FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/12/07/07:26:38

米国株式市場は上昇:経済封鎖への警戒感の後退で買い戻し

NYダウは646.95ドル高の35227.03ドル、ナスダックは139.68ポイント高の15225.15ポイントで取引を終了した。バイデン大統領の首席医療顧問の国立アレルギー感染症研究所ファウチ所長が週末のインタビューで、時期尚早としながらも、新型コロナのオミクロン変異株の重症度を巡り楽観的な見解を示したため経済封鎖への警戒感が後退し景気回復期待に、寄り付き後は上昇した。市場では『NYダウは前週まで4週連続で下落していただけに、短期的な戻りを期待した買いが入った』との声も聞かれた。中国人民銀行が預金準備率を引き下げると発表したことを受けて、中国関連銘柄とされる3Mやキャタピラーにも買いが入った。VIX指数は30.67から27.18へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高と米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大への警戒感が和らいだことで、米国株相場が堅調に推移すると、リスク選好の様相が強まり円売り・ドル買いが進んだ。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.43%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時113.55円と日通し高値を更新した。なお、バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は『オミクロン株』について『断定するのは時期尚早だ』としながらも、『これまでのところ重症化の度合いは、それほど高くないようだ』と発言した。NYダウは一時770ドル超上昇した。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比310円高の2万8160円まで買われる場面があった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、一時1.1267ドルと日通し安値を更新した。市場では前週末の11月米雇用統計について『雇用者数は予想を下回ったものの、労働市場の堅調ぶりを示唆。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め路線も維持される』との声が聞かれ、ドル買いが入りやすい面もあった。
国際通貨基金(IMF)はこの日、『ユーロ圏の経済回復は国によって不均衡になるだろう』『ユーロ圏のインフレリスクは上昇サイドに傾いている』との見解が示したが、目立った反応は見られなかった。

 

産油国通貨はしっかり。WTI原油先物価格が5%超上昇したことで、カナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2754カナダドル、対ユーロで1.4388カナダドル、対円で89.00円まで値を上げた。また、ノルウェークローネは対ユーロで一時10.2561クローネ、対ドルで9.0899クローネ、対円で12.49円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は大幅反発:リスク回避姿勢の緩和で買い優勢

NY原油先物市場は66.72ドル-70.15ドルのレンジ相場となった。バイデン米政権の首席医療顧問を務めるファウチ氏が『オミクロン株は重症化の度合いが高くはない可能性も』と発言したことなどもあり、オミクロン株に対する過大なリスク回避姿勢が緩和され、原油先物は大幅に反発した。現時点で大半の国や地域で都市封鎖などの厳格な経済制限措置は導入されていないため、原油需要の減少を意識した売りは縮小し、一時70.15ドルまで買われている。通常取引終了後の時間外取引では69ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は小反落:米国株高を意識した売り優勢に

NY金先物市場は1776.40-1789.00ドルのレンジ相場となった。ナスダック総合が一時マイナス圏に入ったことなどもあり、金先物は一時前営業日比で上昇する局面もあった。しかしながら、ナスダックに買い戻しが入り、NYダウは760ドル超上昇するなど、堅調な米株式市場の値動きが避難通貨としての金先物には重石となり小反落で引けた。アジア市場の序盤で1789.00ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.40ドルまで下げた。通常取引終了後の時間外取引では1780ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は大幅下落:感染拡大への警戒感の後退から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.63%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い1.44%で終了した。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大への警戒感が和らいだことで、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

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2021/12/06/03:00:31

米国株式市場は下落:変異株感染拡大や不調な11月雇用統計受け売り優勢に

NYダウは59.71ドル安の34580.08ドル、ナスダックは295.85ポイント安の15085.47ポイントで取引を終了した。米議会がつなぎ融資延長案を可決、政府機関閉鎖が回避されたため安心感に寄り付き後は上昇した。しかし、国内でオミクロン変異株感染が拡大、さらに、11月雇用統計で雇用者数が予想の半分の伸びにとどまり失望感から、下落に転じた。同時に連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和解消の軌道に変わりはなく、時期尚早の金融緩和解除への警戒感も強まり、さらなる売りに繋がった。上場廃止への懸念を受けた中国ハイテク株の下落が重石となりナスダック総合指数も大きく下げた。もっとも、引けにかけては急速に買い戻しが強まり、下げ幅を縮めた。VIX指数は27.95から30.67へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の低下で終盤ドル売り優勢に

ドル/円は、米労働省が発表した11月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比21.0万人増と予想の55.0万人増を下回り、平均時給が前月比0.3%上昇/前年比4.8%上昇と予想の前月比0.4%上昇/前年比5.0%上昇を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに一時113.00円付近まで売られた。ただ、そのあとは米長期金利の上昇に伴って113.61円と日通し高値を付けた。失業率が4.2%と予想の4.5%より強い内容となったこともドル買いを誘った。ただ、新型コロナウイルスの新たな変異株『オミクロン株』の感染拡大への懸念が高まる一方、米金融政策の正常化が前倒しで進むとの見方が維持されたことから、高く始まった米国株相場が一転下落すると、リスク回避の円買いが優勢になった。前日の安値112.66円を下抜けて一時112.52円まで値を下げた。米10年物国債利回りが一時1.3329%前後と9月23日以来の低水準を付けたことも相場の重石になった。なお、米雇用統計の結果について市場では『米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング加速を妨げるものではない』『FRBの考えを変えるようなものは見当たらない』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の動向に一喜一憂する展開だった。米雇用統計発表直後に一時1.1333ドルの日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇した場面では1.1267ドルの日通し安値まで売られた。ただ、米長期金利が再び低下すると1.1327ドル付近まで持ち直している。 

 

カナダドル円は頭が重かった。カナダ統計局が発表した11月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が15.37万人増と予想の3.50万人増を大幅に上回ったほか、失業率が6.0%と予想の6.6%より強い内容となったことを受けてカナダドル買いが先行した。一時89.13円まで値を上げた。ただ、米国株の失速に伴ってリスク回避の円買いが強まると、一時87.71円まで一転下落した。

 

NY原油先物市場は小幅に反落:米国株下落に連れて売り優勢に

NY原油先物市場は65.60ドル-69.22ドルのレンジ相場となった。前日の石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合では、日量40万バレルの増産継続が決定された。一方、新型コロナ・オミクロン株の感染状況次第で今後の生産抑制もあり得ると示されたことを材料視し、NY序盤は買い優勢のまま一時69ドル台まで上値を伸ばした。もっともその後、米国株が軟調に推移してリスク回避地合いが強まると、リスク資産でもある原油は一転し売り優勢になった。週末を控えたポジション調整も巻き込み、66ドル割れまで下押す場面があった。通常取引終了後の時間外取引で65.60ドルまで下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は円週末比変わらずの467基だった。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利の低下を意識した買いが優勢に

NY金先物市場は1766.00-1788.00ドルのレンジ相場となった。高く始まった米国株が一転軟調に転じると、リスク回避ムードの強まりと供に安全資産とされる金に買いが集まった。米長期金利が低下幅を広げたことも金利の付かない金の支えとなり、前日に下げた分をほぼ取り戻して終えた。11月米雇用統計発表後に1766.00ドルまで売られたが、米国株式の下落や米長期金利の低下を意識して金先物は反転した。通常取引終了後の時間外取引で1788.00ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は上昇:米国株が下落するとリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.59%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い1.34%で終了した。11月米雇用統計の発表後に債券売り(金利は上昇)が強まる場面もあったが、米国株が下落すると安全資産とされる米国債に買いが集まり大幅に反発した。利回りは一時1.3329%前後と9月23日以来の低水準を付けた。 

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2021/12/03/07:45:23

米国株式市場は上昇:短期的な戻りを期待した買い優勢

NYダウは617.75ドル高の34639.79ドル、ナスダックは127.27ポイント高の15381.32ポイントで取引を終了した。直近2日間で1000ドル超下落していただけに、短期的な戻りを期待した買いに寄り付き後は上昇した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことも買いを促し、一時730ドル超上昇した。ボーイングは7.5%超上昇し、1銘柄でダウ平均を100ドル程度押し上げた。「中国当局は主力小型機『737MAX』の運航再開に向けて必要な修正事項を航空会社に指示した」との報道が好感された。また、製薬会社のファイザー(PFE)が同社の新型コロナウイルスワクチンが新たなオミクロン変異株に対しても効果があると楽観的な見通しを示したことも買い材料となった。さらに、バイデン大統領が3日に政府機関閉鎖に陥ることは予想していないと発言すると、一段高となった。VIX指数は31.12から27.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FRB要人のタカ派発言でドル買い優勢

ドル/円は、欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行し、一時112.71円付近まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。オセアニア時間に付けた日通し安値112.66円が目先サポートとして働いたほか、前週分の米新規失業保険申請件数が22.2万件と予想の24.0万件より強い内容となったことが相場を下支えした。米国株が大幅に反発したことも買い戻しを促し、一時113.24円付近まで持ち直した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁が『2022年第1四半期末までにテーパリングを終了することが適切になる』『来年末までに少なくとも2回の利上げを実施することが正当化される可能性』と述べたこともドル買いを誘った。同じくFOMCで投票権を有するデイリー米サンフランシスコ連銀総裁もテーパリング加速が必要となる可能性を指摘し、『利上げを見据えた計画の策定を開始する時期に至っている可能性がある』との考えを示した。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が上昇幅を縮小したタイミングでユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1348ドルと日通し高値をつけたものの、買い一巡後は次第に弱含んだ。良好な米雇用指標を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが出たほか、米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けてドル買いが進行し、一時1.1295ドルと日通し安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は反発:売られ過ぎの反動買い優勢

NY原油先物市場は62.43ドル-67.36ドルのレンジ相場となった。注目された石油輸出国機構(OPEC)プラスの閣僚級会合では、現行の小幅な増産計画が維持された。新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大を受けて一部では増産停止や縮小の思惑も広まっていたため、会合結果を受けて相場は一時パニック売りとなり、8月以来の安値となる62ドル半ばまで急落した。もっとも増産は『小幅』に変わりなく、売られ過ぎ感が意識されると一転して買い戻し優勢となった。前日比でプラスを回復すると更に上げ足を速め、67ドル台に乗せる場面もあった。ロンドン市場で67.36ドルまで買われた後、原油増産への思惑で62.43ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引で67.34ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は反落:金利先行観の高まりを嫌気した売り

NY金先物市場は1762.20-1785.20ドルのレンジ相場となった。複数の米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派な発言が相次ぎ、金利先高観の高まりが金の重石となった。為替がドル高に振れたことも売りに繋がったほか、米株が大きく反発したことが安全資産とされる金の戻りを鈍くさせた。アジア市場の序盤で1785.20ドルまで買われたが、まもなく反落した。ロンドン市場で1770ドルを下回った。ニューヨーク市場の序盤にかけて1781ドル近辺まで戻したが、米国株式の反発を意識して売りが強まり、一時1762.20ドルまで下げ幅は拡大した。通常取引終了後の時間外取引では1760ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反落:米FRB要人によるタカ派発言を嫌気した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.61%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.44%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)要人によるタカ派的な発言が相次いだことを受けて売りが先行した。米国株の大幅反発も相場の重石となった。

 

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2021/12/02/07:49:25

米国株式市場は下落:米国内で変異株感染者が確認されると売り優勢に

NYダウは461.68ドル安の34022.04ドル、ナスダックは283.64ポイント安の15254.05ポイントで取引を終了した。世界保健機関(WHO)の主任科学者が新型コロナウイルスのオミクロン変異株について、ワクチンで重症化を防げる公算大との考えを示したため不安が緩和し、寄り付き後は上昇し一時520ドル高水準まで上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委での証言で量的緩和(QE)縮小を早める可能性を再表明し上げ幅を縮小した。引けにかけに、疾病管理予防センター(CDC)が国内初のオミクロン変異株感染を確認したと発表、投資家心理が悪化し大きく下落に転じた。VIX指数は27.19から31.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株失速でリスク回避の円買い

ドル/円は、NY市場に入ると全般円買いが先行した。11月米製造業PMI改定値が予想を下回ったことや米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、一時112.67円と日通し安値を更新した。米国で新型コロナウイルスの新たな変異株『オミクロン株』の感染者が初めて確認されたと伝わると、一時は520ドル超上昇したNYダウが失速し、リスク回避の円買いを誘った。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米下院金融サービス委員会でインフレリスクに言及し、インフレが定着しないように手段を講じる考えを再表明。『次回FOMCでのテーパリング加速を検討するのは適切』と改めて語った。また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は米紙とのインタビューで『FRBはテーパリングの加速に取り組むだろう』『オミクロン株感染が拡大した場合、物価上昇の原因となっている混乱がさらに深刻化する可能性がある』との見方を示した。 

 

ユーロ/ドルは、予想を下回る米製造業PMI改定値を受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1358ドル付近まで値を上げたものの、NY終盤には1.1309ドル付近まで押し戻された。大幅反発した米国株の失速でリスク回避のドル買いが入った面もある。 

 

NY原油先物市場は続落:米国株の急落を嫌気した売り

NY原油先物市場は64.84ドル-69.49ドルのレンジ相場となった。時間外では、新型コロナウイルス・オミクロン株への過度な警戒感が後退し、買い戻し優勢のまま前日比で約5%高まで反発した。もっともNY勢の本格参入後からは伸び悩む展開になった。2日の石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合を控え、積極的な取引は手控えられた。ただその後、引けにかけてはマイナス圏まで売り込まれた。米国で初めてオミクロン株の感染が確認されたことが嫌気された。ロンドン市場で69.49ドルまで買われたが、米国株式の反落を嫌気して、通常取引終了後の時間外取引で64.84ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:1,800ドル手前で利益確定売りで伸び悩み

NY金先物市場は1773.70-1795.70ドルのレンジ相場となった。序盤では為替相場でドルがユーロなどに対して弱含み、割安感が生じたドル建ての金は買いが先行した。11月米製造業PMI改定値が予想を下回ったことも安全資産とされる金の支えとなった。しかしながら1800ドル手前では伸び悩み、為替でドル買い戻しが欧州通貨に対して進むと金は上げ幅を縮小して終えた。アジア市場の序盤で1773.70ドルまで下げたが、まもなく反転し、1795.70ドルまで戻した。しかしながら、ニューヨーク市場の終盤にかけて換金目的の売りが増加し、通常取引終了後の時間外取引で一時1780ドルを下回った。 

 

米国債券市場は上昇:米国内で変異株感染者が確認されると買い加速

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.55%で終了した。また、10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い1.40%で終了した。米国株の反発で安全資産とされる米国債には売りが先行したものの、株が失速すると一転買いが優勢になった。米国で新型コロナウイルスの新たな変異株『オミクロン株』の感染者が初めて確認されたと伝わると、買いが加速した。 

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2021/12/01/07:41:03

米国株式市場は下落:パウエルFRB議長のタカ派発言受け終日軟調

NYダウは652.22ドル安の34483.72ドル、ナスダックは245.14ポイント安の15537.69ポイントで取引を終了した。11月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や11月消費者信頼感指数が予想以上に悪化したため、寄り付き後は下落した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委証言での質疑応答でインフレ高進が持続する可能性を警告し、12月連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入縮小ペース加速の選択肢を協議することが妥当との考えを示したため売りが加速し、終日軟調に推移した。NYダウは一時710ドル超下げる場面があった。 VIX指数は22.96から27.19へ上昇した。

 

NY外国為替市場:パウエルFRB議長のタカ派発言受け一転ドル買い

ドル/円は、新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』に対して既存のワクチンや治療薬の効果が薄いとの報道が相次ぎ、感染拡大への懸念が高まるとリスク回避の円買い・ドル売りが先行した。11月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が61.8と予想の67.0を下回ったことも相場の重石となり、一時112.50円と10月11日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で『インフレ高進のリスクは高まった』『インフレの高まりが一時的との表現を止める時期がきた』『12月FOMCでテーパリングの加速に関して議論する』などと発言すると、米金融政策の正常化が前倒しで進むとの見方が広がり一転ドル買いが優勢になった。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時113.70円付近まで値を戻した。もっとも、フィキシング通過後は再び上値が重くなった。アジア時間に付けた日通し高値113.89円が目先レジスタンスとして働いたほか、米国株安に伴うクロス円の下落が相場の重しとなり、113.00円付近まで押し戻された。

 

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標が相次いだことで全般ドル安が先行すると、一時1.1383ドルと日通し高値を更新した。ただ、パウエル議長の発言をきっかけに米金融政策の正常化が進むとの見方が広がると、ドルを買い戻す動きが優勢に。市場では『FRBがタカ派姿勢にシフトした』との声も聞かれ、一時1.1236ドルと日通し安値を更新した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。もっとも、フィキシングを通過すると1.1345ドル付近まで持ち直している。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:エネルギー需要鈍化懸念高まる

NY原油先物市場は64.43ドル-71.22ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス・オミクロン株に対し、既存のワクチンや抗体治療薬では効果が低いとの複数報道が相次いだ。経済活動の停滞や移動制限の強化が予想されるなかエネルギー需要鈍化への懸念が高まり、原油相場は売り優勢となった。株安を背景としたリスク回避地合いも重しとなり、一時64ドル半ばと約3カ月ぶりの安値を記録した。アジア市場で71.22ドルまで買われたが、株安を警戒して反落した。ニューヨーク市場で64.43ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は続落:米国の量的緩和の縮小ペースが速まる可能性を嫌気

NY金先物市場は1771.20-1811.40ドルのレンジ相場となった。11月シカゴ購買部協会景気指数や同月米消費者信頼感指数が市場予想を下回ると上値を試す展開に。しかしながらその後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が緩和縮小の加速を示唆すると、一転し売り優勢となった。米2年債利回りが上昇し金利が付かない金の重石となったほか、米国株指数が下げ幅を拡大したことで換金売りも入った。ニューヨーク市場の中盤にかけて1811.40ドルまで買われたが、米量的緩和の縮小ペースは速まる可能性があることから、換金目的の売りが優勢となり、一時1771.20ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1770ドル台で推移している。

 

米国債券市場はまちまち:中期債売り・長期債買いの展開

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)0.56%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.44%で終了した。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』の感染拡大への懸念から買いが先行した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派的な発言を受けて売りが出る場面もあったが、株安を背景に引けにかけては再び強含んだ。 

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