FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/05/25/07:18:45

米国株式市場は続落:米債務不履行や米金利上昇を警戒した売り

NYダウは255.59ドル安の32799.92ドル、ナスダックは76.08ポイント安の12484.16ポイントで取引を終了した。債務上限交渉が行き詰まり、債務不履行を警戒した売りに寄り付き後は下落した。マッカーシー下院議長が様々な点で依然隔たりがあると悲観的な見解を示すと売りに拍車がかかり、続落となった。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ続行を見込んだ金利上昇を警戒した売りも継続した。終日軟調に推移し戻りも鈍く終了した。また、4月英消費者物価指数(CPI)の上振れで、欧州でも高インフレが続くとの見方が強まり、主要な欧州株式相場が大幅に下落した。米株に売りが波及した面もあった。VIX指数は18.53から20.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇とともに全般ドル買い優勢に

ドル/円は、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『FRBが6月に利上げをするか見送るかはデータ次第』『今後のデータは6月の利上げを裏付ける可能性』『7月利上げが適切な政策となる可能性は十分ある』などと述べると米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行した。米債務上限問題を巡る与野党協議が進展せず、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避のドル買いも入り、一時139.48円と昨年11月30日以来約半年ぶりの高値を更新した。なお、米共和党交渉担当者の1人であるグレイブス下院議員はバイデン政権との債務上限問題を巡る交渉について『進展はない』などと発言した。もっとも、米債務上限問題を巡る交渉担当者の協議は現地時間正午(日本時間1時)に再開した。米共和党のマッカーシー下院議長は会見で『債務協議で依然として大きな隔たりはあるが妥結は可能』『デフォルトにはならない』『事態は少しずつ好転している』などと述べ、楽観的な見方を示した。

 

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが3.66%台まで低下したことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0801ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.0821ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。米国株相場の下落でリスク回避のドル買いが入ったほか、FRBが6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げを続ける可能性が意識されると米金利上昇とともにドル高が進み、1.0749ドル付近まで下押しした。なお、FRBがこの日公表したFOMC議事要旨(5月2-3日分)では『銀行セクターでのストレスが経済に与える影響について高い不確実性がある中、インフレ抑制に向けた追加利上げの必要性を巡り当局者の見解が分かれた』ことが明らかになったものの、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需給ひっ迫の警戒感から買い優勢に

NY原油先物市場は73.13ドル‐74.73ドルのレンジ相場となった。来月4日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合で、追加減産が表明される可能性への警戒感から買いが継続した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で、原油とガソリン在庫が予想以上に減少したのも買いを後押した。米国市場の前半に74.73ドルまで買われた後、ドル高や株安を嫌気して73.13ドルまで反落した。しかしながら、将来的な需給ひっ迫の思惑は残されており、通常取引終了後の時間外取引では主に74ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利高とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1958.40‐1987.90ドルのレンジ相場となった。今週に入って米連邦準備制度理事会(FRB)高官らのタカ派発言が相次ぎ、米長期金利の上昇とドル高が続いており、金利を生まないドル建ての金は売りに押されている。ただ、下押し局面では米債務上限問題をめぐる協議への懸念で安全資産の金を買う動きも見られた。米国市場の序盤にかけて1987.90ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を意識した売りが強まり、一時1958.40ドルまで下落。ただ、その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1962ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米金融引き締め長期化観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)4.39%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.74%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言が相次ぐ中、米金融引き締め長期化観測が高まり債券売りが広がった。

 

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2023/05/24/07:18:46

米国株式市場は下落:米債務上限交渉の不透明感から売り優勢に

NYダウは231.07ドル安の33055.51ドル、ナスダックは160.53ポイント安の12560.25ポイントで取引は終了した。債務上限交渉への警戒感に寄り付き後は下落した。マッカーシー下院議長の『合意ないが、いままでにない進展』との楽観的見解を好感し一時下落幅を縮小した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ続行を見込んだ金利上昇も売り材料になり上値を抑制した。債務上限交渉関係者の依然かなりの隔たりがあるとの見解が報じられると不透明感が広がり、終盤にかけ下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は17.21から18.53へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB高官のタカ派発言がドル下支え

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の5月ユーロ圏製造業PMI速報値が予想を下回り、3年ぶりの低水準となったことを受けてユーロ売り・ドル買いが優勢となった。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が『インフレ率が高止まりした場合、追加利上げが必要となる可能性』と述べたことも相場の重しとなり、一時1.0760ドルと19日の安値に面合わせした。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『ECBの金利は十分に制限的な水準に達する見通し』『ECBは金利を必要な限り制限的な水準で維持する』と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は『インフレ抑制のため、ECBはあと数回利上げする必要』などと発言したものの、相場の反応は限られた。

 

ドル/円は、米10年債利回りが一時3.7572%前後と3月10日以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いが先行した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて全般ドル買いが強まると、一時138.91円と昨年11月30日以来約半年ぶりの高値を更新した。ただ、節目の139.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため上げ幅を縮めた。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、138.29円付近まで下押しする場面があった。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫懸念から買い優勢に

NY原油先物市場は71.71ドル‐73.76ドルのレンジ相場となった。原油の需給ひっ迫懸念を背景に買いが優勢となった。来月4日に石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合で追加減産を表明する可能性への警戒感も買いを後押した。アジア市場で71.71ドルまで売られたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないこと、米長期金利の低下を意識して一時73.76ドルまで買われた。ただ、株安を嫌気して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に73ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は小幅続落:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1955.80‐1980.00ドルのレンジ相場となった。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したことを受けて米長期金利が上昇し、ドルが対ユーロで買われ、金利を生まない資産でありドル建ての金は売りに押された。ロンドン市場で1955.80ドルまで売られたが、ドル高を意識した売りは一巡し、米国市場の後半にかけて1980.00ドルまで戻した。ただ、その後は上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1977ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:持ち高調整目的の買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)4.31%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い3.69%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて売りが先行した。利回りは一時3.7572%前後と3月10日以来の高水準を付けた。ただ、米国株相場の下落に伴う買いが入ると上げに転じた。足もとで相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いも入りやすかった。

 

米リッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス幅拡大:US Dashbosrd

23日に米リッチモンド連邦準備銀行が発表した5月の製造業景況指数はマイナス15と市場予想のマイナス9を下回り、4月のマイナス10から一段と悪化した。新規受注がマイナス29と前月比で9ポイント悪化し、出荷もマイナス13と同6ポイント悪化したことが主因である。一方、雇用者数は5と4月のゼロから改善した。6月1日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する5月の製造業景況感指数は4月と横ばいの47.1と予想されているが、リッチモンド指数をISMペースに換算すると4月の47.9から5月は45.9へと悪化しており、ISM指数の下振れを意識する市場参加者もいそうだ。

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2023/05/23/07:14:00

米国株式市場はまちまち:米債務上限交渉を控え様子見ムード強まる

NYダウは140.05ドル安の33286.58ドル、ナスダックは62.88ポイント高の12720.78ポイントで取引を終了した。バイデン大統領と下院議長の債務上限交渉再開を控えた期待観に寄り付き後は上昇した。その後、下院議長が交渉に悲観的な見方を示したほか、連邦準備制度理事会(FRB)高官が利上げ継続する必要性を主張したため金利高警戒感も強まりNYダウは売りに転じた。終盤にかけて、交渉を控えた様子見気配が強まり、売りが一段落した。ハイテクは終日、堅調に推移し、まちまちで終了した。VIX指数は16.81から17.21へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅い展開

ドル/円は、ブラード米セントルイス連銀総裁が『年内に政策金利をさらに0.50%引き上げる必要があるかも知れない」と述べたことを手掛かりに円売り・ドル買いが先行し、一時138.66円まで値を上げた。その後、『米国防総省(ペンタゴン)近くで大規模爆発が起こった』との一部報道が伝わると、リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり一時138.01円付近まで下落したものの、ペンタゴン付近で爆発や火災が発生した事実はなく、SNS上で出回った虚偽のニュースだったことが明らかになると一転買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが3.7264%前後と3月13日以来の高水準を付けたことも相場の支援材料となり、138.69円と日通し高値を更新した。ただ、前週末の高値138.73円や18日に付けた年初来高値138.75円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。NY中盤以降は米債務上限引き上げを巡る交渉の行方を見極めたいとのムードが強まり、徐々に値動きが鈍った。

 

ユーロ/ドルは、米債務上限引き上げを巡る交渉の行方に注目が集まる中、積極的な取引は手掛けにくく、値動きは限定的だった。今日の安値は1.0796ドル、高値は1.0831ドルで値幅は0.0035ドル程度だった。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫の思惑残り買い優勢に

NY原油先物市場は70.67ドル₋72.53ドルのレンジ相場となった。米債務上限問題をめぐる協議に注目が集まるなか値幅は限られ、持ち高調整が中心となり、小反発して取引を終えた。アジア市場で70.67ドルまで売られたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないため、米国市場の後半にかけて72.53ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を意識した売り

NY金先物市場は1970.70‐1984.80ドルのレンジ相場となった。本日も米連邦準備制度理事会(FRB)高官らのタカ派発言が伝わる中、米長期金利が上昇し、金利を生まない金は売りが優勢となった。ただ、米債務上限問題をめぐる協議を見極めたいこともあって下押しも限られた。ロンドン市場で1984.80ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが強まり、米国市場の中盤にかけて1970.70ドルまで反落。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1975ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRB高官のタカ派発言受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)4.33%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%3.71%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて、米金融引き締め長期化観測が高まると債券売りが優勢となった。利回りは一時3.7264%前後と3月13日以来の高水準を付けた。

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2023/05/22/00:00:28

米国株式市場は反落:米債務不履行懸念と米地銀への懸念再開で売り

NYダウは109.28ドル安の33426.63ドル、ナスダックは30.94ポイント安の12657.90ポイントで取引を終了した。債務上限問題の解決期待を受けた買いが続き、寄り付き後は上昇した。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに慎重な考えを示し6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退したが、債務交渉が中断されたことが報じられ債務不履行懸念再燃で大きく売りに転じた。さらに、イエレン財務長官がさらなる銀行合併が必要になるかもしれないと大手銀の幹部に伝えたとの一部報道を受け地銀への懸念も再燃し、終盤にかけて一段安となり終了した。VIX指数は16.05から16.81へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル下げ渋る

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時3.7186%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行し、一時138.65円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値138.73円や前日に付けた年初来高値138.75円がレジスタンスとして働くと失速した。米債務上限問題を巡る米政府と野党共和党の交渉について『共和党の交渉担当者が突然退席し、交渉が行き詰まっている』との報道が伝わると、米国株相場の失速とともにリスク回避の円買い・ドル売りが活発化した。イエレン米財務長官が銀行幹部らに『一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性がある』と警告したことも投資家心理の悪化につながり、一時137.43円と日通し安値を更新した。もっとも、前日の安値137.29円や200日移動平均線が位置する137.10円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。米10年債利回りが再び上昇に転じたことも相場の支援材料となり、138.14円付近まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が『政策金利は依然として持続的に高水準である必要』と述べたほか、シュナーベルECB専務理事が『金利についてまだやるべきことがある』『金利を十分に景気抑制的な水準にする』と発言すると、ECBの利上げ継続観測が改めて意識されてユーロ買い・ドル売りが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『信用不安を考慮すると、政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれない』と発言したこともドル売りを促し、一時1.0829ドルと日通し高値を更新した。ただ、米長期金利の上昇基調が継続したことから、引けにかけては伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は続落:米株安と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY原油先物市場は71.18ドル‐73.58ドルのレンジ相場となった。米債務上限問題を巡る不透明感から株価下落とともに売りが強まった。米国市場の序盤にかけて73.58ドルまで買われたが、株安や米長期金利の上昇を意識した売りが増えたことでポジション調整に絡んだ売りが増えた。一時71.18ドルまで反落し、通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:リスク回避ムードから買い優勢に

NY金先物市場は1956.30‐1987.40ドルのレンジ相場となった。米債務上限を巡る交渉が難航しているとの見方からリスク回避ムードが高まると、安全資産とされる金に買いが集まった。アジア市場で1956.30ドルまで売られたが、ドル高進行を意識した売りは一巡し、米国市場の中盤にかけて1987.40ドルまで反発した。その後は上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1978ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:売り先行後に米債務上限問題の再懸念から買い戻し

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずで終了した。米2年債利回りは前営業日比変わらずの4.26%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)3.67%で終了した。前日に米金融引き締めの長期化観測が強まったほか、米債務上限問題を巡り与野党が合意できるとの楽観的な見方が広がり、債券売りが先行した。利回りは一時3.7186%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けた。ただ、債務上限を巡る与野党協議が『中断した』と伝わると債券を買い戻す動きが広がり下値が堅くなった。

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2023/05/19/07:03:28

米国株式市場は続伸:米債務上限交渉の妥結期待から買い優勢に

NYダウは115.14ドル高の33535.91ドル、ナスダックは188.27ポイント高の12688.84ポイントで終了した。週次失業保険申請件数の減少を受けて追加利上げ観測が強まり、金利高を警戒した売りに寄り付き後は下落した。その後、マッカーシー議長が来週にも下院で債務上限問題を討議する見通しを示すと債務上限交渉の妥結期待が強まり、相場は上昇に転じた。ハイテクは値ごろ観からの買いが続き終日堅調に推移し相場を支援。終盤にかけて上昇幅を拡大し終了した。VIX指数は16.87から16.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米利上げ継続観測から米長期金利上昇でドル買い

ドル/円は、5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことをきっかけに、全般ドル買いが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するローガン米ダラス連銀総裁が『現在のデータは利上げ停止を正当化しない』と発言したこともドル買いを促し、一時138.75円と昨年11月30日以来の高値を更新した。ブラード米セントルイス連銀総裁が『インフレに対する保険政策として利上げを続けることを支持する』と述べたことも相場の支援材料となった。米債務上限問題を巡る与野党協議が進展するとの期待から米国株が底堅く推移したことも投資家心理の改善につながり、円売り・ドル買いを誘った。米共和党のマッカーシー下院議長は『(債務上限交渉)合意に至る道筋が見えている』と述べ、来週にも下院で採決できるとの見方を示したほか、シューマー米上院院内総務(民主党)も『下院通過後速やかに上院でも採決する』との考えを示した。

 

ユーロ/ドルは、米経済指標の上振れや米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて、FRBが6月も利上げを継続するとの観測が改めて浮上した。米金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、一時1.0763ドルと3月27日以来の安値を付けた。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、6月13-14日のFOMCでは0.25%の利上げ確率が約38%まで上昇し、据え置きの確率が約62%まで低下した。

 

米原油先物市場は反落:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は71.42ドル‐72.87ドルのレンジ相場となった。米利上げ停止観測の後退から対ユーロなどでドル高が進むと、ドル建てで取引される原油の割高感が意識され、売られる展開となった。ロンドン市場で72.87ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが増えたことで米国市場の後半にかけて71.42ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1954.40‐1988.80ドルのレンジ相場となった。良好な米経済指標や相次ぐ米当局者からのタカ派発言を受けて米長期金利がこの日も大幅に上昇。金利を生まない金には売りが集まった。アジア市場で1988.80ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を意識した売りが強まり、米国市場の中盤にかけて1954.40ドルまで下落。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1960ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:良好な経済指標とタカ派発言受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した米2年債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)4.26%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.65%で終了した。米経済指標の上振れや米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて、FRBが6月も利上げを継続するとの観測が改めて浮上すると債券売りが広がった。利回りは一時3.6553%前後と約2カ月ぶりの高水準を記録した。

 

米中古住宅販売は2ヵ月連続で減少:US Dashbosrd

全米不動産協会(NAR)が18日発表した4月の米中古住宅販売件数は428万戸と前月から3.4%減った。減少は2ヵ月連続で、市場予想430万戸を下回った。中古住宅販売価格の中央値は38万8800ドルと前月から上昇したが、1年前より1.7%下落した。NARは「住宅販売は一進一退を繰り返しているが、最近の循環的な低水準を上回っている」と指摘した。「ここ数カ月の住宅ローン金利の変動や、低水準の在庫が影響した」と分析した。

 

メキシコ中銀は政策金利を11.25%に据え置き:予想通り

※中銀声明

・「今回の決定は前回一致」

・「労働市場は強い状態」

・「ヘッドラインのインフレは低下し続けているが、まだ高い水準」

・「経済はディスインフレプロセスに入ったと考えられる」

・「政策金利を現在の水準で長期間維持する必要がある」

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