FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/04/06/07:36:09

米国株式市場は下落:米FRB高官によるタカ派発言を嫌気した売り

NYダウは280.70ドル安の34641.18ドル、ナスダックは328.38ポイント安の14204.17ポイントで取引を終了した。ウクライナのゼレンスキー大統領が国連安保理で演説を行いロシアの行動を非難、米、欧州連合(EU)が6日に対ロ制裁強化を発表する計画が明らかになり、景気などへの影響を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)の副議長指名のブレイナード理事が早くて5月連邦公開市場委員会(FOMC)で、保有資産縮小を開始する可能性を示唆し金利が急伸したためハイテク株が大きく売られた。終日軟調に推移し、引けにかけて主要株式指数は下げ幅を拡大した。VIX指数は18.57から21.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB要人のタカ派発言で全般ドル買い優勢

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)高官の中でハト派最右翼として知られるブレイナードFRB理事が金融引き締めに積極的な姿勢を見せたことを受けて、米10年債利回りが一時2.5655%前後と2019年5月以来の高水準を更新した。全般ドル買いが優勢となり、123.67円まで値を上げた。ブレイナード氏はこの日の講演で『インフレは高過ぎる状況で、上振れリスクにさらされている』として、『利上げを着実に進める一方、バランスシートの縮小を5月にも開始する』との意向を表明した。『バランスシート縮小は前回のサイクル(2017-19年)よりも大幅に速いペースになるだろう』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加経済制裁の可能性が意識される中、ユーロ圏景気への悪影響を懸念したユーロ売りが先行した。FRB高官によるタカ派発言が相次ぐと、積極的な米金融引き締めが意識されてドル買いも活発化し、一時1.0900ドルと3月14日以来の安値を更新した。なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は『インフレを低下させるために、中立金利より金利を上げなければならない可能性』と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は『早ければ5月にもバランスシートの縮小を開始できる』と発言した。 

 

NY原油先物市場は反落:前日の大幅高の反動売りが優勢に

NY原油先物市場は99.88ドル-105.59ドルのレンジ相場となった。欧州連合(EU)がロシアに対する制裁の一つとして、ロシア産の石炭の輸入禁止を考えているということが報じられたこともあり、原油先物価格は堅調地合いを維持していた。しかしながら、昨日の大幅高の反動もあり、徐々に上値が重くなり前日比では反落して引けた。アジア市場の序盤で105.59ドルまで買われたが、ロンドン市場で利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。流動的なウクライナ情勢を警戒した買いが入ったものの、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で一時99.88ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1920.90-1948.90ドルのレンジ相場となった。避難通貨として金先物に買いが集まる場面があったが、FRB高官の相次ぐタカ派発言で米金利が上昇したことで、金先物には売りが入り反落して引けた。また、ドルがほぼ全面高となったことで、ドルで取引される金先物には割高感となったことも重しになった。新たな対露制裁の発動をにらんで、ニューヨーク市場の中盤にかけて1948.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、金先物は1920.90ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1925ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRB理事が金融引締めに積極姿勢示し売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)2.52%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.15%高い2.54%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官の中でハト派最右翼として知られるブレイナードFRB理事が金融引き締めに積極的な姿勢を示したことで、債券売りが広がった。利回りが一時2.5655%前後と2019年5月以来の高水準を付けた。

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2022/04/05/07:38:01

米国株式市場は上昇:ハイテクセクターの買いがけん引

NYダウは103.61ドル高の34921.88ドル、ナスダックは271.05ポイント高の14532.55ポイントで取引を終了した。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受け、欧米が対ロ制裁をさらに強化する姿勢を表明したため経済への影響を警戒し、寄り付き後は下落した。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者(CEO)が、投資家に向けてウクライナ戦争による業績への影響や今後数年、世界経済や地政学に主要な影響を与えると警告したことも嫌気され売り圧力となった。一方、ナスダック総合指数は堅調となった。中国の規制当局が上場している同国ハイテク企業の監査に関し情報を開示することに前向きな姿勢を見せたため、非上場が回避されるとの期待感から買い戻しがさらに加速した。その流れに連れて国内ハイテクセクターも一段高となり、相場全体を押し上げてNYダウも上昇に転じた。VIX指数は19.63から18.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロシアへの経済制裁の強化の思惑からユーロ売り

ユーロ/ドルは、ロシア軍がウクライナ市民を虐殺した疑いが浮上し、欧米でロシアに対する経済制裁の強化を求める声が強まると、ロシアと結びつきの強いユーロ圏経済への悪影響を懸念したユーロ売りが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.0961ドルと日通し安値を更新した。なお、ユーロ/豪ドルは一時1.4530豪ドル、ユーロ/NZドルは1.5757NZドル、ユーロ/ポンドは0.8362ポンド、ユーロ/カナダドルは1.3693カナダドル、ユーロ/スイスフランは1.0156スイスフランまで値を下げた。 

 

ドル/円は、一時は2.36%台まで低下した米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが先行し、122.96円と日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値123.03円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。 

 

NY原油先物市場は大幅に反発:流動的なウクライナ情勢を警戒した買い

NY原油先物市場は98.05ドル-103.94ドルのレンジ相場となった。先週に米政権が米戦略石油備畜(SPR)から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると公表したことで続落した原油先物は、アジア時間や欧州午前には軟調地合いが継続し98ドル台まで弱含んだ。しかし、連日の軟調な動きも徐々に収まり、買い戻しが入り103ドル後半まで反発するなど荒い値動きになった。また、欧米諸国がロシアに対して新たな制裁の導入を考えているとの相次ぐ発言もあり、エネルギー価格が全体的に強含み、米国の石炭価格も2008年以来の水準まで上昇した。アジア市の序盤から買いが入ったことで98.05ドルから100ドル台後半まで反発した。その後、99ドル台前半まで下げたものの、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡し、流動的なウクライナ情勢を警戒し高いが入ったことで上げ幅は拡大した。供給不安は払しょくされていないことから、通常取引終了後の時間外取引で103.94ドルまで上昇した。

 

NY金先物市場は反発:地政学リスクの高まりから安全資産としての買い

NY金先物市場は1918.20-1941.60ドルのレンジ相場となった。欧州入り後は弱含む場面もあったが、欧米諸国がロシアに対しての新たな制裁を導入する意向を示していることもあり、安全資産とされる金先物は小高く推移した。アジア市場で1918.20ドルまで売られたが、ウクライナとロシアの停戦協議は難航するとの見方が強まり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1941.60ドルまで買われた。ただ、米長期金利が底堅い動きを見せたことや米国株高を意識して上げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引では1930ドル台で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:インフレへの懸念から長期ゾーンに売り

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.42%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.39%で終了した。ウクライナ情勢を巡る懸念を背景に買いが先行したものの、米国株が底堅く推移すると徐々に弱含んだ。原油高でインフレへの懸念が強まったことも債券売りを誘った。 

 

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2022/04/04/03:01:01

米国株式市場は反発:新規投資の流入が下支えとなり買い優勢に

NYダウは139.92ドル高の34818.27ドル、ナスダックは40.98ポイント高の14261.50ポイントで取引を終了した。3月雇用統計が労働市場の強さを新たに証明したため、寄り付き後は上昇した。同時に、労働市場のひっ迫や賃金の予想を上回る伸びにより、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったことが警戒されたほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も浮上し、一時下落に転じた。しかし、第2四半期入りで新規投資が下支えとなり、再び上昇した。引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は20.56から19.63へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇幅を縮めると一転してドル売り優勢

ドル/円は、米労働省が発表した3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比43.1万人増と予想の49.0万人増を下回った一方、失業率が3.6%と前月から低下し予想よりも強い結果となった。米労働市場は引き続き回復しているとの見方からドル買いが優勢となり、一時123.03円と日通し高値を付けた。米10年債利回りが2.45%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。市場では『平均時給も前年比で予想を上回っており、賃金圧力が存在していることが示された。5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の利上げはほぼ確実になった』との声が聞かれたほか、『インフレがさらに加速すれば、6月FOMCでも0.50%の利上げが実施される可能性がある』との指摘があった。ただ、その後発表された3月米ISM製造業景気指数が57.1と予想の59.0を下回ったことが分かると、徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが2.35%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、122.46円付近まで下押しする場面があった。

 

ユーロ/ドルは、米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、失業率が約2年ぶりの水準まで改善した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを後押しする内容だったと受け止められ、全般ドル買いが優勢となり、一時1.1028ドルと日通し安値を更新した。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミストが『ユーロ圏のインフレ率は非常に高い』との認識を示したうえで、エネルギー価格の高騰による実質所得の悪化への懸念を表明し、『インフレ見通しが弱まれば、金融政策の姿勢を再考しなければならない』と述べたこともユーロの重しとなった。ただ、引けにかけては下げ渋る展開に。米長期金利が上昇幅を縮小したことを受けて、じりじりと下値を切り上げた。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。

 

NY原油先物市場は続落:米戦略石油備蓄放出や中国景気減速懸念から売り

NY原油先物市場は97.78ドル-101.75ドルのレンジ相場となった。引き続き昨日に米政権が米戦略石油備畜(SPR)から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると公表したことが重石となった。また、中国3月Caixin製造業PMIが約2年ぶりの低水準となり、中国景気減速によるエネルギー需要が減少するとの思惑も原油の上値を圧迫した。アジア市場で101.75ドルから97.78ドルまで下げたが、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡し、ニューヨーク市場で101.00ドルまで戻した。ウクライナ情勢は流動的であり、供給不安は払しょくされていない。通常取引終了後の時間外取引では99ドル台で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増kあの533基となった。

 

NY金先物市場は反落:利上げ観測強まり売り優勢に

NY金先物市場は1921.40-1944.50ドルのレンジ相場となった。米3月雇用統計は強弱まちまちも、労働市場の堅調が改めて示され、市場は5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bpの利上げをほぼ織り込み、金利がつかない金の魅力が低下し売りに押された。アジア市場で1944.50ドルまで買われたが、3月米雇用統計発表後に売りが強まり、一時、1921.40ドルまで下落した。ただ、安全逃避的な買いは一部で観測されており、1929.80ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1925ドルから1929ドルの水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:良好な米3月雇用統計受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)2.46%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い2.38%で終了した。3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、失業率は約2年ぶりの水準まで改善した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを後押しする内容だったと受け止められ、債券売りが広がった。なお、2年債利回りは一時2.4665%前後まで上昇し、10年債利回りを上回る『逆イールド』が一段と進んだ。

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2022/04/01/07:46:17

米国株式市場は下落:利益確定売りが優勢に

NYダウは550.46ドル安の34678.35ドル、ナスダックは221.75ポイント安の14220.52ポイントで取引を終了した。3月に入り急ピッチで上昇していただけに、月末・期末を迎えて利益確定目的の売りが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているコアPCE価格指数の2月分が1983年来で最大の伸びを記録する高インフレを警戒し、寄り付き後は下落した。さらに、ロシアによるウクライナ攻撃の勢いは弱まらず、停戦期待が後退したほか、景気後退入り懸念も浮上し、終日軟調に推移した。引けにかけ、月末、四半期末絡みの調整売りに下げ幅をさらに拡大した。VIX指数は19.33から20.56へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングに絡んだドル売り優勢

ユーロ/ドルは、プーチン露大統領はこの日、『非友好国』に指定した国や地域に対し、ロシア産天然ガスの取引代金を通貨ルーブルで支払うよう命じる大統領令に署名し、支払いが行われない場合は契約を停止すると明らかにした。ロシア産天然ガス供給への不透明感が高まり、ユーロ圏経済への悪影響を懸念した売りが優勢となった。
月末・期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると1.1133ドル付近まで持ち直す場面も見られたが、天然ガスの供給継続が不安視される中、戻りは鈍かった。フィキシング通過後はじり安の展開となり、5時前に一時1.1061ドルと日通し安値を更新した。 

 

ドル/円は、ユーロ/円中心にクロス円が下落するとドル/円にも売りが波及した。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りや、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが出ると、前日の安値121.32円を下抜けて一時121.21円まで値を下げた。ただ、フィキシングを通過するとドル売り圧力が後退したため、ドル/円は下げ渋る展開になった。対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受けたほか、市場では『本邦輸入企業の長期為替予約を消滅させたノックアウトレベルの121.50円が下値の目処として意識されている』との声も聞かれ、121.78円付近まで下げ渋った。なお、2月米個人消費支出(PCE)で米連邦準備理事会(FRB)が重要視するPCEコアデフレーターは前年比5.4%上昇と前月の5.2%上昇から加速し、1983年以来の伸び率を記録した。ただ、予想の5.5%上昇は下回ったことから、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:米国は戦略石油備蓄の追加放出発表で売り優勢

NY原油先物市場は99.66ドル-107.80ドルのレンジ相場となった。米政権が米戦略石油備畜(SPR)から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると公表したことを受けて供給懸念が後退し、原油相場は大幅下落した。英国も石油備蓄の放出計画に加わることを検討しているとの報道も伝わった。石油輸出機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する『OPECプラス』は追加増産の見送りを決定したが相場への影響は限られた。アジア市場で107.80ドルまで買われたが、米国が戦略石油備蓄を追加放出すると発表したことを受けて99.66ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では101ドルを挟んだ水準で推移している。

 

NY金先物市場は続伸:安全逃避的な買いが観測

NY金先物市場は1923.00-1955.00ドルのレンジ相場となった。ロシアのウクライナ侵攻が続くとの警戒感が安全資産の金の買いを後押しするなか、2月米個人消費支出(PCE)で米連邦準備理事会(FRB)が重要視するPCEコアデフレーターは前年比5.4%と1983年以来の伸び率を記録し、根強いインフレ高止まりへの警戒感も金の買いにつながった。アジア市場で1923.00ドルまで売られたが、ウクライナ情勢は引き続き流動的であり、安全逃避的な買いが観測された。米長期金利の低下や株安を意識してニューヨーク市場の終盤にかけて1955.00ドルまで上昇し、通常取引終了後の時間外取引では主に1940ドル台で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:ウクライナ情勢を巡る懸念強く買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.33%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.34%で終了した。ウクライナ情勢を巡る懸念が根強い中、米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

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2022/03/31/07:35:10

米国株式市場は下落:ロシアとウクライナの停戦期待後退で売り優勢

NYダウは65.38ドル安の35228.81ドル、ナスダックは177.36ポイント安の14442.27ポイントで取引を終了した。ロシアとウクライナの停戦交渉を巡り、ロシア側が『事態打開の進展なし』との見解を示したほか、引き続き攻撃を継続したため、停戦期待が後退し、寄り付き後は下落した。足もとで相場上昇が続いていただけに、目先の利益を確定する目的の売りが消費関連株やハイテク株に出た。国防省が『ロシアはキエフ周辺部隊を再編している』と発表すると、停戦への不透明感が広がりさらなる売り材料となった。また、景気後退入りの可能性への懸念も根強く、終日軟調に推移した。VIX指数は18.90から19.33へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ECBの早期利上げ観測からユーロ買いやや優勢

ユーロ/ドルは、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が『事前に資産買い入れを終了すればフォワードガイダンスに沿って9月と12月に利上げが可能』と述べるなど、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーからタカ派的な発言が相次ぐと、ユーロ買いが優勢となった。3月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を上回ったことで、ECBが早期の利上げを迫られるとの観測が強まった面もある。米10年債利回りが低下に転じたこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1171ドルまで値を上げた。ただ、NY午後に入ると1.11ドル台半ばで値動きが鈍った。ロシアは前日にウクライナの首都キエフでの軍事作戦縮小を発表したものの、南東部マリウポリなどではロシア軍による攻撃が継続した。ロシアの軍事作戦縮小への懐疑的な見方が広がり、『投資家は慎重姿勢を強めている』との声が聞かれた。 

 

ドル/円は、NY市場に限れば、121円台後半から122円台前半でのもみ合いに終始した。市場関係者からは『東京市場での値動きが激しくなっており、欧米市場の存在意義が希薄化した。ポジション調整の域を出なかった』との指摘があった。なお、この日発表の3月ADP全米雇用報告や10-12月期米国内総生産(GDP)確定値は『ほぼ予想の範囲内』との受け止めから、目立った反応は見られなかった。 

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:原油の供給懸念が再燃で買い優勢

 

NY原油先物市場は104.55ドル-108.75ドルのレンジ相場となった。ロシア・ウクライナの停戦期待が後退したことや、欧米がロシアに対する追加経済制裁を検討していることを手がかりに原油の供給懸念が再燃し反発した。米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫は344.9万バレルの取り崩しとなり、原油在庫が2018年9月以来の低水準となったことも原油の買いに拍車をかけた。アジア市場で104.55ドルまで下げたが、ロシアとウクライナの停戦協議は進展していないとの見方が強まり、反発した。主要産油国は5月も小幅な増産ペースの維持を決定する可能性は依然として高いことから、ニューヨーク市場の序盤にかけて108.75ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では107ドル台で推移している。

 

NY金先物市場は反発:安全逃避的な買いが勇勢に

NY金先物市場は1920.10-1943.40ドルのレンジ相場となった。昨日はロシア・ウクライナの停戦交渉が行われ、停戦合意への期待感が高まったものの、本日はロシアのウクライナへの攻撃が続いていると報じられ、ロシアの『攻撃縮小』の表明に懐疑的な見方が広がり、安全資産の金が買われた。為替相場でのドル安・ユーロ高もドル建ての金の買いを後押しした。アジア市場で1920.10ドルまで売られたが、ウクライナ情勢は引き続き流動的であり、安全逃避的な買いが観測された。ニューヨーク市場の中盤にかけて1943.40ドルまで上昇し、通常取引終了後の時間外取引では1940ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:ウクライナを巡る懸念が根強く買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.30%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い2.35%で終了した。ウクライナ情勢を巡る懸念が根強い中、米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

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