FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/06/01/07:14:36

米国株式市場は下落:米債務上限問題を巡る警戒感から売り優勢

NYダウは134.51ドル安の32908.27ドル、ナスダックは82.14ポイント安の12935.29ポイントで取引を終了した。債務上限問題を巡りバイデン大統領とマッカーシー下院議長の合意を盛り込んだ『財政責任法案』の下院採決を控え、警戒感から寄り付きは下落した。4月JOLT求人件数が予想外に増加し追加利上げへの警戒感が高まったこと、中国の経済指標が市場予想を下回ったことも相場の重石となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の高官らの発言を受け、6月FOMCでの利上げが見送られる可能性が再浮上、午後に入り下げ幅が縮まるもマイナス圏で終了した。月を通じてNYダウは下落、ナスダックは上昇した。VIX指数は17.46から17.94へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB要人のハト派発言からドル売り優勢に

ドル/円は、NY序盤は139円台半ばから後半で方向感を欠いていたが、4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が1010.3万件と予想の937.5万件を大きく上回ったことが伝わると、本日高値となる140.38円まで買い上げられた。ただ、140円台での滞空時間は短く、米・中長期金利が低下したうえ、NYダウが300ドル超下落すると失速した。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票メンバーであるジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事とハーカー米フィラデルフィア連銀総裁から6月会合での利上げ見送りを支持する発言が伝わると、日通し安値となる139.24円まで値を下げた。

 

ユーロ/ドルは、NY勢参入後に1.0705ドルまで値を上げたが、良好なJOLTS求人件数を受けて一転下落した。ユーロポンドやユーロスイスフランの下落につれた面もあり、一時1.0635ドルまで下げ足を速めた。一方、FOMCメンバーからのハト派発言を受けてショートカバーが活発化し1.0690ドル台まで切り返した。

 

NY原油先物市場は続落:中国経済減速懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は67.03ドル‐69.69ドルのレンジ相場となった。 5月中国製造業PMIが48.8と2カ月連続で景況感判断の境目となる50を下回った。予想からも下振れた結果に中国経済の減速懸念が高まり、今後のエネルギー需要減少が意識されて売りが強まった。一時67ドル手前まで売り込まれる場面があったアジア市場で69.69ドルまで買われたが、米国市場の序盤にかけて67.03ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米金利低下から買い優勢に

NY金先物市場は1971.80‐1993.10ドルのレンジ相場となった。4月米JOLTS求人件数が市場予想を上回ると売りで反応したものの、一巡後は直ぐに切り返した。米・中長期金利が低下基調を強め、本日も金利の付かない金の支えとなった。米債務法案の下院通過が見込まれているが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで金先物は底堅い動きをみせた。通常取引終了後の時間外取引では主に1981ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米FRB要人からのハト派発言から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)4.41%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い3.64%で終了した。昨日と同様に月末に絡んで機関投資家から保有債券の残存年数を延ばす目的の買いが観測された。米当局者からハト派的な発言が相次いだことも買いを後押しし、利回りは一時3.61%まで低下する場面があった。

 

弱いシカゴPMIなどを受けて5月ISM製造業を下方修正:ゴールドマン

5月31日に発表された5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が40.4となり、市場予想の46.8を大幅に下回った。弱いシカゴPMIに加え、海外の工業データが弱いことを受け、ゴールドマン・サックスは31日付のリポートで6月1日に発表される5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の予想を下方修正し、従来比0.5ポイント低下の46.7と見込んだ。市場予想を47.0で、前月47.1から小幅な鈍化が見込まれている。

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2023/05/31/07:19:08

米国株式市場はまちまち:米債務上限の合意に関する警戒感が重石

NYダウは50.56ドル安の33042.78ドル、ナスダックは41.74ポイント高の13017.43ポイントで取引を終了した。週末にバイデン大統領とマッカーシー下院議長が債務上限の一時停止で合意したことを受け、寄り付きは上昇した。しかし、合意案に民主・共和両党それぞれから一部議員の反対が予想されていることから、議会採決の行方に対する警戒感が相場の重石となった。NYダウは終盤にかけて下げ幅を縮小し、小幅安で終了した。ナスダック指数は長期金利の低下やエヌビディアの上昇が相場を支えるも伸び悩んだ。VIX指数は17.95から17.46へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売りが優勢に

ドル/円は、米10年債利回りが低下したことを背景に売りが強まり、一時139.58円まで値を下げた。5月米消費者信頼感指数が市場予想を上回ると140.11円付近まで持ち直したが、米金利が低下幅を拡大し、NYダウが200ドル近く下落すると売りが再開し、一時139.57円と本日安値を付けた。一方、26日安値の139.50円がサポートとして意識されると、その後は139円台後半でのもみ合いとなった。

 

ユーロ/ドルは、米金利低下に伴って21時過ぎに1.0747ドルまで上昇したが、その後は次第に値動きが鈍くなった。下押しは1.0714ドルに限られ、値幅は狭かった。

 

NY原油先物市場は大幅に反落:買い持ちを手仕舞う動き

NY原油先物市場は69.02ドル‐73.36ドルのレンジ相場となった。来月4日の石油輸出国機構(OPEC)プラスの閣僚級会合を控え、神経質な動きが続いた。先週はサウジアラビアから追加減産を示唆する発言も出た一方、ロシアからは追加減産は必要ないとの意見も伝わった。決して一枚岩ではないOPECプラスを警戒し、買い持ちを手仕舞う動きが広がった。節目70ドルを割り込み、一時5日以来の安値となる69ドル手前まで下げ足を速めた。アジア市場で73.36ドルまで買われたが、一部米経済指標の悪化を受けて69.02ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下を好感した買い優勢に

NY金先物市場は1949.60‐1981.90ドルのレンジ相場となった。連休明けの米債券市場で中・長期債利回りが低下すると、金利がつかない金の魅力が相対的に高まり買いが入った。ロシアの首都モスクワがドローンによる攻撃を受けたことが報じられ、地政学リスクの高まりも安全資産とされる金に資金を向かわせた。アジア市場で1949.60ドルまで下落したが、米国市場の中盤にかけて1981.90ドルまで買われた。米長期金利の低下を受けた買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では主に1977ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:月末絡みの買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.12%(価格は上昇)4.44%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い3.68%で終了した。連休明けの債券市場では持ち高調整の買いが活発化した。市場では『月末を控えて機関投資家による保有債券の残存年月を延ばすための買いも入った』との声が聞かれた。

 

米消費者マインドは2カ月連続で低下:US Dashbosrd

米調査会社コンファレンス・ボードが30日発表した5月の米消費者信頼感指数は、前月から1.4ポイント低下して102.3となった。低下は2カ月連続で、2022年11月以来の低水準となった。ただ、市場予想の99.8が上回った。足もとの景況感を示す「現況指数」が148.6と前月から3.2ポイント低下し、短期的な見通しを示す「期待指数」も71.5と0.2ポイント低下した。調査担当者は「期待は依然暗いため、消費者信頼感が低下した」と指摘した。消費者のインフレ期待は高止まりしており「引き続きインフレが米国経済に対する見方に大きな影響を与える」と分析した。

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2023/05/30/07:26:11

米国市場はメモリアルデーで休場

米国株式市場、NY原油先物市場、NY金先物市場、米国債市場は休場です

 

NY外国為替市場:NY市場休場でポジション調整の動き

ユーロ/ドルは、独長期金利の大幅低下を背景に欧州序盤から売りが優勢となり、一時1.0706ドルと本日安値を付けた。ユーロ/ポンドやユーロ/スイスフランなどユーロクロスの下落につれた影響も付けた。先週末安値の1.0702ドルを前に下げ止まったものの、戻りは極めて限定的だった。

 

ドル/円は、NY市場がメモリアルデーで休場となるなか、持ち高調整の売りが散見されて一時140.12円まで値を下げた。ただ、一巡後はショートカバーが入り140.40円台まで下値を切り上げるなど、140円台前半から半ばで方向感がなかった。

 

賃金インフレが招く波乱

米国では「賃金インフレ」が米連邦準備理事会(FRB)を悩ませているが、日本も対岸の火事ではない。30年ぶりの賃上げ率となった春闘に続き、サービスが、日銀の金融緩和の修正観測につながれば年後半以降の波乱要因になりうる。

 

米早期利下げ観測は後退の方向:US Dashbosrd

米シカゴマーカンタイル取引所(CME)が算出する「Fedウオッチ」によると、6月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)においてフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を現行の5.00%~5.25%から5.25%~5.50%へと0.25%引き上げる確率は64%、据え置きの確率は35%となっている。7月25~26日のFOMCでFF金利誘導目標が5.25~5.50%となっている確率は52%と、市場参加者の半数は6月0.25%利上げ後の利上げ休止あるいは6月と7月で0.25%の利上げ予想していることになる。5.00%~5.25%の確率は20%、5.50%~5.75%の確率も27%にとどまっている。9月19~20日のFOMCのFF金利誘導目標の確率は、5.00%~5.25%が16%、5.25%~5.50%が37%、5.50%~5.75%が33%となっており、早期利下げ観測が大きく後退したことが見てとれる。10月31~11月1日のFOMCを経て、12月12~13日のFOMCにおけるFF金利誘導目標の確率は、5.00%~5.25%が35%、4.75%~5.00%が27%と年内の利下げ観測は引き続き根強い。一方、5.25%~5.50%の確率が足元で21%へと急上昇し、年内利下げ観測の剥落加速をイメージする市場参加派もありそう。

 

 

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2023/05/29/03:00:01

米国株式市場は上昇:米債務不履行回避への期待と成長底堅く買い優勢に

NYダウは328.69ドル高の33093.34ドル、ナスダックは277.59ポイント高の12975.69ポイントで終了した。マッカーシー下院議長が交渉に進展があったと明らかにしたため妥結期待に買われ、寄り付き後は上昇した。債務不履行回避への期待に加え成長も底堅く、投資家心理が改善しさらに買われた。また、追加利上げ確率の上昇にもかかわらずハイテクでは人工知能技術革命を期待した買いが続き、相場をさらに押し上げた。主要株式相場は終日堅調に推移し、終盤にかけ上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は19.14から17.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締め長期化観測からドル買い

ドル/円は、4月米個人消費支出(PCE)やPCEデフレーター、4月米耐久財受注額、5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値など、この日発表の米経済指標が軒並み予想より強い内容だったことが分かると、米金融引き締め長期化観測が高まり円売り・ドル買いが先行した。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景にリスク選好の円売りも出て、一時140.73円と昨年11月23日以来約半年ぶりの高値を付けた。なお、米債務上限を巡る協議が進展しているとの期待からNYダウは一時400ドル近く上昇した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比600円高の3万1560円まで買われる場面があった。

 

ユーロ/ドルは、4月米PCE物価指数が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まるとユーロ売り・ドル買いが先行した。米10年債利回りが3.8566%前後と3月10日以来の高水準を記録したことも相場の重しとなり、一時1.0702ドルと3月20日以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。米債券市場がメモリアルデーの前営業日で短縮取引となる中、米10年債利回りが低下に転じたことが買い戻しを誘った。

 

NY原油先物市場は反発:追加減産の可能性が意識され買い優勢に

NY原油先物市場は71.49ドル‐73.05ドルのレンジ相場となった。。来月4日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合で追加減産の可能性をめぐり思惑が交錯し、神経質な動きが続いているが、この日は需給面での需給逼迫で追加減産の可能性が意識され反発して取引を終えた。米株が大幅高となり、投資家のリスク選好志向の高まりも、リスク資産とされる原油の買いを後押した。アジア市場で71.49ドルまで下げたが、米債務上限引き上げを巡る協議進展を期待して73.05ドルまで買われた。米株高も意識された。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移した。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:連休前のポジション調整的な買い

NY金先物市場は1936.00‐1957.10ドルのレンジ相場となった。短縮取引の米債券市場で長期金利が低下し、前日まで4日続落した金は安値拾いの買いは入り、わずかに反発して取引を終えたが、予想比上振れの米4月PCEデータを受けて米金融引き締め長期化思惑が強まり、上値は重かった。アジア市場で1936.00ドルまで下落したが、ロンドン市場の序盤にかけて1957.10ドルまで反発した。その後は上げ渋り、米国市場の前半に1938.70ドルまで売られた。しかしながら、連休前のポジション調整的な買いが入ったことで下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では主に1945ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:連休前のポジション調整的な売買が中心

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.56%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は上昇)3.80%で終了した。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで売りが先行。利回りは一時3.8566%前後と3月10日以来の高水準を更新した。ただ、メモリアルデーの前営業日で短縮取引となる中、引けにかけてはポジション調整目的の買いが優勢となり上げに転じた。

 

米財務長官は債務上限「Xデー」は6月5日に1日から後ずれ

イエレン米財務長官が26日付の野党・共和党のマッカーシー下院議長ら米議官の指導部に宛てた書簡で、米議会が6月5日までに連邦政府の債務上限を引き上げたり停止したりしなかった場合、米政府が債務不履行(デフォルト)い陥る可能性があると指摘した。政府の資金繰りの最新の推計を反映するとともに、追加的な特別措置をとった結果だという。これまでは資金繰りが行き詰まる「Xデー」は早ければ6月1日になるとしていた。現行の債務上限には1月に到達していた。その後は、欧的年金への資金拠出を止めるなど特別な措置を講じることで、資金を捻出してきた。書簡では、追加の措置を講じることで、新たな資金を確保したことを明らかにした。6月1~2日には社会保障費を含め1300億ドル以上の支払いがあり、資金繰りが困難になるとしていた。新たな措置に伴い、Xデーを後ずれさせたものの、6月5日の週には920億ドルの支出が見込まれ、これ以上の延長は難しいとの見方も示した。

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2023/05/26/07:01:33

米国株式市場はまちまち:半導体関連株が株価指数を押し上げ

NYダウは35.27ドル安の32764.65ドル、ナスダックは213.93ポイント高の12698.09ポイントで終了した。債務上限交渉が難航し、一部格付け会社が国の格付け引き下げの可能性も示唆したため寄り付き後は下落した。交渉に引き続き進展なく、債務不履行懸念の売りも続きNYダウは一段安となった。さらに、1-3月期国内総生産(GDP)改定値や雇用関連指標が予想を上振れ追加利上げが織り込まれたこともさらなる売り圧力となった。一方で、ナスダックは昨日引け後に発表された半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の強い決算を受けて終日堅調に推移し、まちまちで終了した。VIX指数は20.03から19.14へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、米10年債利回りが3.72%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行し、139.19円付近まで下押しした。ただ、その後発表された1-3月期米国内総生産(GDP)改定値や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると一転円売り・ドル買いが優勢になった。米10年債利回りが3.8251%前後と3月10日以来の高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時140.23円と昨年11月23日以来約半年ぶりの高値を更新した。なお、金利スワップ市場では7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までの2会合で0.25%の追加利上げが実施されることを完全に織り込んだ。

 

ユーロ/ドルは、市場予想を下回る独経済指標の発表が続き、ユーロ圏景気の先行き不透明感を警戒したユーロ売り・ドル買いが出た。FRBの金融引き締め長期化観測を背景に全般ドル買いが進むと、一時1.0707ドルと3月21日以来約2カ月ぶりの安値を付けた。その後の戻りも1.0733ドル付近にとどまった。

 

南アフリカランドは下落した。南ア準備銀行(SARB)はこの日、政策金利を現行の7.75%から8.25%に引き上げることを決めたと発表した。市場予想通りの結果となった。ただ、声明で『ランドは一段安になる公算が大きい』との見解が示されるとランド売りが優勢になった。対ドルでは一時19.8468ランドと史上最安値を付けた。対円では7.06円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:追加減産思惑後退で売り優勢に

NY原油先物市場は70.98ドル‐74.37ドルのレンジ相場となった。来月4日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合での追加減産表明への警戒感で昨日まで3日続伸したが、この日は追加減産思惑が後退し売りに押された。ロシアのノバク副首相が6月『OPECプラス』で『新たな措置を取るとは想定しない』と発言し、ロシアは追加減産を重要視しないとの思惑が強まった。アジア市場で74.37ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の高止まりを嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて70.98ドルまで売られた。ただ、将来的な需給ひっ迫の思惑は残されており、通常取引終了後の時間外取引では売りは一巡し、主に71ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1939.00‐1965.40ドルのレンジ相場となった。米1-3月期GDP改定値の上方修正など、米経済指標の良好な結果も支えに米長期金利は一段と上昇し、金利を生まない金は売りが継続した。為替市場でドル高の流れが続いていることも、ドル建ての金の売りを後押した。ロンドン市場の序盤にかけて1965.40ドルまで買われたが、米国市場ではドル高や米長期金利の上昇を意識した売りが次第に強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1939.00ドルまで下落し、一段安となった。

 

米国債券市場は続落:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.14%高い(価格は下落)4.53%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.82%で終了した。良好な米経済指標が相次いだことで、米金融引き締め長期化観測が高まり債券売りが広がった。利回りは一時3.8251%前後と3月10日以来の高水準を付けた。

 

独GDPが2四半期連続のマイナス成長でテクニカルリセッション

25日に発表されたドイツの1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比0.3%減と市場予想の0.0%を下回り、速報値0.0%から下方に改定された。2022年10~12月期の0.5%減に続き、2カ月連続でのマイナス成長となったことで、機械的に景気後退とみなされるテクニカルリセッションに転落した。2期連続でマイナスになるのは、新型コロナウイルスの感染が広がった20年4~6月期以来。


 

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