FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/05/18/07:02:59

米国株式市場は反発:金融不安や景気後退懸念の緩和から買い優勢に

NYダウは408.63ドル高の33420.77ドル、ナスダックは157.51ポイント高の12500.57ポイントで取引を終了した。米地銀ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションが預金残高の増加傾向が続いたことを明らかにすると、地方銀行株が全般上昇した。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど大手金融にも買いが波及した。また、4月住宅着工件数の増加で、景気後退懸念も緩和しさらに相場を押し上げた。さらに、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が債務不履行回避を確信していると発言すると、債務上限問題の解決期待に買い戻しに拍車がかかった。終盤にかけて上げ幅を拡大して終了した。VIX指数は17.99から16.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:米債務上限問題を巡る進展期待からドル買い優勢

ドル/円は、NY勢参入後も日経平均先物とともにドル円を買う動きが継続した。市場では『200日移動平均線が位置する137.07円を上抜けたことで、テクニカル的にも買いが入りやすい』との声が聞かれ、一時137.71円と日通し高値を更新した。米国の債務上限問題を巡る与野党協議が進展するとの期待から米国株相場が上昇したことも相場の支援材料となった。NYダウは一時460ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比480円高の3万0540円まで買われる場面があった。なお、バイデン米大統領はこの日の会見で『(債務上限交渉)合意に自信』『米国はデフォルト(債務不履行)に陥らないと確信』『合意に達するまで議論を続ける』と述べたほか、米共和党のマッカーシー米下院議長はインタビューで『最終的に米国がデフォルトに陥ることはない』『今週内の合意は実行可能』と明言した。

 

ユーロ/ドルは、独長期金利が低下した一方、米長期金利が上昇すると欧米金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが進み、一時1.0810ドルと4月3日以来の安値を付けた。ただ、節目の1.0800ドル手前では下げ止まった。ユーロ円の上昇につれた買いも入り、1.0849ドル付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は反発:連邦債務上下引き上げへの期待高まる

NY原油先物市場は70.04ドル‐73.26ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)が今年後半の需要が増加する見通しを発表したことが引き続き相場の支援材料となった。米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計で原油の在庫が大幅に増加したことで失速する場面があったが、下値は限られたアジア市場で70.04ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことで米国市場の後半にかけて73.26ドルまで一段高となった。バイデン米大統領は17日、連邦債務上限問題を巡って共和党との間で合意が成立すると確信していると述べたことが材料視されたようだ。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高・米株高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1978.10‐1997.00ドルのレンジ相場となった。米当局者からの相次ぐタカ派的な発言を受けて、米利下げ期待が後退していることが引き続き金の重しとなった。アジア市場の序盤で1997.00ドルまで買われたが、ドル高や株高を意識した売りが強まり、米国市場の前半にかけ1978.10ドルまで一段安となった。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1986ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:リスク選好の動きから売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.16%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い3.56%で終了した。米債務上限問題を巡る楽観的な見方が広がる中、米国株相場が上昇すると相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。バイデン米大統領はこの日開いた会見で『米国はデフォルトに陥らないと確信』『交渉担当者は本日も会合を開く』『海外滞在中もマッカーシー氏と緊密に連絡を取る』と述べたほか、21日には記者会見を行うと表明した。

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2023/05/17/07:17:50

米国株式市場は反落:米追加利上げ観測強まり売り優勢に

NYダウは336.46ドル安の33012.14ドル、ナスダックは22.15ポイント安の12343.05ポイントで取引を終了した。4月小売売上高や連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受け追加利上げ観測が強まり、金利高を警戒した売りに寄り付き後は下落した。バイデン大統領と、議会指導者との債務上限交渉の再開も速やかな合意は不可能との悲観的な見方も重しとなり、続落となった。終盤にかけて下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は17.12から17.99へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、。4月米小売売上高が予想を下回ったことが分かると一時135.69円と日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせしたものの、前日の安値135.59円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。その後発表された4月米鉱工業生産や5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったことが明らかになると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが活発化した。前日の高値136.32円や3日の高値136.63円を上抜けて一時136.68円まで上値を伸ばした。メスター米クリーブランド連銀総裁が『金利は十分に制限された水準にない』と述べたほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁が『インフレを引き下げるために必要なら一段の利上げを実施することに抵抗はない』と発言したこともドル買いを誘った。ただ、米長期金利が上昇幅を縮めると徐々に上値が重くなった。米債務上限問題を巡る先行き不安からNYダウが一時340ドル超下落したことも相場の重しになった。なお、バイデン米大統領はG7広島サミット出席後に予定していた豪州とパプアニューギニア訪問を取りやめ、債務上限を巡る協議のため21日に米国に戻ると伝わった。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の5月独ZEW景況感指数が予想を下回り、2022年12月以来5カ月ぶりの低水準を記録すると、独景気への警戒感からユーロ売りが先行した。米経済指標の上振れで米金利が上昇するとユーロ売り・ドル買いがさらに強まり、一時1.0855ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:米長期金利高と米株安を嫌気した売り

NY原油先物市場は70.45ドル‐71.79ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)が世界の石油需要見通しを上方修正したことを受けて買いが強まる場面があったが、一巡後は利食い売りに押されるなど総じて方向感がなかった。アジア市場で71.79ドルまで買われたが、米国市場の後半にかけて70.45ドルまで下落した。米長期金利の上昇や株安を意識した売りが観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に70ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1989.10‐2022.70ドルのレンジ相場となった。米長期金利が大幅に上昇したことを受けて金利を生まない金は売りが優勢となり、約2週間ぶりに節目の2000ドルを割り込んだ。アジア市場の序盤で2022.70ドルまで買われたが、米長期金利が下げ渋ったことを受けて反落。米国市場の後半にかけて節目の2000ドルを下回り、一時1989.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1994ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.07%高い4.07%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.54%で終了した。4月米鉱工業生産や5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったことで債券売りが優勢となった。『米製薬大手ファイザーは米社債史上4番目の規模となる総額310億ドル相当を起債』との報道が伝わると、需給の緩みを意識した売りも出た。

 

米住宅市場指数は10カ月ぶりに50を回復:US Dashbosrd

全米住宅建設業協会(NAHB)が16日発表した5月の住宅市場指数は50となり、2022年7月以来、10カ月ぶりに好不況の境目となる50を回復した。同指数は、住宅建設業者などNAHB会員を対象に今後6カ月間の住宅の販売活動の見通しを指数化したもので、50を上回ると新築住宅市場を『好調』、下回ると『不調』と見ていることを示す。NAHBは「現在より金利大幅に低い住宅ローンで購入した住宅所有者が売却を手控えているため、中古住宅の供給が非常に低い水準にとどまっていることが新築住宅の好調につながっている」と述べていた。

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2023/05/16/07:23:07

米国株式市場は反発:債務上限交渉を控え買い戻し強まる

NYダウは47.98ドル高の33348.60ドル、ナスダックは80.47ポイント高の12365.21ポイントで取引を終了した。バイデン大統領が債務上限交渉を巡り『妥結は可能』と言及したことを受け期待観から、寄り付き後は上昇した。しかし、5月NY連銀製造業景気指数が前月から大幅に悪化したため景気減速を警戒した売りが強まったほか、アトランタ連銀のボスティック総裁やミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がインフレが高過ぎるため追加利上げの可能性にも言及したため金利高を警戒した売りに下落に転じた。終盤にかけては、大統領と議会指導者との債務上限交渉を明日に控え、買戻しが強まりプラス圏を回復して終了した。VIX指数は17.03から17.12へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からドルは底堅い展開

ドル/円は、5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲31.8と予想の▲2.5を大幅に下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行し、一時135.71円付近まで値を下げた。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値135.59円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米利上げ停止観測が後退する中、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると136.20円付近まで持ち直した。もっとも、NY中盤以降は136円台前半で値動きが鈍った。米債務上限問題の行方や明日公表される米小売指標の結果を見極めたいとの思惑から、積極的な売買は手控えられた。なお、バイデン米大統領は連邦政府の借入限度額である『債務上限』の引き上げを巡り、議会指導部と明日16日に改めて会談するとの見通しを示した。

 

ユーロ/ドルは、米経済指標の下振れをきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると、一時1.0891ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると1.0864ドル付近まで押し戻された。ただ、そのあとはドル/円と同様に米債務上限問題の行方を見極めたいとの思惑から、積極的な売買は手控えられた。

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反発:需給ひっ迫懸念も買い材料

NY原油先物市場は69.41ドル‐71.69ドルのレンジ相場となった。米国が戦略石油備蓄の補充開始を計画していることが支えとなったほか、カナダでの山火事で原油の生産が停止されたことによる需給ひっ迫懸念も買い材料視された。アジア市場で69.41ドルまで下げたが、米国市場の後半にかけて71.69ドルまで買われた。米株高を意識した買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:米長期金利上昇が重しに

NY金先物市場は2011.20₋2027.50ドルのレンジ相場となった。外国為替市場で対資源国通貨を中心にドル安が進んだ影響から、ドル建てて取引される金の割高感が後退し買いが強まった。もっとも、米長期金利が上昇したため金利を生まない金には重しとなった。アジア市場の序盤で2011.20ドルまで下落したが、市場で2005.70ドルまで下げた後、米国市場の前半にかけて2027.50ドルまで買われた。ただ、その後は株高や米長期金利の上昇を意識した売りが増えたことで上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に2020ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:根強いインフレ懸念から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.00%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.50%で終了した。5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大きく下回ったことを受けて債券買いが先行したものの、根強いインフレ懸念から債券を売る動きが広がると下げに転じた。

 

3月のユーロ圏鉱工業生産は急減

15日に発表された3月のユーロ圏の鉱工業生産は前月比4.1%低下と市場予想の2.2%低下を下回った。前年同月比でも1.4%低下と市場予想0.9%上昇を下回った。資本財の生産が前月比で15.4%と大幅に減少し、前年同月比でも2.1%減少した。変動の激しいアイルランドの鉱工業生産が前月比で26.3%減、前年同月比でも26.1%減少しており、同国の生産減が主因とみられる。外為市場では同指数が市場予想を大きく下回ったことで、ユーロ圏経済の悪化を意識する動きがみられた。しかし、欧州連合(EU)統計局によると、アイルランド中央統計局は鉱工業生産の季節調整の算出方法を見直しており、積極的にユーロ圏経済の悪化を織り込むには慎重な見方もある。


 

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2023/05/15/03:00:57

米国株式市場は下落:米債務不履行懸念が強まり続落

NYダウは8.89ドル安の33300.62ドル、ナスダックは43.76ポイント安の12284.74ポイントで終了した。地銀セクタ―が下げ止まり、安心感に買われ、寄り付き後は上昇した。その後、5月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を大幅に下回り景気減速懸念が強まり下落に転じた。同時に、同指数の長期期待インフレ率が予想外に上昇し2011年以降で最高に達したため6月の利上げ停止期待が後退し、金利高に連れた売りがさらに相場を押し下げた。さらに昼にかけて、債務上限問題を巡るバイデン大統領とマッカーシ下院議長の本日の会合延期が発表されると債務不履行懸念も強まり続落した。終盤にかけ、両者の電話会談や来週の会合が明らかになり警戒感が緩和し下げ幅を縮小して終了した。VIX指数は16.93から17.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:期待インフレ率上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、米ミシガン大学が発表した5月消費者態度指数(速報値)は57.7と予想の63.0を下回ったものの、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると米金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化した。10日の高値135.47円を上抜けて一時135.76円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.71と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。なお、米消費者の期待インフレ率は1年先が4.5%と予想の4.4%を上回ったほか、5年先が3.2%と予想の2.9%を上回り、2011年以来の高水準を記録した。

 

ユーロ/ドルは、米消費者のインフレ期待が予想を上回ったことが伝わると米金利の上昇とともに全般ドル買いが進行し、一時1.0848ドルと4月10日以来約1カ月ぶりの安値を更新した。市場では『根強いインフレ懸念から、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を高水準で据え置くとの見方が増えている』との声が聞かれた。

 

ポンド/ドルも全般ドル高が進んだ流れに沿って、一時1.2445ドルまで値を下げた。ベイリー英中銀(BOE)総裁が前日に『利上げを一時停止できる時期に近づいている』との見解を示したことで英利上げ休止観測が浮上し、ポンド売りを促した面もあった。

 

NY原油先物市場は3日続落:米中景気減速懸念の高まりが重し

NY原油先物市場は69.93ドル‐71.78ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル高が進んだことを受け、ドル建てで決済される原油価格の割高感を背景にした売りが出た。主要なエネルギー消費国である米・中の景気減速懸念が高まっていることも相場の重しになった。米国市場の中盤にかけて71.78ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが増えたことで一時69.93ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に70ドル台で推移。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:ドル高が相場の重しに

NY金先物市場は2005.70₋2027.80ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル高が進んだ影響から、ドル建てで取引される金の割高感を意識した売りが先行した。一方で、米債務上限問題を巡る不透明感が安全資産とされる金相場を下支えした。ロンドン市場で2005.70ドルまで下げた後、米国市場の序盤にかけて2027.80ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが増えたことで2013.30ドルまで反落した。ただ、この水準で押し目買いも観測されており、下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に2016ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRBの金融引き締め長期化観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)3.99%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.46%で終了した。米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。

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2023/05/12/07:01:27

米国株式市場はまちまち:米金融システム不安再燃から売り優勢に

NYダウは221.82ドル安の33309.51ドル、ナスダックは22.07ポイント高の12328.51ポイント高の12328.51ポイントで取引を終了した。地銀パックウェスト(PACW)の預金減少を受け金融不安が再燃し、寄り付き後は大幅下落した。日中も同セクターの下落が相場全体を押し下げ軟調に推移した。シリコンバレー銀破綻による損失を埋めるため、連邦預金保険公社 (FDIC)が大手銀に対し多額の追加負担を求める計画だとの報道も金融の懸念材料となり、下げ幅を拡大した。ただ、4月生産者物価指数(PPI)が予想を下回ったため金利先高観の後退でハイテクの買いが続き相場を支援した。ナスダック総合指数はプラス圏を回復し、まちまちで終了した。VIX指数は16.94から16.93へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米債務上限問題や金融不安からリスク回避のドル買い

ユーロ/ドルは、米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、NYダウが一時400ドル超下落するとリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.0900ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.0929ドル付近にとどまった。なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、『サービスインフレを懸念』『追加利上げの可能性がある』『将来の利上げ規模はデータと信用状況に依存』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

ドル/円は、米地銀パックウエスト・バンコープの預金が約1割流出していたことが判明すると時間外のNYダウ先物の下落や米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行した。『米連邦預金保険公社(FDIC)が預金保険基金に関する発表を本日行う予定』との報道が伝わると134.63円付近まで瞬間的に反発したものの、戻りは限定的だった。4月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い内容となったことで再び売りが強まると、一時133.75円と日通し安値を更新した。ただ、4日の安値133.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだ影響も受けて、一時134.59円付近まで持ち直した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.15まで上昇した。

 

南アフリカランドは対円で一時6.92円と2021年1月以来の安値を付けたほか、対ドルで19.3413ランドと20年4月以来の安値を更新した。株安を背景に投資家のリスク回避の姿勢が強まる中、ランドを含めた新興国通貨への売りが強まったほか、『米国は南アがロシアへ兵器を供給していると非難』との一部報道が嫌気された。

 

NY原油先物市場は続落:リスク回避のドル高を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は70.63ドル‐73.50ドルのレンジ相場となった。米債務上限問題や金融システム不安などを背景に景気後退懸念が高まるなか、リスク回避目的の売りに押された。さえない米経済指標の発表が相次いだことも相場の重しになった。ロンドン市場で73.50ドルまで買われたが、米国市場の中盤にかけて70.63ドルまで反落した。戦略石油備蓄補充に絡んだ買いは一巡しており、ユーロ安も嫌気され、原油先物は伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引では主に71ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高・ユーロ安を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は2016.70₋2047.60ドルのレンジ相場となった。外国為替市場で対欧州通貨などを中心にドル買いが進んだことを受け、ドル建てで取引される金相場の割高感が意識された。米国市場の序盤にかけて2047.60ドルまで買われた後、ユーロ安を嫌気した売りが入ったことで2016.70ドルまで反落した。しかしながら、米長期金利の低下を受けて2027.80ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に2020ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:リスク回避と米経済指標の弱い結果を受け買い優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年債利回りは前営業日比変わらずの3.91%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)3.38%で終了した。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。4月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い内容となったことも債券買いを促した。

 

米失業保険申請件数は2種連続増加:US Dashbosrd

11日に発表された4月30日~5月6日の週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の26万4000件と市場予想の24万5000件を上回った。2週連続の増加で、2021年10月以来の高水準となった。労働市場の動向をより正確に反映するとされる4週間移動平均も24万5250件と前週比で6000件増加し、基調としての増加が示された。季節調整前の実数でも23万4084件と前週比で1万3969件増加した。米連邦順理事会(FRB)による累積的な利上げの効果が、労働市場にも波及し始めたと指摘された。

4月23日~29日の週間の総受給者数は181万3000人と前週比で1万2000人増加した。

 

米PPIは鈍化傾向が鮮明となり2年ぶり低水準:US Dashbosrd

11日に発表された4月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と市場予想の0.3%上昇を下回った。同年同月比でも2.3%上昇と市場予想の2.5%上昇を下回り、上昇率は10カ月連続で鈍化し2021年1月以降で最小となった。変動の激しい食品、エネルギー、運輸を除いたコアPPIでは前月比0.2%と3月の0.1%上昇からわずかに加速したものの、前年同月比では3.4%上昇と3月の3.7%上昇から上昇率を縮めた。

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