FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/01/14/07:56:09

米国株式市場は下落:米企業決算前を控えてポジション調整の売り強まる

NYダウは176.70ドル安の36113.62ドル、ナスダックは381.58ポイント安の14806.81ポイントで取引を終了した。12月米卸売物価指数(PPI)が予想ほど上昇せず、米長期金利が低下したため高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが先行した。指数は一時220ドル超上昇する場面があった。ただ、これから本格化する米主要企業の昨年10-12月期決算発表を前に、ポジション調整目的の売りが強まると下げに転じた。市場では『米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強めていることから、売りが出やすかった』との声も聞かれ、引けにかけて下げ幅を広げた。VIX指数は17.62から20.31へ上昇した。

 

NY外国為替市場:弱い経済指標受けドル売りが優勢

ドル/円は、12月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。高く始まった米国株相場が下げに転じたこともリスク回避の円買いを促し、一時113.97円と昨年12月22日以来の安値を付けた。なお、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は副議長昇格の承認を得るための公聴会で『インフレ抑制は最重要課題』『インフレ抑制のための最重要手段はFF金利』『テーパリング完了後、できるだけ早く利上げを開始する準備を整えている』などと発言した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1482ドルと昨年11月11日以来約2カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後は伸び悩んだ。米国株安に伴うユーロ円の下落につれた売りが上値を抑えた。 

 

南アフリカランド/円は頭が重かった。南ア準備銀行(SARB)による利上げ観測が高まっていることから、欧州市場では一時7.50円と前日に付けた約2カ月ぶりの高値に面合わせした。市場では『1月か3月の会合で利上げするだろう』との声が聞かれた。ただ、NY市場に入ると一転下落した。同国が世界最大の産出量を誇るプラチナの先物価格が下落したことが材料視されたほか、『7.54円に位置する200日移動平均線が重要なレジスタンスとして機能している』との声が聞かれ、一時7.39円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:ポジション調整の売り優勢

NY原油先物は、81.39ドル-82.94ドルのレンジ相場となった。需給引き締まり観測が根強いなかで買い先行も、本日は83ドルに届かず。2日間で4ドル超上昇した後なだけに、ポジション調整の売りが優勢となった。プラスで始まった米株が弱含んだことも、リスク資産でもある原油の重石に繋がった。アジア市場で82.94ドルまで買われたが、米国株安を意識した売りが入ったことで、ニューヨーク市場で82ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引で81.39ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は5日ぶりに反落利益確定売り優勢

NY金先物は、1811.80-1822.10ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進行した場面でもドル建て金の反応は鈍かった。足もとで上昇が続いていたこともあり、本日は利益確定の売りが優勢となった。

 

米国債券市場は上昇:弱い米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.89%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い1.70%で終了した。12月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことを受けて、債券買いが先行した。米国株相場の失速で、安全資産とされる米国債の需要が高まった面もあった。 

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2022/01/13/07:42:58

米国株式市場は上昇:高PERのハイテク株を中心に買い戻し

NYダウは38.30ドル高の36290.32ドル、ナスダックは34.94ポイント高の15188.39ポイントで取引を終了した。12月消費者物価指数(CPI)が前年比で40年ぶり最大の伸びを記録したと同時に一部で物価上昇ペースの鈍化も見られ、金利の上昇が一段落したため寄り付き後は上昇した。しかし、高インフレ懸念も根強く、上値も限定的となった。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で全米の経済活動の緩やかな拡大継続が確認されたものの見通しに鈍化の兆しが報告され、引けにかけては上げ幅を縮小した。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが進んだ。ただ、足もとで堅調だった金融株の一角やディフェンシブ株に売りが出ると、指数は下げに転じる場面があった。VIX指数は18.41から17.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:米12月CPIが想定内でドル売り優勢に

ユーロ/ドルは、米労働省が発表した12月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と11月の6.8%上昇から一段と拡大し、約39年ぶりに7%台に達した。ただ、市場では『ほぼ予想の範囲内』と受け止められ、急速な米金融引き締めへの警戒感が後退した。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、一時1.1453ドルと昨年11月15日以来約2カ月ぶりの高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時94.91と11月11日以来の低水準を付けた。なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、『2021年最終週の米経済は緩やかなペースで拡大した』との認識が示され、『多くの地区が継続的な供給網の混乱と労働力不足により成長が抑制され続けた』と報告された。また、物価については『ほとんどの地区で上昇したものの、いくつかの地区ではここ数カ月のペースから若干減速した』と伝わった。

 

ドル/円は、米重要指標の発表を前にしばらくは115円台半ばでのもみ合いが続いていたが、12月米インフレ指標発表後に全般ドル売りが強まると、節目の115.00円や一目均衡表基準線が位置する114.75円を下抜けて一時114.33円まで下げ足を速めた。市場関係者からは『米物価上昇率は非常に大きかったが、予想とほぼ一致。マーケットがすぐに反応したことを踏まえると、一段の上昇を見込んでいたと思われる』との声が聞かれた。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁は『インフレ高進の中で3月利上げの可能性はかなり高い』『現時点では今年4回の利上げを予想』などと述べた。同総裁は先週、『昨年12月時点で今年3回の利上げを想定』と発言していた。 

 

NY原油先物市場は続伸:ドル安や強い原油需要の見方から買い優勢

NY原油先物市場は81.17ドル-83.10ドルのレンジ相場となった。2022年も原油需要は供給を上回るとの見方が広まるなか、本日も買いが先行した。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫では、7週連続の取り崩しが見込まれていた原油は-455.3万バレルと一部予想よりもマイナス幅が拡大した。これを受けて上昇に勢いがつき、一時約2カ月ぶりとなる83ドル台に乗せる場面もあった。アジア市場で81.17ドルまで売られたが、ドル安進行を意識した買いが入ったことで反転し、ニューヨーク市場で83.10ドルまで一段高となった。米長期金利が伸び悩んだことも材料視された。通常取引終了後の時間外取引では主に82ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は4日続伸:ドル安やインフレヘッジによる買い優勢

NY金先物市場は1814.40-1828.20ドルのレンジ相場となった。為替相場でユーロ/ドルが約2カ月ぶりに1.14ドル台に乗せるなどドル安が全般に進み、割安感が生じたドル建ての金は買いが優勢となった。12月米消費者物価指数(CPI)が前年比で約39年ぶりに7%台に乗せたことも、インフレヘッジとしての金需要に繋がった。アジア市場の終盤にかけて1814.40ドルまで売られたが、主要通貨に対するドル安が進行したことから、金買いが強まり、ニューヨーク市場で1828.20ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも1825ドルを上回る水準で推移している。 

 

米国債券市場は下落:セントルイス連銀総裁の年4回の利上げ発言で売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.91%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い1.74%で終了した。12月米消費者物価指数(CPI)がほぼ予想通りの内容となったことを受けて、急速な米金融引き締めへの警戒感が後退すると買いが先行したものの、終盤失速した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁が『現時点では今年4回の利上げを予想』などと述べたことが売りを誘った。 

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2022/01/12/07:34:36

米国株式市場は上昇:パウエル議長の発言後に金利低下で買戻し優勢

NYダウは183.15ドル高の36252.02ドル、ナスダックは210.62ポイント高の15153.45ポイントで取引を終了した。上院銀行委の再任承認公聴会で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が速やかな金融引き締めを強調するとの見方に金利が上昇し、警戒感に寄り付き後は大幅下落した。しかし、証言では、議長が段階的な引き締め軌道を示唆したため警戒感が後退した。金利も低下に転じたため買戻しに拍車がかかり、主要株式指数は上昇に転じた。また、米長期金利の上昇が一服し、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買い直しが広がった。VIX指数は19.40から18.41へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル議長発言後にドル売り戻しの展開

ユーロ/ドルは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の指名承認公聴会でのタカ派発言を期待した先取り的なドル買いが先行し、一時1.1313ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転買い戻しが優勢となった。パウエルFRB議長は米上院銀行委員会が開いた公聴会で『高インフレが続けば、さらに政策金利を引き上げなければならないだろう』と述べたほか、『米経済はもはや極めて緩和的な金融政策を必要としない』『バランスシート縮小は今年後半から開始されるだろう』などと発言した。同時に『金融政策正常化の時期について何も決定していない』『正常化への道のりは長い』などと語った。市場では『警戒したほどタカ派的な内容ではなかった』と受け止められ、米株高・債券高(金利低下)・ドル安につながり、一時1.1375ドルと日通し高値を更新した。 

 

ドル/円は、米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの警戒から、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行すると一時115.68円と日通し高値を付けた。ただ、パウエルFRB議長の発言が伝わると、米長期金利が低下に転じ、ドルを売る動きが優勢となり、一時115.27円付近まで下押しする場面があった。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格が一時4%超上昇し、約2カ月ぶりの高値を更新するとカナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2567カナダドル、対ユーロで1.4286カナダドル、対円で91.80円まで値を上げた。また、ノルウェークローネは対ユーロで一時9.9693クローネ、対ドルで8.7673クローネ、対円で13.16円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:需要ひっ迫への懸念から買戻し

NY原油先物市場は78.36ドル-81.59ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの段階的な増産方針では需給ひっ迫への懸念を取り除けないとの見方が広がるなか、買い戻しが先行した。先週末に抑えられた80ドル台半ばを超えると上昇力が一気に強まり、11月半ば以来の高値81.50ドル台まで上値を伸ばした。米株が堅調に推移したことも、リスク資産でもある原油の支えとなった。アジア市場で78.6ドルまで売られたが、押し目買いが入ったことで反転した。中央アジア周辺における地政学的リスクは低下したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受けて買いが一段と優勢となり、一時81.59ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利低下とドル安で買い優勢

NY金先物市場は1799.70-1821.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進み、割安感が生じたドル建ての金に買いが集まった。パウエルFRB議長の上院・銀行委員会の公聴会を経て米金利の上昇が一服したことも、金利が付かない金の下支え要因となった。アジア市場の序盤に1799.70ドルまで下げたが、その後反転。ニューヨーク市場で金先物はじり高の相場展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1821.50ドルまで買われている。

 

米国債券市場は上昇:金融引き締めへの警戒感後退で買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.88%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い1.73%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での発言内容が『想定の範囲内』と受け止められ、金融引き締めへの警戒が和らぐと債券買いが進んだ。 

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2022/01/11/07:36:35

米国株式市場はまちまち:オミクロン感染のピーク報道や米国の強い成長予想

NYダウは162.79ドル安の36068.87ドル、ナスダックは6.93ポイント高の14942.83ポイントで取引を終了した。12月のタカ派連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)が市場が予想していたよりも速やかなペースで金融緩和引き締めを進めるとの警戒感に寄り付き後は下落した。金利の上昇で、ハイテクも売られた。その後、ニューヨーク市のオミクロン感染がピークを打った兆候が見られるとの報道やJPモルガンのダイモンCEOがインタビューで、消費が強く、経済もここ数十年で最も強い成長を予想しているとの楽観的見解を明らかにすると、NYダウは下げ幅を縮小した。ハイテクは金利上昇が一段落したため、引けにかけて買われナスダックは小幅上昇で終了した。VIX指数は18.76から19.40へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米露会談への警戒感から全般リスク回避

ドル/円は、ウクライナ情勢を巡る米露会談への懸念から欧州株価が軟調に推移すると、リスク回避目的の円買い・ドル売りが先行した。米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの警戒が急速に強まる中、NYダウが一時590ドル超下落したことも相場の重石となり、一時115.01円と日通し安値を更新した。なお、米ゴールドマン・サックスは米連邦準備理事会(FRB)の今年の利上げ回数予想を従来の3回から4回に引き上げ、資産圧縮の開始時期も12月から7月に前倒しした。また、JPモルガン・チェースも前週末に利上げ開始の予想時期を6月から3月に早めた。米10年債利回りは一時1.8064%前後と2020年1月以来約2年ぶりの高水準を付け、一段の金利上昇への警戒感が強まった。市場関係者からは『11日のパウエルFRB議長の公聴会や12日の12月米消費者物価指数(CPI)など重要イベントを控え、インフレ動向などを踏まえた米利上げの開始時期やペースに関心が集まっている』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る米露会談への警戒感から全般ユーロ売りが先行した。欧州株相場が軟調に推移するとリスク回避のドル買いも優勢となり、一時1.1285ドルと日通し安値を更新した。ただ、4日の安値1.1272ドルが目先サポートとして働くと徐々に下げ渋る展開になった。ユーロ/スイスフランやユーロ/NZドルなど一部ユーロクロスの上昇につれた買いが入ったほか、スイス・ジュネーブで相互安全保障に関する第1回米露協議が開始されたこともショートカバーを誘った。米露による『戦略安保対話』はこの日、ジュネーブで開催された。ウクライナを中心とする欧州の安全保障に関する協議が行われたものの、双方の溝は埋まらず、ロシアは米国が受け入れられないとする要求を改めて示した。もっとも、両政府は米露間の問題に関するより詳細な議論を行うために近く再び会合を開くことに前向きで、協議を継続する方針で一致した。 

 

NY原油先物市場は続落:カザフスタンのデモ沈静化で売り優勢に

NY原油先物市場は77.83ドル-79.45ドルのレンジ相場となった。中央アジアの産油国・カザフスタンでは、大規模な反政府デモが沈静化されたと報じられた。同国の油田も通常操業に向けて回復中であると伝わり、週明け原油相場の売りに繋がった。もっとも石油輸出国機構(OPEC)の加盟国・リビアから供給が減少するとの懸念は残り、78ドル割れでは下げ渋った。ロンドン市場で79.45ドルまで買われたものの、中央アジア周辺における地政学的リスクがやや低下したことや株安を意識して売りが優勢となり、一時77.83ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は小幅に続伸:米国株安を意識して下げ渋る

NY金先物市場は1789.30-1802.00ドルのレンジ相場となった。安全保障を巡る米露協議を見極めたいとする向きが多く、1800ドルを挟み方向感が出づらかった。NY序盤に為替相場でドル高・ユーロ安が進んだ場面では、割高感が生じたドル建ての金に売りが入ったものの、その後にドルが弱含むと下値を切り上げた。ロンドン市場の中盤にかけて1802.00ドルまで買われた後、1789.30ドルまで下げたが、株安を意識して下げ渋った。押し目買いの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引では1800ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米金融政策の正常化へ向けた売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.89%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいだった。米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.76%で終了した。米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの見方から、この日も売りが先行した。利回りは一時1.8064%前後と2020年1月以来約2年ぶりの高水準を付けた。ただ、引けにかけては買い戻しが優勢となり、前営業日比横ばいで取引を終えた。なお、米連邦準備理事会(FRB)はパウエル議長の米上院銀行委員会での事前原稿を公表。パウエル議長は『米経済は速いペースで拡大しており、労働市場は力強い』『ツールを活用して経済と労働市場を支え、高インフレが定着するのを防ぐだろう』との認識を示すと伝わった。 

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2022/01/08/07:41:58

米国株式市場は下落:金利の上昇を警戒した売り優勢

NYダウは4.81ドル安の36231.66ドル、ナスダックは144.97ポイント安の14935.90ポイントで取引を終了した。12月雇用統計で雇用の伸びが予想を大幅に下回ったことに失望し、寄り付き後、下落。その後、失業率のパンデミック前の水準3%台への回復を受けて、経済や労働市場の回復を期待した景気循環株の買いにNYダウは一時上昇した。しかし、金利の上昇が警戒され引けにかけ再び下落に転じた。ナスダック総合指数は終日軟調に推移した。VIX指数は19.61から18.76へ低下した。

 

NY外国為替市場:米雇用者数に着目したドル売り優勢

ユーロ/ドルは、米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比19.9万人増と予想の40.0万人増を下回った一方、失業率は3.9%と予想の4.1%より強い内容となった。また、平均時給は前月比0.6%上昇/前年比4.7%上昇と予想の前月比0.4%上昇/前年比4.2%上昇を上回った。指標発表当初はドル買いで反応したため一時1.1293ドル付近まで値を下げたものの、そのあとは予想を下回る米雇用者数に着目したドル売りが優勢になり、一時1.1365ドルと日通し高値を更新した。 

 

ドル/円は、米失業率の改善や平均時給の予想市場の上昇を受けて一時115.93円付近まで買われたものの、節目の116.00円やアジア時間に付けた日通し高値116.05円には届かなかった。そのあとは予想を下回る米雇用者数に着目したドル売りが優勢となり、一時115.53円と日通し安値を付けた。なお、市場では『昨年11月24日の高値115.52円や一目均衡表転換線が位置する115.51円がサポートとして意識されている』との声が聞かれた。 

 

NY原油先物市場は反落:米雇用統計発表後に売り優勢に

NY原油先物市場は78.52ドル-80.47ドルのレンジ相場となった。原油の供給逼迫懸念が支えとなり、買いが先行するも、米雇用統計の発表後に売りに押された。12月米雇用統計は強弱まちまちの結果となったが、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が市場予想を大幅に下回ったことが嫌気され、原油相場は利益確定売りに押された。地政学的リスクの増大を警戒してロンドン市場で80.47ドルまで買われたものの、12月の米雇用統計発表後に売りが強まり、一時78.52ドルまで下落した。その後、79ドル台前半まで戻したものの、週末前のポジショ調整に絡んだ売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に79ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ドル安に傾き買戻し強まる

NY金先物市場は1781.30-1798.40ドルのレンジ相場となった。強弱まちまちの米雇用統計を受けて、金は乱高下する場面もあったが、為替相場で徐々にドル安・ユーロ高が進むと、ドル建ての金に買いが入り、前日比で反発して取引を終えた。ただ、米長期金利の上昇を嫌気した売りも入り、上値は限られた。12月米雇用統計発表後に1781.30ドルまで下落したが、押し目買いの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引で1798.40ドルまで戻した。

 

米国債券市場はまちまち:金融政策正常化が早期に進むとの見方から売り

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.86%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.76%で終了した。米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの見方から、この日も売りが続いた。利回りは一時1.7992%前後と2020年1月以来約2年ぶりの高水準を付けた。 

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