FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/06/29/07:15:23

米国株式市場はまちまち:米金融引き締めの長期化懸念が重し

NYダウは74.08ドル安の33852.66ドル、ナスダックは36.08ポイント高の13591.75ポイントで取引を終了した。パウエル議長が欧州中央銀行(ECB)フォーラムでの討論会で追加利上げを示唆したため警戒感から売られ、寄り付き後は下落した。同時に、議長がリセッションが最も高い可能性のシナリオだとは思わないと経済の柔軟性を強調すると相場は下げ止まった。NYダウは終日軟調推移となったが、ハイテクの買戻しが続きナスダック総合指数はプラス圏を回復し相場を引き続き支援し終了した。VIX指数は13.74から13.43へ低下した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の違いが意識され円売り優勢に

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がポルトガルのシントラで開催中の欧州中央銀行(ECB)フォーラムで『大半の当局者は年内にあと2回の利上げを見込んでいる』『(7月、9月の)連続利上げの可能性を選択肢から排除しない』と述べた一方、植田日銀総裁は『基調的インフレ率が目標の2%を下回っているため、金融緩和を続けている』と述べ、緩和維持の正当性を主張した。日米金融政策の違いが改めて意識されると円売り・ドル買いが優勢となり、一時144.62円と昨年11月以来の高値を付けた。ただ、買い一巡後はやや伸び悩んだ。政府・日銀が昨年9月、24年ぶりに円買い介入を実施した水準である145円に接近したことで介入への警戒感が強まった。市場では『チャート上で重要なポイントである2022年10月27日の安値145.11円がレジスタンスとして意識されている』との声も聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、欧州債利回りの低下などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行した。市場では『月末・四半期末を控える中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された』との指摘もあり、一時1.0897ドルと日通し安値を更新した。ただ、フィキシング通過後は1.09ドル台前半で下げ渋った。米10年債利回りが3.70%台まで低下したことも相場を下支えした。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫懸念から買い優勢に

NY原油先物市場は67.05ドル‐69.73ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫が大きく減少したことで需給ひっ迫懸念から買いが優勢となった。ロンドン市場の序盤にかけて67.05ドルまで売られたが、米国市場では供給超過の懸念は後退したことで69.73ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引でも69ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は小幅に続落:米長期金利低下が下支え

NY金先物市場は1911.40‐1926.10ドルのレンジ相場となった。対ユーロなどでドル高が進んだため、ドル建てで取引される金の割高感が意識された。一方で、米長期金利が低下したため、金利を生まない金には下支え要因となった。アジア市場で1926.10ドルまで買われたが、米国市場の序盤にかけて1911.40ドルまで反落した。ドル高が嫌気された。通常取引終了後の時間外取引では主に1920ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:金融引き締め長期化から景気への懸念から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.72%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い3.71%で終了した。米金融引き締め長期化による景気悪化への警戒から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。7年債入札が「好調」と受け止められたことも相場の支援材料となった。

 

パウエル議長は連続利上げを選択肢から外さない:ECBフォーラム

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日、欧州中央銀行(ECB)主催の国際金融会議「ECBフォーラム」のパネル討議に参加した。利上げを1会合おきに実施するかと聞かれ、その可能性もあるが「連続で実施することを選択肢から決して外さない」と答えた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では11会合ぶりとなる政策金利の据え置きを決めたが、政策金利見通しは年内に2回の0.25%の追加利上げが適切との見方が示されていた。パウエル議長は「労働市場は非常に強い」と述べ、インフレについて「我々が想定していたよりもしつこいことがわかった」との認識を示し、政策目標の2%に戻るまでに時間がかかるとの見方を改めて強調。「今年または来年に2%に戻るとみていない」とも語った。インフレが2%に達する道筋がみえるまでは、「引き締め水準を維持する必要がある限りは(政策金利を高いままに)とどめる」との考えを示した。

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2023/06/28/07:15:50

米国株式市場は反発:米景気減速への懸念後退で買い優勢に

NYダウは212.03ドル高の33926.74ドル、ナスダックは219.89ポイント高の13555.67ポイントで取引を終了しました。新築住宅販売件数や消費者信頼感指数が予想を上回り、景気減速への懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。追加利上げ観測も強まったが相場に織り込まれつつあり、昨日大きく下げた電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)や半導体エヌビディア(NVDA)などハイテクでの買戻しに拍車がかかり、相場全体を押し上げた。終日堅調に推移し、終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は13.74から14.25へ上昇した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標受けドル買い優勢に

ドル/円は、米10年債利回りが3.69%台まで低下したことなどを手掛かりに円買い・ドル売りが先行し、一時143.30円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値143.29円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。6月米消費者信頼感指数や5月米新築住宅販売件数、6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が軒並み予想を上回ったことが分かると、米10年債利回りの上昇とともに円売り・ドル買いが活発化して、144.17円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がポルトガルのシントラで開催中のECBフォーラムで『ターミナルレート(利上げの最終到達点)に到達した兆候はない』『見通しに大きな変化がない限り、7月も利上げを続ける』などと発言すると、ECBの利上げ継続観測が改めて意識されてユーロ買い・ドル売りが進み、一時1.0977ドルと日通し高値を更新した。ただ、22日の高値1.1012ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。この日発表の米経済指標が良好な内容となったことも相場の重しとなり、一時1.0942ドル付近まで下押しする場面があった。

 

NY原油先物市場は反落:持ち高調整の売り優勢に

NY原油先物市場は67.50ドル‐70.15ドルのレンジ相場となった。中国の景気減速懸念が鮮明になるなか、需要減を意識した売りが優勢となった。米在庫統計を控えて持ち高調整の売りも重なった。アジア市場で70.15ドルまで買われたが、需要増の思惑後退で売りが優勢となった。米国市場の序盤にかけて69.35ドルまで戻す場面があったが、後半にかけて67.50ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反落:米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1920.60‐1940.30ドルのレンジ相場となった。この日発表された米経済指標が良好だったことで米長期金利が上昇したため、金利を生まない金は売られた。米国市場の序盤にかけて1940.30ドルまで買われたが、株高を受けて1919.80ドルまで反落し、通常取引終了後の時間外取引では主に1924ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.76%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.76%で終了した。この日発表された米経済指標が軒並み予想を上回ると米景気悪化への懸念が和らぎ、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

米年内2回の利上げ織り込み始める:US Dashboard

米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』では年内2回の利上げを織り込み始めている。11月米連邦公開市場委員会(FOMC)までに政策金利を0.5%引き上げる確率は25%を超えた。

 

5月のカナダCPIが伸び鈍化で7月に金利据え置き予想:JPモルガン

27日に発表されたカナダの5月消費者物価指数(CPI)が前月比0.38%上昇し、前年同月比で3.4%上昇した。上昇率はそれぞれ市場予想0.30%、3.3%を上回ったものの、前月の0.71%、4.4%からは鈍化した。JPモルガンは27日付のリポートで、カナダ中銀(BOC)は(インフレ鈍化を示す)経済指標を好材料と受け止め、7月12日の会合で政策金利を4.75%で据え置くと予想するとの見解を示した。BOCが注視するというエネルギー・生鮮食料を除くコアCPIは3.85%上昇で、4月4.25%上昇から鈍化した。リポートでは、今後の注目点として23年4~6月期(Q2)の企業見通し調査、消費者期待調査を挙げつつ、「BOCは6月にさらなる金融引き締めが必要かどうかを判断する上で、インフレ期待と企業の価格行動の推移が重要な要素になると指摘した」ことを紹介していた。

 

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2023/06/27/07:12:20

米国株式市場は続落:ハイテク株への利食い売りが相場の重し

NYダウは12.72ドル安の33714.71ドル、ナスダックは156.74ポイント安の13335.78ポイントで取引を終了した。民間軍事会社ワグネルによる反乱も短期で収束し露のプーチン政権を覆すことはなかったものの、地政学的リスク上昇を警戒した売りに寄り付き後は弱含んだ。その後は、月末、四半期末に向けた調整などに相場が一時上昇する局面もあったが、半導体エヌビディア(NVDA)などハイテク株の利食い売りに押されナスダック総合指数は終盤にかけて下げ幅を拡大した。相場全体の重しとなりダウも小幅下落に転じて終了した。VIX指数は13.44から14.25へ上昇した。

 

NY外国為替市場:手掛かり材料に欠けて方向感のない相場

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが3.67%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0920ドルと日通し高値を更新した。ただ、米10年債利回りが低下幅を縮めると1.0900ドル付近まで伸び悩んだ。なお、今日一日の値幅は0.0032ドル程度と小さかった。米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。市場では『27・28・29日のNYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるまとまった規模のオプションが1.0900ドル近辺に観測されており、同水準を睨んだレンジ取引に収れんしやすい』との声が聞かれた。

 

ドル/円は、神田財務官や松野官房長官から円安をけん制する発言が伝わり、一時142.94円まで売られた影響が残った。ただ、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出やすく、24時前には143.71円付近まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値143.73円に迫った。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:ロシアを巡る地政学リスクから買い

NY原油先物市場は68.71ドル‐70.11ドルのレンジ相場となった。ロシアを巡る地政学リスクから需給ひっ迫懸念が高まり、底堅く推移した。アジア市場の序盤で70.11ドルまで買われたが、需要増の思惑後退でじり安となり、ロンドン市場の序盤にかけて68.71ドルまで反落。ただ、米長期金利の低下を受けた買いが入ったこと米国市場の序盤に70.05ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は小幅続伸:米長期金利の伸び悩みから底堅い展開

NY金先物市場は1931.10‐1943.40ドルのレンジ相場となった。ロシア民間軍事会社ワグネルの創始者プリゴジンが週末に武装反乱を起こしたことで地政学リスクが高まり、安全資産との金が買われた。半面、情勢の緊迫化は続いているものの、反乱は1日で頓挫したこともあり一段高ともならなかった。ロンドン市場で1943.40ドルまで買われた後、米国市場の序盤にかけて1931.10ドルまで売られたが、米長期金利が伸び悩んだことから、1938.50ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では主に1933ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米国株安からリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.74%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い3.72%で終了した。株価の下落を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったものの、米金融引き締めが長期化するとの観測も根強く、上値は限定的だった。

 

株式のポジショニングが拡大:JPモルガンの顧客調査

JPモルガンが毎週行っている顧客調査によると、現在の株式のポジショニングについて、過去と比べて70~80パーセンタイルにあると答えた比率が23%で最も多かった。次点は30~40パーセンタイル、40~50パーセンタイル、50~60パーセンタイルの15%が並んだ。前回調査では30~40パーセンタイルと答えた比率が25%と最も多かったことから、株式のポジショニングが相応に拡大した可能性がある。今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は36%となり、前回調査の51%から低下した。全米アクティブ投資協会(NAAIM)が会員の運用会社に米国株の保有状況を聞き取りして算出する「NAAIM持ち高指数」は、21日時点で83.6%と2022年以降のレンジ上限に位置している。

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2023/06/26/03:00:55

米国株式市場は下落:米追加利上げによる景気後退懸念から売り優勢に

NYダウは219.28ドル安の33727.43ドル、ナスダックは138.09ポイント安の13492.52ポイントで取引を終了しました。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げにより景気後退に陥るとの懸念が再燃し、寄り付き後は下落しました。その後 6月サービス業PMI速報値が予想を上回るなどサービス関連指標が比較的強く懸念が後退し、下げ止まった。ただ、金利が低下したにもかかわらずハイテクも売られ、株式相場は終日軟調に推移した。終盤にかけては、下げ幅を縮小し終了した。VIX指数は12.91から13.44へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日銀の大規模金融緩和継続から円は売られやすい

ドル/円は、米10年債利回りが3.68%台まで低下したことなどを受けて円買い・ドル売りが先行した。ボスティック米アトランタ連銀総裁が年内の利上げ見送りを支持したことも相場の重しとなり、一時142.72円と日通し安値を付けた。ただ、下押しは限定的だった。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に続き、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が『今年あと2回の利上げは非常に妥当な予測』などと発言すると一転円売り・ドル買いが優勢になった。米10年債利回りが3.75%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.87円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。市場では『世界の主要な中央銀行の中で日銀が大規模な金融緩和を続けていることが一段と際立っており、投資家は円を売る姿勢を強めている』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、ユーロ圏の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を下回ると、ユーロ圏景気への懸念が強まり、欧州序盤には一時1.0845ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY市場に入ると下げ渋る展開になった。ユーロ/豪ドルなど一部ユーロクロスの上昇も支えに1.0902ドル付近まで持ち直す場面があった。

 

NY原油先物市場は続落:需要増の思惑後退から売り優勢に

NY原油先物市場は67.35ドル‐69.65ドルのレンジ相場となった。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したこともあり、利上げ継続によってエネルギー需要が鈍化するとの思惑が広がった。アジア市場の序盤で69.65ドルまで買われたが、需要増の思惑後退でじり安となり、米国市場の序盤にかけて67.35ドルまで一段安となった。ただ、米長期金利の低下を受けた買いが入ったことで69.34ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:米金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1919.50‐1949.00ドルのレンジ相場となった。米金利が低下したことで金利を生まない金相場に買いが入った。もっとも、対ユーロなどでドルが堅調に推移し、ドル建てで決済される金相場の割高感も意識されたため、一方的に買いが進む動きにはなっていない。アジア市場で1919.50ドルまで売られたが、株安を意識した買いが入ったことで米国市場の序盤にかけて1949.00ドルまで反発した。その後はドル高を意識して伸び悩んだが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に1930ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:世界的な景気悪化への懸念から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.75%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.73%で終了した。この日発表された欧米の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み下振れたことで、世界的な景気悪化への懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。株価の下落も債券買いを誘った。

 

ドイツ株が5日続落:シーメンス・エナジーが暴落

フランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は5日続落した。前日に比べ158.22ポイント(0.99%)安の1万5829.94で取引を終えた。発電設備などを手掛ける独シーメンス・エナジー株が前日比37%安と暴落した。子会社の風力タービン部門シーメンス・ガメサで品質問題が生じたのをきっかけに、22日の取引終了後にシーメンス・エナジーの2023年9月期通期の利益見通しを取り下げると発表。業績への不透明感が急速に高まった。同社は「潜在的な品質関連対策と関連コストは現在評価中だが、10億ユーロを超える可能性がある」と公表していた。23日発表の6月のドイツ購買担当者景気指数(PMI、速報値)で、製造業が41.0と前月から低下し、3年1カ月ぶりの低水準だった。市場予想も下回った。企業景況感の悪化も相場の重荷だった。エネルギーのほか、自動車やテクノロジーが売られた。

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2023/06/23/07:12:22

米国株式市場はまちまち:ハイテク株の買戻しが相場を下支え

NYダウ4.81ドル安の33946.71ドル、ナスダックは128.41ポイント高の13630.61ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2日目の上院銀行委での証言で年内2回の追加利上げが適切になる可能性があると繰り返したため寄り付き後は下落した。ただ、人工知能技術革新への期待感が強く押し目からハイテクの買い戻しが目立ち、ナスダック総合指数はプラス圏に回復し終日堅調に推移した。終盤にかけて上げ幅を拡大した。NYダウもハイテクに支えられ下げ幅を縮小し、まちまちで終了した。VIX指数は13.20から12.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締めの長期化が意識されドル買い

ドル/円は、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが伝わると一時141.78円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が『インフレ抑制のために追加利上げが必要』『インフレの水準はなお容認できないほど高い』と述べたうえ、パウエルFRB議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』と述べたと伝わると、米金融引き締めが長引くことが改めて意識された。5月米中古住宅販売件数が予想より強い結果となったことも相場の支援材料となり、レジスタンスとして意識されていた2022年11月11日の高値142.48円を上抜けると一時143.23円まで上値を伸ばした。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長がインフレ抑制のために金融引き締めを続ける必要性を改めて強調すると、米金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時1.0949ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:米利上げ観測拡大を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は68.93ドル‐72.65ドルのレンジ相場となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言などを受け、米利上げ観測が拡大。追加利上げが景気減速とエネルギー需要の鈍化を招くとの思惑が広がり、原油相場は売りに押された。ロンドン市場の序盤に72.65ドルまで買われたが、英国の追加利上げを受けて買いは縮小した。供給超過の思惑は後退しているものの、主要中央銀行による金融引き締め策は原油需要の減少を招く要因となることから、米国市場で節目の70ドルを下回った。米長期金利の上昇も嫌気され、一時68.93ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:英国とスイス中銀の追加利上げを意識した売り

NY金先物市場は1922.60‐1945.10ドルのレンジ相場となった。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』などの見解を示したことを受け、金利を生まない金相場には売りが強まった。アジア市場で1945.10ドルまで買われたが、英国、スイスの中央銀行の追加利上げを意識した売りが強まり、米国市場の中盤にかけて1922.60ドルまで下落。その後、1927ドル台に戻したが、米長期金利の上昇を意識して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に1925ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米金融引き締めの長期化を意識した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)4.79%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.79%で終了した。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』と発言したことで、米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まった。

 

BOEがタカ派サプライズもターミナル・レートは据え置き:エバコア

イングランド銀行(BOE、英中銀)が22日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を50bp引き上げて5.0%にすると発表した。利上げ幅は市場予想(25bp)を上回った。エバコアISIは22日付のリポートで、『BOEは7対2の賛成多数でインフレ、賃金、雇用に大きな上振れサプライズがあったことを受け、50bp利上げというタカ派的なサプライズを行った』との見解を示した。リポートでは、BOEが今回の決定について、『労働市場のひっ迫と需要の継続的な底堅さを背景に、インフレプロセスがより粘り強く推移していることを示す重要な上振れニュースによるものだ』と述べたことに着目。『より持続的な圧力があるという証拠があれば、さらなる金融引き締めが必要になるだろう』との見解が示されたこともあり、『MPCが国内物価と賃金に関して、インフレの二次的力学(second-round dynamics)を認めたのはこれが初めてだ』と指摘した。その上で、ベイリー総裁らは50bpの利上げから恩恵を受ける戦略を明確にしなければならないとしつつ、BOEのターミナル・レート予想に関しては上振れリスクがあるものの5.5%で据え置いた。

 

ドイツは景気後退が本格化か:US Dashboard

26日に、ドイツの効率研究機関Ifo経済研究所が6月の企業景況感指数を発表する。5月は91.7(4月は93.4)と7カ月ぶりに低下した。6月の市場予想は90.5で、2カ月連続の低下が懸念される。半年後の期待指数も5月は88.6(91.7)で8カ月ぶりに低下した。6月も市場予想は88で、こちらも2カ月連続で落ち込みそうだ。ドイツの景気後退が鮮明になりつつある。同指数は、製造業、小売業など約7000社のドイツ企業に景況感を尋ねた結果をまとめたもの。欧州で最大規模のドイツ経済は、ユーロ圏の景況感にも影響を与える。欧州中央銀行(ECB)は8会合連続で利上げを実施し、7月も継続を示唆している。ユーロ/ドルなど通貨の強弱がどう推移するかも注目である。

 

 

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