FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/05/02/07:16:42

米国株式市場は反落:金利高を嫌気した売り優勢に

NYダウは46.46ドル安の34051.70ドル、ナスダックは13.99ポイント安の12212.60ポイントで取引は終了した。連邦預金保険公社(FDIC)は経営難に陥っていた地銀ファースト・リパブリック(FRC)が破綻しJPモルガン銀(JPM)が買収で合意し、預金や支店業務を引き継ぐと発表したため金融混乱への懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。大手行の上昇がけん引し相場を一段と押し上げ、終日堅調に推移した。しかし、終盤にかけ、連邦準備制度理事会(FRB)が明日から2日間にわたり開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げがより確実となると、金利高を警戒し売りに転じ、主要株式指数はマイナス圏で終了した。VIX指数は15.78から16.08へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、欧州や英国市場が休場だったことから、しばらくは136円台後半でのもみ合いが続いていたが、4月米ISM製造業景気指数が47.1と予想の46.7を上回り、前月の46.3から改善したことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。200日移動平均線が位置する137.00円を上抜けると上昇に弾みが付き、一時137.54円と3月8日以来の高値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6064%前後まで上昇した。なお、市場では『日銀が前週末に大規模な金融緩和策の維持を決めたあとだけに、日米金利差拡大への思惑から円安・ドル高が進みやすい面もあった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米経済指標の上振れをきっかけに全般ドル買いが優勢になると、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.19まで上昇した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は74.53ドル‐76.69ドルのレンジ相場となった。金利引き上げが予想される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米金利上昇が景気を圧迫してエネルギー需要を抑制するとの見方が重しとなった。週末4月30日発表の4月中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が景況判断の分岐点50を4カ月ぶりに割り込んだことも、同国の旺盛なエネルギー需要が鈍化する可能性を意識させた。アジア市場の序盤で76.69ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて74.53ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に75ドル台で取引された。

 

NY金先物市場は反落:米ドル高と米金利高を嫌気した売り

NY金先物市場は1985.70₋2015.40ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが3.55%台、同2年債利回りは4.16%台とともに4月24日以来、1週間ぶりの水準へ上昇した。米金利上昇により、金利のつかない資産である金への投資妙味が相対的に低下した。米金利上昇を受けたドル高も、ドル建て金価格の割高感につながり圧迫要因となった。ロンドン市場の序盤にかけて1985.70ドルまで下落した後、米国市場の序盤にかけて2015.40ドルまで反発したが、ドル高や米長期金利の上昇を意識して買いは縮小。通常取引終了後の時間外取引で1988ドルまで反落した。

 

米国債券市場は急落:米FRBの利上げ長期化観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは急落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)4.13%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い3.57%で終了した。4月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が強まり債券売りが広がった。利回りは一時3.6064%前後まで上昇した。

 

Fedウオッチでは6月利上げ確率は3割強:US Dashbosrd

5月2~3日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが確実視されており、焦点は6月以降も利上げが続くかに移っている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』では、6月のFOMCで追加利上げはないとの見方が優勢である。ただ、0.25%の利上げを決める確率も31.5%へ上昇している。声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で、先行きの金融政策について、何らかの示唆があるか注目される。

 

イエレン米財務長官は6月1日にも債務不履行の可能性

イエレン米財務長官は1日、共和党が多数派の下院のマッカーシー議長らにあてた書簡で『6月上旬、早ければ1日にも政府資金が枯渇し、支払い義務を負えなくなる可能性がある』と説明した。米政府の債務不履行(デフォルト)を回避するために、改めて議会に債務上限の引き上げなどの対応を要請した。イエレン長官は1月13日付のマッカーシー議長への書簡で『6月上旬までに資金が枯渇する可能性が低い』としていた。政府債務は法廷上限に到達していたが、臨時措置を講じることで資金を捻出してきた。ただ、直近の税収などを加味した結果、資金枯渇の時期が早まる可能性が出てきたという。ただ、毎月の財政収支は変動しやすく、現時点の予想よりも数週間遅れる可能性もあるという。

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2023/05/01/03:00:33

米国株式市場は上昇:強い主要企業決算と米長期金利低下を好感

NYダウは272.00ドル高の34098.16ドル、ナスダックは84.35ポイント高の12226.58ポイントで取引を終了した。PCEコア価格や雇用コスト指数が根強いインフレを示唆したため金利高を警戒した売りに寄り付き後は下落した。同時に、消費が堅調でリセッション懸念が後退して上昇に転じた。また、経営難に見舞われている地銀のファースト・リパブリック(FRC)株は再び下落に転じたが、地銀セクターは全般的に強く金融システム全体への波及懸念も後退し相場を一段と押し上げた。強い主要企業決算や長期金利の低下で安心感が広がり終盤にかけて、上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は17.03から15.78へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FRBによる金融引き締めが長期化観測からドル買い

ドル/円は、日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策の維持を決定した。植田和男総裁が定例記者会見で『安定的・持続的な物価上昇の実現に向けて、もう少し辛抱して粘り強く、金融緩和を続けたい」との考えを示すと、円全面安の展開となった。NYの取引時間帯に入ると、3月米個人消費支出(PCE)デフレーターや1-3月期米雇用コスト指数が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり円売り・ドル買いが加速し、一時136.56円と3月10日以来の高値を更新した。その後の下押しも135.96円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値や4月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことでユーロ売り・ドル買いが先行した。米インフレ指標の上振れが伝わると一時1.0963ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。欧州の根強いインフレ懸念から、欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続を見込んだユーロ買い・ドル売りが入ったほか、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが入ると1.1045ドルと日通し高値を付けた。もっとも、引けにかけては1.1012ドル付近まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は続伸:過度なリスク回避の動き和らぎ買い優勢に

NY原油先物市場は73.93₋76.92ドルのレンジ相場となった。過度なリスク回避の動きが和らぎ、反落して始まった米株式市場がプラスに転じた。株の上昇も支えになり、原油先物は一時73.93ドルまで弱含んでいたが、急速に買い戻しが進み続伸して週を引けた。ロンドン市場で73.93ドルまで下落したが、まもなく反転し、米国市場の後半にかけて76.92ドルまで上げ幅を拡大。通常取引終了後の時間外取引では主に76ドル台で取引された。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米国株高が意識され上げ渋り

NY金先物市場は1984.40₋2004.10ドルのレンジ相場となった。米金利が低下していることもあり、金利のつかない金先物が強含む動きを見せる場面があった。しかしながら、米株が堅調地合いを維持していることもあり上昇幅は限られ、ほぼ横ばいで引けた。米国市場の序盤にかけて1984.40ドルまで下落した後、2004.10ドルまで反発したが、株高を意識した売りが増えたことで2000ドルを再び割り込み、通常取引終了後の時間外取引では主に1998ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:月絡みのポジション調整買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.00%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.43%で終了した。欧州債相場が上昇した流れを引き継いで米国債にも買いが先行した。市場では『月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれ、利回りは一時3.4201%前後まで低下した。

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2023/04/28/07:14:09

米国株式市場は上昇:金融システム不安受けた売りが後退

NYダウは524.29ドル高の33816.16ドル、ナスダックは287.89ポイント高の12142.24ポイントで取引が終了した。経営難に陥っている地銀のファースト・リパブリック(FRC)株が下げ止まったため、金融システム不安を受けた売りが後退し、寄り付き後は上昇した。さらに、ハイテクのメタ・プラットフォームズ(META)の良好な決算を好感した買いが相場を押し上げ、終日堅調に推移した。終盤にかけ、上げ幅を拡大し高値圏で終了した。VIX指数は18.84から17.03へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル下支え

ドル/円は、米商務省が発表した1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率1.1%増と予想の2.0%増を下回ったことが分かると一時133.24円と日通し安値を付けたものの、ドル売りでの反応は一時的だった。米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコアPCEが前期比年率4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったこともあり、そのあとは米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になり、134.20円と日通し高値を更新した。ただ、その後発表の3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が前月比5.2%低下と予想の0.5%上昇に反して低下したことが伝わるとドル買いの勢いは後退した。一目均衡表転換線が位置する134.08円を超えた水準では戻り売りなども出やすく、133.82円付近まで下押しした。市場では『明日の日銀金融政策決定会合の結果公表を前に、大きな方向感は出なかった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、前日に約1年1カ月ぶりの高値を付けたあとだけに利食い売りなどが出やすかったうえ、米インフレ指標の上振れでドル買いが進むと一時1.0992ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0968ドルがサポートとして働くと下げ渋った。米住宅指標が低調だったことも相場を下支えした。NY午後に入ると、徐々に値動きが鈍り1.1000ドルを挟んだもみ合いに終始した。市場では『明日28日のNYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるまとまった規模のオプションが1.1000ドルに観測されており、同水準を睨んだレンジ取引に収れんしやすい』との指摘もあった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:米株上昇を好感した買い

NY原油先物市場は74.03ドル‐75.28ドルのレンジ相場となった。米企業決算が市場予想より好結果だったことで、米株が上げ幅を広げて上昇した。昨日まで続く、金融システム不安に対しての経済停滞への不透明感が、一時的にではあれ一服となったことが原油先物を支えた。米国市場の前半にかけて自律反発狙いの買いが入ったことで75.28ドルまで戻したが、一時74.03ドルまで反落。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に74ドル台で取引された。

 

NY金先物市場は反発:ドル買いの勢いが弱まり買い戻しが優勢に

NY金先物市場は1982.00₋2013.30ドルのレンジ相場となった。1-3月期米コア個人消費(PCE)が市場予想より強い結果となったことで、米金利とドルが上昇した。金先物は、指標発表前は強含んでいたが、金利がつかず、ドルで取引されることで、割高感から指標発表後は売りに転じた。もっとも、引けにかけてはドル買いの勢いが弱まったこともあり、金先物は小幅に反発して引けた。米国市場の序盤にかけて2013.30ドルまで買われた後、一時1982.00ドルまで反落したが、後半にかけて2000.40ドルまで戻す場面がった。ただ、米長期金利の上昇や株高を意識した売りが増えたことで2000ドルを再び割り込み、通常取引終了後の時間外取引では主に1998ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米金融引き締めの長期化観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.12%高い(価格は下落)4.06%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.52%で終了した。米インフレ指標の上振れで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。7年債入札が『やや低調』と受け止められたことも相場の重しになった。

 

米住宅市場は在庫不足が制約に:US Dashbosrd

全米不動産協会(NAR)が27日発表した3月の仮契約住宅販売指数は前月比5.2%低下し78.9となった。低下は4カ月ぶりで市場予想82.3を下回った。同指数は売買契約は成立しているが引き渡しが完了していないものを月ごとに集計したもので、最終引き渡しが完了すると中古住宅販売件数に集計されるため、中古住宅販売件数の先行指標とされる。米国の中古住宅の市場規模は新築住宅に比べて大きく、住宅市場の状況を把握するうえで注目度が高い。NARは『住宅在庫の不足は、販売増加のいい気な制約となっている』と指摘した。『下半期の売上高は、雇用の増加が続き、より有利な住宅ローン金利が予想されるため、上半期よりもよくなる』と予想していた。

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2023/04/27/07:05:21

米国株式市場はまちまち:金融システムの混乱を警戒した売り

NYダウは228.96ドル安の33301.87ドル、ナスダックは55.19ポイント高の11854.35ポイントで取引は終了した。予想を上回ったハイテク決算を好感し寄り付き後は上昇した。その後、経営難に見舞われている地銀のファースト・リパブリック(FRC)の存続性が一段と危ぶまれ、金融システムの混乱を警戒し売りが加速し、NYダウが大幅下落に転じた。一方、一部ハイテク企業の良好な決算や利上げ観測の後退でナスダック総合指数はプラス圏を維持した。主要株式指数はまちまちで終了した。VIX指数は18.76から18.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い下支え

ドル/円は、米10年債利回りが3.43%台まで上昇したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行し、一時133.94円と日通し高値を付けた。ただ、『米政府は米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の救済について、現時点では消極的』との報道が伝わると、米金融システム不安再燃への警戒から一転売りが優勢になった。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、133.02円と日通し安値を更新した。節目の133.00円手前では買い戻しが入ったほか、米10年債利回りが3.45%台まで上昇したことを受けて133.88円付近まで持ち直す場面もあったが、日通し高値133.94円目前で失速した。『FRCは米連邦準備理事会(FRB)貸出へのアクセスを制限される可能性』との一部報道が伝わり、NYダウが290ドル超下落したことも相場の重しとなり、133.48円付近まで押し戻された。なお、市場では『明日の1-3月期米国内総生産(GDP)速報値や28日の3月米個人消費支出(PCE)などの米重要指標の発表を控えているほか、27-28日の日銀金融政策決定会合を前に、様子見ムードが強く神経質な動きとなった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の独仏消費者信頼感指数の上振れを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1095ドルと昨年3月31日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。米地銀の経営や米債務上限問題など米経済を巡る不透明感が強まっていることもドル売りを促した。ただ、買い一巡後は上値が重くなった。欧州株安やNYダウの失速でリスク回避のドル買いが入ったほか、米長期金利が上昇に転じたことが相場の重しとなり、1.1032ドル付近まで下押しした。

 

NY原油先物市場は続落:景気先行きへの不透明感から売り優勢に

NY原油先物市場は74.05ドル‐77.93ドルのレンジ相場となった。米地銀ファーストリパブリック銀行株が再び急落し、反発して始まったNYダウが一時290ドル超下落した。金融不安による景気先行きへの不透明感が高まり、原油先物は売りが優勢となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫では、原油在庫が大幅な減少となったことで一時買い戻しが入る場面もあったが、引けにかけては再び米株が弱含んだことで、原油先物も下げ幅を広げ続落して引けた。ロンドン市場の序盤にかけて77.93ドルまで買われたが、米国市場では将来的な需要減少を意識した売りが増えたことによって74.05ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に74ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3営業ぶりに反落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1993.70₋2020.20ドルのレンジ相場となった。米地銀ファーストリパブリック銀行株が再び急落したこともあり、反発して始まったダウ平均が下落した。リスク回避の動きが強まると、安全資産とされる金先物に買いが集まった。しかし、徐々に米国株が買い戻され、米金利も上昇に転じたことで、金先物は一転下げに転じ反落して引けた。米国市場の前半にかけて2020.20ドルまで買われたが、米長期金利の反転を意識した売りが増えたことで1993.70ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に2000ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:売買が交錯するも長期債に売り

米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.94%で終了した。また、長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)3.45%で終了した。米地銀の経営や米債務上限問題など米経済を巡る不透明感を背景に債券買いが入った半面、好調な企業決算を手掛かりに債券売りが出たため反落して引けた。

 

金融不安や債務不履行を警戒し米5月FOMCで利上げ見送りの思惑強まる

米国3月の経済指標は比較的堅調だったが、4月の経済指標は消費者信頼感指数をはじめ地区連銀製造業・非製造業など、景気の落ち込みを示している。加えて、地銀ファーストリパブリックが発表した1-3月期決算で、預金水準が前四半期に比べほぼ半減したことが明らかになり、同行の存続リスクが広がった。現状で、当局は介入する意向がないとの関係筋の話などから、金融システム不安が一段と強まった。金融混乱は景気へのさらなる打撃となる可能性もある。加えて、昨年の株式相場が冴えず資産売却益が減少、本年の歳入額が少なくなるためイエレン財務長官は連邦債務が早くて6月初旬にも上限に達すると言及した。議会、政府の交渉が暗礁に乗り上げ上限引き上げの様相が見られず、米国政府機関閉鎖のリスクも高まりつつある。4月の景気鈍化の兆候、金融不安、債務不履行がリスクとなり、短期金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)5月2日、3日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止確率が32%まで上昇した。

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2023/04/26/06:59:03

米国株式市場は下落:金融システム不安再燃で売り優勢に

NYダウは344.57ドル安の33530.83ドル、ナスダックは238.05ポイント安の11799.16ポイントで取引を終了した。主要ハイテク企業の決算発表を控えた警戒感に、寄り付き後は下落した。その後、4月消費者信頼感指数が予想を下回ったため景気減速懸念もさらなる売り圧力になった。午後に入り、地銀のファースト・リパブリック(FRC)が1000億ドルの資産売却を検討していると報じられると同行株が急落し相場の下落をけん引した。金融システム混乱懸念も再燃し、終盤にかけて下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は16.89から18.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の動きから全般円買い優勢に

ユーロ/円は、アジア市場では一時148.62円と2014年12月以来約8年4カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場に入ると軟調に推移した。米地銀の預金流出が相場の重しとなり、NYダウが一時350ドル超下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが優勢となり、一時146.29円と日通し安値を付けた。ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。

 

ドル/円は、4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。米国株の下落に伴うリスク回避の円買いも入り、133.37円と本日安値を付けた。ただ、対欧州・オセアニア通貨でドル買いが進んだ影響を受けたため、売り一巡後は下げ渋る展開になった。NY株引け後に発表されたマイクロソフトとアルファベットの決算が好感されて、時間外の株価指数先物が上昇したことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、欧州の銀行株が大幅に下落したことで投資家がリスク回避姿勢を強めると、ユーロ売り・ドル買いが進行した。米国株相場の下落もリスク回避のドル買いを促し、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:米国株安などを嫌気した売り

NY原油先物市場は76.50ドル‐79.07ドルのレンジ相場となった。米地銀ファーストリパブリック銀行株が急落するなど、金融システム不安による米国の景気先行き不安懸念が、リスク資産とされる原油先物の重しになった。もっとも、来週から始まる中国の大型連休などを控え、原油需要が再び高まる可能性もあり、下落局面では買い支えられる場面もあった。ロンドン市場の序盤にかけて79.07ドルまで買われたが、米国市場では株安を嫌気した売りが増えたことによって76.50ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利の低下と株安を受けた買い優勢

NY金先物市場は1986.20₋2014.50ドルのレンジ相場となった。昨日引け値水準で方向感なく上下を繰り返していたが、米金利の低下幅が広がると金先物は強含んだ。引けにかけては、米株式市場の下げ幅が拡大したこともあり、安全資産とされる金先物に買いが集まり続伸して引けた。米国市場の序盤にかけて1986.20ドルまで下落したが、米長期金利の低下や株安を意識した買いが増えた。米国市場の後半にかけて2014.50ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では主に2008ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動き強まり買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)3.97%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.40%で終了した。米地銀の預金流出が相場の重しなり、米国株が軟調に推移すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことも債券買いを誘った。

 

伊はジャンク級への格下げあり得る唯一の国:米ムーディーズ

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、同社が格付け対象とする国で投資適格級を失う顕著なリスクがあるのは唯一、イタリアだと指摘した。しかし、イタリアの格下げが起こる可能性について、ムーディーズは見解を示していない。

 

CTAは4月に株式ポジション強化も今後は反転と予想:UBS

UBSはCTA(商品投資顧問)のポジションニングについて同社のモデルを用いて分析した。24日付のリポートによれば、CTAは4月も引き続きエクイティ・ポジショニングを強化しており、「彼らは前回(2週間前)の高進以降、保有株式を2倍以上に増やし、300億から400億ドル相当のグローバル株を購入した」という。その一方で、「今後2週間で停止し、さらには反転を始める」と予想した。現在はクレジットと株式に強気、金利は中立、米ドルやエネルギーが弱気であることを示唆しているという。株式の中では日本株と欧州株に強気、アジア株に弱気との結果が示された。

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