FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/27/15:16:21

日経平均株価:米金利高止まりを嫌気した売りに連れた展開

米国市場で金利高止まりを警戒して株安となったことが嫌気された。朝方には幅広く売られ、心理的節目の3万2000円を1カ月ぶりに下回る場面もあった。米ハイテク株安が嫌気され、朝方には指数寄与度の高い半導体関連株などのマイナスが目立った。その後、半導体関連株は徐々に下げ幅を縮小してプラスに転換したことで日経平均も下げ渋った。今日は権利付き最終売買日となり、市場では期末の需給に伴う思惑も交錯したとみられている。正攻法では配当取り狙いの買いなので、大引けにかけて高配当株への買戻しが入るかがポイントとの声も聞かれた。結局、前営業日比56円高の3万2371円と反発して終了した。QUICKが評価損益率を計算した、信用評価損益率は22日申し込み時点でマイナス8.93%と、前の週のマイナス8.19%からマイナス幅が0.74ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:日米金利差の違いが鮮明のためドルは底堅く推移

ドル/円は、米長期金利低下や日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いに押され、148.85円付近へ下落した。前日に11カ月ぶりの高値149.18円をつけた反動で、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いが入りやすい面もあった。ただ、日米金融政策の違いが鮮明になっていることもあり、下値を追う動きは限られた。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測からドル買い戻す動きも見られ、149.00円付近へ値を持ち直した。午後は、日経平均株価や米長期金利を眺めながら、149.05円前後で取引された。政府・日銀による為替介入に対する警戒感が根強く、積極的な上値追いは手控えられている。ユーロ/ドルは、1.0560ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコの外貨準備高は改善方向:市場介入を放棄

一部通信社のトルコ金融機関への聞き取り調査によれば、先週末時点でのトルコ中銀のネット外貨準備高は前週から60億ドル増加した240億ドルが見込まれている。6月初めにマイナス57億ドルを記録したことを考えると、かなりの改善と言える。しかしながら外貨準備高の拡大は、正統的な政策に転換した金融当局がリラを支えるための介入を放棄したということでもある。そうなるとやはり、ドル高リラ安の流れはまだ暫く続いてしまう。

 

南アでは11月の中期予算に対して様々な発言

南アでは11月1日の中期予算に対して早くも様々な発言が出ている。先日労働組合は、緊縮財政となった場合にはストライキを行う可能性も示唆した。一方、クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁は、「困難から逃れるためにお金を費やすことはできない」と厳しい警告を発していている。すでに財政リスクが高まり、インフレ率が7%超から4.8%に低下したにもかかわらず、ここ数カ月の南アの長期金利は12%を超えている。税収が歳出を下回っており、その差を埋めるための国債発行が利回りを押し上げている。与党アフリカ民族会議(ANC)が過半数を失う危険がある来年の総選挙を前に、SARB総裁は国民受けが良い政策発表を行わないように釘を刺している状況である。

 

メキシコ経由で移民が大量に押し寄せ物流が停止

複数の報道によると米テキサス州の一部でメキシコ経由の移民が大量に押し寄せたことによって、米政府が一部国境を閉鎖した。それによって鉄道輸送を中心に物流が停止している。メキシコ当局は事態の打開を図るために米当局と連絡を取り合っているが、物流の停滞が今後も続くようであれば経済への影響も懸念される。

 

米議会が短期的な延長を可決する可能性は低い:ゴールドマン

米国の2023年会計年度末である30日を控える中、つなぎ予算などの審議が進まず政府閉鎖が警戒されている。ゴールドマン・サックスは26日付のリポートで、米議会が土壇場で30日以降の予算延長に合意する可能性はまだあるが、ほとんど進展はなく残された時間は少ないとしながら、「議会が短期的な延長を可決する可能性は低いと思われ、23年10~12月期(4Q)後半には政府閉鎖が予想される」との見解を示した。リポートでは今後の見通しを解説した。以下はその概要

〇政府閉鎖は2~3週間続くと引き続き考えている。10月1日に政府が閉鎖された場合、政治的な立場がより深くなるため、すぐに再開されるか旺盛は低いだろう。その代わりに、再開への政治的圧力は徐々に高まるだろう。特に、現役軍人の給与支給日(10月13日と11月1日)は潜在的な圧力になる可能性がある。また、空港審査や国境警備隊のような必要不可欠な業務が悪化する可能性もある。

 

〇政府閉鎖が1週間続くごとに4Qの国内総生産(GDP)成長率から0.2パーセントポイント押し下げられると試算する。期間に関係なく、連邦政府職員の一時帰休はシャットダウンの各週について0.15パーセントポイントのマイナス要因となる。

 

〇連邦政府機関からの経済指標の公表は、米連邦準備理事会(FRB)の公表を除き、政府再開後まで延長されると予想される。

 

8月米新築住宅販売は大幅な落ち込み:US Dashboard

26日に発表された8月の米新築一戸建て住宅販売件数(季節調整済み)、年率換算)は前月比8.7%減の67万5000戸と市場予想の69万9000戸を上回る落ち込みとなった。販売件数は3月(64万戸)以来5カ月ぶりの低水準で、前月比での減少幅は2022年9月(11.1%減)以来の大きさだった。中古物件の在庫不足を背景に新築住宅の需要はなお旺盛だが、住宅ローン金利の歴史的な高止まりが購入者を遠ざけた。一方、販売価格の中央値は43万300ドル(約6400万円)と新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を大きく上回ったままだが、前月比で1.4%低下した。多くの建設業者が販売促進のために値下げや金利負担の建て替えなどを行ったとみられ、米住宅市況の先行きには不透明感が強まってきている。

 

9月の米消費者信頼感は景気後退の可能性が高いとの回答が回復:ノムラ

26日発表された9月の消費者信頼感指数が103で市場予想の105を下回った。5月以来の低水準となる。ノムラ・セキュリティーズは26日付のリポートで、景気後退の可能性が「やや高い」または「非常に高い」と回答した世帯の割合が回復したとしながら、「労働力格差」は8月に急低下した後、27.3で安定したとの見解を示した。ただ「雇用は豊富」と回答した人が増えた反面、「雇用を得るのは難しい」と回答した人の割合もわずかに増加したという。また、住宅や大型耐久消費財の購入を準備している世帯の割合は大きく減少し、最近の改善から一転したことにも着目。「住宅購入計画はサイクルにおける最低水準に近く、値ごろ感のひっ迫と一致している」という。

 

欧米市場イベント

○15:00   10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲26.0)
○15:45   9月仏消費者信頼感指数(予想:84)
○20:00   米MBA住宅ローン申請指数
○21:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、インタビューに応対
○21:00   8月メキシコ貿易収支(予想:11.50億ドルの赤字)
○21:30   8月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.5%/輸送用機器を除く前月比0.1%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○28日01:00   8月ロシア失業率(予想:3.0%)
○28日02:00   米財務省、5年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/26/15:11:11

日経平均株価:米政府の一部機関の閉鎖リスクの高まりを警戒した売り

米長期金利の上昇を受けて、半導体関連など指数寄与度の高いハイテク株が軒並み下落、日経平均株価を押し下げた。前日の米国株式市場は主要3指数が上昇したものの、時間外の米株先物が軒並み下落し、日本株もつれ安の展開となった。また、米政府は新会計年度が始まる10月1日から一部機関が閉鎖に陥るリスクが高まっており、米政府当局者は25日、雇用統計や消費者物価指数(CPI)など、主要経済指標の公表が無期限で停止される可能性について言及した。市場では、米10年債利回りが急ピッチで上昇している中、経済指標が発表されないとなると、株価波乱になりかねないと警戒する声も多く聞かれた。結局、前営業日比363円安と3万2315円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日米金利差拡大を意識したドル買いが優勢に

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大がリスク回避の円買いを誘い148.70円付近へ下落した。しかし、仲値にかけて本邦輸入勢のドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、148.90円付近まで上昇した。仲値後は、米長期金利が16年ぶりの高水準となる4.56%台へ上昇すると、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが入り、148.95円付近までじり高となった。鈴木財務相が「為替市場の動向を高い緊張感をもって見ている」「急激な変動に対してはあらゆる手段を排除せず、適切な対応をとる」などと発言したが、目新しいものではなく、ドル/円相場への影響は限定的だった。午後は、今晩予定されている米経済指標やFRB当局者の発言内容を見極めたいとのムードが広がり、148.90円台を中心とする狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、1.05ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコではKKMの反動の強まりによるリラ安に警戒

一部通信社によればトルコ中銀は、トルコリラ建て定期預金で外貨換算した際に生じる損失を補填する『為替保護預金(KKM)』制度を段階的に廃止する方針を継続する。トルコ財政を圧迫している制度を撤廃させることで財政収支の改善を目指している。長期的視点に立てば方向性は間違っていないが、KKMで無理やりリラ安を抑制していた反動の強まりは避けられそうにはない。

 

南アの政策金利は高止まりするとの予想

先週、南アフリカ準備銀行(SARB)は市場予想通り政策金利を8.25%に据え置いたが、週明けには多くのエコノミストが今後の南アの政策金利動向の予想について発表した。一部では、当面は政策金利を早急に引き上げることは無くても、政策金利が高止まりするという意見がある。要因としては、世界的なエネルギー価格の上昇により、今後南アの国内エネルギー基準価格が高騰すること。また、エルニーニョ現象に伴う乾燥状態への懸念から、食品価格のインフレ予測も10.3%から10.4%に引き上げられたことがあげられる。一方で、今年は据え置き、来年は1年を通して100bpの利下げが行われるとの予想がある。利下げ予想は、先週発表された小売売上高も芳しくない結果だったが、家計向けローンの延滞の増加などを含め、国民の消費意欲の減退が要因でインフレの低下が予想の元になっている。いずれのシナリオも南アにとっては、あまり良い方向を示していないのが気になる点である。

 

メキシコの注目は29日の政策金利発表

注目は29日のメキシコ銀行(中央銀行)の金融政策となる。市場予想は11.25%での据え置きを見込んでいる。声明文の内容に注意が必要となるが、中銀は先月末に公表した四半期報告の中で「政策金利を長期に渡って過去最高水準に維持する必要がある」としており、近い将来の利下げはないとの立場を堅持している。今回も金融政策の方向性に大きな変化は見られないかもしれない。

 

金利が上昇しても米景気後退しなかった過去の教訓:ジェフリーズ

ジェフリーズは25日付の「金利が上昇しても景気後退がない⁻1990年代半ばの教訓」と題したリポートで、この時期の米国株のパフォーマンスやセクターなどに言及した。金利が現在と同程度の5~6%だった時期に焦点を当てると、1995~98年に3回と06~07年に1回の計4回あった。この時期はインフレ抑制が進みつつ米経済も堅調であり、S&P500はこれらの4つのサイクルを通して1サイクルあたり平均25%のリターンを達成し、期間としては平均3ヵ月続いた。セクターではIT(情報技術)、ヘルスケア、テレコム(通信)が報われた一方で素材、一般消費財、公益は相対的に軟調だった。ITは4つのサイクル全て高パフォーマンスだった半面、素材は06~07年の1サイクルを除いて低パフォーマンスだった。

 

Fedウオッチは市場の見方はまだハト派的:US Dashboard

20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が総じてタカ派的だったことを受け、市場の早期利下げ転換観測が後退している。25日の米債市場では10年債利回りが一時4.54%と、2007年10月以来およそ16年ぶりの高水準を付けた。ただ、FOMCで公表された参加者の政策金利見通し(ドットチャート)の中央値は、23年末が5.6%とあと1回の利上げを見込み、24年末は5.1%だった。米金利先物が動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」では年内の利上げ確率は4割程度。24年末に5%位階の政策金利となる確率8割近い。米連邦準備理事会(FRB)が引き締め姿勢を堅持すれば、米長期金利がさらに上昇する可能性もある。

 

UAWストは10月までは自動車価格に影響なし:バークレイズ

全米自動車労組(UAW)と米自動車大手の間の労働争議が激しさを増している。バークレイズは25日付リポートでデトロイトに本拠を置くゼネラル・モーターズ(GM)など大手3社「D3」の新車在庫が十分にあることから、「少なくとも10月までは自動車指数で新車価格と連動性の高い中古車価格に影響が顕在化するとも指摘した。ストライキ拡大の程度によって2023年末のコアCPIを0~0.5ポイント押し上げる可能性がある。9月末から10月までにストが終了する場合はCPIに与える影響はほとんどなく、10月上旬から11月中旬まで拡大した場合は20bp程度の押し上げに寄与すると解説した。スト継続に要するUAWの資金コストを考えると、実現の可能性は低いものの、ストが生産網全体、規模も全米に拡大した場合は50bpの影響があるとした。なお、中古車価格はコアCPIの3.5%を占めるのに対し、コアPCE物価指数では0.5%にとどまる。

 

2つのS&P500が200日線挟んで明暗、不吉な結果を暗示:BTIG

BTIGは24日付リポートで均等加重のS&P500種株価指数が200日移動平均線を2%以上下回っている一方、時価総額加重のS&P500が200日線を上回っているのに着目した。BTIGの分析によれば、直前の2カ月間でS&P500が2%超下げ、均等加重と時価総額加重のS&P500が上記のような結果となったのは98年8月、00年1月、07年9月、18年10月、20年3月の過去5回だけだった。リポートでは「これらは不吉な日付として際立っており、いずれもその後の数週間または数ヵ月で重大なマイナス面が見られた」と指摘した。S&P500は4375~4401で20日から21日にかけて「窓」を空けており、この水準が上値抵抗となる一方、「最終的には最低でも4200(200日線付近)のテストが必要になる」と強調した。

 

欧米市場イベント

○未定 ◇ 9月月例経済報告
○16:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○16:00   シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○17:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○22:00   7月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○22:00   7月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比▲0.3%)
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.2%/70.0万件)
○23:00   9月米消費者信頼感指数(予想:105.5)
○23:00   9月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲7)
○27日01:30   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○27日02:00   米財務省、2年債入札
○27日02:30   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/25/15:09:14

日経平均株価:イベント通貨で自立反発狙いの買いが優勢

日米の中銀イベントを通過した安心感があるほか、日経平均は先週に1100円超下落したことで、自立反発を期待した買いが入ったとの声が聞かれた。日銀の政策修正への思惑から買われていた銀行や保険といった金融業が軟調な一方、値上がり率上には医薬品や小売、食料品、建設など、直近で軟調だった業種が入っており、循環物色の様相との見方もある。

 

東京外国為替市場:為替介入警戒感や持ち高調整もあり上値重い展開

ドル/円は、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが先行して一時148.48円付近まで値を上げて年初来高値を更新した。日米金政策の違いが鮮明になっていることで、海外短期筋のドル買い・円売りも観測された。ただ、心理的節目の148.50円に接近すると上げは一服した。その後は、政府・日銀による為替介入への警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて148.35円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、148.30円台を中心とする狭いレンジで推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合などのイベントを終えて、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.0645ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇:前週のFX概況

QUICKが25日に算出した22日時点の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は45.3%だった。前の週末から4.04ポイント上昇し、約1カ月ぶりの高水準となった。日銀が22日まで開いた金融政策決定会合で金融緩和政策の現状維持を決めたため、政策修正を見込んだ円買い・ドル売りの持ち高の解消が進んだ。前週は、米連邦準備理事会(FRB)が20日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者らの政策金利見通しで、2024年末の中央値が前回6月時点から切り上がった。一方、日銀の植田総裁は会合後の会見で次の政策修正の時期について「到底決め打ちできない」などと述べ、早期のマイナス金利政策解除の思惑が後退。市場では「FX投資家の間でドル買いへの安心感が広がった」との声があった。「ポンド/円」取引のポンド買い比率は3.7ポイント上昇の60.6%と、3月下旬以来およそ半年ぶりの高い水準となった。英イングランド銀行(中央銀行)は21日、2021年11月以来となる政策金利の据え置きを発表し、外国為替市場では円やドルに対してポンドが大きく売られた。円高・ポンド安が進んだ局面で、FX勢は相場の流れに逆らう「逆張り」の円売り・ポンド買いを出した。

 

中国の23年GDP見通しを下方修正:HSBC

HSBCは25日付のリポートで、23年の中国の国内総生産(GDP)成長率見通しを5.3⇒4.9%に、24年見通しを4.9⇒4.6%に下方修正した。今年の成長見通しは市場予想5.1%をやや下回る弱気なスタンスに変えたことになる。また、24年に20bpの利下げ、50bpの預金準備率(RRR)の引き下げを見込み、より緩和的な金融政策がとられるとも予想した。次の経済改革のガイドラインは年後半の主要な政治会議で発表される予定だという。

 

トルコの現状金利水準は不十分との市場の見立て

トルコ中銀は21日、市場予想通りに主要政策金利を25.00%から30.00%に引き上げを決定した。利上げは4会合連続であり、一連の引き締めサイクルで金利は21.5%も上昇したことになる。エルカン・トルコ中銀総裁は着実に正統派路線を突き進んでいると言える。しかしながら、足もとのインフレ率は60%に迫る勢いであり、来年以降も物価上昇圧力は強まったままとの予測もでているなか、現状の金利水準では不十分というのが市場の見立てである。特に米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派的な据え置きを決めて米金利先高観が高まっていることもあり、リラは対ドルで軟調に推移している。トルコ中銀は声明で引き締め強化にも言及したが、ドル/リラのリラ安基調は変わらず、これがリラ/円にとっても重しとなり続けている。

 

南アランドの月末にかけての特殊玉需要には注意

今週の南ア国内のイベントは28日に8月卸売物価指数(PPI)、29日に同月貿易収支が発表される。PPIは先週CPIが発表され、南アフリカ準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)も同様に先週行われたばかりということもあり、反応するのが難しい。次回のMPCが11月23日まで行われないことも、動きを限定される要因である。経済指標よりも警戒が必要なのは、月末にかけての特殊玉需要である。これは、事前に予想するのは難しいが、7月・8月の月末にはランド安に動いている。その数日前にはランド買いが大きく入るなど、フローにかき乱されている。今週も同様に、理由もないのに動く相場展開になりやすいので警戒しておきたい。

 

メキシコ、総固定資本形成は民間部門がけん引

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が18日、2023年第2四半期の国内総生産(GDP)統計を発表した。この統計によれば、特に注目すべきは総固定資本形成(投資)が前年同期比で21.0%増加と急拡大を見せたことである。GDPの約7割を占める民間消費も4.3%増加し、メキシコ国内の実体経済の強さを改めて印象付ける結果となった。また、GDPに占める民間部門と公的部門の総固定資本形成の比率をみると、民間部門が22.4%、公的部門がわずかに2.5%となったことも驚きである。マヤ観光鉄道などの大規模公共事業の活性化により、総固定資本形成はほぼ政府の公的投資が大きく影響を与えているという認識が強いものだったが、実は民間部門の投資がけん引していたということで、来年にロペスオブラドール政権が終了したとしても、期待感は続きそうである。

 

S&P500が大幅安の後は短期は軟調・中長期で強含む傾向:アノマリー分析

S&P500指数が21日に1.64%安となり、3月9日(1.84%)以来、6カ月半ばぶりに1.5%以上の大幅安を記録した。相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、1950年以降、S&P500が1.5%以上の大幅安を記録した後の値動きを調べたところ、短期的には弱い展開が続くが、中長期的には強含む傾向がある。1週間後の平均騰落率は0.01%安、2週間後は0.002%安だったが、3ヵ月後は2.21%高を記録した。ただ、足もとでは米連邦順理事会(FRB)の追加利上げ観測が残るだけに「インフレや金利組み合わさることで、今後1カ月ほどはさらなる市場の低迷を招く可能性が高い。連邦政府機関が再び閉鎖される可能性も高まっており、市場の重しとなる可能性がある」と指摘していた。

 

リスク・パリティによる株式ロングの巻き戻しリスク:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズは22日付リポートで、21日に株式、債券、コモディティが同時に下落したことから、保有資産全体のリスクを一定に抑えるリスク・パリティとボラティリティ・コントロール戦略による株式ロングの巻き戻しが発生する可能性を挙げた。インプライド・ボラティリティ(予想変動率)の上昇を受けたレバレッジ解消により、両戦略による株式の売却額は25日終値までに200憶ドルに達する可能性があるという。また、商品投資顧問(CTA)は先週、株式の売り手ではなかったとも指摘。一方で、25~29日週にかけて弱気な値動きが続いた場合、BofAのCTAモデルは株式に対して売りシグナルが点灯するともした。この場合、ラッセル2000でショートのポジションが拡大するほか、非常に弱気な値動きとなった場合は、S&PⅮのロングも大きく売られる可能性があるとした。

 

Fedウオッチツールの年内利上げ織り込みは鈍い:US Dashboard

米シカゴマーカンタイル取引所(CME)が算出する「Fedウオッチツール」によると、19~20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置きを経て22日時点での次回11月FOMCでの政策金利誘導目標の確率は現行の「5.25~5.50%」が72.5%、「5.50~5.75%」(0.25%の利上げ)が27.5%となっている。12月FOMCでは「5.25~5.50%」(現行)が57.5%、「5.50~5.75%」(利上げ)が36.7%とやや利上げを織り込もうとしているようにみえる。一方、2024年6月FOMCでの政策金利誘導目標の確率は、「5.25~5.50%」(現行)は16.1%へ低下している。「5.00~5.25%」(現行から0.25%の利下げの水準)が37.2%とほぼ横ばいで推移し、「4.75~5.00%」(同0.5%利下げ)は31.8%へ切り上がっている。

 

欧米市場イベント

○15:35   内田日銀副総裁、あいさつ
○16:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16:30   植田日銀総裁、大阪経済4団体共催懇談会に出席後会見
○17:00   9月独Ifo企業景況感指数(予想:85.2)
○南アフリカ(伝統文化継承の日の振替休日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/22/15:19:16

日経平均株価:日銀の現状維持の結果を受けると下げ幅縮小

米国の金利引き締め長期化への懸念から米国株安となったことが嫌気された。日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え、手掛けにくさも意識された。市場では米長期金利の上昇が止まらない中で、グローバルにエクイティー資産をわずかに圧縮する動きがあるとの指摘が聞かれた。昼休み時間中に日銀が金融政策決定会合で現状維持を決めたことが伝わり、先物が下げ幅を縮小した。結局、前営業日比168円安の3万2402円と4日続落した。東京証券取引所が22日発表した9月第2週(11日~15日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は2781億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続。個人投資家は3459億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶり。信託銀行は1721億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:大規模金融緩和の維持が決定されると円売り優勢に

ドル/円は、日経平均株価の大幅安がリスク回避のドル売り・円買いを誘い、14.50円付近へ値を下げた。しかし、米国の金融引き締めが長期化するとの観測が強まっているため、下値を追う動きは限られた。その後、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが入り、147.70円台へじり高となった。鈴木財務相が円安について「為替市場の動向を高い緊張感をもって注視し、過度な変動に対してはあらゆる手段を排除せず、適切な対応をとっていきたい」と発言すると、小幅な円買いで反応する場面があった。昼前に、日銀21~22日に開いた金融政策決定会合で現状の大規模な金融緩和の維持を決定し、政策の先行き方針(フォワードガイダンス)も変更しなかった。日米金融政策の違いが改めて意識されたため、発表直後はドル買い・円売りが強まり、147円台後半から148.15円付近へ急上昇した。午後に入っても、ドル買い・円売り基調は続き、一時148.25円付近まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の会見内容を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、政府・日銀による為替介入への警戒感からドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて148.00円前後で取引された。ユーロ/ドルは、フランスやドイツの指標発表を控えて様子見ムードが広がり、1.06ドル台半ばで小動きとなった。

 

焦点は植田日銀総裁の言葉:メイバンク

日銀が21~22日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めた。植田総裁が9日付の読売新聞のインタビューで、持続的な物価上昇に確信が持てた段階になればマイナス金利政策の解除を含め「いろいろなオプションがある」などと述べたことで、市場では植田総裁の記者会見に関心が高い。マレーシアの最大手銀メイバンクは22日付のリポートで「焦点は植田総裁の言葉であり、円相場を支える『タカ派的なコメント』をさらに表明するかどうかである」との見解を示した。リポートでは、ただ今のところ、どちらかと言うとハト派的なコメントになりそうだとし、「円相場は一段安となる可能性がある」とみていた。

 

トルコ中銀の政策金利引き上げも不十分な利上げとの反応

トルコ中銀は大方の予想通りに主要政策金利を25.00%から30.00%に引き上げることを決定した。4会合連続の利上げでは、合計21.5%も金利を引き上げたことになる。しかしながら、足もとでインフレ率が60%に迫る勢いであるためか、市場は不十分な利上げと受けとめた。公表直後からリラは対ドルで売りが加速し、ニューヨーク引け水準は27.11リラ後半と約1カ月ぶりのリラ安ドル高水準となった。トルコ中銀は、昨日の声明で「金融引き締めはインフレ見通しの大幅な改善が達成されるまで、タイムリーかつ段階的に必要に応じてさらに強化」とインフレ抑制に積極的な姿勢を示した。ただし前総裁の残した負の遺産は重く、現状の政策が必ずしも即効性がある訳でもなく、暫くのあいだトルコ経済は高金利と高インフレに付き合うことになる。エルドアン大統領がどの程度まで金利高を容認するのかが気になるところである。

 

南ア中銀は政策金利を据え置き

昨日、南アフリカ準備銀行(SARB)は市場予想通り政策金利を8.25%に据え置いた。見込み通りではあったが、金融政策委員会(MPC)の5名のメンバーのうち2名は25bpの利上げを主張した。7月のインフレ率は前年比4.8%、8月が4.7%に収まっていたのにもかかわらず、2名の利上げ派がいたことはサプライズだった。引き続き南アのインフレは不確実性が高いと言え、MPC内でも意見の相違が続くかもしれない。なお、クガニャゴSARB総裁も『インフレとの戦いがまだ終わっていないことを示唆している』『中銀の政策スタンスはインフレを長期的に見て、目標範囲(3-6%)の中心でより持続的な水準を目指す』と述べている。

 

米新規失業保険申請件数は市場予想下回る:US Dashboard

21日に発表された米新規失業保険申請件数は20万1000件と前週の改定値22万1000件から2万件減少し、市場予想の22万5000件を大きく下回り、1月以来の低水準となった。4週間移動平均も7800件の減少となり緩やかな減少傾向が続いており、米国の雇用の堅調さを示す結果となった。3~9日の週の総受給者数は166万2000人と前週比で2万1000人減少し、同じく堅調な雇用情勢を反映している。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で足元の米景気の堅調さを強調しており、引き続き金融引き締め局面の長期化が意識される。

 

米中古住宅販売は1月以来の低水準:US Dashboard

全米不動産協会(NAR)が21日発表した8月の中古住宅販売件数は404万戸と、市場予想の410万戸に反して前月の407万戸から0.7%減少し、1月以来の低水準となった。販売価格の中央値は40万7100ドル(約6000面円)と前年同月比で3.9%上昇した。住宅ローン金利の高止まりを受け買い替え需要が減退、中古住宅の不足から中古住宅市場は低迷が続いている。

 

FF金利先物は早期の米利下げ観測が後退:US Dashboard

米連邦準備理事会(FRB)が20日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置いた。参加者による政策金利見通し(ドットチャート)の中央値は、2023年末が5.6%と6月時点の前回見通しから据え置かれ、年内あと1回の利上げを見込む。24年末は5.1%と前回の4.6%から引き上げられ、24年中の利下げ幅は1%から0.5%に縮んだ。25年末の政策金利も0.5%引き上げられており、FRBが高い政策金利をより長い期間保つ姿勢が示された。FRBの姿勢を受け、フェデラルファンド(FF)金利先物が織り込む政策金利も、早期利下げ転換観測が後退している。

 

米国市場では9月サービス業PMIが公表:予想は50.6

8月実績は50.5と市場予想を下回った。新規受注の減少が主な要因だった。9月については、大幅な改善は期待できないため、前回並みの水準にとどまる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比▲1.2%)
○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.6%/前年比▲1.3%)
○15:30   植田和男日銀総裁、定例記者会見
○16:15   9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:46.0)
○16:15   9月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.0)
○16:30   9月独製造業PMI速報値(予想:39.5)
○16:30   9月独サービス部門PMI速報値(予想:47.2)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:44.0)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:47.7)
○17:30   9月英製造業PMI速報値(予想:43.0)
○17:30   9月英サービス部門PMI速報値(予想:49.2)
○20:00   デギンドスECB副総裁、講演
○21:30   7月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.5%)
○21:50   クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:45   9月米製造業PMI速報値(予想:48.0)
○22:45   9月米サービス部門PMI速報値(予想:50.6)
○22:45   9月米総合PMI速報値(予想:50.4)
○23日02:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○23日02:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/21/15:16:34

日経平均株価:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢に

米国で発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がタカ派寄りと受け止められ、金融引き締め長期化が警戒された。米長期金利が上昇し米ハイテク株安となった流れが波及した。アジア時間の長期金利の高止まりが警戒され、半導体関連や電子部品などクロース株の下落が指数を押し下げた。米国株先物やアジア株の軟調な値動きも投資家心理の重しになった。午後に下げ幅を470円超まで拡大する場面があった。結局、前営業日比452円安の3万2571円と3日続落して終了した。QUICKが評価損益率を計算した信用評価損益率は15日申し込み時点でマイナス8.19%と、前の週のマイナス9.37%からマイナス幅が1.18ポイント縮小した。改善は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:148円台前半でもみ合い展開

ドル/円は、米長期金利上昇を眺めて一時148.46円付近まで値を上げ、昨年11月上旬以来のドル高・円安をつけた。ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっているため、積極的な上値追いは手控えられた。その後、日経平均株価の下げ幅拡大でリスク回避姿勢が強まると、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押されて148.20円近辺へ下落した。松野官房長官が円安進行について「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視し、過度な変動に対してあらゆる選択肢を排除せず、適切な対応を取りたい」と発言したことも、円買いにつながった。午後のドル/円は、米長期金利や日経平均株価を睨みながら、やや値を切り返して148.30円台を中心とする狭いレンジで推移した。明日予定されている日銀金融政策決定会合の結果や植田日銀総裁の記者会見を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0635ドルを挟んでもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀金融政策会合の注目点:野村証券

日銀が21~22日に開く金融政策決定会合では金融政策の据え置きが見込まれている。注目は声明文と植田総裁の会見に集まる。市場の一部は声明文にある緩和バイアスの文言修正・削除を見込んでいるが、野村証券の松沢中氏は「その可能性は低い」と見ている。YCC柔軟化を決めた7月会合でも敢えてこの文言を残したのは、同政策修正が金融引き締めへの第一歩ではないことを強調するためであり、それを改めて修正・削除するのであれば、日銀が改めてその方向へ動き出したとのメッセージになってしまう。9日の植田氏の発言と相まって、市場は近い将来のYCC撤廃・利上げを既定路線化してしまうリスクが高い。声明文修正を行う場合、経済・物価見通しを修正するのに合わせて実施する方が自然であり、その観点からも今会合での注目は「植田総裁が10月「展望レポート」(での見通し修正)についてどれだけヒントを示すか」だという。9日の植田氏の発言の背景には、単に想定外の円安や政府の円安けん制への協力だけではなく「日銀がインフレ見通しを(下方向に)見誤っており、市場の後手に回るリスクへの意識が高まってきたことがある」とみている。06年の量的緩和解除・利上げに先立つ日銀からの明確な地ならし開始は、そのおよそ半年前の05年10月「展望レポート」における金融緩和出口に関する詳細な記述だった。10月の展望レポートでの物価見通し修正が比較的大幅になるならば、合わせて声明文の修正や、さらに踏み込んで「金融緩和出口論をより具体的に語り始めてもおかしくない」と述べていた。

 

8月の英CPIを受けて英中銀が利上げ終了と予想:ゴールドマン

20日に発表された8月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.7%上昇と前月の6.8%から鈍化し、市場予想の7.1%上昇を下回った。エネルギーや食品を除くコア指数も同6.2%上昇と7月の6.9%上昇から大幅に伸びが鈍化した。今回の結果を踏まえ、ゴールドマン・サックスは20日付リポートで英国のインフレ予測を下方修正した。2023年末までにコアインフレ率が前年比ベースで従来6%とみていたが5.5%に、ヘッドラインインフレ率も従来4.7%としていた見通しを4.4%になると改めた。リポートでは、英金融政策委員会(MPC)がインフレの持続性を監視するために設定した3つの指標のうち2つが、8月の会合以降に予想以上に改善しているとして、「彼らの最近のハト派的なコメントと相まって、我々はMPCが21日に政策金利(5.25%)を据え置くと予想し、ターミナル・レート(利上げの到達点)の予想を5.25%(従来は5.5%)に引き下げた」という。

 

トルコ中銀の政策金利の発表に注目

トルコ中銀については、『主要政策金利は現行25%から30%に引き上げ」というのがアナリスト予想の中心値である。ただし、一部中東メディアが金融政策委員会(MPC)関係筋の話として、35%までの大幅引き上げも検討される可能性を報じている。あくまで『検討』の範囲内で収まることは充分にあり得るが、政策金利30%超えは念頭に置いておいたほうが良いかもしれない。一方、利上げ幅が予想より小さいとなれば、インフレ抑制に向けたエルカン中銀総裁の姿勢は「ただの見せかけ」と受けとめられてしまう。そうなると、リラの失望売りが加速し、年初来安値が意識されてしまう。

 

南ア中銀の金融政策委員会に注目

南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)開催される。市場予想は前回に続き据え置き予想である。10月の南ア国内のエネルギー基準価格がすでに大幅な上昇予想であり、エルニーニョ現象により更なる国内食品価格の上昇も見込まれているため、今後のインフレ高進の可能性は否定できない。しかしながら、すでにこれまでの金利上昇で一般家計の財政が相当厳しい状況に陥っていることで、利上げは難しいとの意見が多数派である。南アと米国との金融政策の方向性の違いがさらに明白になり、小売売上高をみても南ア経済の落ち込みが顕著なこと、財政難で11月に発表される予算が緊縮となることなど、南アにはネガティブ要素が目立ち、ランドは中長期的に買い難い通貨である。ただし、昨日のランド買いの根強さをみても需給的な動きが相場を大きく左右しそうであり、当面のランド/円は7円後半を中心とした取引が続くことになりそうである。

 

ガンドラック氏は「原油高で追加の米利上げの確率上がった」:米CNBC

『債券王』と呼ばれる米資産運用会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は米東部時間20日夕、米CNBCのテレビインタビューで「米利上げの確率は最近の原油高が起こる前に考えていたより上がった」と指摘した。インフレ圧力の再加速につながる可能性がある原油価格の上昇は「大きな問題となる」との認識を示した。20日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を据え置いたことについては「最近ではベストなFRBの決定だ」と評価した。全米自動車労組(UAW)によるストライキや原油高がインフレ圧力になる一方、物価指標に占める割合が大きい持ち家を借家とみなした場合の「帰属家賃」は低下傾向にあると指摘。「多くの相反する流れ(クロスカレント)があり、慎重に様子をみるというFRBの判断は正しい」と述べた。ガンドラック氏は最近まで米利上げが景気を押し下げると主張していた。

 

米FOMCではより長い金融引き締めを示唆:US Dashboard

米連邦準備理事会(FRB)は20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を2会合ぶりに据え置き、5.25~5.50%とした。同時に公開したFOMC参加者による政策金利見通し(ドットチャート)では19人中12人が2023年末の政策金利を5.625%と予測し、年内で0.25%の追加利上げを想定していることが示された。残る7名は5.375%と現行の水準(年内の据え置き)だった。パウエルFRB議長は会見で「今年の最後の2回のFOMC(11月、12月)で下す決断は完全にデータに基づくものになる」「利下げのタイミングについて、シグナルを送るつもりは決してない」とこれまで通りのデータ次第との姿勢を強調した。一方、24年と25年末の政策金利の中央値はともに0.5%引き上げられ、高い政策金利(金融引き締めの状態)が長期化する可能性が示された。

 

欧米市場イベント

○15:45   9月仏企業景況感指数(予想:98)
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表(予想:2.00%に引き上げ)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:4.00%に引き上げ)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き上げ)
○17:30   8月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.0%)
○20:00   英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:5.50%に引き上げ)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:30.00%に引き上げ)
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:2210億ドルの赤字)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲0.7)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/169.5万人)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○23:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲16.5)
○23:00   8月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.7%/年率換算410万件)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.5%)
○23:40   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

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