FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/03/16/07:42:32

米国株式市場は上昇:経済の正常化を期待した買いがけん引

NYダウは599.10ドル高の33544.10ドル、ナスダックは367.40ポイント高の12948.62ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控え発表された2月生産者物価指数(PPI)が予想を下回る伸びにとどまり、インフレがピークを付けた可能性が示唆されたため急激な利上げへの警戒感が後退し、寄り付き後は上昇した。ロシアのプーチン大統領が攻撃を継続する強硬姿勢を示したため、一時小緩む場面もあったが、原油価格が高値から反落したため回復への安心感が広がり、終日堅調に推移した。経済の正常化を期待した買いもけん引し、引けにかけて上げ幅を拡大し一時670ドル超上げた。VIX指数は31.77から29.83へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で総じてドル買い優勢

ドル/円は、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に大きな方向感は出なかったものの、NY市場に入ると米10年債利回りが上昇に転じたため円売り・ドル買いがじわりと強まった。NYダウが一時670ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料となり、一時118.40円付近まで買われ、アジア時間に付けた約5年2カ月ぶりの高値118.45円に迫った。なお、明日のFOMCでは0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上した。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声が聞かれた。この日発表の2月米卸売物価指数(PPI)は予想より弱い内容となったほか、3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は2020年6月以来のマイナスに転じたものの、目立った反応は見られなかった。 

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.1020ドルと日通し高値を付けたものの、3月独ZEW景況感指数が予想を大幅に下回り、20年3月以来のマイナスとなったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが優勢になった。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.0926ドルと日通し安値を更新した。プーチン露大統領はミシェルEU大統領との電話会談で、『ウクライナは互いに受け入れ可能な解決策模索に真剣ではない』などと発言した。露・ウクライナ停戦合意への期待がやや後退したこともユーロの重しとなった。なお、露・ウクライナ停戦交渉は明日16日も継続される。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:エネルギー需要が低下するとの思惑

NY原油先物市場は93.53ドル-102.58ドルのレンジ相場となった。中国で新型コロナウイルスの感染拡大が進み、エネルギー需要が低下するとの思惑から売りが出た。目先のストップロス売り注文を巻き込んだことで下げ足を速め、一時は93.53ドルまで下押す場面も見られた。アジア市場の序盤に102.58ドルまで買われたが、ポジション調整的な売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて93.53ドルまで下げ幅は拡大した。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、一時98ドル台前半まで戻す場面があった。通常取引終了後の時間外取引では主に95ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1908.10-1956.90ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇基調が続くなか、金利のつかない金先物相場は連日で売りに押された。アジア市場の序盤で1956.90ドルまで買われたが、米国金利の先高観は後退していないことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて1908.10ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、安全逃避の買いも一部で観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に1920ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米国株の大幅上昇が重しに売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比と同じ1.86%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)して終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.14%で終了した。欧州債相場の上昇を受けて米国債にも買いが先行したものの、そのあとは徐々に売りが優勢になった。米国株相場の上昇などが相場の重しとなった。市場では『明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は若干タカ派化する』との予想が聞かれた。 

 

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2022/03/15/07:39:25

米国株式市場はまちまち:中国の一部地域が感染拡大で経済封鎖を嫌気

NYダウは1.05ドル高の32945.24ドル、ナスダックは262.59ポイント安の12581.22ポイントで取引は終了した。ロシアとウクライナの第4回目の停戦交渉を控え、期待感に寄り付き後は上昇した。しかし、交渉が15日まで中断されたほか、連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを警戒して下落に転じた。中国の一部地域が新型コロナ流行拡大で経済封鎖されたため世界経済の鈍化懸念も再燃し、さらなる売り圧力となった。引けにかけ、金融などの上昇が支えとなり、NYダウはプラス圏を回復した。金利の上昇を嫌気したハイテク株の売りは続き、ナスダックは終日軟調となった。VXI指数は30.75から31.77へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、今週の日米金融イベントを前に、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢になり、一時118.22円と2017年1月以来約5年2カ月ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが19年7月以来の高水準となる2.14%台まで上昇したこともドルの支援材料となった。なお、15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声も聞かれた。一方、17-18日の日銀金融政策決定会合では、足もとで物価の上昇圧力が高まる中でも、緩和的な金融政策スタンスの維持が見込まれている。 

 

ユーロ/ドルは、ロシアとウクライナの停戦交渉が進展するとの期待からユーロ買いが入り、一時1.0994ドルと日通し高値を付けた。この日オンライン形式で実施された停戦協議は一時中断し、明日15日に再開される。ただ、節目の1.1000ドル手前で上値の重さを確認すると、米長期金利が上昇幅を拡大した影響も受けて1.0939ドル付近まで伸び悩んだ。なお、米短期金融市場では米連邦準備理事会(FRB)による今年7回の利上げを織り込む場面があった。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:原油供給状況が改善へ向かうとの思惑

NY原油先物市場は99.76ドル-109.72ドルのレンジ相場となった。ロシアとウクライナの停戦交渉に対する進展期待が高まるなか、原油供給状況が改善へ向かうとの思惑から売りが出た。また、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいることも相場の重石になった。約2週間ぶりに節目の100ドルを割り込む場面も見られた。アジア市場の序盤に109.72ドルまで買われたが、利食い売りが強まり、ニューヨーク市場の序盤で一時99.76ドルまで下落。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、103ドル台前半まで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に102ドルを挟んだ水準で推移している。

 

NY金先物市場は続落:停戦協議の進展期待から金需要低下

NY金先物市場は1952.00-1994.80ドルのレンジ相場となった。ウクライナとロシアの第4回停戦交渉は一時中断され、15日に再開することになった。市場では協議の進展期待が高まっており、安全資産とされる金の需要が低下した。また、米長期金利が大幅に上昇したことも金利のつかない金先物相場の重石となった面がある。アジア市場の序盤で21994.80ドルまで買われたが、米国金利の先高観が強まり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1952.00ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、安全逃避の買いも一部で観測された。通常取引終了後の時間外取引では1950ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:米利上げペースの加速観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%高い(価格は下落)1.86%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い2.13%で取引を終了した。15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げがほぼ確実視されており、インフレ高止まりを背景に利上げペースの加速観測も浮上した。市場では『委員らの金利見通し(ドット・チャート)でタカ派寄りの予想が示される』との声も聞かれ、債券売りが優勢となった。利回りは一時2.1437%前後と2019年7月以来の高水準を付ける場面があった。 

 

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2022/03/14/03:01:41

米国株式市場は続落:露への追加制裁と3月FOMCでの利上げを警戒した売り

NYダウ229.88ドル安の32944.19ドル、ナスダックは286.15ポイント安の12843.81ポイントで取引を終了した。ロシアのプーチン大統領がウクライナとの停戦交渉で前向きな動きがあると発言したとの報道で、停戦期待に寄り付き後は上昇した。しかし、3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったほか、欧州訪問中のハリス副大統領やウクライナ外相がプーチン大統領が外交手段に前向きな姿勢は見られないと報道を否定したため停戦期待が後退し上げ幅を縮小した。バイデン大統領が追加制裁を発表したほか、3月FOMCでの利上げを警戒した売りも強まり、引けにかけて下げに転じた。VIX指数は30.23から30.75へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の方向性の違いによる円売り強まる

ドル/円は、米労働省が前日発表した2月米消費者物価指数(CPI)は約40年ぶりの高い伸びを記録した。来週15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが確実視される中、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢となり、一時117.36円と2017年1月以来約5年2カ月ぶりの高値を更新した。なお、17-18日の日銀金融政策決定会合では、足もとで物価の上昇圧力が高まる中でも、緩和的な金融政策スタンスの維持が見込まれている。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では、プーチン露大統領が『ウクライナとの交渉で一定の前向きな動きがあった』と述べたと伝わり、一時1.1043ドルと日通し高値を付ける場面があった。ただ、NYの取引時間帯に入ると軟調に推移した。ウクライナ情勢を巡る懸念が根強い中、クレバ・ウクライナ外相が『前日のロシアとの協議では、プーチン氏が言及した進展は見られなかった』との見解を示したことが相場の重しとなり、一時1.0902ドルと日通し安値を更新した。 

 

カナダドルは全面高となった。カナダ統計局が発表した2月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が33.66万人増と予想の16.00万人増を上回り、失業率が5.5%と予想の6.2%より強い内容となったことを受けてカナダドル買いが広がった。対米ドルでは一時1.2694カナダドル、対ユーロでは1.3858カナダドル、対円では92.31円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は反発:地政学リスクが供給の妨げになるとの見方

NY原油先物市場は104.18ドル-110.29ドルのレンジ相場となった。プーチン露大統領がウクライナとの停戦交渉について『一定の前向きな変化』としたものの、ウクライナ外相は『前日のロシアとの協議では進展はゼロだった』と否定した。地政学リスクが供給の妨げになり続けるとの見方が、原油相場を押し上げた。アジア市場で104.48ドルまで下げたが、まもなく反転し、ロンドン市場で110ドル台に戻した。ニューヨーク市場の序盤で一時104.89ドルまで反落したが、ウクライナ情勢は流動的であり、中盤にかけて110.29ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では109ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比8基増加の527基となった。

 

NY金先物市場は反落:ウクライナ情勢に振れる展開

NY金先物市場は1960.60-2004.00ドルのレンジ相場となった。ウクライナ情勢について、プーチン露大統領が停戦交渉に『一定の前向きな変化』としたことで、安全資産の金を売る動きが先行した。しかし、ウクライナ外相が『前日のロシアとの協議では進展はゼロだった』と否定したことで買い戻された。一時1964.80ドルまで売られたが1998.50ドルと、昨日終値2000.4ドル手前まで戻す場面もあった。アジア市場の序盤で2004.00ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1960.60ドルまで売られた。ただ、ウクライナ情勢は流動的であり、安全逃避の買いが再び増えたことで1994.30ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では1990ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:プーチン露大統領の発言で売り先行

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.75%で終了した。また、米長期ゾーンは変わらずで終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.99%で終了した。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げがほぼ確実視される中、プーチン露大統領の発言が材料となり債券売りが先行した。ただ、クレバ・ウクライナ外相がプーチン氏の発言を否定すると買い戻しが入り持ち直した。米国株の失速も相場を下支えした。 

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2022/03/11/07:32:40

米国株式市場は反落:ウクライナ情勢の緊迫が長引くとの懸念から売り

NYダウは112.18ドル安の33174.07ドル、ナスダックは125.59ポイント安の13129.96ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの外相会談で目立った進展がなく、ウクライナ情勢の緊迫が長引くとの懸念が高まると売りが先行した。さらに、2月消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びとなったことも嫌気された。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを警戒した売りも再燃し、終日軟調に推移した。ハイテクも金利の上昇を嫌気され下落した。VIX指数は32.45から30.23へ低下した。

 

NY外国為替市場:米インフレ高進で米長期金利上昇からドル買い優勢

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、国債などを購入する量的緩和策について縮小ペースの加速を決定した。声明では利下げを示唆する文言を削除した。市場では金融政策の正常化に前向きと受けとめられ、一時1.1121ドルの本日高値までユーロ高が進んだ。ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の会見で『インフレは短期的に非常に加速する可能性がある』とした一方、『成長見通しへのリスクが著しく増大した』と指摘すると、物価上昇と景気悪化が同時進行するスタグフレーションへの懸念が強まり、一転ユーロ売りが優勢となった。また、露・ウクライナ外相会談では停戦合意への目立った進展がなかったと伝わり、先行き不透明感が高まり、一時1.0976ドルと本日安値を更新した。なお、ECBは『インフレ中期見通しが現状のままならAPPは7-9月に終了する』としたものの、市場関係者からは『APP終了は確定したわけではなくデータ次第としている。経済状況が一変すれば終了しない可能性もある』『ロシアによるウクライナ侵攻の悪影響が徐々に広がる中、ECBは焦点をインフレ高進から経済と市場の混乱抑制にシフトせざるを得ない。年内利上げは難しいと予想する』との声が聞かれた。 

 

ドル/円は、米労働省が発表した2月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったものの、約40年ぶりの高さを記録した。米10年債利回りが2.01%台まで上昇したことにつれて、ドル・円も116.20円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値116.20円を上抜けることは出来なかった。ウクライナ情勢への懸念やインフレ懸念を背景に米国株が下落すると、一時115.93円付近まで下押しする場面があった。 

 

NY原油先物市場は続落:増産の思惑が消えず利食い売り優勢

NY原油先物市場は105.60銅r-114.88ドルのレンジ相場となった。昨日に売り材料となった露・ウクライナ停戦への期待を高めるような特段の状況進展はなく、一段の下落を促す要因になりにくかった。一方で国際関係の明確な改善が示されない間は景気回復の鈍さが続き、エネルギー需要が低迷するとの見方もあって、反発力は不十分だった。ウクライナ情勢は流動的であり、ニューヨーク市場の序盤にかけて114.88ドルまで買われたが、増産の思惑は消えていないため、利食い売りが優勢となった。ニューヨーク市場の後半にかけて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で105.60ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は反発:ウクライナ情勢への進展なく買い戻し

NY金先物市場は1975.00-2015.10ドルのレンジ相場となった。昨日リスク回避姿勢を弱めた露・ウクライナの停戦へ向けた動きに特段の進展がなく、巻き戻しの買いが入った。米消費者物価指数(CPI)は想定範囲内の結果だったが高止まり状態となった。米長期金利はいったん低下したが結局2%台へ上昇した。金利上昇に圧迫され、米国株は下落した。一方で欧州中央銀行(ECB)が、物価高が成長を抑制するとの見方を示した。リスク回避再燃で安全資産とされる金が買われ、2000ドル台を回復して取引を終えた。アジア市場で1975.00ドルまで売られたが、ウクライナとロシアの停戦協議で進展はなかったことから、押し目買いが入った。ニューヨーク市場の序盤にかけて2015.10ドルまで戻した。ただ、その後は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では2000ドルをやや上回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は続落:インフレ加速への警戒感から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.70%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.99%で終了した。2月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったものの、約40年ぶりの高さを記録した。インフレ加速への警戒感から債券売りが広がった。 

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2022/03/10/07:41:56

米国株式市場は上昇:短期的な戻りを見込む買いで大幅高

NYダウは653.61ドル高の33286.25ドル、ナスダックは459.99ポイント高の13255.55ポイントで取引を終了した。ロシア、ウクライナ外相会談を10日に控え停戦期待に寄り付き後は上昇した。1月JOLT求人件数が過去最高となったほか、石油輸出国機構(OPEC)の増産期待に原油価格が高値から大きく反落すると、スタグフレーション懸念も後退し投資家心理の改善で一段高となった。さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領が『ある程度妥協する準備がある』と発言すると、引けにかけてさらに上げ幅を拡大した。3日の高値から昨日の安値までの4営業日で1600ドル超下げていたこともあり、短期的な戻りを見込む買いも入りやすかった。VIX指数は35.13から32.45へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好と米長期金利上昇で円売り優勢

ユーロ/ドルは、ウクライナ大統領顧問の話として『(ロシアと)外交的解決策の準備ができている』『非武装化を巡る協議を実施する用意がある』と伝わったほか、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が『(ロシアとの交渉で)一定の譲歩をする用意がある』などと発言すると、露・ウクライナ停戦合意への期待が高まり、欧米株価が大幅に上昇した。投資家のリスク回避姿勢が後退し、ユーロを買い戻す動きが活発化した。市場では『明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会や2月米消費者物価指数(CPI)など重要イベントを前にポジション調整目的の買いが入った』との声も聞かれ、一時1.1095ドルまで上値を伸ばした。明日予定されているロシア、ウクライナ、トルコの外相会談では停戦に向けた条件などについて話し合うとみられており、停戦協議の前進に期待が集まっている。なお、ドイツ株式指数(DAX)は7.9%超の大幅上昇となったほか、NYダウは一時800ドル超上昇した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比700円高の2万5450円まで買われる場面があった。 

 

ドル/円は、一時115.95円と日通し高値を付けたものの、116.00円にかけて観測されている本邦実需勢の売りやオプション絡みの売りに上値を抑えられると失速した。対ユーロ中心にドル売りが強まった流れに沿って、一時115.50円と日通し安値を更新した。ただ、株高を背景にクロス円が上昇したため、ドル/円の下値は限定的だった。米10年債利回りが1.95%台まで上昇したことも相場を下支えし、一時115.90円付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに大幅反落:原油供給状況の改善期待から売り

NY原油先物市場は103.63ドル-126.84ドルのレンジ相場となった。ウクライナ側からロシアへの譲歩姿勢が示され、両国の停戦への期待が強まった。原油の供給状況が改善へ向かうとの観測や、地政学リスクの緩和が売りを後押しした。週明け130ドル台、昨日129ドル台を上値に、本日のNYピット取引の開始時点は117ドル台で推移していた原油価格が、一時103.63ドルまで下振れる暴落状態となった。原油在庫の取崩し継続を確認して一時的に強含む場面もあったが、大勢に影響しなかった。アジア市場で126.84ドルまで買われたが、増産観測が浮上したこと、ウクライナ側は中立議論の用意があるとの見方を伝えたことから、需給関係が著しくひっ迫するとの懸念は和らぎ、利食い売りが広がった。ニューヨーク市場の後半にかけて103.63ドルまで急落。ただ、通常取引終了後の時間外取引で110ドル台を回復している。

 

NY金先物市場は大幅反落:地政学リスクの後退で売り優勢に

NY金先物市場は1981.00-2068.50ドルのレンジ相場となった。ウクライナ側から、ロシアとの交渉に関する譲歩の姿勢を示す発言が伝わった。露・ウクライナ停戦の期待を織り込む格好で、安全資産とされる金の価格は急落した。NYタイムのピット取引開始後に週初7日以来、2日ぶりの水準1981ドルへ下振れた。昨日2078.8ドルまで急上昇した際の値幅を帳消しにした。アジア市場で2068.50ドルまで買われたが、ウクライナとロシアの停戦協議で進展が期待されたことから、利益確定を狙った売りが増えた。ニューヨーク市場の中盤にかけて1981.00ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引で2003.80ドルまで戻している。 

 

米国債券市場は続落:ウクライナ情勢の緊張緩和期待から売り優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い1.95%で終了した。ウクライナ情勢の緊張緩和期待を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米10年債入札が『低調』との見方も売りを誘った。

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