FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/08/15:12:46

日経平均株価:大統領選を巡る不透明感が後退して買い優勢に

前日の米国株式相場が上昇したことを受け、朝方から買いが先行した。その後も米国の追加の経済対策への期待が下支えした。米CNNの調査によると、日本時間8日に催された米副大統領候補のテレビ討論会について、勝利者はハリス(民主党候補)との回答が59%、ペンス氏(共和党現職)は38%だった。そのため、『(民主党の)バイデン大統領候補の優位がより確かになり、大統領選を巡る不透明感が後退した』ことで、株式市場にはプラスとの見方が増えた。結局、前営業日比224円高の2万3647円と反発して終了した。海外投資家は9月第5週は571億円の売り越しとなり、4週連続となった。

 

東京外国為替市場:ドル/円は106.00円を挟んでもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、106.11円付近まで上昇した。トランプ大統領が航空会社や中小企業に対する支援策導入について、前向きな姿勢を示していることもリスク選好の円売りを誘った。しかし、高値警戒感から上値では利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、106.00円を挟んでもみ合いとなった。ペンス米副大統領とハリス米民主党副大統領候補による討論会では、ドル/円の相場では影響は限定的だった。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.90円台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩の株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、新規の手掛かり材料に乏しく1.17ドル後半で小幅な値動きに終始した。

 

GPIF外債比率は目標値に接近か:利食い売りの可能性も

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の保有資産に占める外国債券の構成比が上昇し、2020年度からの目標値に近づいた可能性がある。モルガン・スタンレーMUFG証券が試算した。運用資産全体が増加傾向にある中、7-9月期に積極的に買い増したとみられる。同社の推計では、GPIFが9月末時点で保有する外債の構成比は過去最高の24.1%と、目標値25%に接近した。6月末時点の実績値は21.81%だった。
財務省の統計によれば、国内年金の投資動向を映す銀行の信託勘定は、海外中長期債の買い越し額は7-9月に合計5兆6697億円と統計でさかのぼれる05年度以降で最高となっており、世界最大規模の年金基金であるGPIFが外債を積極的に購入している可能性がうかがえる。

 

英国とEUの離脱交渉はなお楽観的見方多い

英国の欧州連合(EU)離脱交渉に関与する政府高官は7日、英国とEUは66%の確率で自由貿易協定(FTA)で合意できるとしながらも、ジョンソン首相が示した今月15日の交渉期限を掲げ、合意を急ぐ考えを示した。ジョンソン首相は9月、協議の膠着状態が10月15日まで続けば、EUとのFTA合意を断念すると表明した。EU離脱交渉担当者、デービッド・フロスト氏は英議会で『(交渉の)着地点、および合意の内容については、現時点ではまだ明確には分からない。合意は可能だが、合意に至らない可能性もある』とし、ジョンソン首相が示した10月15日が現在も交渉期限だと述べた。
ただ、英国は『決して扉を閉ざさない』とも表明した。大枠合意が得られれば、15日以降は文言を巡る多大な作業が待ち受けているとし、『15日が近づくにつれ、ジョンソン首相が示した条件が満たされているかどうか首相に報告する必要が出てくる』と述べた。

 

ノルウェーの最大油田が10日にも生産停止

ノルウェー石油大手エクイノールは7日、同国沖北海にある 最大油田『ヨハン・スベルドラップ』について、労働者ストが14日までに収束しなけれ ば、生産停止を余儀なくされると明らかにした。同油田の最大生産能力は日量47万バレ ルである。エクイノールの広報担当者はロイター通信に対し、今週初めに停止した6油田に加え、 小規模な石油・ガス田4カ所もストの影響を受け、早ければ10日にも生産を停止する見 通しだと説明した。既にストで生産停止に追い込まれている石油・ガス田に加え、ヨハン・スベルドラップ などの閉鎖により、減産量は合わせて日量約93万4000石油換算バレル(BOE)に 拡大する見込みである。

 

米大統領選でバイデン優位ならトルコリラの重石

米国はこれまで、北大西洋条約機構(NATO)の仮想敵国ロシアからトルコが地対空ミサイルを購入したことに対し、米最新戦闘機プログラムからのトルコ排除は表明しながらも、その他の厳しい措置は取ってこなかった。それは、トランプ大統領とエルドアン・トルコ大統領の良好な関係が、対トルコ制裁を避けられた理由の1つとされている。しかしながら米大統領選で優位を保つ民主党候補のバイデン前副大統領は、トルコに対し厳しい声を既に発している。11月の投票日まで1カ月を切るなかで、新たな大統領誕生への機運の高まりは、トルコにとって逆風と受け取られる。

 

米FOMC議事要旨では目新しい材料なく

米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月15-16日開催分)を発表した。FOMCメンバーは見通しには財政支援策をすでに織り込んでいるとし、持続的な景気回復にはさらなる経済救済策が不可欠であると強調した。追加金融緩和が示唆されるかどうかに注目されていたが、追加金融措置導入に関する公約を差し控えた。金利に関する新指針の導入で柔軟性を保つ。さらに、この会合は大統領選挙前の最後の会合であったこともありさらに、追加財政策の行方も不透明で見通しに著しい不透明感があったことも追加緩和の公約を控え、柔軟性を持たせた背景となる。 利上げの条件としては、①労働市場の状況が最大雇用目標に一致していること、②インフレが2%に達すること、③インフレが2%を緩やかに上回る水準を維持する証拠、が必要となる。
次回会合は11月4-5日に開催される予定だが、金融政策を据え置くと見られている。選挙結果や追加財政策の行方などを見極め、次回の行動を判断すると見られる。


欧米市場のイベント

○14:45   9月スイス失業率(季節調整前、予想:3.3%)
○15:00   8月独貿易収支(予想:160億ユーロの黒字)
○15:00   8月独経常収支(予想:162億ユーロの黒字)
○16:25   ベイリー英中銀(BOE)総裁、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、パネルディスカッションに参加
○17:00   デギンドスECB副総裁、講演
○17:20   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○19:15   メルシュECB専務理事、講演
○20:00   9月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.27%)
○20:30   ECB理事会議事要旨(9月10日分)
○21:00   8月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比5.8%)
○21:15   9月カナダ住宅着工件数(予想:24.00万件)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:82.0万件/1140.0万人)
○21:30   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、講演
○9日01:10   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○9日02:00   米財務省、30年債入札
○9日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/07/15:11:54

日経平均株価:デジタル化加速期待からIT関連株中心に買い戻し

トランプ米大統領が米国の追加経済対策について、11月の米大統領選後まで協議を打ち切るとコメントしたことで、米国株相場の急を連れて日本株市場も小幅安の展開となった。その後は、国内でのデジタル化加速への期待の高まりでIT関連株中心に買い戻しが入り徐々に下げ幅を縮小した。また、トランプ米大統領の中小・零細企業などへの新たな支援策に関するツイートも買い材料となった。しかし、市場では、ここから買い上がるには追加の材料が必要との声もあった。結局、前営業日比10円安の2万3422円と小幅な反落で終了した。

 

東京外国為替市場:105.70円前後でもみ合いに終始

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、105.70円付近へ上昇した。トランプ米大統領が『米上下院は航空会社向け雇用支援250憶ドルと中小企業のための1350億ドルの支援策をすぐに承認すべき、私はすぐにでも署名する』とツイッターに投稿したことも、ドルの買い戻しにつながった。午後もこの流れは続き、低下していた米長期金利の持ち直しを眺め、105.77円付近までじり高となった。その後は、105.75円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台前半で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国の合意なき離脱まで残された時間が迫る

欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は、欧州連合(EU)は英国との協議で合意を望んでいるが、期限が迫りつつあり年末までに合意できなくなる可能性を排除できないと述べた。欧州議会で、バルニエ首席交渉官と自身のチームがEUの全面的支持を受けていることを指摘した。その上で『合意に達した場合、2021年1月1日の実効に間に合うよう、双方は批准を確実にしなければならない』と述べた。さらに『そうでない場合は、合意なしの状態となる。残された時間は100日を切っており、このシナリオを排除することはできない』と述べた。

 

欧州市場では8月鉱工業生産が公表

7月実績は3ヵ月連続で増加した。自動車メーカーが伸びを主導した。ドイツ経済省によると、『国内産業は危機前すいじゅの90%近くに戻っている』ようである。景況感の改善や工場などの操業時間はやや長くなっていることから、8月も前月比プラスとなる可能性がある。

 

協議中断発言は米大統領選における政治的な駆け引き

早々に退院したトランプ米大統領が『一か八かの賭け』を仕掛けてきた。NY市場もクローズが近づく頃になって、『大統領選が終わるまで追加経済対策の協議は中断すると担当者に命じた』とツイートした。200ドルを超える上昇となっていたNYダウは一気に420ドルを超える下落まで600ドル以上急落させることになった。トランプ米大統領のコロナ感染以降、市場では『妙なバイデン圧勝論』が台頭した。上下両院も民主党が過半数を獲得するのではといった『ブルーウェーブ』への期待感が強まっていたことから、慌てて退院してきたトランプ米大統領にとっては、『民主党の好き勝手はさせない』との意向が強かったのかもしれない。そもそも、追加経済対策は民主党としても大統領選挙前に合意させて『トランプ米大統領の手柄にさせたくない』わけで、『付かず離れずでダラダラと交渉を続ける』つもりだったはずである。そこを逆手にとって、民主党が誠意を示さないために交渉を打ち切ることを表明した。更に、既に合意済みである『給与保障プログラム』の議会承認を早くするように命じるなど、こちらもトランプ米大統領が『自分の手柄にする』ような動きである。市場はかなり神経質にならざるを得ない状況だが、いよいよ重要な最後の政治的駆け引きへと入っていくことになった。 

 

レアアースから聞こえる米中分断の足音

トランプ米大統領、バイデン前副大統領がそろって確保に意欲を燃やす鉱物がある。製品に添加すると性能が増すことから『ハイテク産業のビタミン』と呼ぶレアアース(希土類)である。国防や環境の観点から両氏は供給網での『脱・中国』を掲げる。IT(情報技術)分野で強まる米中の対立と同様に、レアアースでデカップリング(分断)が現実味を帯びてきた。『外国の敵に由来する重要鉱物への過度な依存は、国家安全保障、外交政策、経済に対する異常な脅威となる。』トランプ氏は9月30日、レアアーズの自給を進め、中国依存の低減を目指す大統領令に署名し、こう述べた。バイデン氏は環境政策の一環で電気自動車(EV)の自国製さんを目指す。EVの駆動モーターに使う高性能磁石に必要なレアアース材の自主調達も公約に盛り込んだ。レアアースをめぐって両氏が目指す方向はほぼ重なる。国際的な取引所がないレアアースは当事者間での相対取引が中心である。ブロック経済化が進めば世界全体での『一物一価』は成り立たなくなる。レアアース市場から聞こえる米中分断の足音は日に日に大きくなっている。

 

米国市場では米連邦公開市場試飲会(FOMC)議事要旨が公表

9月15-16日開催のFOMC議事要旨を公表する予定。2023年まで実質ゼロ金利を維持する方針だが、他の主要中銀が慎重姿勢のためFRBの非ハト派見解はドル買いを誘発する要因となる。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独鉱工業生産(予想:前月比1.5%/前年同月比▲8.7%)
○15:45   8月仏貿易収支
○15:45   8月仏経常収支
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:10   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00   9月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:30   EIA週間在庫統計
○8日01:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○8日02:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○8日02:00   米財務省、10年債入札
○8日03:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○8日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月15日-16日分)
○8日04:00   8月米消費者信用残高(予想:140億ドル)
○8日05:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○中国(国慶節・中秋節)、休場
○米共和、民主両党副大統領候補のテレビ討論会

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/06/15:12:41

日経平均株価:朝方の後は上値の重い展開継続

前日の米国株式市場は大幅に反発したことが好感され買いが先行した。寄り付き後は高値水準を更新し上値取りに動く場面があったものの、直ぐに伸び悩む展開となった。市場では、『退院した後もトランプ大統領の体調が気にされている上、米国の追加経済対策の行方も不透明で、慎重にならざるを得ない』との声も聞かれた。結局、前営業日比121円高の2万3433円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:105.60円台を中心に狭いレンジ取引

ドル/円は、朝方に105.75-80円で上値の重さが意識されたことから、利食い売りなどに押されて105.60円付近まで下落した。しかし、世界的な株高でリスク選好が高まっているため、ドル売り・円買いは続かなかった。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、105.70円付近へ値を切り上げた。午後は、日経平均株価をにらみながら、105.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。7日に予定されているペンス米副大統領とハリス上院議員による討論会を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.1790ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南アフリカでは7日から在宅ストライキ

南ア国内では明日7日に南ア労働組合会議が、汚職、失業、人員削減、ジェンダーに基づく暴力、団体交渉の妨害などに抗議をしストライキを行う予定となっている。ストライキとはいうものの、今までのように街に出て行進をするものではなく、新型コロナウィルス感染対策として在宅ストライキを行うように呼びかけられている。この抗議がどの程度南ア経済に影響を及ぼすかは未知数だが、どれくらいの規模になるかは注目される。

 

メキシコでは8日発表の消費者物価指数(CPI)が注目点

メキシコ銀行(中央銀行)のディアス総裁は先週に『資本流出が金融市場の調整とインフレ抑制をより困難にしている』『中銀目標の3%を超えるインフレは利下げの余地を限定的にしている』と今後の緩和的な金融政策に消極的な見解を示した。今週は8日に9月メキシコCPIの発表が控えている。前月の段階で中銀の定めたインフレ・ターゲット(3.0%±1%)上限を上回っており、結果次第では次回会合(11月12日)での追加緩和観測がさらに後退する可能性もあり、注目を集めている。

 

米9月ISM非製造業景況指数の予想外の改善で長期金利上昇

米供給管理協会(ISM)が発表した9月ISM非製造業景況指数は57.8と、8月56.9から低下予想に反して上昇し、7月来で最高となった。事前に民間のマークイットが発表した9月サービス業PMI改定値は54.6と予想通り速報値から修正はなかった。総合PMI改定値は54.3と速報値54.4から下方修正された。 結果を受け米10年債利回りは0.71%から0.75%まで上昇し8月27日以来で最高となった。また、ドルは下げ止まる展開となった。

 

トランプ氏のコロナ感染と為替市場への影響

トランプ氏のコロナ感染を受けた米大統領選への影響としては、①トランプ氏の『コロナ軽視のツケ』批判が高まったり、危機管理などの面で信認が低下すると、トランプ氏苦境でドル安や円高、②トランプ氏による『選挙戦巻き返し』に向けた演説や討論会が中止されると、挽回不発でドル安や円高、③トランプ氏が『コロナに打ち勝った大統領』として強さをアピールすると、トランプ氏の巻き返しでドル高や円安、⑤野党民主党やバイデン候補が『トランプ氏の病状配慮』でトランプ氏攻撃を自粛したり、バイデン氏がコロナ対策で選挙活動を縮小させると、トランプ氏の劣勢後退でドル高や円安、といった市場反応が想定される。

 

米国の実質金利低下一服でドル安の制御に寄与

10月2日に公表された最新9月の米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)では、「1年先のインフレ期待」が+2.6%と前月の+3.1%から大きく低下した。最近では4月の+2.1%を直近最低として、5月には+3.2%、8月には+3.1%と上昇傾向にあった。それが9月は低下へと転じている。その結果、『米10年債金利の月間最低-1年先のインフレ期待』で算出される参考の実質金利は、9月に-2.00%となった。8月の-2.60%からマイナス幅を縮小させており、ドルの下支え要因となる。最近の同実質金利は昨年12月の-0.61%から今年5月には-2.61%へと急低下し、過去最低水準となっていた。同時進行で米国の株高や金相場などの上昇、ドル安の一因となってきたが、足元でこうした潮流には一服感が見られている。期待インフレに影響する米国の個人所得は、8月に前年比+4.7%と前月の+8.1%から減少した。失業保険上乗せ給付の失効などにより、4月の+14.1%という急増から反動減少となっている。米国の消費にはマイナス要因となる一方、間接的に実質金利の低下歯止めとドル安の制御に寄与している。

 

米国市場では8月貿易収支が公表

7月実績は▲636憶ドルで赤字幅は市場予想を上回った。サービスの黒字は2012年以来の低水準となった。財の輸出入額は増加している。8月については、自動車・部品の輸出額はやや減少する可能性があることから、貿易赤字幅は8月実績に近い数値になると予想される。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独製造業新規受注(予想:前月比2.6%/前年同月比▲3.5%)
○17:30   9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.0)
○17:30   フライデンバーグ豪財務相、予算演説
○17:35   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30   8月カナダ貿易収支(予想:20.0億カナダドルの赤字)
○21:30   8月米貿易収支(予想:661億ドルの赤字)
○23:40   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○7日00:30   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○7日00:45   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○7日01:00   9月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○7日02:00   米財務省、3年債入札
○7日03:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
〇日米豪印外相会合(都内)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/05/15:11:15

日経平均株価:トランプ大統領の症状改善で買い優勢

新型コロナに感染したトランプ大統領が早ければ5日にも退院すると伝わり米政権混乱が限られるとして投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買いが広がった。NYダウ先物が大幅反発となり東証1部の9割弱の銘柄が上昇した。結局、前営業日比282円高の2万3312円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は105円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領の症状が改善されたことから、ドル買い・円売りが先行して105.50円付近まで上昇した。東京市場でも堅調地合いは続き、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高にも支えられ、105.61円付近まで上昇した。ただ、2日に付けた105.66円が上値の目処として意識されると上げは一服、105.55を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、105.55円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとのムードも広がり、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国とEUのFTA締結交渉期限近づく:合意なき離脱懸念高まる

ジョンソン英首相が設定した合意期限の10月15日が近づくことで、英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、決裂することへの危惧が強まっている。今まで公正な競争条件の確保や英周辺海域の漁業権をめぐり協議は難航し、引き続き英沖合でのEU加盟国の漁業権の在り方や、英・EU企業が公平な条件で競争するための枠組み整備といった懸案が議論の中心となるが、行き詰まりを打開し、妥結に向けて進展を図れるか期待と不安が交錯している。ジョンソン首相が設定した10月15日の合意期限が延期される可能性はあるものの、『移行期間』が今年末に終了することから、時間はあまり残されていない。FTAなしで移行期間が終われば、英・EU間の貿易には世界貿易機関(WTO)の規則に従って関税が発生し、英・EU経済に悪影響や混乱を及ぼすことは避けられない。

 

南アでは6日から国営電力会社でストライキ

南アの国内情勢は依然としてネガティブ材料が多い。国営電力会社エスコムの給料未払い問題などで、6日から同社社員がストライキを予定している。ストライキが長期化するならば、再び電力不足による南ア経済の停滞懸念が高まる。経済指標では、先週に多くの指標が発表された反面、今週は7日に予定されている9月の南ア商工会議所(SACCI)企業景況感以外は主だった経済指標の発表が予定されていない。

【先週の指標結果】】          (結果)   (予想)
8月南アフリカ卸売物価指数(前月比)   +0.7%    +0.4%
8月南アフリカ卸売物価指数(前年比)   +2.4%    +2.1%
4-6月期南アフリカ失業率         23.3%    -
8月南ア・マネーサプライM3(前年比)   10.86%   10.50%
8月南ア消費者物価指数・CPI(前月比)   +0.2%   +0.2%
8月南ア消費者物価指数・CPI(前年比)   +3.1%   +3.2%
8月南ア貿易収支       389億ランドの黒字    297億ランドの黒字

 

9月トルコ諸費者物価指数(CPI)が公表:実質金利マイナス幅拡大懸念

本日発表される9月トルコ消費者物価指数(CPI)は、前年同月比12.15%と前回11.77%を上回る見込みである。トルコ中銀が政策金利を引き上げたのは先月後半であり、その効果はまだ望めないが、中銀が8月以降に実施している『裏口的な利上げ』もまだ効き目が出ていないもよう。もし、本日の指標結果が市場予想から上振れするようであれば、実質金利マイナス幅拡大への懸念が更に高まり、通貨リラの買い難さが意識される。

ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアルメニアとアゼルバイジャンの戦闘規模は1994年の停戦合意後では最大となり、欧・米・露が要求する停戦には程遠い状況である。この地域の大国であるトルコの役割が注目されているが、友好国アゼルバイジャンに肩入れしていることで紛争の長期化・泥沼化への警戒感も強まっている。トルコの取り組み方次第では国際社会が望まない方向に事態が進行し、トルコへの反発も強さを増してしまう。そうなってしまうと、トルコリラを手放す動きに繋が りやすい。

 

米大統領選の世論調査ではバイデン候補が10ポイントリード

4日公表のロイター通信などの世論調査で、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領について、『新型コロナをもっと深刻に受け止めていたら恐らく感染しなかっただろう』との回答が65%に達した。トランプ氏はこれまで、『消えてなくなる』などと新型コロナを軽視する発言を繰り返していた。調査は今月2-3両日、全米の成人1005人を対象にオンラインで実施した。57%がトランプ氏の新型コロナ対応に不満を表明した。新型コロナに関して同氏が国民に真実を『語っている』とみる回答は34%にとどまり、『語っていない』が55%に上った。一方、11月の大統領選では、51%が民主党候補のバイデン前副大統領に投票するとし、トランプ氏の41%を10ポイント上回った。

 

米国議会内で感染拡大なら政治リスク高まる

複数(現時点で3名)の共和党上院議員が陽性と判明し、政権内部や大統領と近しいものの感染も判明していることで、先週末の場中に流れていた情報よりも、米国の政治リスクが高まっている。懸念されるのは、ほぼすべての共和党上院議員が毎週3回ランチミーティングを行っていたが、その参加者がすでに陽性が判明していることで、共和党上院議員(共和党53名)の感染者が拡大する可能性が高まっていることが一つ。 もう一つは、9月26日にホワイトハウス内のローズガーデンで催した最高裁判事を指名する式典参加者で多くの陽性者が判明していることで、感染が上院議員以外にも多くの政府関係者に更に増加する懸念がある。もし、感染拡大が想像を超える状況になった場合は、米国の政治が一時的に大きく停滞し、機能不全に陥るリスクもある。

 

米国市場では9月ISM非製造業景況指数が公表

9月の市場予想は56.1と8月の56.9を下回る見込みである。15に業界が活動拡大を報告しており、業況や経済の先行きについてはやや楽観的になっている。ただ、8月は新規受注が低下しており、9月も伸び悩む可能性があること、雇用環境の大幅な改善は期待できないことから、、全体的には8月実績をやや下回る可能性がある。早期回復期待の後退によりドル売りに振れる可能性がある。

 

米国市場のイベント

○15:40   黒田東彦日銀総裁、あいさつ(全国証券大会)
○16:00   9月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.30%/前年比12.15%)
○16:50   9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:47.5)
○16:55   9月独サービス部門PMI改定値(予想:49.1)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:47.6)
○17:30   9月英サービス部門PMI改定値(予想:55.1)
○18:00   8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比2.5%/前年比2.2%)
○22:45   9月米サービス部門PMI改定値(予想:54.6)
○22:45   9月米総合PMI改定値
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:56.3)
○23:45   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○6日04:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/02/15:15:08

日経平均株価:トランプ大統領がコロナウイルスの陽性発表で売り

前日の米国株式市場での堅調な動きを好感してプラス圏でのスタートとなったが、NYダウ先物が軟化したことを受け、上げ幅を縮小した。米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まった。午後になると、トランプ米大統領が新型コロナウイルスの陽性との発表を受け、金融市場はリスク回避の動きが強まった。NYダウ先物が大幅に売り込まれたことを受け、日経平均も三桁安まで弱含みとなった。結局、前営業日比155円安の2万3029円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:トランプ大統領のウイルス陽性はリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、105.63円までじり高となった。欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、ユーロ圏の景気減速を警戒したユーロ安・ドル高が波及した面もあった。午後もこの流れは続き、105.66円付近まで値を上げた。しかし、今晩の9月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後、トランプ米大統領が『新型コロナウイルスの検査で陽性になった』とツイッターに投稿すると、リスク回避姿勢が強まり、105円台を割り込んで一時104.95円付近へ急落した。NYダウ先物の大幅安や米長期金利が低下したことも、ドル売り・円買いに拍車がかかった。ユーロ/ドルは、こーろ/円の下げに連れて、1.1695ドル付近までユーロ売りが進む場面があった。

 

南アでは6日から電力会社のストライキ

南アABSA製造業PMIが58.3と前回や市場予想を上回り、ここ20年では最高水準を記録したこともランドの支えとなった。来週6日から、国営電力会社エスコムの従業員がストライキを予定している。もし長期化するようであれば電力不足への懸念が更に高まり、南ア経済停滞からランドの重しにも繋がるため、関連情報には注意が必要となる。

 

トルコリラのポジティブ要因

EUは欧州時間1日深夜(日本時間2日朝)にベラルーシ制裁の発動を決定したが、トルコ問題は12月に再度話し合うとした。フォンデアライエン欧州委員長はトルコとの関係強化に期待しながらも、EUの利益を損なうような行動をするならば、トルコに対してあらゆる手段を講じるとも述べている。トルコ制裁の可能性は残りながらも、足もとのリスクが回避されたことはリラにとってはポジティブ要因である。くわえて、北大西洋条約機構(NATO)が昨日、トルコとギリシャの軍代表団が行ってきた一連の会談の結果、両国の調停体制が築かれたと発表した。体制が上手く運用されるようならば、(トルコとギリシャが領有権争いをする)東地中海の安定化が進み、地政学リスクによるリラ売りも避けられる可能性がある。

 

支援効果薄れ米国人の懐に寒風

米政府支援が多くの家計にもたらしていた押し上げ効果が、目に見えて薄れ始めた。何かがすぐにも変わらない限り、景気回復に大きな障害となる可能性が高い。米商務省が発表した8月個人所得は前月比-2.7%と、7月+0.5%から再びマイナスに転じた。政府の失業保険補助が失効したためと見られる。人々が受け取った失業保険給付が52%減少したことが主な押し下げ要因である。

 

米国の追加経済救済策の行方を睨む展開

中小企業支援策や失業保険補助などの政策がすでに失効した。政府の支援なく、中小企業は新たな雇用削減を強いられるほか、航空会社支援策も9月30日で失効した。もし、このまま政府の支援がなければ、各航空会社は本日から計画通り従業員解雇を開始せざるを得ない。米労働省が発表した最新の週次新規失業保険申請件数は経済封鎖が始まる前の3月中旬来の低水準となったものの依然80万件と高止まりしている。雇用削減の第2弾が開始されると、労働市場が再び悪化する可能性が警戒される。このため政府の追加支援は必至である。追加パンデミック経済救済策を巡りムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長は大統領選挙前の合意に向けた取り組みを行っているが、政治的な意図との見方もあり最終的な合意にたどり着けるかどうかは不明である。もし、合意となれば景気先行き見通しの改善から米債利回りが上昇しドル買いやリスク選好の動きに繋がる。

 

米国市場では9月雇用統計が公表

多くの州で経済活動は段階的に拡大しているものの、ウイルス感染者の増加は続いており、雇用者増加数は100万人に届かない見込みとなっている。9月の雇用統計は、失業率8.2%、非農業部門雇用者数は前月比+90万人、平均時給は前年比+4.7%と予想されている。9月雇用統計が市場予想を下回り、景気回復ペースの鈍化が示された場合、ドル売り要因となりやすい。

 

欧米市場イベント

○15:45   8月仏財政収支
○17:00   9月ノルウェー失業率(予想:3.8%)
○17:20   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比▲0.2%)
○18:00   9月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.4%)
○19:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30   9月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化85.0万人/失業率8.2%/平均時給、前月比0.2%/前年比4.8%)
○22:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:79.0)
○23:00   8月米製造業新規受注(予想:前月比1.0%)
○24:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○3日01:00   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比▲8.0%)
○3日02:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第9回協議(ブリュッセル、最終日)

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