FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向  パウエル議長会見でドル買い優勢に!

2022/01/27/07:38:26

 

★欧州市場朝方の取引では、米長期金利が1.78%近辺に持ち直したことを背景に、114.00円近辺にドルが小幅反発した。なお、欧州主要株価指数は堅調に取引をスタートとした。欧州株式相場が高く始まったほか、NYダウ先物も上昇幅を拡大したことをながめ、リスク選好の円売りとなった。米長期金利が1.787%近辺に上昇となったことを受けドル買いが継続した。日米株価指数や欧州株式相場などが堅調に推移したことを受け、投資家のリスク改善を意識されドル/円は堅調推移した。欧州株価の堅調推移は続いたものの、米FOMCの結果公表を控え、徐々に様子見ムードが強まった。

 

欧州株価の上昇を受けて投資家のリスク選好の意識が強まるとドル買いがじわりと強まった。その後は、米FOMCの結果公表を控え動意の薄い展開になった。米FOMCは金融政策を据え置くと発表したが、速やかな利上げを示唆されると、米長期金利が一時1.8%台へ上昇するとドル買いが強まった。パウエルFRB議長が会見で、金融引き締めに前向きな姿勢を示したことでドル買いが強まった。

 

★欧米主要経済指標

・米・12月卸売在庫速報値:前月比+2.1%(予想:+1.2%、11月:+1.7%←+1.4%)
・米12月前渡商品貿易収支:-1010億ドル(予想-960億ドル、11月―980億ドル←-978億ドル)
・米・12月新築住宅販売件数:81.1万戸(予想:76.0万戸、11月:72.5万戸←74.4万戸)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は113.90-114.69円のレンジ相場

・欧州市場では欧米株価の上昇を受けてリスク選好の円売り優勢

・ウクライナを巡る欧米とロシアの緊張状態は継続

・パウエル米FRB議長の会見が始まると米国株は失速

・パウエル米FRB議長は金融引き締めに前向きな姿勢を示す

・VIX指数は31.16から31.96へ上昇

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朝の市場コメント!

2022/01/27/07:35:59

米国株式市場はまちまち:パウエル議長のタカ派発言を嫌気して売り優勢に

NYダウは129.64ドル安の34168.09ドル、ナスダックは2.84ポイント高の13542.13ポイントで取引を終了した。エネルギーセクターの上昇やITサービスのマイクロソフト(MSFT)の好決算などがけん引し寄り付き後は上昇した。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え買戻しが先行し堅調に推移した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)は予想通り政策金利据え置きを決定し、声明もタカ派色を示さずプラス圏を維持した。しかし、パウエル議長が会見で3月の利上げの可能性や各会合での利上げの可能性も除外しないと言及したほか、バランスシートの縮小も過去に比べて速やかなペースになると言及するなどタカ派姿勢を示したため売り圧力が強まり、NYダウは下落に転じた。ナスダック総合指数はかろうじて上昇で終了した。VIX指数は31.16から31.96へ上昇した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長の会見でタカ派内容からドル買い

ユーロ/ドルは、注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に、しばらくは1.12ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が始まると米長期金利が上昇し、為替市場ではドル買いが優勢となった。前日の安値1.1263ドルを下抜けて一時1.1236ドルと昨年12月20日以来の安値を更新した。FRBは今日まで開いたFOMC後の声明文で『政策金利をまもなく引き上げるのが適切』と表明し、3月会合での利上げを示唆した。『FRBのバランスシートの規模縮小に関する原則』では利上げ開始後に資産圧縮を実施する方針を示した。また、パウエルFRB議長は会合後の会見でインフレ加速に加えて労働市場の強さを強調し、金融引き締めに前向きな姿勢を示した。さらに、3月以降全ての会合で利上げが行われる可能性があるか否かについては明言を避け、『労働市場を損ねない範囲で利上げ余地は大きい』との考えを示した。バランスシートの縮小については『前回より早期で急速となる可能性』『かなりの量を縮小する必要』などと語った。 

 

ドル/円は、FOMCで3月利上げの可能性が示唆され、利上げ開始後にバランスシート圧縮を実施する方針が示されると、米金利上昇とともにドル買いが優勢に。パウエルFRB議長が定例記者会見で金融引き締めに前向きな姿勢を見せたこともドル買いを促し、一時114.69円まで上値を伸ばした。 

 

NY原油先物市場は続伸:足もとの需給不安から買い優勢

NY原油先物市場は85.01ドル-87.95ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(1/21時点)で原油在庫は+237.7万バレル(前週 +51.5万バレル)と積み増しを継続した。一方、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は-182.3万バレル(前週 -131.4万バレル)と取り崩しが続いた。強弱まちまちの結果で、発表直後の原油相場は明確な方向性を示さなかった。しかし、足もとの需給のひっ迫状況を反映して、買い優勢の状態で取引終了を迎えた。ただ、引けにかけて米国株式が反落したことから、買いは一巡。通常取引終了後の時間外取引で86ドル台前半まで下げている。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:パウエル議長のタカ派発言から売り優勢

NY金先物市場は1814.60-1850.20ドルのレンジ相場となった。米国株の大きな下振れを懸念して安全資産である金を買う動きが続いた後を受け、米国株が反発したことから金は売り優位に転換した。米連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派姿勢が示されれば金利が上昇して、金利が付かない資産の金の相対的な価値が低下するとの警戒感も売りを誘った。FOMC会合の結果判明後は米国金利の先高観やバランスシートの大幅な縮小観測が一段と強まり、通常取引終了後の時間外取引では一段安となった。

 

米国債券市場は大幅続落:FRB議長が金融引き締めに前向きで売り

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)1.14%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い1.86%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で3月利上げの可能性が示唆され、利上げ開始後にバランスシート圧縮を実施する方針が示されると、債券売りが先行した。パウエルFRB議長が定例記者会見で金融引き締めに前向きな姿勢を見せたことも債券売りを促した。

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2022/01/26/07:58:46

米国株式市場は下落:米FRBの金融引締めを警戒した根強い売り優勢

NYダウは66.77ドル安の34297.73ドル、ナスダックは315.83ポイント安の13539.30ポイントで取引を終了した。ウクライナを巡る緊張に加え、連邦準備制度理事会(FRB)が開催している連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感から利益確定売りが続き、寄り付き後は下落した。速やかな利上げ観測が強まる中で2年債入札に続き5年債入札でも国内外の強い需要が見られると安心感に繋がり、売り圧力が後退した。NYダウは一時上昇に転じる局面もあった。しかし、引けにかけてはFRBの速やかな引き締めを警戒した根強い売りに主要株式指数は下落で終了した。ただ、予想を上回る決算を発表したアメリカン・エキスプレスが8.7%上昇し、1銘柄でNYダウを100ドル近く押し上げた。VIX指数は29.90から31.16へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FOMC結果発表を控え方向感の出にくい展開

ドル/円は、米10年債利回りが時間外取引で一時1.79%台まで上昇したことを受けて114.16円と日通し高値を付けたものの、その後失速し113.78円付近まで下押しした。ただ、そのあとは113.90円付近で値動きが鈍った。米国株式市場では一時810ドル超急落したNYダウが急速に持ち直し220ドル超上昇したあと、再び下落した。米国株の乱高下を受けてドル/円も神経質な動きとなった。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に全体的に様子見気分も強く、方向感が出にくい面もあった。市場では『一目均衡表の雲(下限:113.80円、上限:113.86円)を意識しながらの動きとなっている』との声も聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る緊迫が続く中、地政学リスクの高まりによる欧州景気への懸念などからユーロ売りが優勢となり、一時1.1263ドルと昨年12月21日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しがじわりと強まり、1.1307ドル付近まで下げ渋った。前日に急落した欧州株相場が反発したことが相場を下支えした。なお、バイデン米大統領は『ロシアがウクライナに侵攻した場合、プーチン大統領に直接制裁を課すことを検討する』と言明したものの、『米軍をウクライナに投入する意図はない』との考えを示した。 

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反発:在庫減少見通しから買戻し

NY原油先物市場は82.99ドル-85.71ドルのレンジ相場となった。不安定な株式市場の動向や地政学リスクなど、需要の弱まりを意識させる材料はくすぶったままだった。しかし、足もとの需給の引き締まりが在庫減少につながるとの見方があった。明日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計の発表を前に、在庫減少が相場を押し上げるとの警戒感もあり買い戻しにつながった。ロンドン市場で82.99ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で反転し、通常取引終了後の時間外取引で85.71ドルまで上昇した。 

 

NY金先物市場は続伸:安全資産としての買いが優勢に

NY金先物市場は1834.40-1854.20ドルのレンジ相場となった。昨日は終盤に持ち直した米国株が再び下落した。ウクライナ情勢など地政学リスクへの懸念も継続しており、安全資産とされる金を買う動きが続いた。ロンドン市場で1834.40ドルまで売られたが、ウクライナ問題を巡る思惑で地政学的リスクが高まっていることから、安全逃避的な買いが増えており、ニューヨーク市場で1854.20ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では1850ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:米FOMCの結果控えポジション調整売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.01%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い1.77%で終了した。ウクライナ情勢への懸念から安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りが出ると値を消した。 

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2022/01/25/07:53:57

米国株式市場は上昇:売られ過ぎの値ごろ感の買いで持ち直し

NYダウは99.13ドル高の34364.50ドル、ナスダックは86.21ポイント高の13855.13ポイントで取引を終了した。ウクライナ情勢の緊迫化や今週予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が速やかな引き締め計画を発表するとの脅威に寄り付き後は下落した。米国に続き英国やドイツもウクライナの大使館職員や家族の退避を決定したとの報道でさらに警戒感が強まり急落した。その後、安値から売られ過ぎとの見方や値ごろ感からの買いが目立ち下げ止まった。引け間際は、買戻しが加速し、主要株式指数は上昇に回復し終了した。VIX指数は28.85から29.90へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の乱高下にドルは行って来いの展開

ユーロ/ドルは、米国の早期金融政策正常化への警戒感やウクライナ情勢への懸念から、欧米株価が軟調に推移するとリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.1291ドルと10日以来2週間ぶりの安値を付けた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いが入り、1.1335ドル付近まで持ち直した。大幅に続落して始まった米国株が急反発したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。

 

ドル/円は、欧州時間に一時113.47円と昨年12月20日以来の安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。一時は1100ドル超急落したNYダウが急速に買い戻され、プラス圏を回復したことも相場の支援。1.70%台まで低下した米10年債利回りが1.77%まで上昇したことも意識されて、114.00円まで値を上げた。 

 

NY原油先物市場は3営業日続落:欧米株安を嫌気した売りが一時強まる

NY原油先物市場は81.90ドル-86.09ドルのレンジ相場となった。ウクライナや中東の地政学リスクの高まりを受けた原油供給への懸念もくすぶる。しかし、地政学リスクや各国の株安が景気を冷やし、原油の需要を弱めるとの懸念が売りを誘った。アジア市場で86.09ドルまで買われた後、株安を嫌ってニューヨーク市場の中盤にかけて81.90ドルまで売られた。しかしながら、米国株式は反転したことから、通常取引終了後の時間外取引で84.09ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反発:リスク回避の動きから買い優勢

NY金先物市場は1829.30-1844.90ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢が緊迫化した。NYダウが一時1100ドルを超える下落となるなど米国株も大幅安となり、安全資産とされる金が買われた。米金利の低下も、金利が付かない資産である金の相対的な価値の高まりを意識させた。米国株安を意識した換金売りが一時優勢となったが、米長期金利の伸び悩みを受けて換金目的の売りは縮小し、金先物は反転した。通常取引終了後の時間外取引では主に1840ドル台で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米国株の大幅下落からの戻り場面で売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.97%で終了した。また、長期ゾーンは前日比変わらずだった。米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.76%で終了した。ウクライナ情勢への懸念から、安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、大幅続落して始まった米国株が持ち直すと一転下落した。 

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2022/01/24/03:01:27

米国株式市場は続落:ウクライナ情勢の緊迫化を警戒した売り優勢

NYダウは450.02ドル安の34265.37ドル、ナスダックは385.10ポイント安の13768.92ポイントで取引を終了した。ロシアによるウクライナ侵攻が警戒される中、政府がウクライナ駐留外交官の家族に対し国外退避を検討していると報じられると、警戒感が強まり、寄り付き後は下落した。また、新規契約者数が予想を下回ったネットフリックスが暴落すると、来週から決算が本格化するハイテク株に売りが持ち込まれた。本日はオプション満期日にもあたり、関連取引が活発で終日荒い展開となった。引けにかけては来週に開催を控える連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒して利益確定売りが先行し、一段と下げ幅を拡大した。VIX指数は25.59から28.85へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、米10年債利回りが低下したほか、米国株が荒い値動きながらも軟調に推移したことを嫌気した売りに押される形で一時113.57円と本日安値を付けた。米国株は連日で引けにかけて下げ幅を拡大したため、その後のドル/円の戻りは極めて鈍かった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下やユーロポンドなどの上昇につれて一時は1.1360ドルまで値を上げた。ただ、昨日高値の1.1369ドルがレジスタンスとして意識されると、その後は1.13ドル台半ばでこう着した。 

 

NY原油先物市場は続落:利食い売り優勢

NY原油先物市場は82.78ドル-85.56ドルのレンジ相場となった。昨日発表された米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が市場予想に反し積み増すとなったことや、今週は一時2014年10月来の水準まで上昇したこともあり、週末にかけては利食い売りが優勢となり続落して引けた。もっとも、一時82ドル台まで売られていたが、米国勢参入後はドルが弱含んだ影響もあり、ドルで取引される原油先物は割安感で買いも入り、下げ幅を大幅に取り戻した。アジア市場で82.78ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて85.56ドルまで買われた。しかしながら、米国株安を意識した売りが増えたことによって、通常取引終了後の時間外取引で84.36ドルまで反落した。米っくの石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の491基で終了した。

 

NY金先物市場は続落:株安を受け利食い売り優勢

NY金先物市場は1828.40-1843.70ドルのレンジ相場となった。米債利回りが本日も低下したこともあり金先物は強含む場面があった。しかしながら、今週に入り一時昨年11月の水準まで上昇した反動もあり、金先物価格は週末にかけて利食い売りが優勢となり続落して引けた。アジア市場の終盤にかけて1828.40ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1843.70ドルまで戻した。しかしながら、株安を受けて換金目的の売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1828.70ドルまで下げている。

 

米国債券市場は続伸:米国株安でリスク回避の買いが優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.01%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い1.76%で終了した。米国株が連日で下値を探る動きとなるなかで安全資産とされる債券需要が高まった。週末を前に持ち高調整の買いも重なった。

 

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