FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/01/21/07:43:07

米国株式市場は下落:利益確定売り強まり引けにかけて下落幅拡大

NYダウは313.26ドル安の34715.39ドル、ナスダックは186.23ポイント安の14154.02ポイントで取引を終了した。中国人民銀行による1年物ローンプライムレートの引き下げを好感し、寄り付き後は上昇した。国内金利の上昇も一段落したためハイテクの買戻しも目立ち、堅調に推移した。しかし、引けにかけて、来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的引き締め政策への根強い懸念にともなう利益確定売りが強まり、下落に転じた。時間外取引では、米動画配信大手ネットフリックスの決算を嫌気して同社株が時間外で20%超急落して、NYダウ先物は売りが加速して一時前営業日比503ドル安となった。VIX指数は23.85から25.59へ上昇した。

 

NY外国為替市場:売買交錯して方向感を欠く展開

ユーロ/円は、ユーロ豪ドルをはじめユーロクロスが売り優勢となったほか、ウクライナ情勢の緊迫化もユーロ安につながった。一時は460ドル超上昇していたNYダウが徐々に伸び悩み、引けにかけては350ドル超安まで急落するとリスク回避の売りも重石になって一時129.05円まで売り込まれた。

 

ユーロ/ドルは、対オセアニア通貨主導でユーロ安が進んだ流れに沿った。米国株が引けにかけて総崩れとなり、ユーロ/円が一段安となるとユーロ/ドルもつれ安になり、一時1.1303ドルまで値を下げた。 

 

ドル/円は、米10年債利回りが低下したことが嫌気され、節目の114円を割り込んで113.92円まで一時下げた。対オセアニア通貨などを中心にドルの買い戻しが強まると引けにかけては114.20円台まで下げ渋ったが、戻りは鈍かった。 

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:利益確定売り強まる展開

NY原油先物市場は84.60ドル-87.10ドルのレンジ相場となった。中東の原油生産の滞りのリスクや、ウクライナ情勢の緊迫化が伝わっていることもあり、原油先物は強含む場面もあった。しかしながら、連日大幅に続伸していたことで利食い売りも入り、4日ぶりに小幅に反落して引けた。また、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が、市場予想に反し積み増すとなったことも上値を抑える要因になった。なお、本日で2月限月の取引が終了したが、2月限は2014年10月以来となる86.90ドルで引けた。ニューヨーク市場の中盤にかけて87.10ドルまで買われたが、米国株安を意識した売りが増えたことによって、通常取引終了後の時間外取引で84.60ドルまで反落した。

 

NY金先物市場は小反落:ユーロ安・ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1836.20-1848.50ドルのレンジ相場となった。ここ最近上昇が続いた米債利回りが、本日は低下したこともあり金先物は強含む場面があった。しかしながら、対ユーロを中心にドルが買わたことで、ドルで取引される金先物に割高感が出たことや、昨日は昨年11月の水準まで上昇した反動もあり、金先物価格は僅かながら反落して引けた。ロンドン市場で1836.20ドルまで売られたが、米長期金利の動向を意識した買いが入ったことで反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1848.50ドルまで買われた。ただ、その後は伸び悩みとなった。通常取引終了後の時間外取引では米国株安を意識した換金売りが観測されており、1840ドルを再び下回った。 

 

米国債券市場は上昇:米国株が総崩れとなりリスク回避の買い強まる

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.02%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い1.80%で終了した。前日に続き、持ち高調整の買いが相場を主導した。引けにかけて米国株が総崩れとなったことも安全資産とされる債券買いを促した。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2022/01/20/07:36:09

米国株式市場は続落:米FRBによる利上げを警戒した売り優勢

NYダウは339.82ドル安の35028.65ドル、ナスダックは166.65ポイント安の14340.25ポイントで取引を終了した。好決算を受けてバンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーなどを主導に買いが先行し、指数は一時180ドル近く上昇した。ただ、米景気への強気な見方が後退するなかで米連邦準備理事会(FRB)による利上げが米経済に重石になるとの警戒感から一巡後は売りが優勢になった。景気敏感株を中心に売りが優勢となり、引けにかけて下げ足を速めた。VIX指数は22.79から23.85へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下と米国株安でドル売りやや優勢

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下をサポートに一時1.1357ドルまで値を上げた。ただ、ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスが軟調に推移した影響から上値は限られた。なお、ポンド/ドルは伸び悩みとなった。英長期金利の上昇に加えて英国が来週から新型コロナウイルス絡みの規制を解除することを明らかにしたことも好感されて一時1.3649ドルまで上昇した。ただ、米国株が引けにかけて崩れたため1.3610ドル台まで上値を切り下げた。

 

ドル/円は、 終値は114.34円と前営業日NY終値(114.61円)と比べて27銭程度のドル安水準だった。114.50円前後でのもみ合いが続いていたが、米10年債利回りが低下すると次第に売りが強まり、本日安値の114.19円に面合わせした。引けにかけてNYダウをはじめ米国株が軟調に推移したため、戻りは鈍かった。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:供給不安が解消されず買い優勢

NY原油先物市場は85.08ドル-86.79ドルのレンジ相場となった。イラクとトルコを結ぶ石油パイプラインが爆発し、原油輸送が一時的に停止するなど今後の原油価格のひっ迫懸念が強まった。原油先物価格は、一時88ドル手前まで上がるなど約7年3カ月ぶりの水準まで大幅に上昇した。もっとも、連日の上げ幅が大きいことで、引けにかけては利食い売りも入り上げ幅を縮めた。ロンドン市場の序盤に85.08ドルまで売られたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて86.79ドルまで買われた。ただ、地政学的リスクの増大を警戒した買いは一巡しており、通常取引終了後の時間外取引では86ドルを下回る水準で推移した。 

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:米長期金利の動向を意識した買い

NY金先物市場は1809.00-1843.90ドルのレンジ相場となった。大幅に上昇していた米債利回りが徐々に上げ幅を縮め、前日比で低下に転じると金価格も急速に買い戻された。アジア市場で1809.00ドルまで売られたが、米長期金利の動向を意識した買いが入ったことによって反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1840ドル台に上昇した。通常取引終了後の時間外取引でもしっかりとした値動きを見せており、1843.90ドルまで買われている。 

 

米国債券市場はまちまち:米利上げ観測根強く荒い値動き

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.05%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.86%で終了した。時間外で債券売りが強まり、利回りは一時1.90%と2020年1月以来の水準を付けた。ただ、その後は持ち高調整の買い戻しが優勢になった。良好な米20年債入札も買いを促し、利回りは一時1.82%付近まで低下した。一方、米利上げ観測が根強いなかで引けにかけては再び売り圧力が高まるなど、荒い値動きとなった。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2022/01/19/07:34:10

米国株式市場は下落:GSの決算への失望と米2年債利回り上昇を嫌気

NYダウは543.34ドル安の35368.47ドル、ナスダックは386.85ポイント安の14506.90ポイントで取引を終了した。金融のゴールドマンサックス(GS)の決算内容に失望した売りや、国債利回りが2年ぶり高水準に達し金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。著名投資家のアックマン氏が3月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利上げの可能性などを指摘するなど、連邦準備制度理事会(FRB)の急激な引き締めを警戒した売りが続き、終日軟調に推移した。NYダウは前日比で1.51%安、ハイテク株の多いナスダック総合指数は安値圏での引けで2.60%安、S&P500は1.84%安となった。VIX指数は19.19から22.79へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米株安や地政学からリスク回避の動き強まる

ユーロ/円は、株安を手掛かりとした欧州序盤からのリスク回避の売りがNY市場でも継続。ダウ平均が650ドル近くまで下げ幅を拡大したほか、米ホワイトハウスが『ロシアのウクライナ攻撃はいつ起きてもおかしくない』と発表するなど、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが意識された面もあり、一時129.70円まで売り込まれた。 

 

ドル/円は、欧米株安を背景とした円高に沿ってNY序盤には一時114.45円と東京時間に付けた安値114.45円に接近した。一方、米10年債利回りが1.87%台と2020年1月以来の水準まで上昇したため下値も限られた。 

 

ユーロ/ドルは、株安を手掛かりとしたユーロ円の下落や地政学リスクを意識したユーロスイスフランの下げ、そして米長期金利の上昇に伴うドル高の影響を受けた。一時1.1315ドルまで値を下げるなど、総じてさえない動きとなった。

 

NY原油先物市場は続伸:中東の地政学リスク悪化から供給懸念

NY原油先物市場は83.57ドル-85.35ドルのレンジ相場となった。週末にアラブ首長国連邦(UAE)が無人機攻撃を受けて、アブダビの国営石油会社施設付近でも爆発などが報告され、中東情勢の悪化が今後の供給懸念につながった。原油先物は一時2014年10月以来となる85ドル後半まで上昇した。アジア市場の序盤に83.57ドルまで売られたが、まもなく反転し、ロンドン市場で85ドル台前半まで買われた。ニューヨーク市場の中盤に83.93ドルまで下げたものの、地政学的リスクの増大を警戒した買いが入り、通常取引終了後の時間外取引で85.35ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利上昇が重石に

NY金先物市場は1804.70-1822.40ドルのレンジ相場となった。『ロシアがウクライナに対していつ攻撃をするか分からない』と米政府高官が発言するなど、ウクライナ情勢の緊張が増していることもあり、安全資産とされる金に買いが入る場面があった。しかしながら、米金利上昇やドル高が重石となり、前日比マイナス圏に沈んで取引を終えた。アジア市場で1822.40ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を意識した売りが増えたことによって伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤に1804.70ドルまで下げたが、1819.90ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では、1813ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は大幅続落:米国の金利先高観が強まり売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.04%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い1.87%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が3月にも利上げするのではとの観測が高まるなか、その後の追加利上げへの期待感も重なって金利先高観から米国債売りが優勢になった。利回りは2020年1月以来の水準を付けた。

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2022/01/18/07:31:56

キング牧師誕生日で米国市場は休場

株式市場、NY原油市場、NY金市場、債券市場は休場

 

NY外国為替市場:米国休場ながらドルは底堅い展開

ドル/円は、キング牧師誕生日で米国市場が休場となり、値動き自体は鈍かったものの、欧州序盤からの底堅さを維持しながら一時114.65円まで本日高値を更新した。21時以降の値幅は20銭程度と狭かったが、その後も高値圏を維持しながら取引を終了した。 

 

ユーロ/ドルは、対欧州通貨でドル高が進んだ流れに沿って先週末安値の1.1399ドルを下抜けて、一時1.1392ドルまで下押しした。一方、昨年11月中旬以降にレジスタンスとなっていた1.1380ドル台がサポートとして機能すると1.1410ドル台まで持ち直した。

 

カナダドル/円は一時91.66円まで上昇した。WTI原油先物価格が時間外で堅調に推移したことが支えとなったうえ、カナダ中銀(BOC)が発表した第4四半期の企業景気予測調査で、企業景況感が過去最高水準を記録したことも買い材料視された。

 

政府は11都県に新型コロナ対応のまん延防止等重点措置を適用する方向で最終調整 

報道によると、政府は東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県や愛知、岐阜、三重の東海3県など11都県に新型コロナウイルス対応の『まん延防止等重点措置』を適用する方向で調整に入ったようだ。19日にも正式決定する見通し。期間は1月21日から2月13日間で調整している。

 

米国企業の決算発表を睨む展開:リスクオンとオフを左右

米国株市場では前週から、昨年10-12月期の決算発表が本格化してきた。米国株はすでに昨年12月から当座の決算の底上げを織り込む形で、1月上旬まで過去最高値を再更新している。その意味で目先の決算発表の前後では、実際の決算改善による一旦の好材料出尽くしや、過度な決算改善期待の反動失望などにより、米国株の下落リスクが注視される。しかも今回の決算発表では先行き見通しを含め、悪材料として、①新変異株を含めた内外コロナ感染再増加の打撃、②素原材料など各種コストの高止まりや人手不足・人件費上昇、③先行きの金利上昇リスク、④根強い半導体などの品不足や供給・輸送制約、⑤ハイテク特需のペース鈍化、などが警戒される。前週は米銀の決算が発表されたが、失望の悪化となっていた。もっとも米国株は1月4日を高値として、すでに高値警戒の調整下落が進展しつつある。引き続き調整株安の持続は警戒されるものの、今後の決算発表を契機に『収益見通しの打たれ強さ』などが再評価され、米国株は再上昇に向かう可能性(=リスク選好の円安)も無視できない。

 

物価上昇警戒と緩和堅持睨む展開:日銀会合最終日

日銀は17-18日に金融政策決定会合を開催している。前週末14日には『日銀が物価目標の2%達成前に利上げが可能か議論している』との報道があり、日本株の下落と円高の材料となる場面があった。さらに14日にはロイター通信が、『日銀の黒田東彦総裁は、日本でも物価が上昇し始めていることについて、その要因や今後予想される展開を整理した上で、3月会合に報告するよう執行部に指示を出す可能性もある』と伝えている。17-18日の政策会合では、2022年度の物価見通しも上方修正される公算となってきた。こうした状況もあり、僅かでも日銀による物価上昇への警戒姿勢の高まりや、金融緩和強化の見直しが示唆されると、株安と円高の要因となり得る。反対に黒田総裁は14日の円高・株安の教訓もあり、改めて『忍耐強い』金融緩和の長期化をアピールする可能性も消えていない。その場合は日銀の緩和見直し警戒が、一旦の後退へと作用する。日本の株高と、ドル/円、クロス円での全般円安が後押しされる。

 

為替市場では米国株の動向が焦点

米国株は1月4日にかけて過去最高値を更新していたが、その後は調整株安が目立っている。背景としては、FRBによる利上げ前倒し(3月など)と利上げ回数増加の各懸念、FRB資産の前倒し縮小開始警戒(現状は資産『買い入れ減額』を3月で終了予定)、米国内外でのコロナ感染再増加、1月13日前後からの米国企業による決算発表警戒と実際の決算悪化、といった要因がある。今週以降も米国株の高値警戒による調整株安の場面があると、ドル/円、クロス円でリスク回避の円高・外貨安が意識されやすい。一方で米国株については、前週後半にかけて前向きな市場動向や材料も観測されている。具体的には、①米FRBの利上げ加速などへの織り込みが進み、『金利敏感』のITハイテク株は米国債金利の上昇に対する抵抗力が強まってきた(1月後半にかけての決算発表期待も)、②米国でコロナ新変異株オミクロンの感染急増に、鈍化の兆候が見られ始めた、③米国の12月CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)が懸念ほどは上昇せず、インフレ沈静化の兆しも見られ始めた、といったことである。
こうしたプラス材料もあり、米国株の急落が一服となったり、再上昇となれば、ドル/円、クロス円で円安と外貨高の再燃が後押しされる。

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2022/01/17/03:01:19

米国株式市場はまちまち:弱い米経済指標受け売り優勢に

NYダウは201.81ドル安の35911.81ドル、ナスダックは86.94ポイント高の14893.75ポイントで取引を終了した。12月小売売上高や1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回り、強い回復期待が後退して寄り付き後は下落した。四半期決算を発表したJPモルガン・チェースやシティ・グループに売りが集まり、指数は一時440ドル超下げた。来週決算を発表するゴールドマン・サックスなど他の金融株にも売りが波及した。 ハイテクは、値ごろ感からの買いも目立ち、ナスダック総合指数は引けにかけて上昇に転じた。VIX指数は20.31から19.19へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇が下支えとなりドル買い優勢

ドル/円は、12月米小売売上高が予想を大幅に下回ったことが分かると、円買い・ドル売りが先行し、一時113.45円と昨年12月20日以来の安値を付けた。ただ、米国株相場が軟調に推移すると、対欧州・オセアニア通貨中心にリスク回避のドル買いが優勢となったためドル円も徐々に下値が堅くなった。米金融政策の正常化が前倒しされるとの見方が根強い中、米10年債利回りが1.79%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時114.24円と日通し高値を更新した。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、『利上げ決定に近づきつつある』としながらも、『利上げのタイミングやペースはデータ次第』として具体的な時期には言及しなかった。バランスシートに関しては『米連邦公開市場委員会(FOMC)による決定はまだ行われていない』と述べた。 

 

ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.1483ドルと昨年11月11日以来約2カ月ぶりの高値を付けた反動で、持ち高調整の売りが先行した。米国株価の下落を背景にリスク回避のドル買いも強まり、一時1.1399ドルと日通し安値を更新した。この日発表の米小売指標は低調な内容だったが、米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの警戒は根強く、米長期金利の上昇とドル買いを促した。市場では『米国の3連休を控えてポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出た』との声も聞かれた。 

 

NY原油先物市場は大幅に反発:供給ひっ迫への警戒感緩まず買い優勢

NY原油先物市場は81.58ドル-84.32ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省は13日、戦略石油備蓄1800万バレルの売却先6社を発表した。これを受けて時間外では一時81ドル半ばまで売られる場面があった。もっとも供給ひっ迫への警戒感は緩まず、下値の堅さを確認した後なだけに反動買いに勢いがついた。『中国が石油の国家備蓄の一部を春節前後に放出する』との報道も上値を抑えることはできず、一時84ドル前半まで買いが強まった。アジア市場の序盤に81.58ドルまで売られたが、っもなく反転し、ロンドン市場で83ドル台前半まで買われた。ニューヨーク市場の序盤に82ドルを下回ったものの、地政学的リスクの増大を警戒した買いが入り、通常取引終了後の時間外取引で84.32ドルまで一段高となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比11基増加の491基でなった。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇と米ドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1814.20-1829.30ドルのレンジ相場となった。12月米小売売上高や1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)が予想を下回る結果だったことが分かる度に、安全資産とされる金に買いは入るも上値を維持できなかった。為替でドル買い戻しが進んだことや米金利上昇が重石となり、前日比マイナス圏に沈んだ。アジア市場の終盤にかけて1829.30ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが増えたことによって伸び悩んだ。ニューヨーク市場では長期金利の反発を嫌気して一時1814.20ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引でやや下げ渋ったものの、1820ドルを下回る水準で取引された。 

 

米国債券市場は大幅下落:米FRBの金融引き締め方針継続から売り優勢

米港債券市場で中長期ゾーンは大幅下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.95%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い1.78%で終了した。12月米小売売上高は予想を下回り、大幅な落ち込みとなったが、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め方針は変わらないとの見方から次第に売りが優勢となった。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ