FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/03/09/07:46:58

米国株式市場は下落:ウクライナ情勢への懸念を背景に値動きの荒い展開

NYダウは184.74ドル安の32632.64ドル、ナスダックは35.41ポイント安の12795.55ポイントで取引を終了した。バイデン大統領によるロシア産原油禁輸計画の発表を控えた原油高を警戒し、寄り付き後は下落した。その後、ウクライナのゼレンスキー大統領がNATO(北大西洋条約機構)加盟主張を断念する可能性など妥協姿勢を示したとの報道を受けて、停戦期待に一時買戻しが加速し大幅上昇に転じた。しかし、不透明感が払しょくできず、さらに、燃料価格上昇に伴うインフレ高進への懸念も重しとなり、引けにかけ再び下落した。ウクライナ情勢への懸念を背景に荒い値動きとなった。 VIX指数は36.45から34.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:安全通貨としてのドルに資金流入

ユーロ/ドルは、『欧州連合(EU)は大規模な共同債発行を検討。調達した資金は防衛費やエネルギー価格高騰への対応にあてる』との報道を手掛かりにユーロ買いが入った半面、ウクライナ情勢への懸念を背景に商品価格が高騰するとユーロ圏経済への悪影響を警戒した売りが出たため、しばらくは1.0900ドルを挟んだもみ合いの展開が続いた。ただ、NY午後に入ると一時1.0958ドルの本日高値まで強含んだ。『ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を主張しない意向』との報道が伝わり、停戦への期待が高まると投資家のリスク回避姿勢が後退し、これまで売られてきたユーロを買い戻す動きが活発化した。もっとも、AFPが報じたこの報道は前日にABCが同様の内容を報じており、次第に『オールドニュース』との認識が広がった。一時は580ドル超急伸したNYダウが再び下げに転じるとユーロ/ドルも1.0895ドル付近まで下押しした。 

 

ドル/円は、エネルギー価格の高騰が世界景気を冷やすとの懸念から、安全通貨としてのドルに資金が流入し、一時115.79円と日通し高値を更新した。市場では『ウクライナ情勢悪化で有事のドル買いが入りやすい地合い』との声が聞かれたほか、『SWITF(国際銀行間通信協会)システムからの一部ロシア金融機関排除といった制裁をきっかけとしたドルタイト感の高まりも背景にある』との指摘があった。その後の下押しも115.42円付近にとどまった。なお、バイデン米大統領はウクライナに侵攻を続けるロシアへの追加経済制裁として、ロシア産の原油、液化天然ガス(LNG)などエネルギーの輸入を全面的に禁止すると発表。英政府もロシア産原油の輸入を年末までに打ち切る方針を示したことで、WTI原油先物価格は一時129.44ドルまで急伸した。 

 

NY原油先物市場は3営業日続伸:英米でロシア産原油の輸入禁止を発表

NY金先物市場は117.07ドル-129.44ドルのレンジ相場となった。欧米諸国がロシアのウクライナ侵略の制裁として、ロシア産原油の輸入停止を検討するとして、本日は英国、米国が禁輸を発表した。昨日の時間外取引でつけた2008年7月以来、13年8カ月ぶりの高値130.50ドルにはとどかなかったものの、一時129.44ドルと前日比で10ドルを超える上昇となった。しかし、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟を主張しないとの報道が伝わった。露・ウクライナ停戦の期待で原油供給状況が改善へ向かうとの見方が浮上。119.62ドル前後へ下振れ、上昇幅をほぼ帳消しにする場面もあった。アジア市場で117.07ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて129.44ドルまで反発した。アメリカはロシア産原油の輸入禁止を決めており、一時120ドルを下回ったが、需給ひっ迫の状態が続くとみられており、121.88ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では、125ドルを挟んだ水準で推移している。 

 

NY金先物市場は4営業日続伸:停戦の期待高まり上げ幅縮小

NY金先物市場は1985.80-2078.80ドルのレンジ相場だった。ウクライナ情勢の緊迫化を材料に2078.8ドルまで上伸した。しかし、ウクライナがロシアの意向に沿って北大西洋条約機構(NATO)加盟を主張しないとの報道が伝わった。停戦の期待が高まり、リスク回避姿勢が後退した。安全資産とされる金を買う動きが弱まり、一時2027ドル付近まで上昇幅を縮小した。アジア市場で1985.80ドルまで下げたが、まもなく反転し、ロンドン市場で2027.80ドルまで買われた。ニューヨーク市場の中盤にかけて2078.80ドルまで一段高となった。その後、一時2027.10ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で2060ドル台に再浮上している。

 

米国債券市場は続落:インフレ加速を警戒する売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.59%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い1.85%で終了した。ウクライナ情勢の緊迫化でエネルギー価格が高騰すると、インフレ加速を警戒する売りが広がった。

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2022/03/08/07:39:20

米国株式市場は下落:世界景気が冷え込むとの懸念から売り

NYダウは797.42ドル安の32817.38ドル、ナスダックは482.48ポイント安の12830.96ポイントで取引を終了した。原油価格の高騰でインフレ高進や景気後退への懸念が強まり、寄り付き後は下落した。ロシアとウクライナの3回目の停戦交渉で進展がなかったほか、議会超党派がロシア産原油・エネルギー製品の輸入禁止と、同国およびベラルーシとの通常の貿易関係を解消する内容を盛り込む法案で合意したとの報道で引けにかけて下げ幅を拡大した。主要国によるロシアへの制裁強化で世界景気が冷え込むとの懸念から投資家心理が悪化した面もあり、一時800ドル超下落した。VIX指数は31.98から36.45へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇と有事のドル買い強まる

ユーロ/ドルは、緊迫化するウクライナ情勢を背景に、欧州の天然ガス価格が前週末比で一時60%超高まで急騰するなど、エネルギー価格が高騰した。ユーロ圏経済の物価上昇と景気悪化が同時進行するスタグフレーションへの懸念が強まり、ユーロ売りが広がった。欧州市場では一時1.0806ドルと2020年5月以来の安値を付けた。ただ、NYの取引時間帯に入ると下げ渋る展開になった。週明け早朝取引で一時1バレル=130ドルを超え約13年8カ月ぶりの高値まで急上昇したWTI原油先物価格が失速したためユーロを買い戻す動きが先行した。ウクライナとロシアの第3回停戦協議への期待も相場を下支えし、一時1.0932ドル付近まで持ち直した。もっとも、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。停戦協議では『有意義な結果は得られなかった』と伝わり、先行きの不透明感が高まると1.0846ドル付近まで押し戻されている。

 

ドル/円は、対ユーロ中心にドル買いが進むと、円に対してもドル買いが先行した。米10年債利回りが1.80%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時115.47円と日通し高値を更新した。資源国通貨に対してもドル高が進んだ。ただ、前週末の高値115.55円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。NYダウが一時800ドル超下落したことも相場の重しとなり、115.24円付近まで下押しする場面があった。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫懸念高まり買い優勢

NY原油先物市場は115.54ドル-130.50ドルのレンジ相場となった。欧米諸国がロシアのウクライナ侵略の制裁として、ロシア産原油の輸入停止を検討するとの見方から2008年7月以来、13年8カ月ぶりの高値水準130ドル台まで時間外取引で買いが先行した。ドイツが禁輸に慎重な姿勢を示したことから上昇幅を縮小したものの、高止まり状態といえた。アジア市場の序盤で130.50ドルまで買われており、一段高となった。ニューヨーク市場の序盤にかけて115.54ドルまで下げたが、ウクライナ情勢のすみやかな改善は期待できないため、需給ひっ迫の懸念が高まり、121.88ドルまで戻している。通常取引終了後の時間外取引では120ドルを挟んだ水準で推移している。 

 

NY金先物市場は3営業日続伸:リスク回避の動きが強まり買い優勢

NY金先物市場は1964.20-2007.50ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢の緊迫化や世界的な株価下落など、リスク回避の地合いが強まっている。安全資産とされる金を買う動きが続き、時間外取引では一時2007.5ドルと2020年9月以来、1年半ぶりの2000ドル台乗せとなった。ロンドン市場で2007.50ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1964.20ドルまで反落したが、株安を意識して通常取引終了後の時間外取引で2000ドル台に再浮上している。

 

米国債券市場は下落:インフレ加速懸念から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)1.54%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.77%で終了した。ウクライナ情勢の緊迫化でエネルギー価格が上昇傾向を強めると、インフレ加速を警戒する売りが広がった。 

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2022/03/07/03:01:35

米国株式市場は下落:ウクライナ戦争激化への懸念から売り優勢

NYダウは179.86ドル安の33614.80ドル、ナスダックは224.50ポイント安の13313.44ポイントで取引を終了した。ロシアがウクライナ、欧州で最大の原発を制圧したことを警戒したアジアや欧州市場の流れを継いで寄り付き後は下落した。その後、2月雇用統計の予想以上に強い結果を受けて、下げ幅を縮小した。しかし、ウクライナ戦争激化への懸念を拭えず終日軟調に推移した。また、紛争の長期化が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念も強まり、一時540ドル超下げた。VIX指数は30.48から31.98へ上昇した。

 

NY外国為替市場:地政学リスクの高まりからドル買い・円買い優勢に

ユーロ/ドルは、ロシア軍はこの日、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポリージャ原子力発電所を制圧した。ロシアによる原発攻撃で地政学リスクへの懸念が一段と強まり、ユーロ売り・ドル買いが広がった。また、緊迫化するウクライナ情勢を背景に、欧州の天然ガス価格は連日で史上最高値を更新した。ユーロ圏経済の物価上昇と景気悪化が同時進行するスタグフレーションへの懸念も強まり、ユーロ売りを誘い一時1.0886ドルと2020年5月以来の安値を付けた。もっとも、NY午後に入ると下げ渋る展開になった。足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。なお、ウクライナとロシアの3回目の停戦協議は5日または6日に開かれる予定と伝わったが、停戦実現に向けた両国の立場は大きく異なり、進展が望めるかは不透明となっている。プーチン露大統領はショルツ独首相との電話会談で『ロシアの要求がすべて満たされることが条件』と改めて強調した。

 

ドル/円は、ウクライナ情勢の一段の緊迫化が投資家心理を冷やし、欧州株中心に株価が下落した。リスク回避の円買いが優勢となり、一時114.62円と2月24日以来の安値を付けた。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入った。なお、米労働省が発表した2月米雇用統計では非農業部門雇用者数は前月比67.8万人増と予想の40.0万人増を上回り、失業率は3.8%と予想の3.9%より強い内容となったが、ウクライナ情勢への警戒感が強く相場への影響は限られた。

 

NY原油先物市場は大幅に反発:米国がロシア産原油の輸入禁止を検討

NY原油先物市場は107.25-116.02ドルのレンジ相場となった。ウクライナにある欧州最大の原子力発電所でもあるザポリージャ原発をロシア軍が占拠したことで、ウクライナ情勢の悪化懸念が高まり堅調に推移していた。引け前には一部通信社がツイッターで『ホワイトハウスがロシア産原油の輸入禁止を検討中』と報じたことで、上げ幅を広げて引けた。ロンドン市場で107.25ドルまで下落したが、なったが、米国はロシアからの石油輸入を禁止することを検討していると報じられたことから、需給ひっ迫の懸念が高まり、通常取引終了後の時間外取引で一時116.02ドルまで一段高となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比3基減少の519基となった。

 

NY金先物市場は大幅に続伸:リスク回避の動き強まり買い優勢

NY金先物市場は1931.50-1973.70ドルのレンジ相場となった。ウクライナにある欧州最大の原子力発電所・ザポリージャ原発を、ロシア軍が占拠したことで、リスク回避の動きが加速した。安全資産とされる金先物は徐々に上げ幅を広げ、大幅に続伸して引けた。アジア市場で1931.50ドルまで売られたが、ロンドン市場で1950ドルを回復した。安全逃避の買いが強まり、ニューヨーク市場でも堅調に推移した。株安を意識して通常取引終了後の時間外取引で1973.70ドルまで買われている。 

 

米国債券市場は上昇:ウクライナ情勢の一段の緊迫化で買い優勢

米国債市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.48%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%低い1.73%で終了した。ウクライナ情勢の一段の緊迫化で、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。市場では『週末にウクライナ情勢が動くことを見越して米国債に資金を逃避させる動きがあった』との声が聞かれた。

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2022/03/04/07:42:13

米国株式市場は下落:米経済指標の悪化やウクライナ情勢の混迷で売り優勢

NYダウは96.69ドル安の33794.66ドル、ナスダックは214.08ポイント安の13537.94ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの停戦交渉2回目への期待に、寄り付き後は上昇した。しかし、2月ISM非製造業景況指数が予想外に悪化、さらに、ロシアのプーチン大統領が軍事作戦の目的を必ず遂行すると、強硬姿勢を維持する姿勢を強調したため警戒感が再燃し、下げに転じた。ロシア、ウクライナ両国代表が次回交渉開催で合意したとの報道を受けて一時下げ止まったものの、警戒感は払しょくせず終日軟調推移が継続した。航空機のボーイングが大きく下落し、1銘柄でNYダウを55ドルほど押し下げた。VIX指数は30.74から30.48へ低下した。

 

NY外国為替市場:停戦実現への進展の不透明感からユーロ売り優勢

ユーロ/ドルは、ウクライナとロシアの第2回停戦協議への期待から、いったんは下げ渋る場面もあったが、プーチン露大統領がマクロン仏大統領と電話会談し、『いかなる場合でもウクライナでの軍事作戦の目的は遂行される』と強硬姿勢を表明したことから、市場のリスク警戒ムードは払拭されず戻りは鈍かった。停戦協議中にもかかわらず、ロシア軍によるウクライナでの軍事行動が継続されたことも嫌気され、一時1.1034ドルと20年5月以来の安値を更新した。なお、ウクライナ大統領府顧問は『交渉で期待した結果は得られなかったが、民間人避難のための人道的回廊を共同で設置する案について理解が得られた』『両国は近く3回目の停戦協議を実施することで合意した』と明らかにした。また、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は停戦交渉継続の意思は示しつつも『妥協できない点もある』と述べ、難航を示唆した。停戦実現に向けた両国の立場は大きく異なり、今後の対話で進展が望めるかは依然として不透明だ。

 

ドル/円は、緊迫化するウクライナ情勢を背景に欧州株相場が大幅に下落すると、リスク回避の円買い・ドル売りが先行した。2月米ISM非製造業指数が56.5と予想の61.0を下回ったことも相場の重しとなり、一時115.39円と日通し安値を更新した。ただ、対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受けたため、ドル/円の下値は限定的だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、前日の米下院での証言に続き、米上院銀行委員会で議会証言に臨んだ。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを行う意向を改めて表明したほか、『インフレ高止まりなら、1回もしくは複数回の会合にわたりそれ以上の利上げを行う用意がある』と述べ、今後の物価動向次第では利上げ幅が変わる可能性に改めて言及した。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:利食い売り増加で上値の重い展開

NY原油先物市場は106.43ドル-116.57ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢の混迷化で一時2008年9月以来となる116ドル台まで原油先物は上昇した。しかし、ウィーンで開かれているイランとの核合意再建交渉について『イランが72時間以内で合意を受け入れる』との報道が流れると、106.43ドルまで急落した。なお、会談後イランは『残された問題が全て解決するまで、合意に達したとはだれも言えない』と慎重な姿勢を見せた。アジア市場で116.57ドルまで一段高となったが、ニューヨーク市場の序盤にかけて利食い売りが増えたことによって106.43ドルまで反落した。ただ、需給ひっ迫の状態が短期間で解消される見込みは薄いことから、111.70ドルまで戻す場面があった。通常取引終了後の時間外取引では、主に108ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ウクライナ情勢の混迷で買い優勢

NY金先物市場は1923.10-1944.60ドルのレンジ相場となった。ロシア軍が欧州最大の原子力発電所でもあるザポリージャ原発の占拠を企てようとしている、と報じられるなどウクライナ情勢が混迷を含めている。欧州株も大幅に反落するなど、リスク回避の動きが優勢となり、避難通貨としての金先物価格は反発した。アジア市場で1923.10ドルまで売られたが、ロンドン市場で1941.40ドルまで反発した。ニューヨーク市場で一時1924.20ドルまで下げたが、株安を意識して通常取引終了後の時間外取引で1944.60ドルまで買われている。 

 

米国債券市場はまちまち:紛争の長期化への警戒感から買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.53%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.84%で終了した。ウクライナとロシアの第2回停戦協議では『交渉継続で合意』したものの、紛争の長期化への警戒感は根強く、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。市場では『双方の歩み寄りは困難で、戦況の泥沼化への懸念が一段と高まっている』との声が聞かれた。


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2022/03/03/07:45:54

米国株式市場は大幅反発:ソフトランディング期待による安心感から買い

NYダウは596.40ドル高の33891.35ドル、ナスダックは219.56ポイント高の13752.02ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナが2回目の停戦協議を計画していることが明らかになったほか、民間雇用動向を示すADP雇用統計の2月分の予想を上回る強い結果を好感し、寄り付き後は上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会での半期に一度の証言において、3月連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイントの小幅利上げを支持する姿勢を見せると同時に、ウクライナ戦争を巡る不透明性が強く、注意深く利上げを実施していく方針を示したため、過剰な利上げにより景気が損傷するとの警戒感が後退した。さらに、ソフトランディングが可能と自信を示したため安心感が強まり終日堅調に推移した。VIX指数は33.32から30.74へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長のインフレ警戒発言からドル買い

ユーロ/ドルは、WTI原油先物価格が1バレル=112ドル台半ばまで急伸し、2011年5月以来約10年10カ月ぶりの高値を更新すると、エネルギーコストの上昇がユーロ圏経済の重しになるとの見方から全般ユーロ売りが先行し、一時1.1058ドルと20年5月以来の安値を付けた。良好な米雇用指標を受けて米長期金利が大幅に上昇したこともユーロ売り・ドル買いを誘った。一方、本日行われる見通しだったウクライナとロシアの2回目の停戦交渉は3日以降になりそうだとの報道が伝わった。両国の立場は隔たりが大きいものの、停戦交渉の継続自体は投資家心理の改善につながり、NYダウが一時710ドル超上昇した。ユーロ/ドルにも買い戻しが入り、一時1.1143ドルと日通し高値を更新した。なお、停戦交渉を巡ってロシア側は『2回目の交渉に向けてウクライナ代表団が3日朝にベラルーシに到着し、停戦について協議する見込み』との見解を示したものの、『ウクライナ側は3日の交渉開催に疑問を投げ掛けた』と報じられている。 

 

ドル/円は、2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が47.5万人増と予想の38.8万人増を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行した。前月分が30.1万人減から50.9万人増に大幅に上方修正されたことも相場の支援材料となり、一時115.69円と日通し高値を更新した。なお、市場では『大幅な修正はADPの信頼性を損なう』『1月の大幅修正はADPの数値にノイズが多いことを示している』との指摘があった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、米下院金融サービス委員会で『今月のFOMCでは0.25%の利上げを支持する方向に傾斜』と述べた一方、『インフレ高止まりなら、1回もしくは複数回の会合にわたり0.50%の利上げを行い、積極的に対応する』『ウクライナ情勢でも利上げ意欲は変わらない』と語り、随所にインフレへの警戒感をにじませた。米10年債利回りが1.90%台まで大幅に上昇したこともドル買いを誘った。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:OPECプラスワンで大幅追加増産なく買い

NY原油先物市場は105.18ドル-112.51ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢の悪化による供給懸念で、WTI原油先物は一時2011年5月以来約10年10カ月ぶりとなる112.51ドルまで急騰した。また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による『OPECプラス』は、4月の生産を日量40万バレル引き上げると発表したが、市場が期待する大幅な追加増産ではなかったことも原油先物の上げ幅を広げた。なお、米エネルギー省(EIA)週間原油在庫は積み増し予想が、取り崩しとなった。一方で、ガソリン在庫の取り崩し幅は予想よりも少なかった。原油先物はニューヨーク市場の序盤で2011年5月以来となる112.51ドルまで買われた後、一時105.18ドルまで反落したが、需給ひっ迫の状態が短期間で解消される見込みは薄いとの思惑が広がり、通常取引終了後の時間外取引で112ドル台まで戻している。 

 

NY金先物市場は反落:パウエル米FRB議長発言で米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1916.00-1951.40ドルのレンジ相場となった。連日ウクライナ情勢の悪化で、リスク回避の動きで堅調に推移していた金先物価格だが、原油先物以外はリスク回避の巻き戻しが入ったことで3日ぶりに反落した。パウエルFRB議長が下院の議会証言で、インフレに対する警戒感を示したことにより、米債の売りが進み、米金利が上昇したことで、金利のつかない金先物は下げ幅を広げた。アジア市場で1951.40ドルまで買われたが、ロンドン市場で1916.00ドルまで反落した。ニューヨーク市場では、米長期金利の反発や欧米株高をにらんで1938.00ドルまで戻した後は上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では1930ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は大幅反落:米国株高やインフレ警戒発言から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.17%高い(価格は下落)1.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.13%高い1.87%で終了した。ウクライナとロシアによる第2回停戦協議への期待から米国株が大幅に反発すると、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で、インフレに対する警戒感を強く示したことも債券売りを促した。

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