FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/03/30/07:44:42

米国株式市場は上昇:地政学リスク後退から買い優勢

NYダウは338.30ドル高の35294.19ドル、ナスダックは264.74ポイント高の14619.64ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの停戦交渉でかなりの進展が報じられ、停戦期待に寄り付き後は上昇し一時410ドル超上げた。雇用や住宅価格関連指標が予想を上回ったほか、企業の合併、買収の報道が投資家心理の改善に繋がった。長期金利の低下でハイテク株も続伸して相場を後押しし、終日堅調に推移した。VIX指数は19.63から18.90へ低下した。

 

NY外国為替市場:地政学リスクの後退からドル買いの巻き戻し

ユーロ/ドルは、トルコのイスタンブールで行われたロシアとウクライナの停戦交渉では、双方の代表団が『一定の進展があった』との見解を示したと伝わった。また、ロシア国防省はウクライナの首都キエフなど同国北部での軍事作戦を大幅に縮小すると発表した。停戦交渉進展への期待から欧米株相場の上昇とともにユーロ買い・ドル売りが進み、一時1.1137ドルと日通し高値を更新した。ただ、そのあとは急ピッチで上昇した反動が出たため、やや上値が重くなった。ブリンケン米国務長官は『ウクライナとの和平模索に向けて、ロシア側からは真剣である兆候を確認できない』などと発言した。 

 

ドル/円は、露・ウクライナの停戦交渉が進展するとの期待からユーロ/ドルが上昇すると円に対してもドル売りが先行した。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り、一時121.95円と日通し安値を更新した。市場では『足もとで急速に進んでいた円安の調整も重なった』との声が聞かれた。ただ、前日の安値121.97円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開になり一時122.95円付近まで下げ幅を縮めた。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁はこの日の講演で、『政策金利の慎重かつ整然とした引き上げを見込んでいる』『3月を含めて今年7回の0.25%の利上げを想定している』と述べた一方、『インフレ高進が示された場合は次回会合での0.50%の利上げの選択肢も排除しない』との考えを示した。なお、同総裁は現在空席となっているボストン連銀総裁の代わりにFOMC投票権を有する。 

 

NY原油先物市場は続落:上海市のロックダウンやウクライナ情勢改善期待売り

NY原油先物市場は98.44ドル-107.84ドルのレンジ相場となった。この日に行われたロシア・ウクライナの停戦協議に進展があったとの見方が広がり、エネルギー供給懸念が後退するとの期待感が原油の売りを強めた。また、中国最大の経済都市上海市がロックダウン(都市封鎖)を始めたことが引き続き上値を圧迫し、5月限は一時100ドルを割り込んだ。ロンドン市場で107.84ドルまで買われたが、ウクライナ情勢の改善が期待されたことで一時98.44ドルまで反落。ただ、主要産油国は5月も小幅な増産ペースの維持を決定する可能性が高いこと、ロシアとウクライナの停戦交渉で顕著な進展はなかったことから、一時105.47ドルまで戻した。

 

NY金先物市場は下落:地政学リスの後退から売り優勢

NY金先物市場は1893.20-1934.40ドルのレンジ相場となった。ロシア・ウクライナの停戦交渉が行われ、協議後に双方の代表団が協議進展に楽観的な見方を示したことを受けて、投資家のリスク警戒感が後退した。安全資産とされる金は売りに押され、約2週間ぶりの安値をつけた。アジア市場で1934.40ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。欧米株式の上昇を警戒した売りが強まり、一時1893.20ドルまで下落した。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、一部で安全逃避的な買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引で1926.40ドルまで戻している。

 

米国債券市場はまちまち:2年債と10年債が一時『逆イールド』

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.37%で終了した。また、長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.39%で終了した。原油先物相場の下落でインフレ懸念が後退し、長期債が買われ利回り曲線の平坦化が進んだ。2年債利回りが一時10年債利回りを上回る『逆イールド』が発生する場面もあった。 

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2022/03/29/07:44:58

米国株式市場は上昇:停戦期待や原油下落を好感して買い優勢に

NYダウは94.65ドル高の34955.89ドル、ナスダックは185.60ポイント高の14354.90ポイントで取引を終了した。バイデン政権が28日公表した予算教書で、超富裕層や企業に対する増税が明らかになり、寄り付き後は下落した。連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げで、景気減速に陥るとの懸念も浮上し、終日軟調に推移した。しかし、引けにかけ、ロシアとウクライナの2週間ぶりの対面協議を控えた停戦期待に下げ幅を縮小した。また、原油先物相場の下落で消費関連銘柄の一角に買いが入ると相場はプラス圏を回復した。さらに、金利低下に伴うハイテク株の上昇が相場を押し上げた。VIX指数は20.81から19.63へ低下した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の方向性の違いで円売り強まる

ドル/円は、日銀が金利上昇を強力に抑え込むための措置として、特定の利回りで国債を無制限に一定期間買い続ける『連続指し値オペ』を初めて実施すると通知した。大規模な金融緩和策を継続する日銀と積極的な金融引き締めに動く方針を示す米連邦準備理事会(FRB)の方向性の違いが改めて意識されて、円売り・ドル買いが広がった。節目の124.00円や125.00円を上抜けて断続的にストップロス注文を巻き込むと、一時125.10円と2015年8月以来約6年7カ月ぶりの高値を付けた。ただ、NY市場では123.17円付近まで伸び悩む場面があった。急ピッチで上昇した反動でポジション調整目的の売りが出たほか、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入った。125円台は黒田東彦日銀総裁が15年6月に懸念を示した『黒田ライン』としても意識される。もっとも、引けにかけては123.90円付近まで強含むなど、押し目買い意欲は旺盛で下押しは限定的だった。 

 

ユーロ・ドルは、一時1.0947ドル付近まで売られる場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.0945ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。ユーロクロスの上昇につれたユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0999ドルと本日高値に面合わせする場面があった。なお一部通信社が報じたところによると、ロシア代表団がウクライナとの停戦協議のためトルコのイスタンブールに到着した。停戦交渉は明日29日に始まる見通しとなった。市場では『キエフ攻防戦などで苦戦するロシア側が、交渉で態度を軟化させるかどうかが焦点』との声が聞かれた。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:過度な供給懸念が後退

NY原油先物市場は102.83ドル-112.93ドルのレンジ相場となった。ロシア・ウクライナの停戦合意への期待感が強まり、過度な供給懸念が後退したことや、中国でロックダウン(都市封鎖)の地域が広がり、経済活動の減速に伴いエネルギー需要が鈍化するとの警戒感が原油相場の上値を圧迫した。アジア市場の序盤で112.93ドルまで買われたが、まもなく反落した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成するOPECプラスは、石油消費国が供給増を呼び掛けているにもかかわらず、5月も小幅な増産ペースの維持を決定する可能性が高い。通常取引終了後の時間外取引で102.83ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は続落:リスク回避ムード後退で売り優勢に

NY金先物市場は1915.70-1959.80ドルのレンジ相場となった。ロシア・ウクライナの停戦協議への期待感でリスク回避ムードが緩んだことや、米長期金利が高止まりしていることが重しとなり、金先物は売りに押される動きとなった。アジア市場の序盤で1959.80ドルまで買われたが、その後は伸び悩みとなった。米長期金利は低下したが、米国株式の反転やドル高を嫌気した売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1915.70ドルまで下落した。

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンは自立反発狙いの買い

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)2.33%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.46%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが入ったほか、原油安でインフレへの懸念が和らいだことが債券買いを誘った。

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2022/03/28/03:00:55

米国株式市場はまちまち:押し目買い意欲強く底堅い展開

NYダウは153.30ドル高の34861.24ドル、ナスダックは22.54ポイント安の14169.30ポイントで取引を終了した。買戻しの流れに、寄り付き後は上昇した。しかし、2月中古住宅販売成約指数や3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が悪化したことが嫌気され伸び悩んだ。その後、2年債や10年債の利回りが2019年来の高水準に達したほか、サウジの石油貯蔵所がイラン支援の武装組織フーシの攻撃を受けたとの報道で警戒感が広がり下落に転じる局面もあったが、エネルギーセクターがけん引したほか押し目買い意欲強く引けにかけ再び上昇した。ただ、長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出た。VIX指数は21.67から20.81へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引締めが改めて意識されドル買い優勢に

ドル/円は、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、利上げを巡る決定はデータ次第としながらも、『0.50%の利上げが適切であれば、そうする』などと発言した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今週、0.50%の利上げを行う可能性に言及して以降、FRB高官によるタカ派的な発言が相次いでおり、積極的な米金融引き締めが改めて意識された。米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いがじわりと強まり、一時122.22円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた6年3カ月ぶりの高値122.44円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出て、121.78円付近まで下押しする場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る不透明感が長期化する中、欧州時間発表の3月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが進んだ。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、一時1.0981ドルと日通し安値を更新した。なお、米10年物国債利回りは一時2.5009%前後と2019年5月以来の高水準を付ける場面があった。 

 

産油国通貨は堅調だった。『イエメンの武装組織によるミサイル攻撃を受け、サウジアラビアの石油施設で大規模火災が発生した』と伝わると、WTI原油先物価格が上昇した。産油国通貨であるカナダドルやメキシコペソに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2466カナダドル、対円では97.99円まで上昇したほか、メキシコペソは対ドルで19.9124ペソ、対円で6.12円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は反発:供給不安が消えず買い優勢に

NY原油先物市場は108.68ドル-114.12ドルのレンジ相場となった。カザフスタンのエネルギー相がパイプライン運営会社による輸出が1カ月以内に再開する見通しを発表したことで需給緩和から108.68ドルまで下落した。ただ、イエメンの武装組織がサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの関連施設をドローンにて攻撃したことが伝わると一転買い戻しが入り114ドル台前半まで切り返した。ニューヨーク市場の序盤にかけて108.68ドルまで下げたが、供給不安は消えていないため下げ止まった。ニューヨーク市場の終盤にかけて114.12ドルまで上昇し、通常取引終了後の時間外取引では主に112ドル台で推移した。 米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比7基増加の531基となった。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1942.60-1965.10ドルのレンジ相場となった。米利上げ観測が急速に高まる中で米長期金利が大幅上昇していることを受けて金利を持たない金に対する需要が低下し、一時1942.6ドルまで下落する場面があった。アジア市場で1965.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1942.60ドルまで反落した。その後、1962.30ドルまで戻したが、米長期金利の上昇やドル高を嫌気して上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では1950ドル台で推移した。

 

米国債券市場は続落:積極的な米金融引締めが意識され売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.14%高い(価格は下落)2.27%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い2.48%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が相次ぐ中、積極的な米金融引き締めが意識されて債券売りを促した。利回りは一時2.5009%前後と2019年5月以来の高水準を付けた。 

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2022/03/25/07:29:07

米国株式市場は上昇:景気回復への期待が再燃して買い優勢

NYダウは349.44ドル高の34707.94ドル、ナスダックは269.24ポイント高の14191.84ポイントで取引を終了した。原油価格の反落で、インフレへの懸念が和らぎ、安心感から寄り付き後は上昇した。新規失業保険申請件数が53年ぶり低水準を記録したほか、3月PMIも改善したため景気回復への期待が再燃し終日堅調に推移した。引けにかけ、半導体の上昇がけん引し、一段高となった。VIX指数は23.57から21.67へ低下した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の方向性の違いから円売り

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)は積極的な金融引き締めに動く方針を示す一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続き、一時122.41円と2015年12月以来6年3カ月ぶりの高値を更新した。市場では『日銀が実際に動かない限りは円安に歯止めがかからない』との見立てが増えている。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、ウクライナ情勢への懸念などが重しとなり一時1.0966ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0964ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になり、1.1013ドル付近まで持ち直した。

 

南アフリカランドは堅調だった。南ア準備銀行(SARB)はこの日、政策金利を現行の4.00%から4.25%に引き上げることを決めたと発表した。市場予想通りの結果となったものの、政策委員5名のうち2名が0.50%の利上げを主張していたことが分かるとランド買いが優勢になった。対ドルでは一時14.5138ランド、対円では8.43円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は反落:供給不安が多少緩和され売り優勢に

NY原油先物市場は110.61ドル-116.64ドルのレンジ相場となった。需給ひっ迫懸念から時間外で一時116.64ドルまで上昇する場面があったが、一巡後は足もとの大幅上昇に対する利益確定売りや調整売りが優勢となった。アジア市場で116.64ドルまで買われており、供給不安は消えていないが、利食い売りも観測され上昇は一服した。ニューヨーク市場の終盤にかけて主要7か国(G7)は産油国に対して国際的な出荷引き上げを促すとのメッセージを発信したことから、供給不安は多少緩和され、売りが広がった。通常取引終了後の時間外取引では主に111ドル台で推移している。

 

NY金先物市場は続伸:ウクライナ情勢の不透明感やインフレヘッジ買い

NY金先物市場は1937.40-1967.20ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢の不透明感が根強く、安全資産とされる金需要が高まった。インフレヘッジとしての金買いも重なった。ロンドン市場の序盤にかけて1937.40ドルまで売られたが、対ロシア制裁の強化を意識して安全逃避的な買いが広がった。ニューヨーク市場で1967.20ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも1960ドル台で推移している。

 

米国債券市場は下落:雇用指標の改善を受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.13%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い2.37%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い結果となったことを受けて売り(利回りは上昇)が先行した。米国株相場の上昇も相場の重石となった。 

 

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2022/03/24/07:40:38

米国株式市場は下落:米景気減速懸念から売り優勢

NYダウは448.96ドル安の34358.50ドル、ナスダックは186.21ポイント安の13922.61ポイントで取引を終了した。高インフレや米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐとの観測を懸念した売りが再燃し、寄り付き後は下落した。2月の新築住宅販売件数が予想以上に減少したほか、WTI原油先物価格高で景気への懸念も再燃し、終日軟調に推移し、引けにかけ下げ幅を拡大した。VIX指数は22.94から23.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBの金融引締め観測がドルを下支え

ドル/円は、米長期金利の低下などを理由に円買い・ドル売りが先行した。原油先物価格が大幅に上昇したことで対資源国通貨中心にドル安が進むと、一時120.54円と日通し安値を更新した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引き締めを進めるとの観測が高まる中、押し目買い意欲は旺盛で下値は堅かった。黒田東彦日銀総裁が前週末に足もとの円安を容認し、大規模緩和策を堅持する方針を表明して以降、円売りが出やすい地合いになっていたこともあり、121.15円付近まで持ち直している。 

 

ユーロ/ドルは、プーチン露大統領が米国や欧州など『非友好国』に対し天然ガスの支払いをルーブルにするよう求める考えを表明した。原油や天然ガスなどエネルギー価格が上昇し、ユーロ圏景気への悪影響を懸念したユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。ただ、前日の安値1.0961ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。商品価格の上昇を背景に対資源国通貨中心にドル安が進むと、ユーロに対してもドル売りが出て1.1012ドル付近まで下げ幅を縮めた。

 

ロシアの通貨ルーブルは反発。プーチン露大統領が『非友好国』にルーブル建てで天然ガスを売却し始める方針を表明するとルーブル買いで反応した。対ドルでは一時94.98ルーブル前後、対ユーロでは103.22ルーブル前後まで反発した。

 

NY原油先物市場は大幅上昇:原油の需給ひっ迫懸念から買い優勢

NY原油先物市場は108.38ドル-115.40ドルのレンジ相場となった。パイプラインの運営会社CPCが悪天候を理由にロシア・黒海ターミナルからの原油輸出を全面的に停止すると明らかにすると、需給ひっ迫懸念から買いが優勢になった。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で原油が大幅な切り崩しとなったことも支援材料となった。アジア市場で108.38ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて115.40ドルまで上昇した。その後、113ドル台まで下げる場面があったが、通常取引終了後の時間外取引で一時115ドル台に戻す場面があった。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりから買い優勢

NY金先物市場は1915.60-1948.80ドルのレンジ相場となった。ウクライナ首都キエフでのロシア軍との戦闘が続くなかで情勢悪化が懸念され、安全資産として金需要が高まった。取引終了後には一段高となり1950ドルに接近した。アジア市場で1915.60ドルまで売られたが、原油高や欧米株安を意識して反発した。米長期金利が低下したことも買い材料となった。ニューヨーク市場でじり高となり、通常取引終了後の時間外取引で1948.80ドルまで上昇した。 

 

米国債券市場は反発:米国株安で押し目買い

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い2.29%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。米国株の下落も債券買いを誘った。

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