しい

トルコ国内では、主要産業の1つである観光セクターが低迷していることもあり、景気先行きの不透明感は根強く、また実質金利マイナスが続くなかでドル化の流れが続いている。トルコ中銀は高めの調達金利に誘導し『裏口の金融引き締め』を実施してはいるが、為替相場でリラ買いを促すものとはなっていない。 東地中海のエネルギー資源探査を巡るトルコとギリシャの対立激化も、リラを買い難くさせている。昨日はチャウショール・トルコ外相が『もしギリシャが緊張をエスカレートさせるようならば、トルコは躊躇なく必要な行動を取る』と述べ、強硬な姿勢を再度示した。ドイツが仲介役として動き始めたが、両者が歩み寄ることができるのかは不確かな状況でる。

 

メキシコの大きなポジティブ材料:中国の代替地

昨日一部報道で『鴻海精密工業など複数の台湾企業がメキシコでの工場建設を検討』と伝わった。報道によると鴻海精密工業は新規工場で米アップルのiPhoneを製造する計画のようである。米中貿易摩擦の激化懸念が意識されるなか、世界のサプライチェーンにおける中国の代替地としてメキシコの存在感が増していることは、中長期的に大きなポジティブ材料と言える。

 

パウエルプット発動ならドル安トレンドが長期化する可能性も

パウエルFRB議長は、米国東部時間27日の午前9時10分(日本時間午後10時10分)から、『金融政策の枠組みの再構築(The Monetary Policy Framework Review)』という演題で講演する。7月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2018年末に金融政策の枠組みを見直すことを決定したことを受けて、金融政策を微調整し、積極的な刺激策を従来の見通しよりも長期間堅持する可能性が検討されており、FRBの政策枠組みの見直しが注目されている。7月FOMC議事要旨で、インフレ率2%上限の撤廃が示唆されたが、インフレ率2%超えを容認するフォワードガイダンスにより、パウエル・プットが発動されるのかもしれない。その際は、ドル安トレンドが長期化する可能性が高まることになる。

 

米国市場では7月耐久財受注が公表

6月実績は、前月比+7.6%だった。主に輸送関連が増加し、全体を押し上げたが、民間航空機はキャンセルが増加し、大幅なマイナスとなった。電子機器やコンピューター・周辺機器などは小幅増となった。7月については、6月に続いて輸送関連の受注増が予想されているが、企業設備投資の大幅な増加は期待されていないことから、受注額の伸び率は6月実績を下回る見込みとなった。

 

欧米市場のイベント

○15:45   8月仏消費者信頼感指数(予想:94)
○16:00   カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○17:00   7月南アフリカCPI(予想:前月比1.2%/前年比3.1%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4-6月期メキシコGDP確定値(予想:前期比▲17.2%/前年比▲18.8%)
○20:30   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   7月米耐久財受注額(予想:前月比4.3%/輸送用機器を除く前月比2.0%)
○23:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○27日01:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○27日02:00   米財務省、5年債入札
○米共和党全国大会(3日目)、ペンス氏が副大統領候補指名受諾演説

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