FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/12/15/15:14:25

日経平均株価:国内感染拡大が重石となり利益確定売り優勢

前日の米国株市場がさえない展開となった流れを引き継ぎ、幅広い業種で売りが先行した。国内での新型コロナウイルス感染拡大も重石となった。売り一巡後は、本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが広がった。午後は新しい材料はないものの、日銀によるETF(上昇投資信託)の買い入れが見送られるとの見方から、利益確定売りが優勢になった。結局、前営業日比44円安の2万6687円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から104.10円付近でもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りやNYダウ先物の上昇に支えられ、104.13円付近まで上昇した。しかし、米国で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、NY市で厳しい抑制策が実施されていることから上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、104.10円付近でもみ合う展開となった。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、104.10円を挟んで方向感に欠ける値動きとなった。本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台半ばで小幅な値動きを終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

過去経験則では年後半の原油高は翌年の日本株が上昇しやすい

原油相場は11月から上昇しているが、過去実績として『年後半の原油底堅さ』は翌年の日本株上昇が高確率で担保されてきた。翌年にかけての世界的な資源需要改善と景気回復を先取りするもので、デフレ懸念の緩和や実質金利の押し下げなども株高材料となりやすい。今年の日経平均株価がコロナ打撃やドル安・円高圧力でも29年ぶり高値を更新してきた一因として、原油相場の「適温」安定化と間接影響する形での為替の変動幅抑制があり、来年にかけてもこうした好連鎖環境の持続性が注目される。『年後半の原油高』の翌年については、裏表の世界経済回復やデフレ圧力減退、資源業界の収益改善などもあり、日本企業全般の利益も底上げされていることが主因である。

 

英国市場では17日に英国中銀の金融政策委員会が開催

英国ではコロナ感染や経済制限が再拡大しているほか、英EUの通商協議は決裂回避で延長となったものの、先行き不透明感が残されている。先行きの景気と物価の慎重見通しと緩和強化が示唆されると、短期的なポンド安材料となりやすい。一方で英国中銀では、先行きのマイナス金利導入に対して委員の間で意見が分かれている。今後の導入の協議余地が示唆されると、ポンド安に作用。反対に具体的な言及がなければ、ポンド高という市場反応も想定される。

 

南アの経済指標改善がランドの下支え

先週発表された南アフリカの経済指標では、前期比で大きく反発した7-9月期GDPだけでなく、同期経常収支も予想の黒字幅から上振れた。また、11月消費者物価指数(CPI)も前年比3.2%と南ア準備銀行(SARB、中央銀行)インフレ目標の下限3%を上回っている。そういったなかで、(11月下旬の大手格付け会社による相次ぐ格下げで一旦売られた)南ア国債は今月に入り買いが優勢となり、同国主要株式指数も年初来高値を更新している。南ア金融市場に対する投資家の安心感が高まっており、それがランドの支えとなっている。ただ、南アフリカにとっての懸念材料『新型コロナウイルス感染の再拡大や国営電力会社エスコムの巨額負債、改善の見通しが立たない労働市場、主要輸出先の1つであるドイツのコロナ対策強化による経済停滞など』は確かにあり、ランドの重石ともなっている。

 

米国のトルコ制裁は限定的:今後は制裁範囲が拡大されるか注目

トルコの露製地対空ミサイル『S400』導入を巡り、対トルコ制裁を発動させたトランプ米政権は、『ロシアとの防衛・情報分野での取引は認めない』と直ぐにでもロシアと軍事的な関りを止めるように迫った。米国の強硬な姿勢に対し、当然ながらトルコ側は『必要な対抗措置を取る』と態度を硬化させている。今回の米による制裁は、トルコ大統領府傘下の国防産業庁および庁のトップと幹部3人を対象とする、ある意味では限定的なものだった。ただもし今後、両国の関係が改善せずに制裁範囲が拡大されるようであれば、トルコ経済回復の足かせとなる。今後はバイデン新政権とトルコがどのようなコミュニケーションを取っていくのかが注目される。

 

米国市場では15-16日でFOMCを開催

米連邦準備制度理事会(FRB)は本年最後となる連邦公開市場委員会(FOMC)を今週ワシントンで15日から16日にわたって開催する。パウエル議長の会見に加えて、新たなスタッフ見通しも公表されるため、インフレ、経済、金利見通しに注目が集まる。
新型コロナウイルス第3波が猛威を振るい、再び外出規制が強化され、回復が停滞し、景気後退の深刻化を回避するため、一部では量的緩和(QE)拡大などの憶測もある。JPモルガンは第1四半期の経済がマイナス成長に再び落ち込むと予想している。ただ、11月会合での議事録では追加緩和が明確化されなかったため、FRBはこの会合で、ゼロ金利や量的緩和(QE)を現行で維持するとの予想が大半を占めている。

 

欧米市場のイベント

○16:00  11月英雇用統計
○16:00  8-10月英失業率(ILO方式、予想:5.1%)
○16:30  11月スイス生産者輸入価格
○16:45  11月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比0.2%)
○18:00  レーン・フィンランド中銀総裁、記者会見
○18:30  11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%/前年比2.8%)
○22:15  11月カナダ住宅着工件数(予想:21.50万件)
○22:30  10月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.6%)
○22:30   12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:6.9)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比0.3%)
○23:15   11月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
          設備稼働率(予想:72.9%)
○16日01:00   11月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲4.9%)
○16日04:30   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、講演
○16日06:00   10月対米証券投資動向
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
〇欧州議会本会議(ストラスブール、17日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/12/14/15:12:10

日経平均株価:NYダウ先物の底堅い展開を眺め買い優勢

新型コロナウイルスワクチンを巡り、米食品医薬品局(FDA)は緊急使用を11日に許可された。そのため、米国では14日から接種が始まる見通しで、これを受けNYダウ先物がしっかりとした動きが好感され日経平均は上げ幅を拡大した。年末のこの時期、クリスマス休暇を控えた海外投資家の動きが鈍るほか、国内機関投資家も新規のポジションを控える傾向があるため、商いが一気に細るところであるが、好地合いから個人投資家の意欲が強く、年末高を期待した動きになった。ただ、上昇一服後は短期的な過熱感や国内の新型コロナの感染拡大を警戒し、上げ幅を縮小した。結局、前営業日比79円高の2万6732円と3日ぶりに上昇して終了した。

 

東京外国為替市場:104.00円を挟んだもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均の反発に支えられ、104.06円付近まで小幅に値を上げた。しかし、米国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、ニューヨーク市などで経済活動が制限される見通しとなったため、上値を追う動きは限られた。その後は、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑からドル売りも見られ、104.00円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、104.00円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。英国とEUの通商交渉を巡り先行き不透明感が強まっているため、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、夕方から参入して来る欧州勢待ちの様相を呈しており、1.21ドル台後半で小幅な値動きに終始した。

 

ドル/円の年足では5年連続の陰線の可能性高い

ドル/円は、2011年の75.55円が大底となり、翌2012年から下値・上値を切り上げる陽線になり、2015年の高値125.84円まで4年連続の陽線引けとなった。しかし、2015年のロウソク足が気迷いの『小陽線(コマ)』になった後、翌年から4年連続の陰線引けとなっている。2020年の始値が108.64円になっていることで、現状より約4.60円の円安にならなければ陰線引けになる。いよいよ、過去最長の5年連続の陰線引けとなる。

 

茶番劇続く英・EUの通商協議:ポンドの信頼感低下

日本時間13日の20時過ぎになって、BBCからはフォンデアライエン欧州委員長のかなり短めの声明がライブ中継された。『ジョンソン英首相と電話会談を行ったが、建設的な話し合いが出来た。我々には現時点で協議をまだ続ける責任がある』と共同声明を読み上げた。週末の11日には『合意の可能性は低い』とか『合意なき離脱の可能性が高い』とお互いを非難しあっていた両首脳は、13日のデッドライン当日には『建設的な話し合いが出来た』との茶番劇となった。市場では既に『12月31日が本当の期限』との物理的にも延長出来ない2020年最終日まで決着がつかないことを覚悟する向きも増えてきているが、あまりにもひどい乱高下を繰り返すうちに、ポンド自身に対する信頼感は低下する。荒い値動きを繰り返しながら、ダウントレンドになっていることとも無関係ではないのかもしれない。

 

ネガティブなニュースでも南アランドは底堅い展開継続

先週発表された7-9月期の国内総生産(GDP)は市場予想を上回った。ただし、GDPもポジティブなだけでなく、南ア統計局も『パンデミック前に戻るまでは長い道のり』としているように、1-9月のGDPは-7.9%となっている。加えて、今月から東ケープ州最大の都市であるネルソンマンデラ・ベイがウイルスのホットスポットと認められ、ロックダウンが再開されている。また、9日に6709人のウイルス新規感染者を記録したことで、南ア保健相が緊急テレビ放送で『第2波』と正式に認定した(10日は1日だけで8166人感染)。南アからはネガティブなニュースが出ているが、ランドは堅調地合いを維持している。市場がネガティブなニュースに目を向け始めるまでは、ランドはこのまま上値をトライする可能性が高い。

 

米国のトルコへの追加制裁を検討:トルコ経済への影響は限定的との見方

一部通信社は先週10日、トルコがロシアから地対空ミサイルシステムを購入し配備を進めていることに対し、米国が『敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)』に基づきトルコに追加制裁を科す準備を進めていると報じた。これまでも同様の話は出ていたが、トランプ米大統領はエルドアン・トルコ大統領との関係を重視し、慎重な姿勢を見せてきた。 今回、もし制裁発動となった場合でも、米政権移行期ということもあり、その効果には疑問が残る。トルコ側が方針を変えるとは思えず、北大西洋条約機構(NATO)同盟国内での関係悪化を招くだけということもあり得る。報道では制裁対象となるのはトルコの軍事産業のみとされており、これまでのところトルコ経済への影響は限定的という見方が多い。ただし、対象範囲が拡大されるようなことがあれば、リラにとってはネガティブ要因となる。

 

逆転狙い選挙捜査の特別検察官任命を模索:トランプ大統領

有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領がバイデン次期大統領の勝利した大統領選の結果を覆すため選挙不正疑惑を捜査する特別検察官の任命を模索している、と報じている。連邦最高裁が、訴訟を退けたことで法廷闘争による逆転の道はほぼ消滅したが、依然として別の方法を探っている。

 

欧米市場イベント

○15:30   11月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比1.70%)
○16:00   11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   10月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.8%)
○17:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.9%/前年比▲4.2%)
○米大統領選、選挙人による投票
〇欧州議会本会議(ストラスブール、17日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/12/11/15:17:09

日経平均株価:ウイルス感染拡大と様子見ムード強く売り優勢

国内で新型コロナウイルス感染拡大が収まらないことが懸念されているほか、週末とあって見送りムードが強く、安値圏でもみ合いとなった。ただ、投資家の買い意欲は強く、巣ごもり関連といったテーマ性のある銘柄が人気化するなど、個別物色の動きが活発化した。結局、前日比103円安の2万6652円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで104.00円を挟んでもみ合う展開

ドル/円は、米雇用時計関連指標の低調な数字や米長期金利の低下を眺めたドル売り・円買いに押され、104円台半ばから104円台前半へ水準を切り下げた。本日の東京市場でもこの流れが続き、本邦輸出勢などからドル売り・円買いが持ち込まれると、103.93円付近まで下落した。日経平均の下げ幅が一時200円を超えたこともリスク回避の円買いを誘った。ただ、7日につけた103.91円が下値目処として意識され下げ止まった。午後は、週末を控えた持高調整などのドル買い・円売りが入り、104.05円付近へ値を切り返した。しかし、英国とEUの通商交渉や米追加経済の行方を見極めたいとの雰囲気から上値を追う動きは限られ、104.00円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台半ばで方向感に欠ける展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英首相は緊急時への備えを加速させる姿勢をアピール

ジョンソン英首相は10日、難航している欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉がまとまらず、協定の年末発効という目標を達成できない『可能性は高い』と述べた。交渉が失敗に終われば、英EU間の物流などが年明け以降に混乱する事態が予想されるため、ジョンソン氏は閣議で準備を指示した。ジョンソン氏はEUのフォンデアライエン欧州委員長との9日の会談で、漁業などの主要な懸案で大きな溝が残っていることを確認した。交渉官レベルで妥協点を模索しながら、交渉を続けるか否かを13日までに判断することで一致した。しかし、欧州委員会は英国と妥結に至らない場合を想定した対応策を10日発表した。ジョンソン氏はこれを受け、緊急時への備えを加速させる姿勢をアピールした。

 

南アではウイルス感染『第2波』と認定:今後の経済的な影響に注意

南ア国内では水曜に6709人のウイルス新規感染者を記録したことで、昨日南ア保健相が緊急テレビ放送で『第2波』と正式に認定した(木曜は1日だけで8166人感染)。保健相は特に15歳から19歳までの感染者数の増加が深刻で、想像以上に拡大しているとしている。日本や米国でも感染者数が過去最大となっているが、為替市場はその影響を受けていない。ランドもこの感染拡大で売られるかは定かではないが、今後の経済的な影響を含め注意する必要がある。

 

EUの制裁によってはとトルコの亀裂深まる:トルコリラの重石

欧州連合(EU)首脳会議で、東地中海のエネルギー資源探査にかかわるトルコの個人や組織への制裁が決定される可能性が高い。加えて、一部通信社が米政府高官の話として『トルコがミサイルシステムをロシアから購入したことを巡り、米国が対トルコ制裁の準備を進めている』と報じている。EUによる制裁は、対トルコ強硬派(仏、ギリシャやキプロス)を穏健派でありEU議長国ドイツがどの程度なだめることができるかがポイントである。EU首脳会議声明の草案では、制裁対象が広げられたとされている。ただ、内容が如何様であれトルコの態度は変わらないと思われ、互いの動向次第ではEUとトルコの亀裂が簡単には修復できないくらい深まってしまう危険がある。

 

ワクチンの効果がでるまでは景気減速を予想:エコノミスト調査

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施した12月のエコノミスト調査によると、承認が見込まれる新型コロナウイルス予防ワクチンによる効果が出るであろう20214-6月期(第2四半期)まで、景気がさらに減速すると予想されていることが分かった。調査によると、複数のエコノミストが、ワクチンが広く行き渡るまでには時間を要することから、来年1-3月も感染者数が高止まるとの見方を示した。
来年1-3月の成長率の平均予想は年率換算で1.9%と、前回11月調査の3.3%から切り下がった。月当たりの新規雇用者数の伸びは295000人にとどまると見込まれており、前回予想のおよそ44万人増から下方修正となった。ただ、エコノミストの多くは、ワクチンの普及で4-6月には景気が大きく回復すると予想した。回答者の62.5%が、4-6月の成長率(年率換算)が0.5ポイント余り押し上げられるとの見通しを示した。

 

米国市場では12月ミシガン大学消費者信頼感指数

11月確定値は76.9だった。また、コンファレンス・ボード(CB)発表の11月消費者信頼感指数は96.1で10月から低下している。米国株式は強い動きを見せているが、大統領選挙後における政治不安やウイルス感染が増えていることから、12月の数値は11月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   英中銀、半期金融安定報告
○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.8%/前年比▲0.3%)
○16:00   10月トルコ経常収支(予想:0.6億ドルの赤字)
○18:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○19:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:00   10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.1%)
○21:00   10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.9%)
○22:30   7-9月期カナダ設備稼働率(予想:77.5%)
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.8%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○24:00   12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:76.5)
○24:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○12日01:00   7-9月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比▲3.6%)
○12日01:10   ジョージ米カンザスシティ連銀総裁、講演
○12日02:40   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
〇英・EU、自由貿易協定(FTA)交渉(13日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/12/10/15:16:35

日経平均株価:個人投資家を中心とした利益確定売り

前日の米国株式相場が軟調だった流れを引き継ぎ、日経先物も朝方からさえない動きとなった。一時、170円を超えるマイナスとなったものの、その後は下げ渋った。市場では、個人投資家を中心とした利益確定売りが先行したが、下げる局面では依然として押し目買い意欲も強いとの声が聞かれた。一方で、2万7000円を目前に、さらに買い上げる材料を見つけにくい状況である。クリスマス休暇を控えた海外投資家の買いも一服しており、動き難い展開となっている。ただ、日経平均への寄与度が大きいソフトバンクグループがMBOに関する思惑などで急伸したのが相場の支えとなり、日経平均は上昇に転じる場面もあった。結局、前営業日比61円安の2万6756円と小幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:豪ドル/円の動きが波及してやや円売り優勢

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均の下げ幅縮小に支えられ、104.45円までじり高となった。鉄鋼石価格の上昇や上海総合株価指数の持ち直しを好感した豪ドル/円の豪ドル高・円安が波及した面もあった。午後に入ってもこの流れは続き、104.50円付近まで値を上げた。ただ、米追加経済対策の行方や英国とEUの通商交渉を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、104.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に下落した反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売り、1.2100ドルをつける場面があった。しかし、今晩予定されているECB理事会後の記者会見で、ラガルド総裁がユーロ高をけん制するとの警戒感が浮上していることから伸び悩み、1.2095ドル付近でこう着相場となった。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会が開催

シュナーベル理事は、新型コロナウイルスの世界的流行が長引く見通しであることから、ECBは追加措置を講じる可能性が高いと指摘した。具体的には、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の半年ないし1年間の延長が想定されている。

 

トルコでは大統領を侮辱すると最大4年の懲役刑

トルコメディアは先日、60代のドイツ人歯科医がトルコ旅行中にエルドアン大統領を侮辱し、またトルコ国民の敵意を駆り立てたとして罪に問われ、執行猶予付きながら有罪判決を受けたことを報じました。トルコの刑法では大統領を侮辱することは犯罪とされ、最大4年の懲役刑を受ける可能性があるとされている。 ドイツ人の歯科医は空港で手荷物を受け取るとき、新型コロナ感染抑制の衛生規則の遵守を巡り、他の乗客と言い争いになった。そこで歯科医は、トルコとトルコ人を嘲り、蔑ろにするような言葉を吐いたとされている。その場を録画した人が直ぐに当局に訴え、歯科医は当日拘留され、その後に逮捕された。裁判では、大統領侮辱の罪で11カ月と20日間、トルコ国民の敵意を駆り立てたことで5カ月の懲役(または禁錮)刑が言い渡されました。ただ執行猶予が付き、歯科医は直ぐに保釈されたと報じられている。トルコに足を踏み入れた場合は、政治関連、特にエルドアン大統領に関する発言にはかなり気を付ける必要がある 。

 

バイデン氏次男が税務調査対象に:選挙人投票控え波紋

バイデン次期米大統領の次男で実業家のハンター・バイデン氏は9日、自身の税務処理に関し司法当局の調査を受けていることを明らかにした。バイデン氏を正式に大統領に選出する各州の選挙人投票を14日に控えた時期だけに、政界に波紋を広げている。米メディアによると、ハンター氏は声明で『検察当局が8日、私の税務に関し調査を進めていると、法律顧問に連絡してきた』と説明した。『事態を極めて深刻に受け止めているが、しっかり調べれば、私の税務処理が合法的かつ適切だと分かると自信を持っている』と強調した。

 

米労働市場が回復基調にあることが示される結果

米労働省が発表した米国の10月JOLT求人件数は665.2万件と、減少予想に反して9月649.4万件から増加し、7月来で最高となった。弱い米雇用統計の結果に反し、労働市場が引き続き回復基調にあることが示された。失業者に対する1月の求人件数の割合も4月の4.6人に1件の求人件数に比べて、その差は1.7人まで縮小した。クドロー国家経済会議(NEC)委員長やヤルデニリサーチのヤルデニ氏のように労働市場が雇用統計が示すほど悪化していない可能性も示唆された。

 

米国市場では11月消費者物価指数(CPI)が公表

11月CPIは前年比+1.1%、コア指数は同+1.5%とインフレ率は10月実績をやや下回る見通しとなっている。市場予想を下回る場合、FRBの金融緩和観測はやや強まり、ドル売り材料になりやすい。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.4%)
○16:00   10月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比▲6.5%)
        製造業生産高(予想:前月比0.3%)
○16:00   10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:96.00億ポンドの赤字/1.56億ポンドの赤字)
○16:00   11月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比1.8%)
○16:00   9月トルコ失業率
○16:45   10月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
○17:30   11月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
        コア指数(予想:前月比横ばい/前年比0.1%)
○18:00   7-9月期南アフリカ経常収支(予想:1980億ランドの黒字)
○21:00   10月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比6.7%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   11月米CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:72.5万件/533.5万人)
○11日03:00   米財務省、30年債入札
○11日04:00   11月米月次財政収支(予想:2000億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、11日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/12/09/15:17:09

日経平均株価:米追加経済対策を巡る期待感から買い優勢

前日の米国株式相場が堅調だった流れを引き継ぎ、日経平均も朝方から上昇した。幅広い業種で買いが先行し底堅い展開が続いた。午後からも、アジア株やNYダウ先物がしっかりした動きとなったほか、米国の追加経済対策を巡る早期決着への期待感が支援材料となった。結局、前営業日比350円高の2万6817円と4日ぶりに大幅反発して終了した。12月4日申し込み時点の信用評価損益率はマイナス12.37%と前の週のマイナス12.35%からマイナス幅が0.02%悪化した。悪化は2週ぶりとなった。日経平均株価は上昇しているが、信用取引評価損利率は悪化傾向。

 

東京外国為替市場:英・EU通商協議の見極めで様子見ムード

ドル/円は、日経先物やアジア主要株価の動向を睨みながら、104.15円を挟んでもみ合いとなった。市場の関心は本日に予定されているフォンデアライエン欧州委員長とジョンソン英首相の通商協議に集中しており、内容を見極めたいとの雰囲気から積極的な売り買いは手控えられた。午後に入っても、104.10円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。日経平均は後場に一段高となったが、米追加経済対策を巡る協議に大きな進展が見られていないため、リスク選好の円売りは目立たなかった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国11月CPI成長率が11年ぶりにマイナス:豚価格の低下が影響

香港経済日報は、中国の国家統計局が9日発表した2020年11月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%低下し、2009年10月以来11年1カ月ぶりのマイナスとなった。これについて統計局の董莉娟・シニア統計師は、豚肉価格の下落で食品価格が10月の同2.2%上昇から2%低下に転じ、CPIを0.44ポイント押し下げたことが主因との見方を示した。と伝えた。

 

英EUの9日の対面会談に望み

英国とEUは離脱移行期間終了が約3週間後い迫る中、自由貿易協定(FTA)の合意に向け交渉を続けているが、8日も打開は見られず、英国のジョンソン首相は双方が『合意なき』離脱を受け入れざるを得ないとの見方を示した。EUバルニエ主席交渉官もEU閣僚会合で、FTAで合意できないまま年末に移行期間が終了する公算が高まっていると警告した。ジョンソン首相は9日にブリュッセルを訪問し、欧州委員会のフォンデアライエン委員長と直接会って、交渉を続ける。

 

ドイツはクリスマス前にコロナ制限措置の強化も

ドイツのシュパーン保健相は、新型コロナウイルスの感染抑制に向けて、行動制限などの措置を強化する可能性があると述べた。11月初めから導入している部分的なロックダウン(都市封鎖)や対人距離確保に関するルールは、感染の拡大ペースを鈍化させたが、拡大を止めるまでには至っていないとした。メルケル首相も7日、『冬を乗り切るには現在の対策では十分でない』と与党議員らに説明。制限措置の強化が必要との考えを示していた。保健相は、地元の放送局に対して『本当に効果が出るような、短期的かつ包括的なアプローチが、より望ましいのではないか』と指摘した。別の放送局は、ブランデンブルク州のウォイドケ首相の発言として、連邦政府と地方は今週、感染拡大を抑制するための制限措置強化について議論すると伝えた。

 

エルドアントルコ大統領がマクロンフランス大統領に噛みつくわけ

エルドアン・トルコ大統領は4日、『マクロン大統領はフランスのお荷物』だと発言し、『フランスは危険な時期にあり、一刻も早くマクロンが引き起こすトラブルから解放されることを願っている』と述べた。今週10-11日に開催される欧州連合(EU)首脳会議ではトルコに制裁を科すかどうかが話し合われるが、その前としてはいささか不適切な発言である。というのもマクロン仏大統領は対トルコ制裁に一番積極的だと言ってもよいからである。また、エルドアン大統領はマクロン大統領への批判と同時に仏製品のボイコットも呼び掛けている。仲の悪さは、トルコ大統領選を見据えた意味では、エルドアン大統領にとって都合が良いこともある。今、選挙に不利とされるエルドアン大統領が行おうとしていることは、民衆にとっての敵を外部に作り、その敵に向かって戦いを挑むことで人々に寄り添う姿勢を見せ、そして勝つことで強い大統領を印象づけることである。今後もトルコ大統領選に向けて、エルドアン大統領のマクロン攻撃は続く可能性が高い。

 

南ア市場では11月消費者物価指数(CPI)に注目

南アの7-9月期国内総生産(GDP)は、前期比年率+66.1%と市場予想の+52.6%と大きく市場予想を上回る結果となりランド買いが強まった。しかし、10-12月期は、一部地域で再開したロックダウンの影響などで、GDPが再び落ち込む可能性がある。本日注目されるのは11月の消費者物価指数(CPI)の発表である。10月は3.3%まで上昇し、南ア準備銀行(SARB)への利下げ圧力が後退した。2カ月連続で強い結果となった場合は、ランドの買い地合いが強いなか7円台をうかがう可能性もある。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独貿易収支(予想:185億ユーロの黒字)
○16:00   10月独経常収支(予想:210億ユーロの黒字)
○17:00   11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比3.2%)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.7%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   11月メキシコCPI(予想:前月比0.15%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○24:00   10月米卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○24:00   10月米卸売在庫(予想:前月比0.9%)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日03:00   米財務省、10年債入札
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:2.00%で据え置き)
○ジョンソン英首相、フォンデアライエン欧州委員長と会談(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ