★欧州市場朝方の取引では、前日NY市場の流れを受け継いで、ドル高の流れが進展した。ただ、ドル/円の上昇幅は相対的に限定された。欧州市場では、113円付近でのもみ合いが続いた。なお、欧州主要株価指数は概ね堅調推移となった。
中国商務省が米国政府による鉄やアルミに対する関税に対抗する報復措置として、対米商品に一段の措置を講じる必要があると指摘したため、貿易摩擦への警戒感が再燃しドル売りが強まった。
米6月住宅着工件数が年率117.3万件(前月比-12.3%)となり、市場予想の年率132万件(前月比-2.2%)を下回った。また米6月建設許可件数は年率127.3万件(前月比-2.2%)となり、市場予想の年率133万件(前月比+2.2%)を下回った。為替の反応は限定的だったがドルの上値の重石になった。
その後は、新規材料難の中112.80円を挟んでもみ合い相場が続いた。米地区連語ン経済報告(ベージュブック)が公表されが、市場の反応は限定的だった。
★ベージュブックのポイント
・全米12地区のうち10地区が緩慢または緩やかなペースでの成長を指摘
・労働者が見つからず、多くの地区で成長が抑制
・多くの地区で関税が混乱をもたらし、価格の上昇につながった
・全米の製造業は関税に関する懸念を表明
・関税は物価の上昇や供給の混乱につなる
・一部地区でインフレの上昇が指摘
★欧米市場のポイント
・112.70-113.10円のレンジ相場
・米中貿易摩擦への警戒感が再燃
・住宅指標が予想を大きく下回る結果
・ドル/円は112.80円を挟んで底堅い展開
・ベージュブックの影響は限定的
★ドル/円の一目均衡表日足では、ロウソク足が転換線5日(茶線)112.50円や転換線9日(赤線)111.73円を上抜けしている。また、ロウソク足は基準線(青線)の上にあり、相場の方向性を示す基準線が上向きとなっていることから、円安方向へ向かっていることを示している。
26期間先の先行スパン1が先行スパン2を上回っており、両線とも緩やかに上昇基調にあることから、徐々に中心値を切り上げていることを示している。
遅行線(緑線)も上向きとなっており、ロウソク足の終値が徐々に切りあがっていることを示している。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は%K:92.91、%D:90.22とやや買われ過ぎ過熱感が出ていることから短期的な調整があっても不思議ではない。
短期的な調整があった場合は、基準線が上向きとなっていることから、転換線9日までの調整が限界となり、押し目買い狙いとされている。
欧米市場で200週線の113.26円を上抜け出来るかが本日の焦点となる。
★NYダウは、今年の1月26日の年初来高値26,616.71ドルからの下落率がキーポイントとなっている。下落率5%の25,285.87ドルをブルーラインと呼び、10%下落率の23,955.04ドルをレッドラインと呼ぶ。
ブルーラインを超えてくるとトランプ大統領からの過激な言動が発せられ、リスク回避よる株価下落となっている。一方で、レッドラインの下落率10%を下抜けてくると、トランプ政権内から株価へのフォロー発言がでて大陽線でレッドラインを超える展開が続いている。下落時では勢いがあり、12%の23,422.70ドル近辺まで下落するも、それ以上の下落は抑えられている。
誰よりもトランプ政権が株価の動向を注視している展開となっている。それは、もともとトランプ大統領の支持層が50、60代の白人や退役軍人が多く、年金生活が支持層の要となっていることが起因している。そのため、株価の下落によって支持層の年金に打撃を与えてしまうと、トランプ大統領が米中間選挙のために実施している保護貿易や関税賦課などが全て本末転倒の結果となってしまう。トランプ政権とすれば、株価の過熱感から暴落的な値動きも怖い。そのために、上げ下げを繰り返しながらトランプ政権による選挙時の公約を粛々と進めている。この方法ならば、株価への過熱感が出ない一方で、戻り基調では公約を実施するタイミングを図れる。
6月28日を底値として戻り基調となり、ブルーラインに近づいてきたことから、再び過激な貿易交渉に移れるとともに、イランや北朝鮮などへの圧力もかけやすくなる。このレンジ相場は中間選挙が終了するまで継続する可能性が高い。ブルーラインを超えるような上昇基調になったら注意が必要となる。
★ドル/円に週足では、52週線(緑線)110.19円を上抜け、上値トライとなっている。ただ、200週線(紫線)113.26円がレジスタンスとして意識されやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%K:91.92、%D: 88.27と買われ過ぎ過熱感が強まっている。
そのため、200週線を上抜けるには強いドル買いの材料が必要となりそうだ。
前日欧米市場では113.00円を目前にして上抜け出来ないでいたが、アジア市場早々に上抜けしたことは大きな意味がある。
200週線を上抜け出来ると114円半ばまでレジスタンスとなる抵抗帯がないことから、円安進行が早まる可能性もある。
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