FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/11/09/15:23:10

日経平均株価:米ビックイベント通過と好業績銘柄に買い

NYダウ先物が底堅い動きとなっていることに加え、香港ハンセン指数、上海総合指数などのアジア株が上げ幅を拡大したことも安心材料となった。市場では『積み上がっていたショートポジションを巻き戻す動きが活発化していることに加えて、好業績を発表した銘柄の上昇も目立った。また、米大統領選というビックイベントを通過したほか、足元の業績も想定以上に回復しており、株高になりやすいタイミングが重なっている』との指摘もあった。結局、前営業日比514円高の2万4839円と5日続伸して終了した。1991年11月5日以来29年ぶりの高値となった。

 

東京外国為替市場:103.00円近辺では底堅さを確認

ドル/円は、103円台前半で一進一退だった。仲値にかけて本邦輸入企業のドル買い・円売りが持ち込まれ103.20円付近から103.40円付近へ上昇する場面も見られた。ドル買い一巡後は103.25-35円付近へじりじりと値を下げた。好調な日米株に支えられドル/円もリスク選好基調となったものの、ドル/円の下落時では利益確定などのドル買い・円売りも散見され103円付近では下値は堅かった。午後は、ユーロ/円に連れて円売りが強まり、103.50円付近へ小幅上昇した。

ドル円の下値は、103.00円やその手前には買いオーダーが散見される。またの明日NYカットオプションが103.00円に観測され、もし大台を割りこんだ場合でもオプション絡みの買いもそれなりに出てくる可能性はある。ただし、テクニカル的には103円を割り込むと主だったサポート水準が無いことで、下げ幅が大きくなることもあり得る。

 

ユーロ/ドルは、1.18ドル台後半でもみ合い相場が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

国内機関投資家は外債投資を減少傾向:ドル/円の下支えになりにくい

先月に生命保険会社が発表した20年度下半期の運用計画を見ても、外債買いの減少が伺える。 最大手の日本生命は、国内債券などの残高を約1兆円積み増すとした。積み増し分は、新規資金7000億程度にくわえ、オープン外債(為替ヘッジをしない)の残高を約3000億円圧縮し振り向ける。ヘッジ付き外債の残高については横ばいを見込んでいるとしているが、オープン外債は為替相場の不透明感が続くとの理由で減少させる方針である。大手の明治安田生命も円債を積み増し、外債はオープン債を減らす方針である。第一生命も円債増、オープン外債の残高は、為替動向を踏まえて資金配分したことにより上期に減少した。下期もリスク許容度などをにらみながら調整していくとした。外債投資は当然ながら米国債だけではないものの、米債市場の流動性の高さから資金が一番向かいやすい。ただ暫くは国内投資家の米債購入は依然のように盛り上がらず、ドル円自体を支えることにはなりにくい。

 

トルコ財務相の突然の交代劇

週末に伝わった『エルドアン・トルコ大統領によるウイサル中銀総裁の更迭』や『アルバイラク財務相の辞任』の影響を見極めながらの値動きとなる。週明けの市場はリラ買い戻しで反応している。突然のウイサル総裁の更迭は、大統領が金融緩和を望んでいるにもかかわらず、中銀が夏以降に引き締め路線に転じたことが理由ではないかとされている。前総裁のチェティンカヤ氏も19年7月に解任されており、わずか1年4カ月での入れ替えとなった。今後、中銀の独立性への懸念が高まるなかで通貨リラへの信認が益々揺らいでしまう。来週19日には金融政策決定会合が控えており、新総裁に指名されたアーバル新トルコ中銀総裁の最初の舵取りが注目される。一部専門家からは『新総裁は政府や与党で豊富な経験があり、利上げの承認を取り付けられるかもしれない』との声も出ている。 

 

南アではポジティブ材料とネガティブ材料が交錯

アフリカ諸国にとっては、経済的に友好と思われる米民主党のバイデン政権が樹立されることになったことで、南アにとっては久々にポジティブな材料となる。もっとも、欧州の感染第2波とロックダウン再開が南アの自動車産業をはじめ製造業に与える影響が大きいことには警戒する。南ア自動車製造用者協会が発表した新車販売台数は前年比で-25.4%となった。南アの自動車製造業は国内製造業生産高の27.6%も占め、しかも自動車輸出の4分の3が欧州向けであるため、南アにとってはネガティブな要因として中期的に響く。

 

米大統領選結果では12月8日と12月14日が重要日

民主党のバイデン候補は勝利宣言を行ったが、関係筋によるとトランプ大統領は敗北を認めていない。法廷闘争が長引いた場合、政権移行は遅れ、経済・外交政策などに影響が及ぶことから、リスク選好的な円売りがただちに拡大する可能性は低い。なお、全米各州における選挙結果は12月8日までに確定させる必要がある。また、12月14日に行われる獲得選挙人による投票で米国の次期大統領が選出されるが、この時点で決定されなかった場合、1月3日に改選後の新たな議会が招集される見込み。1月6日に上下両院の合同本会議で投票結果を確認し、下院で50州の代表が各自1票ずつ投票し、26票以上を得た候補者が大統領に選出される可能性はゼロではないとみられている。

CNNテレビは、トランプ米大統領夫人のメラニア氏や娘婿のクシュナー大統領上級顧問がトランプ氏に敗北を認めるべきだと主張している、と報じている。トランプ氏は政策決定でクシュナー氏や長女イバンカ大統領補佐官の意見を重視しているとされ、家族による説得工作の行方に注目が集まっているという。一方で長男ジュニア氏や次男エリック氏は法廷闘争を続けるべきだと訴えているとされている。

 

10月米雇用統計結果:概ね予想上回る結果

米労働省が発表した10月失業率は6.9%と、9月7.9%から予想以上に低下しパンデミックで経済封鎖された3月来で最低となった。10月非農業部門雇用者数は前月比+63.8万人となった。伸びは9月+67.2万人から鈍化も予想+58.0万人を上回った。平均時給は前年比+4.5%と、予想通り9月+4.6%から伸びが小幅鈍化し3月来で最小となった。労働参加率は61.7%と、9月61.4%から予想以上に上昇。不完全雇用率(U6)は12.1%と、9月12.8%から低下し3月来で最低となった。

 

欧米市場イベント

○15:45   10月スイス失業率(季節調整前、予想:3.3%)
○16:00   9月独貿易収支(予想:160億ユーロの黒字)
○16:00   9月独経常収支(予想:190億ユーロの黒字)
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:25   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○19:35   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○21:00   10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.57%)
○21:00   メルシュECB専務理事、講演
○23:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○10日03:00   米財務省、3年債入札
○10日03:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、カンファレンスに参加

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/11/06/15:14:06

日経平均株価:米大統領選の不透明感後退から29年ぶり高値

米大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利した場合でも、上院で共和党が過半数を維持し、企業利益を損ないかねない大規模な政策変更は阻止されるとの見方が広がった。また、米連邦準備理事会(FRB)が5日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和を継続したことも支援材料となった。これを受けて、日本株は寄り付きこそ日経平均株価が小反落で始まったものの、その後は上値を追う展開となっている。市場では、好決算の銘柄が物色され、これが全体を支える要因となった。結局、前営業日比219円高の2万4325円と4日続伸し、1991年11月13日以来およし29年ぶりの高値水準となった。

 

東京外国為替市場:ドル/円は下げ一服で103台半ばでもみ合い

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き、103.70円へ上昇した。しかし、トランプ大統領が米大統領選について『集計に不正があった』と発言し、法廷闘争も辞さない構えを示していることから、ドル買いは続かなかった。その後、中国人民銀行が公表した人民元の対ドル基準値が前営業日よりも大幅な元高・ドル安に設定されると、利食い売りなどに押されて103.50円台へ下落した。午後に入ると、米大統領選の先行き不透明感が強まるなかでドル売り・円買いが進み、一時103.36円付近まで下落して3月中旬以来の安値をつけた。しかし、今晩発表される10月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、103.55円付近へ戻した。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小幅な値浮きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国経済がロックダウンで成長が落ち込むリスクに直面

英国経済は新型ウイルスの再流行でロックダウンを余儀なくされ、経済の成長が再び落ち込む危険に直面している。英中銀は5日に開催した金融政策決定会合で金利を過去最低水準で維持したほか、資産購入プログラムを予想以上の前回7450億ポンドから1500億ドル拡大することを決定した。さらに、スナク英財務相は、新型コロナウイルスで一時解雇された労働者の給与の80%を保証する制度を3 月末まで延長することを含めた2000億ポンド規模の雇用支援策を実施すると発表した。

 

米新政権誕生ならトルコリラの重石に

米大統領選は複数の激戦州で開票作業が続いているが、現職のトランプ大統領の再選は厳しいとの報道が目立つ。もし新政権が誕生となれば、(これまでのバイデン氏の発言から想定すると)エルドアン・トルコ大統領との対立姿勢が鮮明となる。トルコは既に、フランスやギリシャの欧州連合(EU)加盟国、サウジアラビアやエジプトのアラブ諸国などと緊張が高まっており、くわえて、ナゴルノ・カラバフ紛争を巡りロシアとの関係も拗れ始めた。これにくわえて米国と関係悪化となれば、投資家のトルコ投資意欲はますます削がれてしまう可能性が高い。

 

トルコ財務相はトルコリラ急落以外は為替介入を停止

トルコ中銀は昨日、10月30日時点の外貨準備高が422.6億ドルと発表した。これは前週比で約6.3%減、年初来では約48%の減少となる。トルコメディアによれば、リラの下落を止めようと中銀が1年間に費やした為替介入額は約1200億ドルにも及ぶとしている。そういったなかアルバイラク財務相は今週、急激な市場変動ではない限り、金融当局は為替介入をしないことを示唆した。

 

米国市場では10月雇用統計が公表

市場では失業率が7.7%と9月7.9%からさらに低下し3月来で最低になると見られている。非農業部門雇用者数は前月比59万人増と、増加ペースは9月から鈍化する見込みである。先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が高いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の10月分は36.5万人増と、伸びは9月75.3万人増から大幅鈍化し、予想のほぼ半分となり7月来で最小にとどまった。このため、雇用統計での雇用の伸びの停滞に警戒される。パンデミックで特に損害が大きかった中小企業や航空会社などに対する政府の支援策も7月に失効済みで、企業は第2次の解雇を強いられている。今後、新型コロナウイルスの第2波が経済や労働市場を再び悪化させる可能性が警戒される。


■市場エコノミスト予想失業率:7.7%(9月7.9%)非農業部門雇用者数:前月比+59万人(9月+66.1万人)民間部門雇用者数:前月比+70万人(+87.7万人)平均時給:予想:前月比+0.2%、前年比+4.5%(+0.1%、+4.7%)

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独鉱工業生産(予想:前月比2.7%/前年同月比▲6.5%)
○16:45   9月仏貿易収支(予想:63.20億ユーロの赤字)
○16:45   9月仏経常収支
○21:00   10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.83%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○22:30   10月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化10.0万人/失業率8.8%)
○22:30   10月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化60.0万人/失業率7.7%/平均時給、前月比0.2%/前年比4.6%)
○23:00   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、あいさつ
○23:15   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00   10月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:51.5)
○24:00   9月米卸売売上高(予想:前月比1.0%)
○24:00   9月米卸売在庫(予想:前月比▲0.1%)
○7日01:00   10月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○7日05:00   9月米消費者信用残高(予想:90.0億ドル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/11/05/15:17:00

日経平均株価:米国での大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方

米大統領選挙について強い不透明感があるものの、前日の米国株式市場が大きく上昇したことを受けて、朝方から上値を追う展開となった。上院選で民主党の過半数獲得が厳しい情勢となっていることから、議会でこう着状態が続き大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方が高まった。結局、前営業日比410円高の2万4105円と3日続伸して終了した。一方、信用評価損率は10月30日申し込み時点でマイナス15.4%と、前の週(マイナス12.62%)からマイナス幅が2.78ポイント悪化した。悪化は3週連続となる。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強い中じわりと円高

ドル/円は、米長期金利の低下で、日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いが優勢となり104.22円付近まで下落した。午後は、米大統領選の最終結果を見極めようという市場参加者が多く、104.30円付近でこう着相場となった。トランプ大統領が激戦州の集計方法に対して、法的闘争を辞さない構えを示していることも、様子見ムードに拍車をかけている。ユーロ/ドルは、オフショア市場での元高・ドル安が波及し、1.1740ドル付近へじり高となった。

 

米大統領選でバイデン氏勝利なら南ア経済にとっては良い

南ア国内ではバイデン氏が勝利した場合の方が、南ア経済にとっては良いとの意見が多数を占めている。トランプ政権時ではアフリカに対する投資や貿易が縮小していたことで、バイデン政権はランド買いの一因との声も出ている。

 

積極的にトルコリラを買い進め鵜のも難しい状況

注目された米大統領選挙では民主党候補のバイデン前副大統領が政権奪還に近づいているが、開票作業は続いており、選挙結果が確定するまでは時間がかかりそうである。次期米政権が決定するまで暫くは、米側のトルコへの対応も緩くなる。しかしながら、トルコを取り巻く懸念材料『実質金利マイナス、外貨準備高枯渇、新型コロナによる経済ダメージ、ナゴルノ紛争に絡むロシアとの溝の広がり、仏・ギリシャとの関係泥沼化、サウジなどのトルコ製品ボイコット』は多く、積極的にトルコ投資・リラ買いを進めるのも難しい状況である。

 

米上院選では共和党が多数うを維持する見通し

米大統領選と同時に実施された上院選では、共和党が多数派を維持する見通しとなっている。メーン州で、共和党現職のスーザン・コリンズ氏が、民主党のサラ・ギディオン氏に予想外に勝利したほか、勝敗が決まっていない他の複数州でも共和党現職が民主党候補をリードしている。上院では現在、定数100議席のうち共和党が53議席で過半数を占める。大統領選で民主党候補のバイデン氏が勝利すれば、カマラ・ハリス氏が副大統領として上院議長を兼ねることから、民主党が上院の過半を握るには今回の改選で共和党から3議席を奪う必要がある。バイデン氏がトランプ氏に敗北すれば、4議席が必要になる。

 

市場では米大統領はどちらでもいい状態でリスク選好

昨日トランプ米大統領が『勝利宣言のようなもの』を行ったと思いきや、本日東京時間朝方には、逆にバイデン候補が『とりあえずの勝利宣言』を表明した。政権移行サイトのウェブ上でも公開する動きとなっている。市場では『何とか4日中に白黒ついて欲しい』との希望的観測はあったが、その願いも消えている。現状では『今月中には』とか『年内には』といった希望的観測に変わりつつある。ただ、市場では、米国株が大幅続伸するなど、『上院で共和党が過半数を維持する可能性が高まった』ことのほうに注目が集まった。『バイデン米政権が誕生しても、上院で増税をある程度阻止できる』といった『いいとこ取り』の解釈に変わっている。結局は、市場では『大統領はどちらでもいい』との、究極の無責任な動きとなっている。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合最終日

前回のFOMC後に公表された声明では、インフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となることを目指すとの見解が表明された。雇用の最大化も目標としている。今回は政策金利の現状維持が予想されているが、この2大目標を達成するために、必要に応じて追加緩和策が検討される見込みとなっている。ハト派姿勢が協調された場合、ドル買い意欲を弱める要因となりやすい。

 

欧米市場イベント

○15:45   10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲14.5)
○16:00   9月独製造業新規受注(予想:前月比2.0%/前年同月比▲1.2%)
○16:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8450億ポンドに引き上げ)
○16:00   MPC議事要旨
○16:00   英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○17:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、記者会見
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:30   10月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:55.0)
○19:00   9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲1.0%/前年比2.8%)
○19:00   欧州連合(EU)、経済見通し発表
○20:40   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:30   10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比5.6%)
○22:30   7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比▲11.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:73.2万件/720.0万人)
○23:15   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○24:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○6日00:10   シュナーベルECB専務理事、講演
○6日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○6日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/11/04/15:27:09

日経平均株価:米大統領選挙の開票状況で一喜一憂でも堅調推移

前日の米国株高やNYダウ先物での堅調な動きを手掛かりに大幅続伸してスタートし、一時502円高となったものの、その後はNYダウ先物が失速したことを受けて伸び悩んだ。米大統領選挙の開票状況で一喜一憂する展開となった。結局、前営業日比399円高の2万3695円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米大統領選の開票結果をながめながらやや円売り優勢

ユーロ/ドルは、NYダウ先物が一時の400ドル超安から280ドル超高まで急反発するにつれて、1.1603ドルを底値に1.1680ドル台まで下値を切り上げた。なお、米大統領選は激戦区のオハイオ州やフロリダ州でトランプ米大統領が勝利をおさめ、市場ではトランプ氏の再選が濃厚とのムードが広がっている。米大統領はツイッターで『今晩声明を発表する』『彼らは選挙を盗もうとしており、それを許さない』と述べたほか、バイデン候補は『我々は選挙に勝利する軌道に乗っていると信じている』などの声明を発表している。 

 

ドル/円は、米大統領選の開票が進む中で、フロリダなどの激戦州でトランプ氏が予想外に善戦していることが伝わると、リスク回避目的で人民元や欧州通貨に対してドルは急激にに買い戻された。ドル/円はこの流れが波及して上値を試す展開となり、104円半ばから一時105.34円付近まで上昇した。午後は、人民元が対ドルで下げ止まったことや米長期金利急低下をながめ、104.75円付近へ下落した。しかし、米大統領選の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の大幅高やNYダウ先物の底堅い動きをながめ、105.00円付近へ値を持ち直した。

 

欧州のコロナ感染拡大は南アの自動車産業への影響も

南ア国内の問題では、欧州のロックダウン再開が南ア自動車産業に与える影響が懸念されている。11月2日に南ア自動車製造用者協会の発表した新車台数は前年比で-25.4%となった。南アの自動車製造業は南ア国内の製造業生産高の27.6%も占め、しかも自動車輸出の4分の3が欧州であるため、南アにとってはネガティブな要因として中期的に響く可能性がある。

 

トルコは依然として高い物価水準がリラの重石

10月トルコ消費者物価指数(CPI、前年同月比)は11.89%と市場予想にほぼ沿った結果だったが、依然として高い物価水準を維持している。また、同月生産者物価指数(前年同月比)が18.2%と前回14.33%を大きく上回り、昨年8月以来の水準まで上昇し、今後の更なるインフレ悪化を示唆した。

また、米大統領や議会選挙の開票を眺めながら神経質な動きとなる。もし民主党のバイデン元副大統領が新大統領となれば、(バイデン氏が過去に強くエルドアン大統領を非難していることから)より厳しいトルコ制裁が課される懸念が高まり、リラ・ネガティブと捉える市場参観者も多い。

 

米議会の『ねじれ』が政治的混迷を深める

株式市場はある程度バイデン氏の勝利を織り込んでいると言われているが、一番懸念されるのはねじれである。特に下院は民主党の優位は変わらないことで、上院がどうなるかによる。バイデン氏が大統領選挙に勝利し、上院が共和党が勝つ、その逆にトランプ氏が勝利し、上院は民主党というのが一番混迷を深める可能性が高い。また、今回の米大統領選挙ほど結果が判明するのに時間を要し、その結果を敗者が素直に受け入れにくい選挙はない。郵便投票の必着日も州によって異なる。一番遅いワシントン州では今月23日まで有効となる。激戦州のノースカロライナ州やペンシルバニア州ですら6日着も有効とされている。政治的な空白を呼ぶ場合には、堅調な動きを続けている株式市場に水を差す可能性が高まる。どちらかの候補が敗北を認めるまでは、神経質な値動きが続く。

 

米国雇用の失業率は低下したものの大幅な雇用喪失のまま

米国の失業率は、2020年1月は3.6%、2月は1969年以来の低水準3.5%まで低下していたが、3月には4.4%へ上昇し、4月は新型コロナウイルス感染を受けて14.7%まで上昇した。その後、5月13.3%、6月11.1%、7月10.2%、8月8.4%、9月7.9%と低下傾向にある。非農業部門雇用者数は、4月に新型コロナウイルス感染拡大を受けて、▲2078.7万人を記録したが、5月以降は改善傾向にある。しかしながら、2020年の非農業部門雇用者数は、▲1027.8万人と大幅な雇用喪失のままとなっている。

 

欧米市場イベント

○17:45   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:50   10月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.5)
○17:55   10月独サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○18:00   10月ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:46.2)
○18:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:30   10月英サービス部門PMI改定値(予想:52.3)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比▲2.4%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   10月ADP全米雇用報告(予想:65.0万人)
○22:30   9月カナダ貿易収支(予想:26.0億カナダドルの赤字)
○22:30   9月米貿易収支(予想:638億ドルの赤字)
○23:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:56.0)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:57.5)
○24:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○5日00:30   EIA週間在庫統計
○欧州連合(EU)財務相理事会
○英中銀金融政策委員会(MPC、5日まで)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○米国がパリ協定から離脱
○ロシア(民族統一の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/10/30/15:14:33

日経平均株価:NYダウ先物の下げ幅拡大に連れて売り強まる

米国株式市場は、決算発表を控えていた主要情報技術(IT)株に買いが入ったほか、米経済指標が堅調だったことで、前日の急落から持ち直した。ただ、NYダウが軟調に推移したことを受け、朝方から売りが優勢となった。市場では『翌週に米大統領選挙というイベントを控えているほか、週末であることから様子見ムードにならざるを得ない』との声が聞かれた。日銀のETF買い期待などが支えとなり下げ止まっていたものの、その後は下げ幅を拡大した。結局、前営業日比354円安の2万2977円と大幅5日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下やNYダウ先物の下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、104.45円付近へ下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後も軟調地合いは続き、日経平均株価が急速に下げ幅を拡大すると、さらにドル売り・円買いが進んで104.13円付近までじり安となった。欧州の景気減速を懸念したユーロ/円のユーロ安・円高が波及した面もあった。しかし、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り104.20円前後で推移した。ユーロ/ドルは、前日にラガルドECB総裁が次回会合で追加緩和に踏み切る姿勢を明確に示したことから1.16ドル台後半で上値の重い展開となった。

 

ハイイールド債ETFから3日連続で資金が流出

米国市場でハイイールド債を投資対象とするiシェアーズハイイールド社債ETFから大規模な資金が流出している。29日には6億8525万ドルの資金流出となり、これで3日連続で大規模な資金流出を記録した。過去1週間で41億ドル超、過去1ヵ月で50億ドル超の資金が流出したことになる。大統領選を前に解約ニーズが根強い。

 

中国は米国との対立長期から国内経済に重心

中国のGDPに占める個人消費の比率は4割程度で、依然として低い水準にとどまる。逆に言えばそれだけ成長の余地が大きく、内需主導にかじを切るのは当然である。習指導部はより付加価値の高いモノやサービスの消費を促していく方針である。一方、米中の対立関係は貿易から人権、ハイテク分野などへ広がり、デカップリング(分断)の可能性もささやかれる。中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)排除の動きが米国から他の西側諸国に拡大するなど、中国企業への逆風も強まる一方である。こうした国際情勢の変化も結果的に内需主導への転換を後押ししている。

 

中国国有銀は深夜に為替フォワードで元高抑制介入か

中国の複数の大手国有銀行が今週、オンショア為替スワップ市場でドルを人民元に交換する取引を行っていることが29日、市場関係者の話で明らかになった。中国の金融当局が急速な元高を抑制しようとしている可能性がある。こうした取引によりフォワード市場で元が下落。元の先高感が後退すると共に、投資家が元を借り入れる際のコストが上昇した。別のトレーダー2人は複数の大手国有銀行が深夜の時間帯にオンショアスポット市場でドルを購入し、元の急激な上昇を阻止するのを確認したと明らかにした。中国経済が新型コロナウイルス危機から急速に回復していることを受けて、元は5月以降、対ドルで7%上昇している。

 

欧州市場では7-9月期域内総生産(GDP)速報値が公表

406月期実績は前年比-14.7%となった。7-9月期については製造業とサービス業PMIが大幅に改善していることから、成長率は改善される見込みとなっている。前期比の成長率は高い伸びが予想されるが、ウイルスの感染流行は続いており、前年同期比の成長率はマイナスとなる見込みである。

 

ECBの12月追加緩和示唆でユーロの上値を抑える

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利を据え置いた。パンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)も1.35兆ユーロの規模や『少なくとも2021年第2四半期まで維持』と期間を据え置いた。さらに、フォワードガイダンスも『インフレ目標が近づくまで金利は現行またはそれを下回る水準』に据え置き。同時に、リスクは明確に下方だと警告し、『12月の見通しで刺激策を再修正することが可能になる』と追加緩和の可能性を示唆した。 ラガルド総裁は会合後の会見で、次回12月会合で金融刺激策を再修正する必要があるとの意見で全会一致したことを明らかにした。また、12月の定例理事会で行動を起こすことはほぼ確実だとした。第3四半期国内総生産(GDP)では上方のサプライズが期待されるとしたものの、第4四半期に関してはマイナス成長になるかどうかはわからないと慎重な見通しを示した。

 

米7-9月期GDP速報値は過去最大の伸びでリセッション脱出

米商務省が発表した7-9月期GDP速報値は前期比年率+33.1%と過去最大の伸びを記録し、過去最大に落ち込んだ4-6月期-31.4%から予想以上に回復しリセッションから脱した。7-9月期個人消費速報値は前期比年率+40.7%と、4-6月期-33.2%からプラスに改善。予想+38.9%を上回った。
労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は前週比4万件減の75.1万件と予想77.0万件を下回り経済封鎖が始まった3月中旬来で最小。失業保険継続受給者数は775.6万人と、予想777.5万人を下回り3月末来の低水準となった。

 

欧米市場イベント

○15:30   7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比15.4%)
○16:00   9月トルコ貿易収支(予想:49.0億ドルの赤字)
○16:00   9月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.8%/前年比6.6%)
○16:00   10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○16:30   9月スイス小売売上高
○16:45   10月仏CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比0.1%)
○16:45   9月仏消費支出(予想:前月比▲1.0%)
○17:00   10月スイスKOF景気先行指数(予想:107.0)
○17:30   7-9月期香港GDP速報値(予想:前期比0.7%/前年同期比▲5.6%)
○18:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比7.3%/前年同期比▲5.3%)
○18:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比▲5.2%)
○18:00   10月ノルウェー失業率(予想:3.5%)
○18:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00   9月ユーロ圏失業率(予想:8.3%)
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比9.4%/前年比▲7.0%)
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比▲0.3%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   デギンドスECB副総裁、講演
○21:00   9月南アフリカ貿易収支(予想:300億ランドの黒字)
○21:00   7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比11.9%/前年比▲8.9%)
○21:30   8月カナダGDP(予想:前月比0.9%/前年比▲4.1%)
○21:30   9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○21:30   9月カナダ原料価格指数(予想:前月比0.3%)
○21:30   9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比1.0%)
       9月米個人所得(予想:前月比0.4%)
       9月米PCEデフレーター(予想:前年比1.5%)
       9月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○21:30   7-9月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.5%)
○22:45   10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.0)
○23:00   10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:81.2)
○23:30   バイトマン独連銀総裁、講演
○インド(イスラム教モハメッド生誕日)、休場
○11月1日 米国が冬時間に移行

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ