FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/07/13/07:06:31

米国株式市場は続伸:米6月CPIの伸び鈍化を好感した買い優勢に

NYダウは86.01ドル高の34347.43ドル、ナスダックは158.27ポイント高の13918.96ポイントで取引を終了した。6月CPIの伸びが予想以上に鈍化したため買いが先行し、寄り付き後は上昇した。利上げ終了が近いとの見方も強まり長期金利の大幅低下に連れて、ハイテクも大きく買われた。終日堅調に推移したが、地区連銀経済報告で経済活動の拡大継続が明らかになると同時に、成長鈍化見通しを受けて景気減速懸念にNYダウは終盤にかけ上げ幅を縮小し終了した。VIX指数は14.84から13.54へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金利の低下とともにドル売り優勢に

ドル/円は、6月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年同月比3.0%と予想の前月比0.3%/前年同月比3.1%を下回ったことが伝わると、米金利の低下とともに全般ドル売りが進行した。米10年債利回りが3.84%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時138.16円と5月22日以来の安値を付けた。市場では『日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強く、円買い・ドル売りを誘った』との声も聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米CPIが予想以上に鈍化したことを受けて全般ドル売りが優勢となり、一時1.1140ドルと昨年3月以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.51と昨年4月以来の安値を記録した。

 

NY原油先物市場は続伸:ドル安と長期金利低下を好感した買い優勢に

NY原油先物市場は74.67ドルー76.15ドルのレンジ相場となった。6月米消費者物価指数(CPI)が想定以上に減速していたことを受けて、原油も含めたリスク資産に資金が向かいやすかった。また、米エネルギー省が公表した短期エネルギー見通しで、今年の米国内の原油生産量予測が下方修正されたことも買いの勢いを強めた。アジア市場で74.67ドルまで下落したが、米国市場ではドル安や米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで76.15ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では76ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:ドル安と長期金利低下を好感した買い優勢に

NY金先物市場は1937.50‐1965.10ドルのレンジ相場となった。序盤に発表された6月米消費者物価指数(CPI)が前回からの鈍化予想を更に下回ると、米金利低下とドル安が大きく進んだ。金利が付かず、またドル建ての金にとっては追い風となり、一気に上値を伸ばしてその後も底堅く推移した。アジア市場の序盤で1937.50ドルまで売られたが、ドル安進行や米長期金利の低下を受けて米国市場の終盤にかけて1965.10ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に1963ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米金融引き締めの長期化観測後退で買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.14%低い(価格は上昇)4.73%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%低い2.86%で終了した。6月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が後退し、債券買いが進んだ。

 

米CPIは12カ月連続で鈍化:US Dashboard

12日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と市場予想の3.1%上昇を下回り、12カ月連続で鈍化した。2021年3月以来約年ぶりの小幅な伸びとなった。9.1%上昇とおよそ40年ぶりの高水準を記録した22年6月からの鈍化傾向を維持し、この1年間のインフレ鈍化ペースが続くとすると、8月には米連邦準備理事会(FRB)が目標とする「2%」を割り込む可能性が出てきた。前月比でも0.2%上昇と市場予想0.3%上昇を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比4.8%上昇と市場予想5.0%上昇を下回った。21年10月以来の小幅な伸びだった。前月比でも0.2%上昇と市場予想0.3%上昇を下回り、21年8月以来の低い伸びだった。

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2023/07/12/07:20:53

米国株式市場は続伸:中国景気対策期待と米長期金利低下を好感した買い

NYダウは317.02ドル高の34261.42ドル、ナスダックは75.22ポイント高の13760.70ポイントで取引を終了した。中国政府が追加の景気対策を検討しているとの報道を受け、景気回復期待を受けた買いに、寄り付き後は上昇した。明日発表の消費者物価指数(CPI)の結果でインフレ改善を想定し金利が一段と低下したことも相場を支援し、終日堅調に推移した。ハイテクはナスダックが大型ハイテク株の影響力を制限するための行動の一環としてリバランスを実施し指数構成銘柄の再配分する計画を発表したことを受け買い控えも見られたが、主要株式指数は終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は15.07から14.84へ低下した。

 

NY外国為替市場:持ち高調整目的の円買い・ドル売り優勢に

ドル/円は、投機筋の円売り・ドル買いポジションが約5年半ぶりの高水準となる中、鈍化が見込まれている明日の6月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に持ち高調整目的の円買い・ドル売りが優勢となった。欧州時間には一時140.16円と6月16日以来の安値を付けた。米10年債利回りが上昇に転じたタイミングで一時140.96円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。米10年債利回りが再び低下すると一時140.30円付近まで押し戻された。

 

ユーロ/ドルは、アジア時間には1.1027ドルと5月8日以来約2カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場では上値の重さが目立った。欧州時間発表の7月独ZEW景況感調査(期待指数)が▲14.7と予想の▲10.5を下回ったことなどが相場の重しとなり、一時1.0977ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は大幅に反発:ドル安と米国株高を意識した買い優勢に

NY原油先物市場は72.98ドル‐74.96ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアとロシアが来月に供給削減の方針を示していることが依然として意識され、朝方から強含む展開になった。74ドル台に乗せるとテクニカル的な買いも誘発されて75ドル手前まで上値を伸ばし、そのままこの日の高値圏で引けた。ロンドン市場の序盤に72.98ドルまで下落したが、米国市場ではドル安や株高を意識した買いが入ったことで反発した。通常取引終了後の時間外取引で74.96ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1929.80‐1944.50ドルのレンジ相場となった。時間外から買い戻しが先行した。米長期金利の低下を受け、金利を生まない金の魅力が相対的に高まった。ニューヨーク勢の本格参入後は上げ幅を縮小するも、為替市場のドル安推移がドル建て金の支えとなった。米国市場の序盤にかけて1934.60ドルまで反落したが、長期金利の低下やドル安を受けた買いが入っており、1940.90ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1936ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:持ち高調整目的の買い優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.88%で終了した。また、長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.97%で終了した。明日12日発表の6月米消費者物価指数(CPI)の鈍化が見込まれる中、持ち高調整目的の買いが優勢となった。

 

日銀政策修正の有無が焦点に:US Dashboard

6月末に145円台をつけたドル円相場は140円台へ押し戻されている。背景には米利上げの織り込みに一服感が出ていることに加え、日銀の政策修正観測がくすぶっていることもある。たしかに日米金利差の拡大傾向には一服感が出ている。ただ、25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めるとみられている。会合までに、よほど大きな経済指標の下振れがなければ、米連邦準備理事会(FRB)がハト派的な姿勢を示すとは考えにくく、米長期金利の低下余地は限られる。焦点はイールドカーブ・コントロール(YCC)修正の有無に集まるYCCの修正の方法としては、大きく分けて「長期金利の上限(変動幅)拡大」や「ターゲット年限短期化」があるが、いずれのケースでも長期金利の変動幅は広がる。米長期金利との連動性は高まりやすくなり、日米金利差は拡大余地は縮小する。ただ、政策修正期待が高まっている分、修正が無かった場合の反動も大きくなりやすい。27~28日の金融政策決定会合前後では、外為市場など、様々な市場でボラティリティー(変動率)が高まりそうである。

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2023/07/11/07:07:12

米国株式市場は4日ぶりに反発:値ごろ感からの買戻しが中心

NYダウは209.52ドル高の33944.40ドル、ナスダックは24.76ポイント高の13685.48ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを警戒した売りが先行し、寄り付き後は下落した。その後、インフレの鈍化を期待し金利が低下したため、買いに転じた。NYダウは終日堅調に推移し、終盤にかけて上げ幅を拡大した。ハイテクは売り買い交錯しながらも底堅く推移し、主要株式指数はプラス圏を維持し終了した。市場では「目立った材料はないものの、値ごろ感の生じた銘柄などを中心に買い戻しの動きが広がった」との声が聞かれた。VIX指数は14.83から15.07へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下からドル売り優勢に

ドル/円は、一時は4.08%台まで上昇した米10年債利回りが3.98%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行した。前週末の安値142.07円や一目均衡表基準線が位置する141.92円を下抜けて一時141.28円まで値を下げた。NY連銀の最新調査で、1年後のインフレ期待が6月に3.8%と前回の4.1%から低下し、2021年4月以来の低水準を付けたことも相場の重しとなった。なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「高すぎるインフレを引き下げるために、年内あと2回の利上げが必要となる公算が大きい」との見解を示したほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレ率を下げるには追加の金融引き締めが必要」などと発言。また、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は「金利は適切な水準に近づいているものの、まだ幾分やるべきことがある」などと述べたものの、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、独長期金利が上昇した一方、米長期金利が低下したため、欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前週末の高値1.0973ドルを上抜けると、一時1.1001ドルと日通し高値を付けた。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:ポジション調整的な売りが優勢に

NY原油先物市場は72.67ドル‐74.115ドルのレンジ相場となった。先週後半に大きく値を上げた後なだけに、週明けは持ち高調整の売りに押された。また、世界第2位の経済大国である中国の景気回復ペースが鈍化し、エネルギー消費の落ち込み懸念が高まったことも相場の重しとなった。アジア時間に発表された6月中国卸売物価指数(PPI)は前年比5.4%減と2015年12月以来のマイナス幅を記録した。米国市場の中盤にかけて74.15ドルまで買われたが、ポジション調整的な売りが増えたことによって72.67ドルまで下げた。通常取引終了後の時間外取引では主に73ドルを挟んだ水準で推移し、やや下げ渋った。

 

NY金先物市場は小幅に反落:ドル安を意識して下げ渋る展開

NY金先物市場は1918.00‐1933.70ドルのレンジ相場となった。前週末に上げた反動で週明けは利益確定売りが先行した。もっとも、一巡後は下げ幅を縮小した。為替市場でドル安・ユーロ高がこの日も進み、ドル建て金の支えとなった。アジア市場の序盤で1933.70ドルまで買われたが、まもなく反落した。米国市場の中盤にかけて一時1918.00ドルまで下落した。ただ、長期金利の低下やドル安を受けて売りは一巡し、通常取引終了後の時間外取引では主に1931ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:ポジション調整目的の買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.12%低い(価格は上昇)4.84%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い4.00%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。市場では『12日の6月米消費者物価指数(CPI)の発表を前にポジション調整目的の買いが優勢となった』との声が聞かれた。

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2023/07/10/03:00:51

米国株式市場は3日続落:米追加利上げ観測は変わらず売り優勢に

NYダウは187.38ドル安の33734.88ドル、ナスダックは18.33ポイント安の13660.71ポイントで取引を終了した。7月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再開を警戒した売りが続き、寄り付き後下落した。6月雇用統計で雇用の伸びが予想以上に鈍化したため、ピーク金利に近づいたとの見方からいったん下げ止まった。さらに、金利先高観の後退で、ハイテクがけん引しいったんプラス圏を回復した。しかし、追加利上げ観測は変わらず、長期金利も上昇に転じたため終盤にかけて売りが再開して、NYダウは下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は15.44から14.83へ低下した。

 

NY外国為替市場:6月米雇用統計の結果を受けるとドル売り

ドル/円は、注目の6月米雇用統計の結果が強弱入り混じる内容だったことが分かると、当初は売りと買いが交錯したものの、そのあとは次第にドル売りが優勢となった。一時は4.0898%前後と昨年11月10日以来約8カ月ぶりの高水準を記録した米10年債利回りが低下に転じたり、米2年債利回りが節目の5%を下回ったりしたことも相場の重しとなり、一時142.07円と6月22日以来の安値を更新した。米10年債利回りは再び上昇に転じたものの、ドル円の戻りは非常に鈍かった。なお、米労働省が発表した6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比20.9万人増と予想の22.5万人増を下回ったほか、失業率が3.6%と前月の3.7%から低下し、予想と一致した。一方、平均時給は前月比0.4%/前年同月比4.4%と予想の前月比0.3%/前年同月比4.2%を上回った。市場ではこの結果について『今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けた米連邦準備理事会(FRB)の見通しを大きく変えるほど軟調ではなかった。ただ、来週12日の6月米消費者物価指数(CPI)次第とも言える』との指摘があった。

 

ユーロ/ドルは、しばらくは1.08ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計発表後に米金利が低下すると全般ドル売りが優勢となり、一時1.0973ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.23と6月22日以来の低水準を付けた。

 

NY原油先物市場は3日続伸:米戦略石油備蓄の補充目的の追加購入報道で買い

NY原油先物市場は71.19ドル‐73.92ドルのレンジ相場となった。やや売りが先行したが、6月米雇用統計の結果発表後にドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての原油に割安感が生じたことが支えとなった。また、有力産油国のサウジアラビアとロシアが価格押し上げに向け自主的な減産方針を表明していることが引き続き支援材料となっている。米国市場の序盤にかけて71.19ドルまで売られたが、米国政府が戦略石油備蓄を補充する目的で10月と11月に原油600万バレルを購入するとの発表を受けて買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で73.92ドルまで上昇した。ドル安も意識されたようだ。

 

米国債券市場はまちまち:米金融引き締めの長期化観測で売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)4.96%で終了した。また、長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.07%で終了した。6月米雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、平均時給が予想を上回った。米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり、債券売りが優勢となった。利回りは一時4.0898%前後と昨年11月10日以来約8カ月ぶりの高水準を付けた。

 

中国の金買い増しは6月で8カ月連続

中国が先月も金準備を増やした。8カ月連続での金準備増加となり、経済・地政学的なリスクの中で、中国はドル離れを進めているとみられる。7日発表の公式データによれば、中国人民銀行(中央銀行)保有する金地金は6月に68万トロイオンス増加した。これは23トンに相当する。総保有量は現在2330トン。昨年11月から続く人民銀の金買い増しは、2019年9月に終了した10カ月連続以来の長さ。先月までの8カ月間で計183トンほどが追加された。世界市場におけるドルの支配力を弱めたいとの思惑を抱く中国は、熱心な金の買い手となっている。中国の外貨準備高は6月末時点で3兆1930億ドル(約457兆円)と、前月末比で165億ドル増加した。

 

植田日銀総裁の資産公開

日銀は7日、新旧総裁の資産を公開した。植田和男総裁は4月9日の就任時点で投資信託「5千万円超1億円以下」、その他金融商品「2500万円超5千万円以下」を保有していた。4月8日に退任した黒田東彦前総裁は、公開の条件に該当する資産はなかった。日銀は役員を対象に、保有を禁止する未公開株のほか、在任中に売買できない投資信託などの保有状況を公開している。植田氏は未公開株や投資目的の不動産を保有していなかった。

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2023/07/07/07:06:40

米国株式市場は続落:良好な米経済指標受け金利先高観から売り優勢

NYダウは366.38ドル安の33922.26ドル、ナスダックは112.61ポイント安の13679.04ポイントで取引を終了した。民間部門のADP雇用統計が1年超ぶりの大幅な伸びとなり雇用加熱による利上げ再開を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後に発表された消費関連指標も予想を上回る強い結果を受けて金利先高観が一段の売り圧力となり下げ幅を拡大した。年内数回の利上げを織り込む動きに終日軟調に推移し戻り鈍く終了した。VIX指数は14.18から15.44へ上昇した。

 

米個人のMMF残高が2兆ドルを突破:待機資金は十分

米投資信託協会(ICI)が公表した5日時点の米MMF(マネー・マーケット・ファンド)の純資産残高は5兆4337億ドルだった。前週から437憶ドル増え、過去最高を更新した。内訳は、機関投資家が264億ドル増の3兆4576億ドル、個人投資家が172億ドル増の2兆170億ドルだった。個人のMMF残は初めて2兆ドルを超えた。4月19日時点で納税資金捻出のため37週ぶりに減ったが、以降は11週連続で増加している。足もとで米金利が再び上昇傾向にあることから、今後もMMFへの資金流入が続く可能性も考えられる。

 

米ADP雇用は大幅増:US Dashboard

6日に米民間雇用サービス会社(ADP)が発表した6月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比49万7000人増と市場予想の25万人増を大きく上回った。増加幅は5月の26万7000人増から大幅に拡大し、米連邦準備理事会(FRB)による累積的な金融引き締めにもかかわらず、米労働市場が堅調であることが示された。

 

NY外国為替市場:米金融引き締め長期化観測からドル買い戻し

ドル/円は、6月ADP全米雇用報告や6月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを長期化するとの観測が高まり、米長期金利が大幅に上昇した。全般ドル買いが優勢となり、一時144.65円付近まで値を上げた。米10年債利回りは一時4.0812%前後と3月2日以来約4カ月ぶりの高水準を記録した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値144.66円が目先レジスタンスとして働くと失速した。米国株相場の下落に伴うリスク回避の円買い・ドル売りも入り、一時143.96円付近まで下押しした。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するローガン米ダラス連銀総裁はこの日、『インフレ引き下げに向けて好調な経済を減速させるには、一段の利上げが必要』との見解を示した。

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米経済指標を受けて米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行し、一時1.0834ドルとアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。ただ、同水準の下抜けに失敗するとショートカバーが優勢になった。欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続観測も根強く、取引終了間際には1.0893ドル付近まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は横ばい:売買交錯で方向感出ず

NY原油先物市場は70.22ドル‐72.34ドルのレンジ相場となった。米経済指標の結果を受けて米引き締め長期化観測が高まり、米長期金利が上昇し、原油相場は売りに押された。ただ、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油・ガソリン在庫が予想以上に減少し、需給逼迫観測で買い戻しが入った。ロンドン市場で72.34ドルまで買われた後、株安や米長期金利の上昇を受けて米国市場の前半に70.22ドルまで反落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引では下げ渋り、主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米金利上昇を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1908.50‐1934.00ドルのレンジ相場となった。6月ADP全米雇用報告や6月米ISM非製造業景況指数が予想を上回り、米10年債利回りが3月2日以来の高い水準となる4.08%台まで上昇するなど米長期金利が大幅上昇し、金利を生まない金は売りに押された。また、為替市場でドルが買われ、ドル建ての金は割高観から売り圧力が強まった。米国市場の序盤にかけて1934.00ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を警戒して1908.50ドルまで反落した。その後、1921.10ドルまで戻したが、上値の重さは払しょくされず、通常取引終了後の時間外取引で1917ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米金融引き締めの長期化観測を嫌気した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.99%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い4.03%で終了した。予想を上回る米経済指標を受けて、米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まると売りが広がった。利回りは一時4.0812%前後と3月2日以来約4カ月ぶりの高水準を付けた。金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは一時5.1176%前後と2007年6月以来16年1カ月ぶりの高水準を記録した。

 

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