FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/04/18/07:03:08

米国株式市場は反発:金融不安の緩和やソフトランディング期待の買い優勢

NYダウは100.71ドル高の33987.18ドル、ナスダックは34.26ポイント高の12157.72ポイントで取引が終了した。中堅銀の破綻の影響を受け預金流出などが警戒され株価が売られていたチャールズ・シュワブ(SCHW)の決算が予想を上回ったため投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。その後、5月連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げがほぼ織り込まれ金利高を嫌気した売りに押され、一時下落に転じた。終盤にかけて、金融不安の緩和やソフトランディング期待を受けた買いに、プラス圏に戻し終了した。VIX指数は17.07から16.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米経済指標の上振れ受けドル買い優勢に

ドル/円は、4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.8と予想の▲18.0を大きく上回り、4月NAHB住宅市場指数が45と予想の44をやや上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進行し、一時134.57円と3月15日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。一目均衡表雲の上限134.48円を超えたところでは買いの勢いは弱まったものの、下押しは134.39円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場序盤に一時1.1000ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。米経済指標の上振れを受けて、米景気の悪化懸念が和らぐと米長期金利が上昇した。欧米金利差の拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優勢となり、23時30分過ぎに一時1.0909ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:ドル高を嫌気した持ち高調整売り優勢に

NY原油先物市場は80.46ドル‐82.62ドルのレンジ相場となった。良好な米経済指標が続くと米金利が上昇幅を拡大し、為替ではドル高が進んだ。ドル建てで取引される原油先物は割高感が生じたため売り優勢となった。先週末に支えられた81ドル後半を下抜けると持ち高調整の売りが断続的に持ち込まれ、一時80ドル半ばまで売り押された。アジア市場で82.62ドルまで買われたが、ロンドン市場で82ドルを下回り、米国市場で81ドルを割り込んだ。ドル高や米長期金利の上昇を受けてポジション調整的な売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高と米長期金利上昇を受け売り優勢に

NY金先物市場は1993.40‐2028.00ドルのレンジ相場となった。4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想を大きく上回ったことが分かると、米金利上昇や為替のドル高進行とともに金への売り圧力が強まった。節目の2000ドルを割り込み、1993ドル手前まで下げ足を速めた。もっとも一巡後は値ごろ感から買いが優勢となり、下げ幅を縮小して終えた。アジア市場で2028.00ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を受けて米国市場で1993.40ドルまで反落した。ポジション調整的な売りも観測された。米国市場の後半で下げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引では2008ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米景気悪化懸念が和らぎ売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.19%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.60%で終了した。米経済指標の上振れを受けて米景気の悪化懸念が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。

 

米経済指標の上振れ続き早期利下げ転換観測が後退:US Dashboard

米NY連邦準備銀行が17日発表した4月の製造業景況指数は10.8と、3月のマイナス24.6から急回復し、2022年7月以来の高水準となった。この日、全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した4月の住宅市場指数も45と、前月から1ポイント上昇し、22年9月以来、7カ月ぶりの高水準となった。米ミシガン大学が14日に発表した4月の消費者体動指数も予想を上回るなど、米経済指標は上振れが続き、米連邦準備理事会(FRB)が5月に利上げを決めるとの見方が強まっている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」によると、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ確率は、80%台後半まで上昇した。3月の米銀破綻をきいかけに広がった早期利下げ転換観測も後退し始めている。

 

株式エクスポージャーの拡大意向が過去最低:JPモルガン

JPモルガンが顧客を対象に毎週行っている調査によると、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は26%となり、3月中旬の29%を下回って過去最低を更新した。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の30~40パーセンタイルと答えた比率が25%と最も多く、40~50パーセンタイルの22%、20~30%パーセンタイルの19%が続いた。JPモルガンは同リポートで、最近の株価上昇はシステマティック戦略による資金流入がもたらしたものであると指摘。高金利と量的引き締め、銀行危機後の信用収縮、キャリートレードの解消圧力、地政学的な逆風から、今年の景気後退入りの可能性が高いとの見方を示している。また、景気後退入り前に株式市場が底を打つことはないとし、株式に対するアンダーウエート、現金へのオーバーウエートを据え置いた。

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2023/04/17/03:00:54

米国株式市場は反落:金利先高観が再燃し売り優勢に

NYダウは143.22ドル安の33886.47ドル、ナスダックは42.81ポイント安の12123.47ポイントで終了した。予想を上回った銀行決算を好感し、寄り付き後は一時上昇した。しかし、4月ミシガン大消費者信頼感指数や同指数の1年期待インフレ率が予想を上回ったため金利先高観が再燃し下落に転じた。その後もボーイング(BA)の下落がさらなる売り圧力となり下落幅を拡大した。連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が一段の金融引き締めが必要との考えを示すと5月連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利上げがほぼ織り込まれ、ハイテクも売られ、終日軟調に推移した。終盤にかけても戻り鈍く終了した。VIX指数は17.80から17.07へ低下した。

 

NY外国為替市場:期待インフレ率上昇とウィラー理事発言からドル買い

ドル/円は、3月米小売売上高や3月米輸入物価指数が予想を大きく下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行し一時132.21円付近まで下げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し安値132.17円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『インフレ率は依然として高すぎる』『金融政策はかなりの期間、市場の予想よりも長い期間、引き締まった状態に維持される必要がある』と発言したこともドル買いを誘った。米ミシガン大学が発表した4月消費者態度指数(速報値)が63.5と予想の62.0を上回り、併せて発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わるとドル買いが加速し、一時133.84円と日通し高値を更新した。
なお、ミシガン大が発表した消費者の期待インフレ率は1年先が4.6%と前月の3.6%から大幅に上昇し、予想の3.7%を大きく上回った。5年先は2.9%と市場予想通りの結果だった。

 

ユーロ/ドルは、低調な米小売指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1073ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた約1年ぶりの高値1.1076ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。ウォラーFRB理事のタカ派的な発言やミシガン期待インフレ率の上振れでドル買いが活発化すると一時1.0972ドルと日通し安値を更新した。市場では『欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーからは利上げ継続の主張が相次いで伝わり、1年ぶりのユーロ高水準を記録していただけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:需給引き締まり観測高まり買い優勢に

NY原油先物市場は81.76ドル‐83.212ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)が発表した月報で、今年の石油需要が過去最大水準になるとの見通しを示したほか、『OPECプラス』の減産を背景に今年の原油供給見通しを下方修正し、需給引き締まり観測が高まり、原油に買いが入った。ロンドン市場の序盤にかけて81.76ドルまで売られたが、米国市場では一部経済指標の改善を受けて83.12ドルまで買われた。需給ひっ迫を想定した買いは一巡し、81.76ドルまで値を下げる場面があったが、利食い売り一巡後は押し目買いが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に82ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は2006.00₋2061.60ドルのレンジ相場となった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言やミシガン期待インフレ率の上振れを背景にFRBの引き締め継続への思惑が強まり、米長期金利が上昇し、金利を生まない金は売りに押された。ドル高が進み、ドル建ての金に割高感が生じ、昨日に約2年8カ月ぶりの高値水準まで上昇した反動の利益確定売りも下落に拍車をかけた。アジア市場で2061.60ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を受けて米国市場で2006.00ドルまで反落。ポジション調整的な売りも観測された。米国市場の後半で下げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引で2021.40ドルまで戻した。

 

米国債券市場は続落:米利上げ長期化観測が高まり売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)4.10%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.51%で終了した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言やミシガン期待インフレ率の上振れで、米利上げ長期化観測が高まると債券売りが優勢となった。市場では6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げを続けるとの観測が浮上した。

 

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2023/04/14/07:17:19

米国株式市場は反発:インフレ鈍化傾向から利上げ停止期待から買い優勢に

NYダウは383.19ドル高の34029.69ドル、ナスダックは236.94ポイント高の12166.27ポイントで取引を終了した。3月生産者物価指数(PPI)が予想を下回りインフレ鈍化傾向が新たに証明されたほか、失業保険申請件数も労働市場ひっ迫緩和を示したため利上げ停止期待に、寄り付き後は上昇した。金利先高観の後退でハイテクが強く、相場の上昇をけん引し、終日堅調に推移した。終盤にかけて、上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は19.09から17.80へ大幅低下した。

 

NY外国為替市場:米国債券利回りに振れる展開

ユーロ/ドルは、前日の3月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の3月米卸売物価指数(PPI)が下振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、一時1.1068ドルと昨年4月以来1年ぶりの高値を付けた。米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだものの、下押しは1.1044ドル付近にとどまった。ナーゲル独連銀総裁やウンシュ・ベルギー中銀総裁など、欧州中央銀行(ECB)当局者が利上げ継続を相次ぎ示唆したことで、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。

 

ドル/円は、一時133.39円と日通し高値を付けたものの、インフレの鈍化や労働市場の過熱感が後退したことを示す経済指標の発表を受けて一転売りが優勢となり、一時132.02円と日通し安値を更新した。ただ、節目の132.00円手前では押し目買いなどが入ったため下げ渋った。一時は3.36%台まで低下した米10年債利回りが3.45%台まで上昇したことも買い戻しを促し、132.80円付近まで下げ幅を縮めた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:利食い売りに押される展開

NY原油先物市場は82.11ドル‐83.44ドルのレンジ相場となった。米経済指標の結果を受けたドル安でドル建ての原油に割安感から買いが入る場面もあったが、米経済が景気後退(リセッション)入りするとの懸念が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)が今年の石油需要予測を下方修正したことが嫌気され、利食い売りに押された。ロンドン市場で83.44ドルまで買われたが、需給ひっ迫を想定した買いは一巡し、米国市場の後半にかけて82.11ドルまで値を下げる場面があった。利益確定を狙った売りが増えた。通常取引終了後の時間外取引では主に82ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:ドル安を意識した買いが優勢に

NY金先物市場は2028.30‐2063.40ドルのレンジ相場となった。連日米経済指標がさえない結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利上げ停止に動くとの見方が強まり、金利を生まない金に買いが入った。また、米景気後退懸念が浮上したことや、為替市場でドル安が進んだことも金の買いを後押した。アジア市場で2028.30ドルまで下げたが、ユーロ高を意識した買いが入ったことで米国市場の中盤にかけて2063.40ドルまで買われた。株高を意識して買いは一服したが、2048.50ドルで下げ止まり、2058.80ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では2050ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米国株高を嫌気した売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)3.97%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.45%で終了した。3月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、インフレの鈍化が示されると、債券買いが先行した。ただ、米国株相場が大幅に反発すると相対的に安全資産とされる米国債には売りが出たため、下げに転じた。

 

 

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2023/04/13/07:04:46

米国株式市場は下落:米FOMC議事要旨から景気後退の見方が強まり売り

NYダウは38.29ドル安の33646.50ドル、ナスダックは102.54ポイント安の11929.34ポイントで取引を終了した。予想を下回った3月消費者物価指数(CPI)を受けた金利低下で投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。同時に、リッチモンド連銀のバーキン総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が依然、追加引き締めが必要との考えを示すと、相場は下落に転じた。NYダウは一時プラス圏に回復も、終盤にかけ、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)の中で金融混乱を受けて経済が景気後退入りするとの見方を強めたことが明らかになると、再び売られた。金利の低下にもかかわらず、ハイテクも需要鈍化懸念に売られ、主要株式指数は下落で終了した。VIX指数は19.10から19.09へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは3月米CPIやFOMC議事要旨で上下に振れる展開

ユーロ/ドルは、3月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%/前年比5.0%と予想の前月比0.2%/前年比5.2%を下回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がり全般ドル売りが先行した。欧州中央銀行(ECB)高官の発言を受けて、欧利上げ長期化観測が高まったことも相場の支援材料となり、一時1.1000ドルと2月2日以来の高値を更新した。デギンドスECB副総裁はイベントで『基調インフレは予想以上に堅調』と述べ、インフレ率を目標の2%へと押し下げるECBの決意を改めて示したほか、ホルツマン・オーストリア中銀総裁はインタビューで『高止まりしているインフレが5月の理事会での0.50%利上げを正当化する』などと語った。

 

ドル/円は、3月米CPI総合が予想を下回ったことをきっかけに円買い・ドル売りが先行した。前日の安値132.97円を下抜けて一時132.74円まで値を下げた。ただ、エネルギーと食品を除くコア指数が市場予想通りの結果となったことから、一本調子で下落する展開にはならなかった。米10年債利回りが上昇に転じると買い戻しが優勢となり、133.40円付近まで下値を切り上げた。もっとも、米10年債利回りが再び低下するとドル円の上値も重くなっている。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月21-22日分)では『米銀の経営破綻で広範な金融ストレスが引き起こされないと明確になるまで利上げを一時停止することが検討されたものの、最終的にはインフレ対応を優先すると結論付けた』ことが明らかになった。また、『多くの当局者がピーク金利の見通しを引き下げた』『スタッフは今年中に穏やかなリセッションを予測』などと伝わった。

 

米ドル/カナダドルは軟調だった。米CPIの下振れをきっかけに米ドル売り・カナダドル買いが進行した。WTI原油先物価格が約5カ月ぶりの高値を付けると産油国通貨とされるカナダドルの買いを後押しして、一時1.3428カナダドルまで値を下げた。なお、カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の4.50%で据え置くことを決めたと発表した。声明では『CPIは今年半ばに3%程度に急速に減速し、その後は徐々に低下して2024年末までに目標の2%に達すると予想する』と指摘した。同時に『必要があれば利上げを実施する用意がある』と表明した。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫を意識した買い

NY原油先物市場は81.28ドル‐83.53ドルのレンジ相場となった。米3月消費者物価指数(CPI)の結果を受けてドル安・ユーロ高となり、ドル建ての原油に割安感が生じ、原油は買いが優勢となった。米連邦準備制度(FRB)が早期に利上げを停止するとも見方が強まり、景気鈍化への懸念が緩んだことも買いを後押した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫が予想に反して59.7万バレルの積み増しとなり、売りが入る場面もあったが反応は限定的だった。ロンドン市場で81.28ドルまで下落したが、3月米消費者物価指数の発表後に買いが強まり、一時83.53ドルまで一段高となった。需給ひっ迫の思惑は消えていないことやユーロ高が意識された。通常取引終了後の時間外取引でも83ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:ドル安が進んだことを好感した買い

NY金先物市場は2015.70‐2043.90ドルのレンジ相場となった。米3月消費者物価指数(CPI)がインフレの鈍化傾向を示唆する内容となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利上げ停止に動くとの見方が強まり、金利を生まない金に買いが入った。為替市場でドル安が進み、ドル建ての金は割安感を意識した買いも入った。3月米消費者物価指数の発表後に2043.90ドルまで買われたが、利食い売りも観測されており、2015.70ドルまで反落した。ただ、ユーロ高を意識した買いが入ったことで反転し、通常取引終了後の時間外取引で2032.80ドルまで戻した。

 

米国債券市場は反発:3月CPIの下振れを好感した買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.065低い(価格は上昇)3.96%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い3.39%で終了した。3月米消費者物価指数(CPI)の下振れを受けて米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がると、債券買いが優勢となった。なお、市場では『5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では引き続き0.25%の利上げが見込まれるものの、6月には利上げが停止される可能性が高まった』との声が聞かれた。

 

米CPIの伸びは大きく鈍化したがコア指数は小幅に上昇:US Dashboard

12日に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.0%と、前月の6.0%から大幅に上昇率を縮めた。伸びの鈍化は9カ月連続で、市場予想の5.2%も下回った。ただ、ガソリン価格下落の影響が大きく、エネルギーと食品を除くコア指数は5.6%と2月の5.5%から小幅に上昇した。前月比で総合指数が0.1%上昇と市場予想0.2%上昇を下回る一方、コア指数は0.4%上昇で市場予想と一致した。

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2023/04/12/07:03:08

米国株式市場はまちまち:イエレン米財務長官発言受け買い優勢に

NYダウは98.27ドル高の33684.79ドル、ナスダックは52.48ポイント安の12031.88ポイントで取引を終了した。ディフェンシブ、循環株などの買いに支えられ、寄り付き後は上昇した。その後、イエレン財務長官が信用縮小の兆候が見られないと金融混乱の悪化回避を示唆、国内経済が並外れて強いとの見解を示したためNYダウは続伸した。一方で、重要インフレ指標の発表を控えた警戒観やNY連銀のウィリアムズ総裁があと1回の利上げが妥当と言及すると、金利が上昇に転じたためハイテクは終日軟調に推移した。主要株式指数はまちまちで終了した。VIX指数は18.97から19.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買いが優勢

ドル/円は、欧州市場では一時132.97円と日通し安値を付ける場面もあったが、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。米10年債利回りが上昇に転じたことを受けて全般ドル買いが入ったほか、日銀の政策修正観測の後退を材料に引き続き円売りが出やすい地合いとなった。NYダウが一時190ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、4時前に133.81円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値133.87円が目先レジスタンスとして意識されると上昇が一服した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁が『米連邦準備理事会(FRB)は慎重さと忍耐をもって利上げを行うべき』『過度に積極的な利上げには慎重であるべき』と述べたことも相場の重しとなった。

 

ユーロ/ドルは、欧州債利回りの上昇などを手掛かりに、イースター休暇明けの欧州勢がユーロ買い・ドル売りで参入すると一時1.0928ドルと日通し高値を付けた。ドイツ株が1年3カ月ぶりの高値を付けたほか、フランス株が過去最高値を記録するなど、欧州株相場の上昇に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入った。米長期金利が上昇に転じると全般ドルを買い戻す動きが広がり、1.0896ドル付近まで上げ幅を縮める場面もあったが、下押しは限定的だった。グールズビー米シカゴ連銀総裁のハト派的な発言もユーロ買い・ドル売りを促し、1.09ドル台前半まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫を意識した買い優勢

NY原油先物市場は79.37ドル‐81.59ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落したのもドル建ての原油相場の支えとなった。また、明日に予定されている米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油や石油製品の取り崩しが見込まれていることも買いを後押した。ロンドン市場で79.37ドルまで下落したが、米国市場の後半にかけて81.59ドルまで値を上げた。需給ひっ迫を意識した買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:ポジション調整の買い

NY金先物市場は2003.70‐2022.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金に買いが入った。前日まで3日続落した反動で安値拾いの買いや、明日米3月消費者物価指数(CPI)の発表を控えたポジション調整の買いが相場の支えとなった。アジア市場の序盤で2003.70ドルまで売られたが、その後は米長期金利の動向を意識した買いが入ったことで反転し、ロンドン市場の序盤にかけて2022.50ドルまで反発した。ただ、米国市場では長期金利が下げ渋ったことを受けて利食い売りも観測されており、一時2010.70ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に2020ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米景気懸念の後退で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.02%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い3.43%で終了した。米景気懸念が後退する中、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。3年債入札が低調と受け止められたことも相場の重しになった。ただ、グールズビー米シカゴ連銀総裁が『米連邦準備理事会(FRB)は過度に積極的な利上げに慎重であるべき』と発言すると買い戻し入り、下げ幅を縮めた。

 

債券と株式は逆相関に戻る可能性が高い:JPモルガン

JPモルガンは11日付リポートで、昨年10月にそれまで軟調に推移していたハイテク株を買い戻すべきと主張したのを踏まえつつ、「米国の長期金利がその時点でピークに達している可能性が高いという我々の見解を考慮すると、問題は(ここから)テクノロジーが株式市場をさらに押し上げ続けるかどうかだ」と指摘。米IT大手5社のFAANGの株価収益(PER)がプラス1σの水準にあることに着目しつつ、「世界的に見てテック系の株価収益率は20年ぶりの高水準に近づきつつある」とも指摘。最近のハイテク株高について、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを過大に織り込んでいると警戒感を示しながら、「実質金利は上昇を続ける可能性があり、ハイテクはそれと逆相関している。大局的に見ると、株式市場全体では債券と株式の相関関係が逆相関に戻る可能性が高いため、債券利回りの低下はもはや株式の助けにはならないはずであり、これは絶対的な観点からはもはやテクノロジーの助けにはならない」との認識を示した。ハイテク株はバリュエーション面で割高感があると繰り返しながら、「テレコム、交易、生活必需品、ヘルスケアなど、最近追加することを勧めた純粋なディフェンシブ・プレイでのポジショニングは、今後数カ月の間に最適な場所になる可能性がある」とみていた。

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