FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/06/15/07:10:35

米国株式市場はまちまち:パウエル議長の会見を受け買戻し

NYダウは232.79ドル安の33979.33ドル、ナスダックは53.16ポイント高の13626.48ポイントで終了した。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えた調整売りに寄り付き後は下落した。連邦準備制度理事会(FRB)はFOMCで予想通り政策金利を据え置いたが、声明や見通しでタカ派色を想定以上に強めたため年内の追加利上げを警戒した売りに拍車がかかった。その後、パウエル議長が会合後の会見で7月はライブ会合になるとの言及にとどめ追加利上げを明確化しなかったため下げ止まり、終盤にかけて株式相場は下げ幅を縮小した。ナスダック総合指数はプラス圏に回復しまちまちで終了した。VIX指数は14.61から13.88へ低下した。

 

NY外国為替市場:米利上げの長期化観測からドル買い優勢に

ドル/円は、5月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、ポジション調整目的のドル売りも出て、一時139.29円と日通し安値を更新した。ただ、FOMCの結果が伝わると買い戻しが優勢になった。米連邦準備理事会(FRB)は13‐14日開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.00‐5.25%に据え置いた。ただ、同時に公表された政策金利見通し(ドット・チャート)では2023年末の予想中央値が5.6%と3月の5.1%から引き上げられ、年内に0.25%の利上げが2回実施される可能性が示唆された。米利上げが長期化するとの観測からドル買いで反応し、一時140.18円付近まで値を上げた。なお、パウエルFRB議長は会見で『ほぼすべての当局者が年内のさらなる利上げは適切だと判断』『インフレ率を2%に戻すには長い道のりがある』『インフレリスクは依然として上向き』『利下げについては2年ほど先の話』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を見込んだユーロ買いが先行したあとは、米インフレ指標の下振れを受けて全般ドル売りが進行した。前日の高値1.0824ドルを上抜けて一時1.0864ドルと5月17日以来の高値を付けた。ただ、FOMCの結果を受けて米利上げが長期化するとの観測が高まるとドルを買い戻す動きが優勢となり、一時1.0802ドル付近まで伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は反落:米金利上昇による景気鈍化懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は68.07ドル‐70.49ドルのレンジ相場となった。米週間原油在庫が積み増しへ転じたことや、引けにかけてドル買い戻しが強まりドル建て原油価格に割高感が生じたことが重しになった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の年内2回利上げの可能性が示され、金利上昇による景気鈍化がエネルギー需要を圧迫するとの見方もあった。ロンドン市場で70.49ドルまで買われたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控えて売りが強まり、FOMC会合の結果判明後(通常取引終了後の時間外取引)に68.07ドルまで値を下げた。その後68.80ドルまで戻しており、下げ幅はやや縮小した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:時間外取引で売り強まる

NY金先物市場は1952.50‐1973.90ドルのレンジ相場となった。弱い米卸売物価指数(PPI)を受けた米金利低下・ドル売りや、インフレ指標が目先的に落ち着きを示し米金利の据え置きが確実視されるなか金相場は底堅く推移した。金利低下が金利の付かない資産である金の相対的な投資妙味を高めたほか、ドル軟化がドル建て金相場の割安感を意識させて買い意欲を誘う材料となった。米国市場の序盤にかけて1973.90ドルまで買われたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控えて売りが強まり、FOMC会合の結果判明後(通常取引終了後の時間外取引)に1952.50ドルまで値を下げた。ただ、その後1964.90ドルまで戻し、調整的な売りは一巡した。

 

米国債券市場はまちまち:米FOMCを挟んで売買交錯

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.68%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.79%で終了した。米インフレ指標の下振れで買いが先行したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて米利上げが長期化するとの観測が高まると一転下落した。ただ、パウエルFRB議長が会見で『7月FOMCでの利上げはまだ決まっていない』との見解を示すと買い戻しが優勢となり、再び上昇に転じた。

 

7月の25bpの利上げ確率を引き上げ:エバコア

米連邦準備理事会(FRB)が13~14日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り、11会合ぶりに利上げを見送った。その一方、合わせて公表された四半期経済見通し(SEP)のドットプロットで参加者による23年末の政策金利の予想中央値で5.6%となり、年内に2回の追加利上げが示された。FOMC後の記者会見でパウエル議長が7月会合での利上げについて『まだ決まっていない』と述べたが、CMEグループのFedウォッチで7月FOMCでの25bp利上げ織り込み度は60.3→64.5%にやや上昇した。エバコアISIは14日付のリポートで「声明文自体は明らかにタカ派的ではなかったものの、新しいSEPのドットプロットは中央値で今年あと2回の利上げを支持し、予想していた1回ではなかった。ターミナル・レートを5.6%にするという強いタカ派シグナルを発信し、パウエル議長はそのグループに入る可能性が高いことがドットから読み取れた」との見解を示した。リポートでは、パウエル議長からのメッセージを考えれば、FOMCはより多くの情報を評価するために、1回おきに利上げを行うという既定のペースに減速し、累積的にデータに依存することになると指摘した。しかし、「ほとんどの当局者は、これまでの情報に基づき、あと2回は利上げが必要だと評価しているということだろうと思われる」と指摘。7月に25bpの利上げが行われる確率を75%程度に引き上げなければならないのは明らかだとしつつ、2回目の利上げに関しては経済指標次第とみていた。

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2023/06/14/07:29:06

米国株式市場は続伸:米利上げ休止期待から買い優勢に

NYダウは145.79ドル高の34212.12ドル、ナスダックは111.40ポイント高の13573.32ポイントで取引を終了した。5月消費者物価指数(CPI)の改善で6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ休止期待が一段と強まり寄り付き後は上昇した。中国が景気刺激策を検討しているとの報道も投資家心理の改善に繋がり、株式相場は一段高となった。終日堅調に推移し終了した。VIX指数は15.01から14.61へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が反転上昇したことでドル買い優勢に

ドル/円は、5月米消費者物価指数(CPI)が前年比4.0%上昇と予想の4.1%上昇を下回り、2021年3月以来の低水準を記録すると、インフレの過熱感が緩和したとの見方が広がった。13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが一時停止されるとの観測がさらに高まり円買い・ドル売りで反応し、一時139.01円と日通し安値を更新した。ただ、節目の139.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になり、一時は3.67%台まで低下した米10年債利回りが3.84%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、140.31円と日通し高値を更新した。『米連邦準備理事会(FRB)は7月のFOMCで追加利上げに踏み切る』との観測も根強い。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、7月FOMCでの追加利上げを予想する確率は60%を超えている。

 

ユーロ/ドルは、14日のFOMCでは金利が据え置かれる一方、15日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会では追加利上げが見込まれており、欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが進んだ。5月米CPIの下振れを受けて一時1.0824ドルと5月22日以来の高値を更新した。ただ、米長期金利が上昇に転じると1.07ドル台後半まで上げ幅を縮めた。

 

ポンド/円は一時176.87円と16年1月以来7年5カ月ぶりの高値を付けた。英統計局が発表した4月の平均賃金(3カ月移動平均)の伸び率が5カ月ぶりの高さまで拡大し、予想を上回ったことが伝わると、英中銀(BOE)が金融引き締めを加速するとの見方が広がりポンド買いを誘った。

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反発:株高を意識した買いが優勢

NY原油先物市場は67.15ドル‐9.83ドルのレンジ相場となった。前日は前週末の予想以上にマイナス幅を大きかった5月中国生産者物価指数(PPI)の示唆する同国製造業に対する弱い見方を引きずっていた部分があった。本日は中国政府が利下げや不動産支援策などを含む包括的な景気刺激策を検討していると伝わり、大きく売り込まれた昨日までの3営業日続落した動きに対する巻き戻しが強まった。アジア市場の序盤に67.15ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことでじり高となり、米国市場の中盤にかけて69.83ドルまで一段安となった。その後は、米長期金利の上昇を意識して上げ渋ったが、需給緩和の思惑はやや後退し、通常取引終了後の時間外取引では69ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は3営業日続落:株高と米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1953.00-1985.90ドルのレンジ相場となった。米2年債利回りが3月10日以来、3カ月ぶり以上となる水準4.64%台、同10年債利回りも3.79%台へ上昇した。米金利上昇が金利のつかない資産である金の上値を重くする状況が続いた。NYダウが6営業日続伸、ナスダック総合とS&P500が年初来高値を更新しつつ4営業日続伸となるなど米主要3株価指数が堅調に推移したことも、安産資産とされる金を買う動きを滞らせた。米国市場の序盤にかけて1985.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇や株高を受けて反落した。通常取引終了後の時間外取引で1953.00ドルまで値を下げた。

 

米国債券市場は下落:米7月利上げ再開の観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い0.08%高い3.82%で終了した。5月米消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化が示されると債券買いが先行したものの、買い一巡後は一転売りが優勢となった。『米連邦準備理事会(FRB)は7月には利上げを再開する』との観測が根強く、債券売りを誘った。米国株相場の上昇も相場の重しになった。

 

Fedウオッチ6月は据え置きで7月までの利上げ確率は6割超:US Dashboard

米連邦準備理事会(FRB)が14日(日本時間15日)に結果を発表する米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を現行の5.00-5.25%で据え置くとみられている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」では、据え置きの確率9割強となっている。7月までに利上げを決める確率は6割を超えるが、さらなる利上げを見込んでいない。今回のFOMCではメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。2,023年末の政策金利5.25‐5.50%(0.25%の利上げ)以外の場合、市場は相応に反応しそうだ。

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2023/06/13/07:20:18

米国株式市場は続伸:米FOMCでの利上げ停止期待から買い優勢

NYダウは189.55ドル高の34066.33ドル、ナスダックは202.78ポイント高の13461.92ポイントで取引を終了した。明日発表が予定されている5月消費者物価指数(CPI)の改善期待に買われ、寄り付き後上昇した。金利の上昇を警戒し一時失速も、連邦準備制度理事会(FRB)が今週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ停止するとの思惑も強く、期待感から再び買いが強まった。ハイテク株の上昇も相場全体を押し上げ、終盤にかけ上昇幅を拡大し終了した。VIX指数は13.83から15.01へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日米欧の政策会合控え方向感出ず

ドル/円は、欧州市場では一時本日安値となる139.07円まで売られたものの、前週末NY時間の安値139.03円付近がサポートとして意識されると買い戻しが優勢となった。米連邦準備理事会(FRB)は13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの観測が高まる一方、7月利上げの可能性を残すとみられており、円売り・ドル買いを誘った面もあった。日銀が今週開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持するとの見方も円売りを促し、一時139.76円と日通し高値を付けた。

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.0790ドルと日通し高値を付けたものの、一時は3.70%台まで低下した米10年債利回りが3.79%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、1.0743ドル付近まで下押しした。もっとも、今週予定されている欧州中央銀行(ECB)定例理事会やFOMCなど重要イベントを前に大きな方向感は出なかった。

 

NY原油先物市場は3営業日続落:需要緩和の思惑から売り強まる

NY原油先物市場は66.80ドルー70.33ドルのレンジ相場となった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の利上げが示唆されることへの警戒感もあり、景気を冷やしてエネルギー需要を弱めるとの思惑がくすぶっているもよう。先週末発表の5月中国生産者物価指数(PPI)が予想以上のマイナスとなったことが、同国の製造業部門の弱まりを示しており、エネルギー需要を弱めるとの見方も売りの一因とされている。アジア市場の序盤に70.33ドルまで買われたが、その後はさえない動きとなり、米国市場の中盤にかけて66.80ドルまで一段安となった。米国株高を意識して下げ渋ったが、需給緩和の思惑は消えていないため、通常取引終了後の時間外取引では67ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米金利上昇とドル高が重しに

NY金先物市場は1963.10‐1981.40ドルのレンジ相場となった。米金利上昇・ドル高が重しとなった。金利上昇は金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下を意識させた。ドル高はドル建て金価格の割高感につながり圧迫要因となった。ロンドン市場で1981.40ドルまで買われたが、ポジション調整的な売りが入ったことで米国市場の序盤にかけて1963.10ドルまで反落した。その後、1972.70ドルまで戻したが、米国株高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1971ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場:重要イベント控え様子見ムード

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)4.58%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいだった。米10年物国債利回りは前営業日比かわらず3.74%で終了した。13日の5月米消費者物価指数(CPI)や13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを前に大きな方向感は出なかった。

 

70%が「AI株はバブル」と答える:JPモルガンの顧客調査

JPモルガンが毎週行っている顧客調査によると、AI(人口知能)株がバブルにあると答えた比率は70%に上った。他の調査では、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを一時停止すると答えた比率は70%以上に上った。米連邦準備理事会(FRB)がQT(量的引き締め)を早期に終了しないと答えた比率は81%だった。「先週の株価上昇で株式に対してポジティブになったか」との質問に対しては、64%が「いいえ」と答えた。今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は51%と先週の26%から急増した。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の30~40パーセンタイルと答えた比率が25%と最も多く、50~60パーセンタイルの22%が続いた。

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2023/06/12/03:00:57

米国株式市場は続伸:米FOMC開催を控え方向感出ず

NYダウは43.17ドル高の33876.78ドル、ナスダックは20.62ポイント高の13259.14ポイントで取引を終了した。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え動きづらい展開となったが、寄り付き後はハイテク株の買いに支えられ、午前中は堅調に推移した。NYダウは前日まで3日続伸、利益確定の売りも出やすく一時マイナスに転じる場面があったがプラス圏を回復した。ナスダック指数は下げ幅を縮めるも好材料が出た銘柄を中心に買いが続いた。材料に乏しく、来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え動きづらい週となったが、主要株式指数は週を通じて小幅に上昇した。VIX指数は13.65から13.83へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米イベント控え様子見ムード

ドル/円は、『日銀は来週15-16日に開く金融政策決定会合で、大規模金融緩和策の維持を決める公算が大きい』との報道を手掛かりに円売り・ドル買いが進み、一時139.73円まで上昇した影響が残った。ただ、一目均衡表転換線が位置する139.69円がレジスタンスとして意識されると伸び悩む展開となり、139.03円付近まで下押しした。もっとも、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードは強く、大きな方向感は出なかった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が上昇した一方、独長期金利が低下したことでユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ユーロクロスの下落につれた売りも出て、一時1.0743ドルと日通し安値を更新した。市場では『欧州中央銀行(ECB)定例理事会やFOMCなど重要イベントを来週に控えた週末とあって、ポジション調整目的の売りが出やすかった』との指摘があった。

 

NY原油先物市場は続落:需要減少への思惑が残り売り優勢に

NY原油先物市場は70.10ドル‐71.77ドルのレンジ相場となった。米イランの核合意の噂が流れた水準まで戻す局面もあったが、本日発表された中国の経済指標が市場予想より弱い結果となったことが重しになり、続落して引けた。ユーロに対してドルが買われたことも、原油先物の上値を抑える要因になった。米国市場の前半にかけて71.77ドルまで買われたが、需要減少の思惑は消えていないため後半にかけて売りが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で70.10ドルまで下落し、その後も主に70ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は小反落:米長期金利の下げ渋りから売り優勢に

NY金先物市場は1971.00‐1987.80ドルのレンジ相場となった。週末を前に小幅な値動きだったが、カナダの雇用統計が市場予想を下回るとカナダ金利と米金利が低下し、金先物は一時上昇した。しかしながら、米金利は徐々に下げ幅を取り戻し、プラス圏を回復すると、ユーロに対してドル買いが進んだこともあり、金先物も上値が重くなり小幅に反落して引けた。米国市場の序盤に1987.80ドルまで買われたが、ポジション調整的な売りが入ったことで1971.00ドルまで下落した。その後、1983.20ドルまで戻したが、米長期金利が下げ渋ったことから買いは続かなかった。通常取引終了後の時間外取引では1975ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米重要イベント控えポジション調整の売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)4.60%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い3.74%で終了した。5月米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを来週に控えた週末とあって、ポジション調整目的の売りが出やすかった。

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2023/06/09/07:27:35

米国株式市場は上昇:米金融引き締め長期化への懸念和らぎ買い

NYダウは168.59ドル高の33833.61ドル、ナスダックは133.63ポイント高の13238.52ポイントで取引を終了した。朝方発表された経済指標が労働市場の軟化を示したことで、連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め長期化への懸念が和らぎ、寄り付き後は上昇した。新規失業保険申請件数が急増し、2021年10月以来の高水準となった。米長期金利が低下しハイテク株に買い戻しの動きが見られたほか、中小型株に買いが入り相場を支えた。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)や物価関連指標の発表を控え動きづらい展開が続いているが、主要株式指数は終日堅調に推移した。VIX指数は13.94から13.65へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り優勢に

ドル/円は、前週分の米新規失業保険申請件数が26.1万件と予想の23.5万件より弱い内容だったことが分かると、米金融引き締め長期化への懸念が和らぎ、米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、一時138.81円と日通し安値を更新した。その後の戻りも139.01円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、低調な米労働指標をきっかけに米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行した。そして、2日の高値1.0779ドルを上抜けて一時1.0787ドルまで上値を伸ばした。なお、欧州時間に発表された1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値は前期比▲0.1%と速報値から下方修正され、2四半期連続のマイナス成長となったが相場の反応は限られた。市場では『すでにドイツなどがGDPの下方修正を発表していたことで、ユーロ圏全体のマイナス成長もある程度想定されていたようだ』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反落:需要減少の可能性とドル安を嫌気した売り

NY原油先物市場は69.03ドル‐73.28ドルのレンジ相場となった。一部報道で米国とイランの間で暫定的に核合意が結ばれると報じられると、69.03ドルまで一時急落した。しかし、ホワイトハウスが『米国とイランが制裁緩和で合意に近づいているとの報道は誤り』との声明が発表されると、下げ幅を縮めた。需要減少の可能性は残されており、ロンドン市場で73.28ドルまで買われたものの、米国市場の中盤にかけて売りが強まり、一時70ドルを下回った。ただ、ドル安や株高を意識した買いが入ったことで一時71.65ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に71ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1955.20‐1985.70ドルのレンジ相場となった。前週分の米新規失業保険申請件数が2021年10月以来の水準まで悪化すると、米長期金利が低下に転じ、金先物は反発した。その後も米金利は低下傾向を辿り、米10年債利回りは昨日カナダ中銀が利上げを発表する前の水準まで戻したことで、金先物も上げ幅を広げた。米金利の低下が一服した後も、ドル安が多くの通貨で進んでいることで、ドルで取引される金先物は割安感が出たことも支えになった。アジア市場の序盤に1955.20ドルまで下落したが、米長期金利の伸び悩みやドル安を受けた買いが入ったことで米国市場の中盤にかけて1985.70ドルまで買われた。その後は、株高を意識した売りが観測されており、1976.80ドルまで下げており、通常取引終了後の時間外取引では1980ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:低調な米雇用指標を受け買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)4.53%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い3.72%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が低調だったことを受けて、米金融引き締め長期化への懸念が和らぐと債券買いが広がった。

 

ユーロ圏GDPはマイナス成長へ下方改定でテクニカルリセッション入り

8日に発表された1~3月期のユーロ圏の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%減と速報値の0.1%増から下方修正され、マイナス成長に落ち込んだ。市場予想のゼロ%も下回った。2022年10~12月期も横ばい(ゼロ%)から0.1%減へと下方修正された。2四半期連続のマイナス成長となり、機械的に景気後退とみなすテクニカルリセッションに入った。ドイツの低迷が主因で、ドイツのGDPは22年10~12月期が0.5%減、1~3月期も0.3%減と2四半期連続のマイナス成長でテクニカルリセッションに入った、値上がりが続く食料品や衣料品で買い控えた広がり、個人消費が冷え込んだ。

 

米失業保険申請が急増で21年10月以来の高水準:US Dashboard

8日に発表された5月28日~6月3日の週間の米新規失業保険申請件数は26万1000件と市場予想の24万件を上回り、2021年10月下旬以来の高水準となった。前週比で2万8000件増と大幅な伸びとなり、増加幅は約2年半ぶりの大きさだった。対象期間がメモリアルデーの祝日を含み、申請件数が祝日前後で不安定になる傾向がある。季節調整前の申請件数は21万9391件と前週比で1万535件増え、4週間移動平均でも23万7250件と前週比で7500件増えた。労働需給が緩和する方向にあるとの見方が強まった。増加している企業のレイオフ発表が実際の雇用削減につながってきたとの指摘もあった。5月21‐27日の週の総受給者数は175万7000人と前週比で3万7000人減った。

 

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