FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント

2022/02/21/03:01:07

米国株式市場は下落:ウクライナ情勢の不透明感から売り優勢

NYダウは232.85ドル安の34079.18ドル、ナスダックは168.65ポイント安の13548.07ポイントで取引は終了した。米露外相が来週会談を予定しているほか、両国の国防相が18日電話会談を計画していることが明らかになると、寄り付き後は一時上昇した。しかし、ウクライナ東部の親露派指導者が一部住人をロシアに避難させたとの報道や、ウクライナ分離主義者がドネツクで車が爆破されたと発表したため緊張が高まり売りに拍車がかかった。市場では『3連休を前に多くの投資家が買いを手控えた』との指摘もあり、一時330ドル超下落した。ただ、前日には今年最大の下げ幅を記録しているだけに、自律反発狙いの買いも入りプラス圏を回復する場面もあった。 終日軟調に推移したが、オプション満期日に絡んだ買いが下値を支えた。VIX指数は28.11から27.75へ低下した。

 

NY外国為替市場:地政学リスクと米長期金利低下で方向感出ず

ユーロ/ドルは、緊迫化するウクライナ情勢を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1315ドルと日通し安値を付けた。ロシアはこの日、プーチン大統領が指揮する軍事演習を19日に実施すると発表。大規模な演習となる見通しで、米欧からの反発は必至とみられる。市場では『北京冬季五輪の閉会式を20日に控え、ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感は強い』との声が聞かれた。また、ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力は本日も相手側が停戦合意を破り、攻撃を仕掛けてきたと互いを非難した。『ウクライナ東部ドネツク市で大規模な爆発があった』と伝わるなど、東部情勢は緊迫している。なお、『欧州中央銀行(ECB)当局者らは資産購入を9月終了することで一致し、年内の利上げに傾きつつある』との観測報道を受けてユーロに買い戻しが入る場面もあったが、ウクライナ情勢を巡る懸念が根強い中、戻りは鈍かった。

 

ドル/円は、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入った半面、対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受けたため、NY市場では大きな方向感が出なかった。市場では『ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感が強いうえ、米国の3連休を控えて、様子見ムードが広がった。ポジションを一方向に傾ける動きは手控えられた』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は続落:3連休控え利益確定売り優勢

NY原油先物市場は87.46ドル-91.07ドルのレンジ相場となった。イラン核合意再建をめぐる交渉進展期待や、投資家のリスク回避志向が根強いことから、これまで急速に買われてきた反動で3連休を控え利益確定売りが優勢となった。ただ、ウクライナ情勢の緊迫化を背景としたエネルギー供給不安を背景とした買いも入り、下押しは限定的だった。ロンドン市場で87.46ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて91.07ドルまで反発したが、その後は伸び悩んだ。株安を嫌気して90ドルを再び下回り、通常取引終了後の時間外取引では90ドル台で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比4基増加の520基となった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに小反落:3連休控え利益確定売り優勢

NY金先物市場は1888.00-1905.00ドルのレンジ相場となった。約8カ月ぶりの高値水準まで上昇し、米市場の3連休を前に利益確定売りに押された。ただ、ロシアのウクライナ侵攻への警戒感は根強く、小幅の下落にとどまった。アジア市場で1905.00ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。ロンドン市場で1888.00ドルまで下げたが、ウクライナ情勢悪化の懸念は消えていないことから、ニューヨーク市場で1902.50ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では1900ドルをやや下回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:地政学リスクの高まりから買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.46%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.93%で終了した。緊迫化するウクライナ情勢を背景に、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。米国株相場の下落も債券買いを誘った。 

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2022/02/17/08:00:56

米国株式市場はまちまち:米FOMC議事要旨でタカ派色強まらず下げ幅縮小

NYダウは54.57ドル安の34934.27ドル、ナスダックは15.66ポイント安の14124.09ポイントで取引を終了した。ウクライナ情勢で、ブリンケン国務長官がロシア軍が撤収している確認がとれないとしたほか、NATOのストルテンベルグ事務総長もむしろ増強しているように見えると警告し東欧の防衛強化を決定したため、ロシアのウクライナ侵攻懸念が再燃し、寄り付き後は下落した。指数は一時340ドル超下落した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が1月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でメンバーが間もなく利上げが適切になると主張したものの3月FOMCでの大幅利上げの必要性などには触れずタカ派色が強まらなかったため金利の低下が好感され、引けにかけて下げ幅を大幅に縮小した。VIX指数は25.70から24.29へ低下した。

 

NY外国為替市場:ウクライナ情勢に振れる展開

ドル/円は、米商務省が発表した1月米小売売上高が前月比3.8%増、自動車を除く数値が前月比3.3%増といずれも予想を上回ったことを受けて、円売り・ドル買いが先行し一時115.79円付近まで値を上げた。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し高値115.79円が目先レジスタンスとして働くと失速した。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒が根強い中、ブリンケン米国務長官が『ロシア軍撤収の証拠はない』『ロシア軍主力部隊はむしろ国境に接近している』と述べるとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、115.38円まで値を下げた。その後、米10年債利回りが2.0627%前後と2019年7月以来の高水準を付けると115.56円付近まで下げ渋ったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月25日-26日分)公表後は米長期金利の低下とともにドル売りが再び優勢になり、一時115.32円と日通し安値を更新した。なお、FOMC議事要旨では『当局者はバランスシートの大幅縮小が適切と認識』『バランスシートの計画は今後数会合で決定』『多くの当局者は将来のMBS売却の可能性を認識』との内容が明らかになったが、バランスシート縮小について明確なガイダンスは示されなかった。市場では『サプライズはなかったが、市場は前のめりでバランスシート縮小について具体的な内容を織り込んでいただけに、金利低下とドル売りで反応した』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、ロシアは前日にウクライナ国境付近に展開していた一部軍部隊の撤収開始を発表したものの、この日になってもロシア軍の撤退が確認できず、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒は緩まなかった。予想を上回る米小売指標も相場の重しとなり、一時1.1353ドル付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1345ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、FOMC議事要旨公表後には一時1.1396ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反発:ウクライナの地政学リスクが継続し買い優勢

NY原油先物市場は90.06ドル-95.01ドルのレンジ相場となった。『ロシア軍の撤退は確認できていない』との発言が相次ぎ、ロシア軍によるウクライナ侵攻の可能性が残されていることが警戒され、原油相場は反発した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で、原油在庫は112.1万バレルの積み増しと在庫減の予想に反して増加と3週間ぶりの積み増しに転じたが、在庫統計を手がかりとした売りは一時的にとどまった。ニューヨーク市場の中盤にかけて95.01ドルまで買われた。しかしながら、供給不足懸念は後退しつつあることから、ポジション調整的な売りが広がった。通常取引終了後の時間外取引で90.06ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は反発:ウクライナリスクが意識され買い優勢に

NY金先物市場は1851.80-1874.60ドルのレンジ相場となった。昨日はロシアが軍部隊の一部撤収を開始したことやロシアのプーチン大統領が米欧と協議を継続する意向を示したことで8日ぶりに反発したが、この日は北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長やゼレンスキー・ウクライナ大統領、ブリンケン米国務長官らが『ロシア軍撤収は確認されていない』とし、再びウクライナリスクが意識され、逃避資産の金が買われた。アジア市場で1851.80ドルまで売られたが、ロシアと西側諸国とのすみやかな緊張緩和を期待することは難しいとの理由で下げ渋り、ロンドン市場で1860ドル台を回復。ニューヨーク市場の序盤に1860ドルを下回る場面があったが、ドル高が一服したことから、通常取引終了後の時間外取引で1874.60ドルまで反発した。

 

米国債券市場はまちまち:売り買い交錯して方向感出ず

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.51%で終了した。また、長期ゾーンは前営業日と変わらずだった。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず2.04%で終了した。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒が根強い中、債券買いが先行したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月25日-26日分)を控えて売りが強まると、利回りは一時2.0627%前後と2019年7月以来の高水準を付ける場面があった。ただ、そのあとは再び買いが優勢となり持ち直した。

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2022/02/16/07:33:20

米国株式市場は上昇:ウクライナ情勢の緊迫化一服で買い戻し

NYダウは422.67ドル高の34988.84ドル、ナスダックは348.84ポイント高の14139.76ポイントで取引を終了した。ロシアが軍の一部撤収開始を発表したため、ウクライナ侵攻懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。プーチン大統領がドイツのショルツ首相と会談し引き続き外交的解決に前向きである姿勢を強調したことやブリンケン国務長官とラブロフ露外相の電話会談などもプラス材料となり、終日堅調に推移した。引けにかけて、バイデン大統領がロシア軍の撤収が未確認としたものの、パンデミック収束に伴う経済再開銘柄の買いが相殺し、上げ幅を拡大した。VIX指数は28.33から25.70へ低下した。

 

NYが国為替市場:リスク選好から米長期金利上昇でドル買い

ドル/円は、ウクライナ付近のロシア軍の一部が撤収するとの報道が流れ、ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感がやや後退すると円売り・ドル買いが先行した。プーチン露大統領が安全保障を巡り米欧との協議を継続する意向を示したことも、投資家のリスク回避姿勢後退につながった。1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回り、米長期金利が上昇したこともドル買いを促し、前日の高値115.75円を上抜けて一時115.87円まで上値を伸ばした。プーチン露大統領はこの日、モスクワで行われたショルツ独首相との会談後の記者会見で、『米国、北大西洋条約機構(NATO)と安全保障に関するさらなる交渉の用意ある』『部隊の一部撤収は決定済み』『我々は欧州で戦争を望まない』などと述べた。一方、ショルツ独首相は『軍事衝突を起こさず、平和的な進展を確実にすることが鍵』『軍事衝突が起きた場合、その後どのような展開になるかは極めて明確』などと語った。また、バイデン米大統領はNY午後に開いた会見で『米国はロシアとの外交的関与の準備がある』としながらも、『ロシアがウクライナに侵攻する可能性はまだ高い』『ロシア軍部隊の撤収はまだ確認していない』『ロシアがウクライナに侵攻すれば断固として対応する用意』などと述べた。 

 

ユーロ/ドルは、1月米PPIが予想を上回り、米10年債利回りが2.05%台まで上昇すると、1.1320ドル付近まで下押しする場面もあったが下値は限定的だった。ロシアによるウクライナ侵攻が回避されるとの期待感が高まり、欧米株価が大幅に反発した。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、全般ユーロ買いが優勢となり、一時1.1368ドルと日通し高値を更新した。なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は『従来の資産購入プログラム(APP)は第3四半期に終了できる可能性』『6月のECB理事会前に利上げする必要はない』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は5日ぶりに急反落:ウクライナ情勢の緊迫化後退で売り

NY原油先物市場は90.66ドル-95.17ドルのレンジ相場となった。緊迫するウクライナ情勢をめぐり、ロシア軍の一部が撤収を始めたと伝えられたことで、軍事侵攻が回避されるとの期待感が広がり、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に買われた原油相場に調整の売りが入った。アジア市場で95.17ドルまで買われたが、ロシアがウクライナ近郊から部隊の一部を撤退させたことを受け、ロシアと西側諸国との緊張緩和が示唆されており、供給不足懸念は和らぎ、ポジション調整的な売りが広がった。一時90.66ドルまで下落したが、株高を意識して92ドル台前半まで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では92ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は8日ぶりに反落:地政学リスク回避の動き後退で売り

NY金先物市場は1845.40-1881.60ドルのレンジ相場となった。ロシアが西部と南部の軍管区の軍部隊の一部が演習を終え、撤収を開始すると発表し、ロシアのプーチン大統領が米欧と協議を継続する意向を示した。これを受けてウクライナ情勢への過度な警戒感が緩み、投資家のリスク回避の動きが後退し、逃避資産の金に売りが入った。アジア市場で1881.60ドルまで買われたが、ロシアがウクライナ近郊から部隊の一部を撤退させたことを受け、ロシアと西側諸国との緊張緩和が示唆されており、安全逃避的な金買いは縮小した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1845.40ドルまで反落した。ただ、押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では1850ドル台で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:リスク回避の動き後退で長期債に売り

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.56%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)2.04%で終了した。ウクライナを巡る緊張が和らいだことで、相対的に安全資産とされる米国債には売りが先行した。1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことも相場の重しとなった。 

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2022/02/15/07:44:04

米国株式市場は下落:米金融引き締め懸念やウクライナ情勢警戒感から売り

NYダウは171.89ドル安の34566.17ドル、ナスダックは0.23ポイント安の13790.92ポイントで取引を終了した。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、寄り付き後は下落した。そののち、ロシアのプーチン大統領が依然、外交的解決も選択肢としていると報じられ下げ幅を縮小する局面もあったが、政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが加速して終日軟調推移となった。VIX指数は27.36から28.33へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ウクライナ懸念の一服でドル買い戻し

ドル/円は、ラブロフ露外相がウクライナ情勢を巡り、米欧との対話継続をプーチン大統領に進言したと伝わると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し買い戻しが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCとのインタビューで『金融引き締めの前倒しが必要』との認識を改めて強調すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時115.75円と日通し高値を更新した。その後、『ロシアによるウクライナ侵攻が16日にも行われる』『ウクライナ近郊のロシア軍が攻撃態勢を整えた』との報道をきっかけに米国株相場が下げ幅を拡大すると、ドル/円も115.37円付近まで下押ししたが、115.67円付近まで持ち直した。ウクライナのゼレンスキー大統領は『ロシアによる侵攻は16日に行われるとの情報を得ている。われわれはこの日を連帯の日にする』などと述べたと伝わったが、市場では『ウクライナ語で皮肉や嘲りを含んだ発言であり、内容が誤訳された可能性がある』との声も聞かれ、米国株は引けにかけて下げ幅を縮めた。 

 

ユーロ/ドルは、ラブロフ露外相による西側諸国との話し合いに前向きな発言が伝わると、一時1.1342ドル付近まで買い戻される場面もあったが戻りは鈍かった。ロシアが16日にも軍事攻撃に踏み切るとの報道が伝わり、ウクライナ情勢が一気に切迫。WTI原油先物相場が2014年9月以来となる95ドル台まで急騰し、NYダウは一時430ドル超下落した。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.1280ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は4日続伸:ウクライナ情勢の警戒感強く買い優勢

NY原油先物市場は92.09ドル-95.82ドルのレンジ相場となった。ロシアが今週中にもウクライナ侵攻を始めるとの警戒感が強く、ロシアからのエネルギー供給が途絶えるとの懸念で原油相場は大幅続伸した。3月限は主要限月として2014年9月以来の95ドル台回復となった。ニューヨーク市場の序盤に92.09ドルまで下げており、一時伸び悩んだが、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性は消えていないため、通常取引終了後の時間外取引で再上昇し、一時95.82ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は7日続伸:米国株安やウクライナ情勢の警戒感から買い

NY金先物市場は1851.90-1876.50ドルのレンジ相場となった。米国株が続落するなど、ウクライナ情勢の緊迫化で投資家のリスク回避志向は根強く、逃避資産とされる金の需要が高まっている。一部ではロシアは16日にもウクライナ侵攻を開始すると報じられた。アジア市場で1851.90ドルまで下げたが、ロシアによるウクライナ侵攻が一段と警戒されていることから、ニューヨーク市場の中盤にかけて1870ドル台まで上昇した。しかし、一時1761.80ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で1876.50ドルまで一段高となった。 

 

米国債券市場は下落:ブラード米セントルイス総裁発言受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い1.57%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.99%で終了した。ブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCとのインタビューで『金融引き締めの前倒しが必要』との認識を改めて強調すると、債券売りが優勢となった。ただ、そのあとはウクライナ情勢の緊迫化で安全資産とされる米国債に買いが入ったため、下げ幅を縮めた。 

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2022/02/14/03:00:19

米国株式市場は下落:地政学リスク高まり売りが優勢に

NYダウは503.53ドル安の34738.06ドル、ナスダックは394.48ポイント安の13791.16ポイントで取引を終了した。数人の連邦準備制度理事会(FRB)高官が大幅な利上げを支持しない考えを示したため、寄り付き後は上昇した。その後、発表された2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったため景気回復懸念に下落に転じた。さらに、米国政府が早くて今週末にもロシアがウクライナ侵攻に踏み切る可能性を警告したため警戒感から売りが加速し、終日軟調に推移した。一時620ドル超下落する場面があった。 VIX指数は23.91から27.36へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の急落でリスク回避の円買い

ドル/円は、前日は予想を上回る1月米消費者物価指数(CPI)やブラード米セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方が強まったものの、本日は利上げ加速に慎重なFRB高官の発言が伝わったことから円安・ドル高が一服していた。NY時間に入り、2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が61.7と予想の67.5を下回ったことが分かると、円買い・ドル売りが先行した。そして、『ロシアは来週にもウクライナへ侵攻する可能性がある』との報道をきっかけに米国株相場が急落すると、リスク回避の円買い・ドル売りが加速した。一時は2.0609%前後と2019年7月以来の高水準を付けた米10年物国債利回りが1.90%台まで低下したことも相場の重石となり、114.97円まで値を下げた。なお、ロシアとウクライナとの間の緊張が高まる中、英国やオランダ、日本などは自国民に対しウクライナからの退避を勧告した。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)も『ロシアによるウクライナ侵攻はいつ始まってもおかしくない』と述べ、ウクライナ在住米国人に48時間以内に退避するよう改めて勧告した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を迫られるとの見方が改めて意識されて、ユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1418ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.1431ドルを上抜けることは出来なかった。ウクライナ情勢の緊迫化でリスク回避のユーロ売り・ドル買いが出ると、一時1.1330ドルと日通し安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:露によるウクライナ侵攻を警戒した買い

NY原油先物市場は89.19ドル-94.66ドルのレンジ相場となった。来週にもロシアがウクライナに侵攻するとの報道が伝わったことで地政学リスクが一気に高まった。原油需要増による需給ひっ迫懸念が高まり、2014年9月以来の高値となる94.66ドルまで買い上げられた。アジア市場で89.19ドルまで下げたが、ロンドン市場で90ドル台を回復した。ニューヨーク市場の序盤に一時伸び悩んだが、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まったとの見方で急上昇し、一時94.66ドルまで買われた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比19基増加の516基となった。

 

NY金先物市場は6日続伸:地政学リスク高まり買い優勢に

NY金先物市場は1821.10-1867.40ドルのレンジ相場となった。週末を前に小動きが続いていたが、取引終了後にロシアがウクライナに来週にも侵攻するとの報道が伝わると安全資産としての金需要が急速に高まり、一時1865ドル台まで急伸した。アジア市場で1821.10ドルまで下げたが、ロンドン市場で反転した。ロシアによるウクライナ侵攻が一段と警戒されたことから、通常取引終了後の時間外取引で急上昇し、1867.40ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は上昇:地政学リスク高まると一転して買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い1.94%で終了した。インフレ加速を背景に米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方から債券売りが先行し、利回りは一時2.0609%前後と2019年7月以来の高水準を付けた。ただ、『ロシアが来週にもウクライナに侵攻する可能性がある』との報道が伝わると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入り一転上昇(金利は低下)した。 

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