FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/05/15:11:42

日経平均株価:材料少なく利益確定売りから上値の重い展開

寄り付き後は節目の3万3000円を回復する場面もみられたが、前日まで6連騰していたこともあり、利益確定や戻り待ちの売りに押された。前日の米国市場が休場だったことで手掛かり材料が少なく、小幅な値動きとなった。最近の相場上昇を受けて投資家心理が強気に傾くなか、買いが優勢となった。結局、97円高の3万3036円と7日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇から円売りが優勢に

ドル/円は、米長期金利上昇を眺めたドル買い・円売りが優勢となり、146.70円台へじり高となった。財新が発表した8月中国サービス部門PMIが51.8と予想の53.5を下回り、これを受けた人民元やオセアニア通貨に対するドル高が波及した面もあった。午後は、ドル/円の堅調地合いは続いて一時146.87円付近まで値を上げた。ただ、休場明けとなる米国市場の金利や株価動向を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う尾動きは限られた。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

9月のECB理事会で最後の利上げ:UBS

欧州中央銀行(ECB)が14日に理事会を開催する。UBSは4日付リポートで政策金利の下限にあたる中銀預金金利(デポ金利)を最後に25bp引き上げ、ターミナルレート(利上げ最終到達点)が4%になると酔おうした。先行きに関しては利上げ自体は停止となる一方で、ECBが10月利上げの道を残したままであるとの姿勢を示す可能性があるとした。直近に弱い経済指標が相次いだのを踏まえ、「以前はECBのハト派にはなぜ追加利上げが必要ないのか説明するよう圧力がかかっていたが、現在は立証責任がタカ派に移っており、なぜ追加利上げが必要なのか説明する必要がある」と指摘した。9月に最後の利上げが実施される理由としては、「今回発表されるECBの事務方によるマクロ経済予測で2025年のインフレ率が依然として2%を上回ると予想しているからだ、当社の見解では、金利を据え置くことはそのような見通しと矛盾する」とも指摘した。仮にECBが9月に利上げを見送った場合は、「堅調な労働市場、過去最低の失業率、基調インフレの緩やかな低下を背景に、将来の利上げへの扉が再び開かれたままになる」とみている。その場合は10月に最後の利上げが実施される可能性が高いと予想した。利上げ開始の時期については、ジャクソンホール会議でのラガルド総裁の発言なども踏まえ、中期的な物価圧力が過去10~15年に比べて引き続き高いままで維持される可能性が高いとみていることから「ECBは24年6月に利下げを開始すると予想しているが、開始が遅くなる方向にリスクが偏っている」と説明した。

 

トルコの8月CPIは想定以上の加速

8月CPIは前月比9.09%、前年比が58.94%とそれぞれ市場予想の7%と55.9%を上回った。想定以上の加速についてシムシェキ・トルコ財務相は、「インフレを低下させるには時間がかかり、忍耐が必要」と述べた。昨日は2カ月連続で大幅なインフレ加速が明らかとなった。原因の1つは、大統領選後に急速に進んだリラ下落である。この通貨安を是正するためには、6月以降に正統派路線に転じた財政・金融政策を推し進める必要がある。ただシムシェキ財務相が認めたように、インフレとの戦いには時間がかかるため、物価高騰に高金利という2つの重石がトルコ経済に暫く圧し掛かることになる。なお、エルドアン・トルコ大統領は昨日、ロシアのソチを訪問してプーチン露大統領と会談した。ロシアが7月に離脱した黒海経由の穀物輸出合意について話し合った2人は、協議後に、建設的な内容だったと述べている。しかしながら、ロシアが再び合意に参加するかの目途は立っていない。

 

南アでは年後半から再びインフレ圧力が高まる可能性

本日は南アから4-6月期の国内総生産(GDP)が発表される。市場予想では前年同期比が1.1%上昇、前期比では0.1%の上昇予想となっている。ここ最近、GDPの結果ではランドが動意付き難くなっており、余程市場予想と乖離しない限り、相場への影響は限定的と予想する。なお、南アは毎月第1水曜日に国内のエネルギー基準価格が公表されるが、明日6日がその日に当たる。昨日、南ア政府はディーゼルの卸売価格は6日から1リットル当たり2.84ランド値上げすることを発表した。自動車協会(AA)によると、この上昇率は記録的なもので、価格自体も昨年12月以来の高値に達するとのことである。9月の消費者物価指数(CPI)等の発表はまだ先になるが、インフレが抑制されていた南アが、年後半は再びインフレ圧力が高まる可能性が出てきている。

 

メキシコ中銀はペソ安定のための為替ヘッジプログラムを段階的に縮小

 メキシコ財務省と中央銀行で構成する外国為替委員会が先月31日、中銀が通貨ペソ安定のために行っている「為替ヘッジプログラム」を段階的に縮小すると発表したことが今後どの程度影響するのかを見極める必要がある。このプログラムは2017年に55億ドル規模で導入され、市場の動揺が強まった新型コロナウイルスの感染拡大時期にはさらに強化する方針が示された。現状、ペソ高が大きく進む中で「外為市場は十分な流動性と厚みを備え、秩序ある形で取引される環境に戻っている」ということで、外国為替委員会がサポートする必要性がなくなってきているとの見解を示している。なお、この点については楽観視している専門家の声が多く、ペソが歴史的な高水準を記録するなかで「もはやこのプログラム自体を打ち切りたい」との当局の意向は強いため、このことによりペソ安に展開するとは到底思わないとの意見が大勢である。

 

米景気後退確率を引き下げ:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏は4日付リポートで、12カ月後の米景気後退入り確率を20%から15%に引き下げた。米実質国内総生産(GDP)は2024年末まで平均2%で成長するとも見込み、他社予想と比較しても「かなり楽観的である」とした。依然として軟調な企業サーベイや実質国内総所得の伸びの大幅な鈍化、学生ローンの返済再開や最近の住宅ローン金利上昇による住宅市場への打撃といった逆風があるものの、景気減速は浅く、短命に終わると予想した。実質可処分所得が雇用の堅調な伸びと実質賃金の上昇を背景に24年に再加速するとしたほか、消費者物価指数(CPI)ベースでも個人消費支出(PCE)ベースでも、基調的インフレの統計的指標であるトリム平均インフレ率はここ数ヵ月で2.0~2.5%台へと急減速しており、基調的インフレ率はすでに米連邦準備理事会(FRB)の目標に近づいている可能性を指摘した。

 

欧米市場イベント

○16:50   8月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.7)
○16:55   8月独サービス部門PMI改定値(予想:47.3)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:48.3)
○17:30   ビスコ伊中銀総裁、講演
○17:30   8月英サービス部門PMI改定値(予想:48.7)
○18:00   7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%/前年比▲7.6%)
○18:30   4-6月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.1%/前年同期比1.1%)
○21:30   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、パネルディスカッションに参加
○23:00   7月米製造業新規受注(予想:前月比▲2.5%)
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(ジャカルタ)

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欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/04/15:11:56

日経平均株価:米経済のソフトランディング期待から買い優勢

警戒された米雇用統計を大きな波乱なく通過した一方、景況感を示す指数は底堅く、米経済のソフトランディング(軟着陸)への思惑が投資家心理を支えた。国内のデフレ脱局の思惑も支援材料となり、幅広く物色された。TOPIXは、バブル後高値を更新した。市場では、米経済の軟着陸の思惑が支援した。8月半ばにかけて米長期金利の上昇が警戒されたが、金利が落ち着く中でこれまで警戒していた投資家が改めて買っているとの声が聞かれた。ただ、節目の3万3000円に接近した局面では利益確定売りも出て上値を抑えた。結局、前営業日比228円高の3万2939円とこの日の高値引けとなり、6日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:実需からのドル買い持ち込まれ146円台前半でもみ合い

ドル/円は、仲値にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、146.25円付近へ上昇した。ただ、1日のNY市場でつけた高値146.30円に接近すると上げは一服した。仲値発表後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向を睨みながら、146.20円前後で取引された。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは見送られ、146.10円台を中心とする狭いレンジで取引された。本日はレーバーデーで米国市場が休場となるため、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.07ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇も豪ドル買いは低下:前週のFX概況

QUICKが4日算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、『ドル/円』取引の総建玉に占めるドル買いの比率は1日時点で43.7%だった。前の週末から3.7ポイント上昇した。米長期金利の上昇の一服につれて円高・ドル安が進んだ局面で、相場の流れに逆らう「逆張り」戦略をとることが多い個人投資家は円売り・ドル買いに動いたとみられる。前週は8月29日に一時1ドル=147.37円と昨年11月以来の安値をつけた円相場が、9月1日には144円台まで水準を切り上げる場面があった。8月の米雇用統計など雇用関連指標の軟化で、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退。米金利低下とともに円高が進んだ場面で、円売り・ドル買いに動く個人が多かった。しかし、ドル売り建玉も前の週末から増えており円の先高観も根強いとみられる。『ポンド/円』取引ではポンドの買い比率は前の週末から6.0ポイント上昇し、50.9%となった。一方、『豪ドル/円』取引で豪ドル買いの入津は2.2ポイント低い59.0%となり、『ユーロ/円』取引ではユーロ買い比率は44.0%と1.2ポイント下がった。

 

9月のRBA理事会では追加利上げのハードルは高い:RBCキャピタル

豪州順銀行(RBA)が5日に定例理事会を開く。ASXのRBAの金利予測では、1日時点で政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を4.10%で据え置くとの見方が86%織り込まれており、3会合連続の金利据え置きが予想されている。RBCキャピタル・マーケッツは4日付のリポートで「RBAの追加利上げのハードルはかなり高く、8月の理事会以降のデータからは追加利上げに踏み切る理由が乏しいため、据え置きが予想される」との見解を示した。リポートでは、RBAが引き締めバイアスを維持する可能性が高いとしながら、「市場は基本的に動意づく可能性はないと見ており、戦う理由はないと思われる」とも指摘。据え置きの見方が優勢な中、市場の反応は限られるとみていた。

 

トルコの8月CPI結果に注目:インフレ再加速の懸念も

本日は欧州序盤に8月トルコ消費者物価指数(CPI)が発表される。5月の選挙をにらんでエルドアン政権が実施した家庭用ガス価格に対する補助の影響が薄まり、7月CPIから既にインフレは再加速している。更に8月は、付加価値税の増税が押し上げ要因になるとされている。前年比は55%台まで伸び率が上昇してくると予想され、せっかくのトルコ中銀大幅利上げの効果もかなり後退と受けとめられてしまうかもしれない。また、本日はエルドアン大統領がロシアのソチを訪問し、プーチン露大統領と会談する予定である。ロシアが7月に離脱した「黒海穀物輸出合意」に関して協議すると見られている。もし合意に向けて進展があれば、トルコの国際的なプレゼンスにとって悪くない話である。ただし、プーチン大統領が簡単に「穀物合意に参加意向を示す」とも思えず、エルドアン大統領の外交手腕が問われると言える。もしロシアに寄り添うような発言がトルコ側から出てしまうと、西側の反発は避けられない。そうなると、リラの印象は良くなりづらい。

 

南アの今週の経済指標の注目点

今週の南アフリカ経済指標では、5日に4-6月期GDP、6日に7-9月期南ア経済研究所(BER)企業信頼感、7日に同四半期BER消費者信頼感、4-6月期経常収支が発表される。通常はGDPや経常収支などは市場を動意づけるが、4-6月期と7-9月期は南ア経済が様々な面で変化があったため、今回は動き難いかもしれない。ただし経常収支に関しては、先週発表された7月の月次経常収支が2004年以来最大の赤字となるなど大幅に悪化していることで、4-6月期のネガティブサプライズには注意が必要である。

 

メキシコでは非正規雇用が順調に減少も女性の進出が伸びず

国立統計機関のINEGIが発表した2023年第2四半期のメキシコ失業率は2.8%と第1四半期の2.7%からはわずかに上昇したものの、昨年同期の3.2%からは大幅に低下する結果となった。INEGIによれば、2023年第2四半期には、経済的に活動的な人口6020万人のうち、170万人が失業していた。なお、470万人が非正規雇用で、これはメキシコの雇用者のうち8%を占めているが、1年前よりも39.1万人少ない数字となったことからも、正規雇用の堅調な伸びが窺える。男女で比較すると、15歳以上の男性のうち4分の3が仕事についているか探しているかという比率の高さに対して、女性の割合はわずか46.1%という結果だったこともわかった。

 

米雇用時計は労働需給の緩和を示す:US Dashboard

1日発表の8月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月から18万7000人増えた。市場予想の17万人増を上回ったが、6月は10万5000人に、7月は15万7000人に下方修正された。失業率は3.8%と7月の3.5%から上昇し、市場予想の3.5%を上回った。平均時給の伸びは前年同月比では4.3%と7月の4.4%から鈍化し、市場予想4.4%を下回った。労働需給の緩和を示す結果を受け、市場では米連邦準備理事会(FRB)の米金融引き締め長期化への警戒感が和らいだ。ただ、失業率は6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された2023年末の水準(4.1%)を下回り、平均時給も新型コロナウイルス禍前より高い。インフレ懸念が後退するほど労働需給は緩んでおらず、早期利上げ転換を織り込む状況ではない。

 

★急速に盛り返す「米利上げ打ち止め」予想

「米連邦準備理事会(FRB)の利上げは打ち止め」との予想が、金融市場で急速に盛り返した。米金利先物の値動きから探る「Fedウオッチ」では、9月と11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利がともに据え置きとの予想の確率は再び6割を超えてきた。1日発表の8月の米雇用統計が「利上げ打ち止め」予想を後押しした。雇用統計では失業率が3.8%へ悪化した。非農業部門の就業者は前月からの増加幅が18万7000人と市場予想を上回ったが、6月と7月が下方修正されて雇用の伸びは勢いが鈍りつつあるとの見方につながった。Fedウオッチにおける9月と11月のFOMC後の政策金利が現行「5.25~5.5%」のままとの予想の確率を掛け合わせると、1日時点で60.7%へ上昇した。9月は「5.25~5.5%」の予想が94%まで高まり、11月が「5.25~5.5%」の予想も64.6%へ高まった。8月中旬以降、「打ち止め」予想は後退が続き、同25日にパウエルFRB議長が「適切ならさらに利上げをする用意がある」などと発言した講演後には、3割を切る水準まえ低下した。だがその後、経済指標が発表されるたびに「米経済はさほど強くない」と見方が強まり、利上げ打ち止め予想が息を吹き返している。同時に米経済の急激な悪化は避けられるとの期待も広がり、金融緩和への早期転換観測も遠のきつつある。米金融政策は読みづらい局面となってきた。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独貿易収支(予想:180億ユーロの黒字)
○16:00   8月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比7.00%/前年比55.90%)
○16:00   4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.1%/前年比0.5%)
○20:30   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:00   ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:30   ラガルドECB総裁、講演
○23:00   パネッタECB専務理事、講演
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/09/01/15:16:30

日経平均株価:中国景気回復期待から買い優勢に

日経平均株価は反落してスタートしたが、その後はプラス転換し、上げ幅を上場徐々に拡大した。朝方に売られていた指数寄与度の大きい銘柄がプラスに転じるなどし、相場を押し上げた。市場では、材料が特にない中で、出遅れている銘柄が物色されているのではないか。また、TOPIXの主力どころが、軒並みプラスで推移していることが印象強いとの声が聞かれた。中国の景気回復期待も追い風に、上げ幅は一時200円を超えた。結局、前営業日比91円高の3万2710円と5日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:仲値以降は日本株や米長期金利動向を睨む展開

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、145円台半ばから一時145.70円付近まで値を上げた。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じ、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。仲値発表後は、米国市場の3連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、145.25円付近へ軟化した。中国人民銀行が外貨預金準備率を2ポイント引き下げる意向を示し、これを受けたオフショア市場での人民元高・ドル安が波及した面もあった。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動き見られ、145円台半ばへ値を切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、145.50円台を中心とする狭いレンジで推移した。今晩発表される8月米雇用統計のイベントを前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0845ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ユーロ圏CPIコア指数の鈍化でECBの利上げ観測後退

8月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比5.3%上昇と市場予想の5.1%上昇を上回った。7月の5.3%上昇から横ばいだった。食品などが同9.8%上昇し、サービスも同5.5%上昇と高止まった。一方、エネルギーは3.3%下落し、4カ月連続でマイナスとなった。変動の大きい食品やエネルギー、アルコール、タバコを除いた指数は市場予想通り、前年同月比5.3%上昇と5~7月まで3ヵ月続いた5.5%上昇から鈍化した。欧州債券市場では同指数の減速を材料視され、引き続き9月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ観測が後退した。

 

トルコの4₋6月期GDP予想を上振れも相場の反応は鈍かった

4-6月期トルコ国内総生産(GDP)は前年比3.8%と市場予想より0.3ポイント上振れたが、下方修正された前回値3.9%から減速した。結果発表後の相場の反応は鈍かったものの、リラの買いづらさには繋がった。なおトルコのGDP発表後に同国のシムシェキ財務相は、「力強いだけでなくバランスが取れ、持続的かつ包括的な経済成長を目指している」と述べた。

 

南アのインフレ抑制が改めて示される

昨日発表された7月の南ア卸売物価指数(PPI)は先週発表された同月消費者物価指数(CPI)に続いて市場予想よりも下振れ、南アのインフレ抑制が改めて示された。もっとも、統計局は飲料・食料・金属・機械・コンピュータ機器ほか、複数の分野では依然上昇傾向が続いていることで、予断は許せない状況としている。また、7月の貿易収支は赤字予想が黒字となり、双子の赤字に転じることは避けられた。

 

メキシコ中銀の四半期報告書:景気減速のペースに注目

メキシコ銀行(中央銀行)が四半期報告書を公表した。今年の成長率見通しを3.0%(前回は2.3%)、2024年を2.1%(前回は1.6%)へと上方修正した。一方で、政策金利は長期に渡って過去最高水準に維持する必要があるとの方針を維持した。米経済動向と連動してメキシコ経済は今後減速していくとの見方も示しており、今後は景気減速のペースにも注目しておく必要がある。

 

米失業保険申請件数は予想外の3週連続減

8月26日までの週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の22万8000件と市場予想の23万5000件を下回った。3週連続での減少となった。季節調整前の実数で19万2467件と前週から6970件減少した。一方、4週間移動平均は23万7500件と前週比で250件増加し、中期的な基調としては増加傾向が維持された。8月19日までの週の総受給者数は172万5000人と前週比で2万8000人増加した。7月7日までの週以来の高水準となり、労働市場が緩んでいる兆候と指摘された。

 

米PCE物価指数は3ヵ月ぶりに加速:US Dashboard

7月の個人消費支出(PCE)物価指数(デフレーター)は前年同月比3.3%上昇と市場予想の3.3%上昇と一致したが、伸びは6月の3.0%上昇から拡大し3ヵ月ぶりに加速した。エネルギーと食品を除くコアPCE物価指数も同4.2%上昇と6月の4.1%から拡大し、3ヵ月ぶりに加速した。米経済活動の3分の2超を占める個人消費支出(PCE)は前月比0.8%増と6カ月ぶりの大きさとなり、個人消費需要の旺盛さが示された。

 

8月のNFPは14万9000増加?ハリウッドのストライキなど特殊要因も:ゴールドマン

米労働省が本日8月の雇用統計を発表する。非農業部門の新規雇用者数(NFP)の市場予想は17万人増で前月(18万7000人増)から鈍化する見通しである。失業率は3.5%で前月から横ばいが見込まれる一方、平均時給は前月比03%増で前月(0.4%増)から鈍化する見通しである。ゴールドマン・サックスはリポートで、NFPは14万9000人増と予想した。労働関連のビッグデータ指標によると、雇用者数は堅調だが全般的に伸びが鈍化しており、8月の雇用者数は初回発表時に一貫してマイナスのバイアスを示しているという。ハリウッドのストライキでマイナス1.8万人、米物流大手のイエローの人員削減でマイナス8000人の特殊要因(マイナス2.6万人)も考慮した。なお、失業率は3.5%で前月比横ばいを見込み、平均時給は0.2%上昇で市場予想よりも弱めの数字を見込んだ。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比▲0.4%)
○15:30   8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○16:00   8月トルコ製造業PMI
○16:30   8月スイス製造業PMI(予想:40.5)
○16:50   8月仏製造業PMI改定値(予想:46.4)
○16:55   8月独製造業PMI改定値(予想:39.1)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:43.7)
○17:30   8月英製造業PMI改定値(予想:42.5)
○19:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○21:00   4-6月期ブラジル国内総生産(GDP、予想:前期比0.3%/前年同期比2.7%)
○21:30   6月カナダGDP(予想:前月比▲0.2%/前年比1.4%)
       4-6月期カナダGDP(予想:前期比1.2%)
○21:30   8月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.0万人/失業率3.5%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.4%)
○22:45   8月米製造業PMI改定値(予想:47.0)
○22:45   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○23:00   8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.0)
○23:00   7月米建設支出(予想:前月比0.5%)
○24:00   8月メキシコ製造業PMI
○2日03:00   8月ブラジル貿易収支(予想:97.50億ドルの黒字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/08/31/15:15:00

日経平均株価:米追加利上げ観測和らいだことを好感した買い

米国市場で追加利上げ観測が和らぐ中、米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が2.5%高と上昇し、国内の半導体関連株も総じて堅調だった。一方、福島第1原発の処理水放出を巡る対日感情への懸念から小売り、水産、農林はさえなかった。中国の経済指標が想定より良好で景気悪化懸念が和らいだことも買い安心感につながった。結局、前営業日比285円高の3万2619円と4日続伸して終了した。JPXが発表した8月第4週(21~25日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は2046億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続。個人投資家は1160億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶり。信託銀行は218億円の買い越しとなり、買い越しは5週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:月末絡みのドル売りで上値の重い展開

ドル/円は、最近発表された米経済指標が低調で、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退していることからドル売りが先行し、一時145.76円付近まで下落した。仲値発表後に、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが観測されたことも、ドル/円の押し下げ要因となった。午後は、日経平均株価の上げ幅拡大がリスク選好の円売りを誘い、値を持ち直して145.90円台を中心とする狭いレンジで推移した。今晩発表される米経済指標を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.09ドル台前半で小動きに終始した。

 

レイバーデー前の金曜日の米株に弱いジンクス:アノマリー分析

9月4日の米国市場は、レイバーデーで休場となる。夏の終わりを告げるレイバーデーの三連休を前にした1日に雇用統計が発表されることから、薄商いの中で市場の反応が警戒される。相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、2002年以降の過去21年間でNYダウはレイバーデー前の水曜日が最も強い反面、金曜日は弱いという経験則があるという。レイバーデー前の金曜日の平均下落率はダウが0.09%、S&P500指数が0.11%、ナスダック総合指数が0.23%となっており、主要3指数が全て下落となった。ダウは20年以降、3年連続で金曜日に下げていた。

 

欧州市場では8月のユーロ消費者物価指数が公表:予想は前年比+5.1%

7月実績は前年比+5.5%だった。インフレ率は鈍化傾向にあるが、サービス価格の高止まりが続いている。8月については、7月実績を下回る見込みだが、5%超のインフレ率となる可能性が高い。

 

トルコの4₋6月期GDPに注目集まる:前回から減速が確実視

本日は、トルコから4₋6月期国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は昨年10‐12月期に並ぶ前年比3.5%と前回4.0%から減速が確実視されている。もし見込みより弱い結果となれば、コロナ禍で大幅マイナスに沈んだ2020年の一時期を除くと、2019年7-9月期以来の低い水準となる。トルコ中銀が金融引き締めに転じた影響(金利高による経済活動の減速)は7-9月期からであり、暫く成長鈍化は避けられないかもしれない。

 

南アの7月PPIと貿易収支の発表に注目集まる

昨日発表された南アの7月財政赤字は1438億ランドの赤字に転じた。市場予想よりも赤字額が上回っただけでなく、2004年以来最大の赤字となっている。結果発表後に南ア債は売られ、利回りは上昇したが、ランド相場への影響は限られた。クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁は講演で「財政リスクを軽減することが不可欠」と述べたが、今週29日に行われた国債入札も約2年ぶりの低さになるなど、南アの財政不安は悪化を辿りそうである。本日は南アから7月の卸売物価指数(PPI)と貿易収支が発表される。PPIは先週のCPI同様にインフレが低下しているか注目であるが、CPIと比較すると南アのPPIでは市場を動意づけることがほぼ無いので、値動きは限られそうである。一方、貿易収支はマイナス予想となっているが、昨日の財政赤字に加え、双子の赤字となった場合には中長期的にランドの重しになる。

 

メキシコのGDP確報値が予想を下回り懸念材料に

昨日公表の4-6月期メキシコGDP確定値が予想より弱い結果となったことも懸念材料の一つである。世界的なニアショアリング(生産拠点を最終消費地に近いところに移転させるこうした戦略)の流れから建設業は好調を維持した一方、メキシコ銀行(中央銀行)による金融引き締め政策の影響からサービス業の伸びが予想以上に鈍化した。中銀が引き締め方針を維持するなか、今後の景気減速も気掛かりである。

 

8月のADPリポートが市場予想下回るもNFPは上振れリスク:JPモルガン

30日に発表された8月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで民間部門の就業者数が17万7000人増にとどまり、市場予想の20万人増を下回った。JPモルガンは30日付けのリポートで、29日に発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数(季節調整済み)が市場予想を下回ったことも踏まえつつ、「今回のADPは3月以降で最小の増加幅となった」との見解を示した。リポートでは、ADPの数字が雇用統計の民間部門の予想より強いことから、8月の非農業部門の新規雇用者数(NFP)予想の12万5000人増に対する上振れリスクを示唆しているとしながら、「ADPはNFPの信頼できる予測ではないことが多いことに注意する必要がある」と指摘した。また、ADPの数字が若干オーバーシュートしているのは、ストライキ中の労働者がADPのデータでは雇用者としてカウントされるが、労働省の事業所調査ではカウントされないという事実によっても説明できる」という。

 

米国市場では7月個人消費支出(PCE)物価指数が公表:US Dashboard

市場予想では、前年同月比で3.3%と、前月の3.0%から伸びが加速する見込み。食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比4.2%と、前月の4.1%を上回るとみられている。同指数は米連邦準備理事会(FRB)が重視しており、市場の注目度も高い。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された2023年末のメンバーの見通しは、それぞれ3.2%、3.9%だった。インフレ抑制が進んでいないとの見方が広がれば、追加利上げの織り込みが進む可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独小売売上高(予想:前月比0.3%/前年比▲1.0%)
○15:30   7月スイス小売売上高
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.8%/前年比4.6%)
○15:45   7月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.5%)
16:00   4-6月期トルコGDP(予想:前年比3.5%)
○16:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○16:15   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○16:55   8月独雇用統計(予想:失業率5.7%/失業者数変化1.00万人)
○18:00   7月ユーロ圏失業率(予想:6.4%)
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比5.1%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比5.3%)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比2.9%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:30   ECB理事会議事要旨(7月27日分)
○20:30   8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
21:00   7月南アフリカ貿易収支(予想:12.5億ランドの赤字)
○21:00   7月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.80%)
○21:00   4-6月期インドGDP(予想:前年同期比7.7%)
○21:30   4-6月期カナダ経常収支(予想:112億カナダドルの赤字)
21:30   7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.7%)
       7月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       7月米PCEデフレーター(予想:前年比3.3%)
      7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比4.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/170.3万人)
○22:00   コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○22:45   8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:44.1)
○1日01:00   デギンドスECB副総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/08/30/15:14:11

日経平均株価:米国株高を好感した買い優勢

米国市場で追加利上げ観測が緩和し株高となったことを好感した。中国株などアジア株が検討だったことも支援した。米国の追加利上げ観測が和らぐ中、米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が2.5%高と上昇し、国内の半導体関連株も総じて堅調だった。一方、福島第1原発の処理水放出を巡る対日感情への懸念から小売り、水産、能吏はさえなかった。上げ幅を一時300円を超えたが、上値では戻り待ちの売りが出て伸び悩んだ。結局、前営業日比106円高の3万2333円で3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:146円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利が低下から持ち直したことに支えられてドル買い・円売りが進み146.25円付近へじり高となった。田村日銀審議委員が金融緩和の継続に前向きな姿勢を示し、日米金融政策の違いが改めて意識されたことも、ドル/円の押し上げにつながった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら146.20円前後でもみ合いとなった。今晩発表される8月ADP全米雇用報告などの指標を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.0860ドル台を中心とする狭いレンジで推移した。

 

独の消費者信頼感指数が市場予想を下回り回復傾向は足踏み

調査会社Gfkが29日に発表した9月のドイツの消費者信頼感指数はマイナス25.5と8月改定値のマイナス24.6から低下した。2022年10月をボトムとした改善傾向は、7月に続き打ち消される格好となった。Gfkは「消費者信頼感は今後数ヵ月低水準にとどまる可能性が高く、個人消費が今年の経済全般にプラスに寄与することはないだろう。むしろ、ドイツの成長見通しの重荷となりそうだ」と分析した。

 

トルコ政府と中銀が目指す経常収支改善には程遠い状況

昨日発表された7月トルコ貿易収支は122.2億ドルの赤字と予想の赤字幅に届かなかったが、前回から赤字幅は2倍以上となった。トルコ政府や中銀が目指す経常収支改善にはまだ程遠い状況であり、これもリラの買いづらさに繋がった。複数のメディアが昨日報じているが、エルドアン・トルコ大統領は近日中にロシア・ソチを訪問し、プーチン露大統領と会談するもようである。ロシアが7月に離脱した「黒海穀物輸出合意」に関して協議すると見られている。合意に向けて進展があれば、トルコの国際的なプレゼンスが上がると思われ、通貨リラにとっても悪い話ではない。

 

南アの7月の月次財政収支の発表に注目

本日は7月の月次財政収支が発表される。市場では大幅な赤字になるとの予想であるが、予想より更に赤字幅が増加した場合のネガティブサプライズには要警戒である。財政状況が厳しいことで、10月25日に予定されている中期予算政策にも影響を与える可能性も出てきている。もっとも、市場がすぐに財政収支の結果でランドを売買するのはあまりないことで、今回も大きな動きは期待できない。しかしながら、中長期的には重要なことなので、気に留めておいたほうが良さそうである。

 

米CB消費者信頼感指数は予想を上回る落ち込み:US Dashboard

29日に米調査会社コンファレンス・ボードが発表した8月の米消費者信頼感指数は106.1と市場予想の116.0を下回り、7月の114.0から7.9ポイント低下した。3ヵ月ぶりの低下で、インフレ懸念が再燃するなかで米消費マインドが食料品、ガソリン価格の値上がりによる実質的な可処分所得の減少に警戒感を抱いていいることが示された。

 

米JOLTSの求人件数は市場予想を大きく下回る:US Dashboard

29日に発表された7月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は前月比33万8000件減の882万7000件と市場予想の947万8000件を大きく下回った。3ヵ月連続で1000万件を割り込み、2021年3月以来の低水準となった。米労働市場が徐々に鈍化していると受け止められ、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き観測が強まり、24年前半での利下げ観測が再燃した。自発的な離職者数は25万3000件減の354万9000件と21年2月以来の低水準となった。労働市場に対する信頼感の目安となる自発的な離職率は6月の2.4%から2.3%へ低下した。しかし、大手企業などの大幅な賃上げを見て、離職するよりも現職にとどまった方が好条件を維持できるとの見方も背景にあるのかもしれない。直近では全米自動車労働組合(UAW)が大手自動車メーカーに対して4年間で約40%の賃上げを要求したことが注目を集めている。

 

米株を4週連続で買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの29日付の顧客フローリポートによると、同社の顧客は先週(8月21~25日)の1週間に米株を36億4500万ドル買い越した。4週連続で買い越しだった。この週はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演がほぼ想定内だったとの受け止めから安心感が広がり、S&P500種株価指数は週間で0.82%高となって4週ぶりに反発した時だった。主体別動向でヘッジファンド(HF)は3億8100万ドルの売り越しで、3週ぶりに売り越しに転じた。機関投資家は6100万ドルを買い越して、3週連続で買い越しだった。個人投資家は1億7700万ドルを買い越して、3週ぶりに買い越しとなった。企業の自社株買い12億400万ドルと季節的な傾向を下回ったままだった。S&P500の時価総額に対する自社株買いの額は0.14%で22年同時期の0.15%を下回っている。セクター別では11セクターのうち7セクターが買い越しだった。最も資金が流入したのはコミュニケーション・サービス・セクターで、流入額は5億1400万ドルだった。次いで生活必需品セクターに4億6600万ドルの資金が流入した。金融セクターには7週連続で資金が流入しており、現時点で全セクターの中で最長記録となっている。一方で、ヘルスケア・セクターは先週の大幅流入から一転して、13億4900万ドルの大幅な資金が流出した。リポートでは「ヘルスケアの上下に激しい(ホイップソーイング)のフローは、不確実性や確信の欠如の継続を示唆している可能性がある」と懸念した。BofAではヘルスケアをアンダーウエイトしている。

 

米国市場では4₋6月期国内総生産(GDP)改定値:予想は前期比年率+2.4%

個人消費は減速したが、設備投資の拡大が寄与した。財政支援などが押し上げ要因になったとみられる。改定値では、一部項目が上方修正される可能性があるが、速報値と同水準となる見込み。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独輸入物価指数(予想:前月比横ばい/前年比▲12.9%)
○16:00   8月スイスKOF景気先行指数(予想:91.5)
○17:30   7月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30   7月英マネーサプライM4
○18:00   8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:93.7)
○18:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲16.0)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   8月独CPI速報値(予想:前月比0.3%/前年比6.0%)
○21:15   8月ADP全米雇用報告(予想:19.5万人)
○21:30   7月米卸売在庫(予想:前月比▲0.3%)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率2.4%)
       4-6月期米個人消費(改定値、予想:前期比年率1.8%)
       4-6月期米コアPCE(改定値、予想:前期比年率3.8%)
○23:00   7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲1.0%/前年比▲15.7%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○31日01:00   7月ロシア失業率(予想:3.2%)
○トルコ(戦勝記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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