FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/07/20/07:07:48

米国株式市場は続伸:米長期金利低下でハイテク株が支えに

NYダウは109.28ドル高の35061.21ドル、ナスダックは4.38ポイント高の14358.02ポイントで取引を終了した。金融の好決算が続き、寄り付き後は上昇した。長期金利の低下がハイテクを支え、相場全体を押し上げた。さらに、良好な経済指標を受けてリセッション懸念が後退しつつあり投資家心理が改善したほか、今週発表が予定されている主要企業の好決算を期待した買いに終日堅調に推移しプラス圏を維持し終了した。VIX指数は13.30から13.76へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利がドルの重しに

ドル/円は、前日の植田和男日銀総裁の発言を受けて、日銀の大規模金融緩和策の修正観測が後退する中、一時139.99円と欧州時間に付けた日通し高値に面合わせした。ただ、節目の140.00円手前では上値が重くなった。米10年債利回りが3.73%台まで低下したことが相場の重しとなったほか、50日移動平均線の140.38円や12日の高値140.39円がレジスタンスとして意識された。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.1240ドルと日通し高値を付けたものの、前日に付けた約1年5カ月ぶりの高値1.1276ドルがレジスタンスとして働くと失速した。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が後退する中、24時前に一時1.1175ドルと日通し安値を更新した。市場では「今夏以降、ECBが利上げを一時停止する可能性が意識されている」との声が聞かれた。なお、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は「あと0.25%の利上げで十分」「インフレは低下しており、さらなる引き締めは経済に悪影響を与える可能性」などと述べた。

 

NY原油先物市場は反落:需給ひっ迫思惑後退で売り優勢に

NY原油先物市場は75.02ドル‐76.87ドルのレンジ相場となった。米金利が低下し、米国株が上げ幅を広げると、原油先物は買いが先行し一時77ドル手前まで上昇した。しかし、米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫、ガソリン在庫がともに減少幅が予想を下回ると、一転売られ上げ幅を削った。引けにかけては更に売りが優勢になり、小幅に反落して引けた。米国市場の前半にかけて76.87ドルまで買われたが、需給ひっ迫の思惑は後退し、通常取引終了後の時間外取引で一時75.02ドルまで反落した。

 

NY金先物市場は横ばい:米長期金利低下で買戻しも

NY金先物市場は1973.30‐1984.60ドルのレンジ相場となった。英国の消費者物価指数(CPI)が予想より下振れたこともあり、ドルが多くの通貨で堅調に推移し、ドルで取引される金先物は割高感から弱含む場面があった。しかし、米金利が低下したこともあり、一方的な動きにはならず前日比横ばいで引けた。アジア市場で1984.60ドルまで買われた後、米国市場の中盤にかけて1973.30ドルまで下落したが、米長期金利の低下を受けて下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1981ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:英インフレ指標の下振れを好感した買いも

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.77%で終了した。また、長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.75%で終了した。英インフレ指標の下振れで英国債相場が大幅に上昇すると、米国債にも買いが波及した。米金融引き締め長期化観測が後退していることも相場を下支えした。

 

スペイン総選挙では右派に政権交代か

スペイン議会総選挙の投票が23日に迫る。右傾化が進む欧州スペインも例外ではなく、政権が左派から右派に後退するとの見方が出る。同国のインフレ率が欧州中央銀行(ECB)の物価目標2%を下回るうえ、経済が比較的好調さを維持していることから、市場では今のところ政権交代を不安視する声は少ないが、ECBの利上げが及ぼす影響は無視できず中長期的なリスクはくすぶる。スペインでは、5っ月の統一地方選挙でサンチェス首相が率いる現在の与党・穏健左派の社会労働党(PSOE)が大敗した。責任を取る形でサンチェス首相は、23年末までに実施される総選挙を前倒しすると発表していた。

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2023/07/19/07:15:46

米国株式市場は続伸:良好な決算を材料に買い優勢に

NYダウは366.58ドル高の34951.93ドル、ナスダックは108.69ポイント高の14353.64ポイントで取引を終了した。6月小売売上高が予想を下回り景気減速懸念に寄り付き後、下落した。しかし、良好な決算を材料に主要銀行・金融セクターの上昇が全体指数を押し上げ、相場はプラス圏に回復した。さらに、予想を上回ったコア小売売上高で需要の強さを確認し一段高となった。金利の低下でハイテクもさらに買われ、終盤にかけて上げ幅を拡大して終了した。昨年4月20日以来約1年3カ月ぶりの高値となった。VIX指数は13.48から13.30へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:日銀によるYCC政策修正観測後退で円売り

ドル/円は、6月米小売売上高が予想より弱い結果だったことが伝わると、米金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行した。前日の安値138.00円を下抜けて、一時137.70円と日通し安値を更新した。ただ、137円台では押し目を拾いたい向きも多く下げ渋った。植田和男日銀総裁が20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で『持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある』などと発言すると、『日銀が今月の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を修正する』との観測が後退した。全般円売りが優勢となり、アジア時間の高値138.92円を上抜けて一時139.14円まで値を上げた。もっとも、前日の高値139.41円を上抜けることは出来ず、NY午後には138.76円付近まで下押しした。

 

ユーロ/ドルは、低調な米小売指標の結果が伝わると1.1269ドル付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。欧州時間に伝わったクノット・オランダ中銀総裁の『コアインフレは横ばい状態となったようだ』『(秋以降の利上げについて)あり得るが確実ではない』との発言を受けて、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が後退する中、一時1.1209ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反発:米国株高を意識した買い優勢に

NY原油先物市場は73.82ドルー5.90ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した8月のシェールオイル生産高が、昨年12月以来の低水準だったことが月報で伝わったこともあり、原油先物価格は買い戻しが優勢となった。また、6月の米小売売上高は市場予想から下振れしたものの、本日発表された米企業の四半期決算が好結果となり、株式市場が続伸していることも原油先物の買いを促した。ロンドン市場の序盤にかけて73.82ドルまで売られたが、米国株高を意識した買いが入ったことによって、一時75.90ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では75ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は195810‐1988.30ドルのレンジ相場となった。米中長期債利回りが引き続き低下傾向を辿っていることもあり、金先物は堅調地合いを維持し反発した。また、クノット・オランダ中銀総裁が、秋以降の利上げに慎重な姿勢を見せたことや、カナダの消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことも買いを促した。アジア市場で1958.10ドルまで売られたが、その後反転し、米国市場の中盤にかけて1988.30ドルまで上昇した。ただ、その後は株高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1981ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米経済指標の悪化を受け長期債に買い

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.76%で終了した。また、米長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.78%で終了した。6月米小売売上高や6月米鉱工業生産指数が予想を下回ったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの観測が後退すると債券買いが優勢となった。

 

米鉱工業生産指数は2カ月連続で低下:US Dashboard

18日に発表された6月の米鉱工業生産指数は前月比0.5%低下した。低下は2カ月連続で市場予想の横ばいを下回った。鉱業生産は0.2%、製造業の生産指数は0.3%低下した。設備稼働率は前月の79.4%から78.9%に低下した。同指数は米国の製造業、鉱業部門における生産動向を表している。設備稼働率は、生産能力に対する実際の生産量の比率で、設備投資の先行指数になる。米国のモノに対する需要の低さが示される結果となった。

 

米住宅市場指数は13カ月ぶりの高水準:US Dashboard

全米住宅建設業協会(NAHB)が18日発表した7月の住宅市場指数は56と、6月の55から上昇した。上昇は7カ月連続で、2022年6月以来13カ月ぶりの高水準となり、市場予想と一致した。同指数は、住宅建設業者などNAHB会員を対象に今後6カ月間の住宅の販売活動の見通しなどを聞いて指数化したもので、50を上回ると新築住宅市場を『好調』、下回ると『不調』と見ていることを示す。NAHBの担当者は『在庫不足は多くの新築住宅を探していることを意味する』と指摘。『建設業者は不況について慎重かつ楽観的な見方を続けているが、先月の住宅ローン金利の0.25%上昇は、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めサイクルの終わりに近づくにつれて市場が経験するであろう、停止と開始のプロセスをはっきりと思い出させる』と述べていた。

 

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2023/07/18/07:09:03

米国株式市場は上昇:イエレン財務長官が国内景気に楽観的な見解を好感

NYダウは76.32ドル高の34585.35ドル、ナスダックは131.25ポイント高の14244.95ポイントで取引を終了した。予想を下回った中国の国内総生産(GDP)や小売売上高が国内景気減速懸念につながり寄り付き後は下落した。しかし、イエレン財務長官が国内経済への影響は少なく、景気後退を回避すると楽観的な見解を再表明したため警戒感が後退して上昇に転じた。金利低下でハイテクは引き続き買われ、相場全体を押し上げた。終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は13.34から13.48へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の低下でドルの上値重い展開

ドル/円は、7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が1.1と予想の▲3.4に反してプラスになったことが分かると円売り・ドル買いが先行した。イエレン米財務長官が「米国のリセッションは想定していない」「米景気は減速したが、労働市場は非常に力強い」などと述べたことも相場の支援材料となり、前週末の高値139.16円を上抜けて一時139.41円まで値を上げた。ただ、139円台では戻りを売りたい向きも多く、上値は限定的だった。日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強く、138.61円付近まで押し戻された。

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米経済指標を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢になると、前週末の安値1.1204ドルに面合わせした。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.12ドル台半ばまで持ち直している。米長期金利の低下なども相場を下支えした。欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続観測も根強い。

 

NY原油先物市場は続落:中国経済の減速懸念で相場の重し

NY原油先物市場は73.84ドル‐76.09ドルのレンジ相場となった。中国の4-6月期国内総生産(GDP)が市場予想を下回る結果となったことで、原油需要の減退が懸念され上値が重く続落した。一時、「サウジアラビアが自主減産を延長する」との報道が流れると、76ドル台に急反発する場面もあったが、すぐにこの報道が撤回されると、上昇幅をすべて吐き出した。ロンドン市場の序盤にかけて76.09ドルまで買われた後、一時73.84ドルまで反落した。中国経済の減速が警戒されたようだ。ただ、売り一巡後は75.13ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引で主に74ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利が低下すると買戻しも

NY金先物市場は1949.00‐1963.60ドルのレンジ相場となった。7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことが伝わると、米中長期金利が前営業日比より上昇し、金先物価格は一時大幅に売られる場面があったが、その後は徐々に下げ幅を縮めた。ロンドン市場で1963.60ドルまで買われたが、米国市場の序盤にかけて1949.00ドルまで反落した。ただ、その後は米長期金利の伸び悩みを受けてやや値を戻し、通常取引終了後の時間外取引で1960.20ドルまで反発した。

 

米国債券市場は反発:米FRBの利上げが長引くとの観測後退継続で買い

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.73%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い3.81%で終了した。前週発表の米インフレ指標の下振れを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの観測が後退する中、この日も債券買いが続いた。ただ、良好な米経済指標を受けて売りが強まる場面もあった。

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2023/07/17/03:00:43

米国株式市場はまちまち:期待インフレ率上昇で上値重くなる

NYダウは113.89ドル高の34509.03ドル、ナスダックは24.87ポイント安の14113.70ポイントで取引を終了した。主要金融の予想を上回った決算を好感した買いに、寄り付き後は上昇した。その後、7月のミシガン大消費者信頼感指数や同指数の期待インフレ率の上昇で追加利上げ観測が再燃したため上げ幅を縮小した。同時に、ソフトランディング期待も強まり再び買われNYダウは終日堅調に推移した。一方で、ナスダックは長期金利の上昇を嫌気し終盤にかけ下落に転じ、まちまちで終了した。VIX指数は13.61から13.34へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:反動からのドル買戻しが優勢に

ドル/円は、アジア時間に一時137.25円と約2カ月ぶりの安値を付けた反動で買い戻しが優勢となった。7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が72.6と予想の65.5を上回ったほか、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったこともドル買いを促し、一時139.16円と日通し高値を更新した。ただ、139円台では戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。今週発表の米インフレ指標の下振れを受けて、米金融引き締め長期化観測が一段と後退する中、ドルの戻りは鈍かった。日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強い。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.12ドル台前半から半ばでの狭いレンジ取引に終始した。NY時間の安値は1.1210ドル、高値は1.1244ドルで値幅は0.0034ドル程度だった。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:利益確定売りが上値の重し

NY原油先物市場は75.11ドル‐77.30ドルのレンジ相場となった。昨日までの3日続伸で終値ベースでは4ドル近く上げていたこともあり、週末を控えて利益確定の売りが優勢となった。リビアの油田閉鎖は続いているようだが、市場は昨日の買いで供給懸念について一先ず織り込んだ。アジア市場の序盤に77.30ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで伸び悩み、米国市場の中盤にかけて75.11ドルまで売られた。ただ、売り一巡後は75.94ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引で主に75ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:ドルがユーロで売られると買戻し

NY金先物市場は1954.70‐1967.80ドルのレンジ相場となった。7月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が予想より強いことがわかると売り戻しが入り、1955ドルを割り込む場面があった。もっとも為替相場でドルが対ユーロで再び売られ、割安感が生じたドル建て金に買いが入りプラス圏まで切り返した。アジア市場で1967.80ドルまで買われたが、米長期金利の反発を受けて1954.70ドルまで下げた。ただ、年内2回の追加利上げ観測は後退しており、ドル上昇は一服したことから、通常取引終了後の時間外取引では主に1960ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:ポジション調整目的の売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)4.74%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.83%で終了した。前日まで4日続伸した反動でポジション調整目的の売りが優勢となった。7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を上回ったことも相場の重し。

 

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2023/07/14/07:07:09

米国株式市場は4日続伸:米金利ピークの思惑に買い継続

NYダウは47.71ドル高の34395.14ドル、ナスダックは219.61ポイント高の14138.57ポイント取引を終了した。6月生産者物価指数(PPI)がインフレ改善を示す新たな証拠となり、金利ピークの思惑に買いが継続し、寄り付き後は上昇した。金利の低下やドル安が企業の収益改善につながるとの期待も強まり相場をさらに押し上げた。その後も、金利先高観の後退に連れたハイテクの上昇がけん引し、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は13.54から13.61へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米値上げ長期化観測が後退してドル売り優勢に

ドル/円は、前週分の新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時138.95円と日通し高値を付けた。ただ、同時に発表された6月米卸売物価指数(PPI)が前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、予想より弱い内容だったことが分かると米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化観測が後退し、一転円買い・ドル売りが優勢になった。米10年債利回りが3.75%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時137.92円と5月22日以来の安値を更新した。市場では「FRBでタカ派として知られるブラード米セントルイス連銀総裁が本日付で辞任したこともドル売りを誘った」との声も聞かれた。なお、ブラード氏は8月14日までは顧問として残るものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を巡る役割やその他の関連職務からは身を引き、講演などもすべて中止したという。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が根強い一方、米インフレ指標の鈍化でFRBの利上げ長期化観測は一段と後退した。欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1228ドルと昨年3月以来1年4カ月ぶりの高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.74と昨年4月以来1年3カ月ぶりの安値を記録した。

 

NY原油先物市場は3日続伸:ドル安や米長期金利低下を好感した買い

NY原油先物市場は75.32ドル‐77.33ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるリビアの一部油田が抗議活動により閉鎖されたと伝わると徐々に買いが強まった。その後、同国最大のシャララ油田も停止されたと一部で報じられ、供給懸念の高まりにより上値を試す展開になった。引け後には77ドル台に乗せている。米国市場の前半に75.32ドルまで売られたが、ドル安や米長期金利の低下を意識した買いが増えたことで反転し、通常取引終了後の時間外取引で77.33ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は小幅に続伸:ドル安や米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1956.60‐1968.50ドルのレンジ相場となった。前週分の新規失業保険申請件数が予想より強かったことで安全資産とされる金に売り戻しもでたが、6月米卸売物価指数(PPI)の下振れを受けた金利低下が支えとなった。為替相場でドル安が進行したことも、ドル建て金に割安感が生じて買いに繋がった。米国市場の序盤にかけて1968.50ドルまで買われた後、一時1956.60ドルまで売られた。しかし、ドル安進行や米長期金利の低下を意識した買いが観測されており、下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に1965ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米金融引き締め長期化観測後退を好感した買い

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)4.64%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い3.76%で終了した。前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の6月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、米金融引き締め長期化観測が一段と後退し債券買いが広がった。

 

タカ派のブラード総裁が退任

セントルイス連銀が13日、ブラード総裁が同日付で退任したと発表した。8月14日まで顧問として残るが、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定に関与せず発言も控えるという。タカ派の地区連銀総裁として米連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線を先導してきた62歳のブラード氏だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版によればブラード氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たないため、25~26日のFOMCには参加しない。セントルイス連銀の第一副総裁兼運営責任者であるキャスリーン・オニール・べーズ氏が臨時総裁に就任したという。米経済専門チャンネルのCNBCによれば、後任はセントルイス地区連銀がエグゼクティブ・サーチ会社を雇って選ぶ見通しだとのこと。一方、過去にホワイトハウスはブラード氏をFRB理事の空席に指名することを検討していた経緯があった。ブラード氏は最終的にこの役職には興味を示さず、代わりにホワイトハウスはセントルイス連銀の調査部長クリストファー・ウィーラー氏を指名し、同氏は2020年に理事に承認された。

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